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政府委員(
竹岡勝美君)
先生の御
指摘のございました
植物人間というのは、まことに悲惨な
状況でございます。御
指摘のとおり、
厚生省の調べによりますと、大体二千名ぐらいおられる。そのうち、まあ詳細には
交通事故で何名かということははっきりしていないようでございますが、大体七割という
先生の御
指摘ももっともだろうと思います。現在、資料といたしましては、
運輸省が単
年度ごとに
自賠責で
後遺災害にかかった方に金を出しておりますが、その中の最もひどいいわゆる一級、一級のうちでも「精神に著しい
障害を残し、常に
介護を要するもの」というのがあるいはこれに当たるのじゃないかと思いますが、その
数字が、たとえば四十八年に四百一名という
数字が出ております。この
自賠責の方の
数字が出ておりますが、詳細な
調査をした
交通事故による
植物人間になられた方の
数字はまだ手元に持っておりません。今後十分そういう面の
調査をしたいと思いますが、そして、御
承知のとおり、
交通事故の
被害者として
植物人間になられた方、こういう方に対します
補償というものは、当然に
原因者負担で
補償されるのが原則だろうと思います。また、それの
担保といたしまして
自賠責保険なりあるいは
任意の
交通災害保険などもあるわけでございますけれども、
植物人間になられた方には、これの
治療費並びに
介護費が非常に高額なものになりますので、当然
加害者本人だけでは十分に
補償し切れない大きな問題がございます。現在、
運輸省でも、この七月一日から
自賠責の
最高額——植物人間になられましたら
最高額が出ると思いますが、これを従来の一千万円から千五百万円に上げるということも、あるいはこれに若干でも役立つのではなかろうかと思います。また、一方、
交通事故で脳をやられまして
植物人間になられるわけでございますから、こういう悲惨な
脳損傷の
交通事故を少しでも減らすために、現在、
警察庁でもあるいは二輪車のヘルメットをかぶる
運動、あるいは
総理府でもこの八月一日からシートベルトをつける
運動を展開したいということで、この悲惨な
事故を防止するための一助といたしたいと考えております。そして、この
植物人間になられた
方々の一般の
医療体制は、単に
交通事故だけではなく、あるいは
災害によりまして病気になられた
方々、こういう
方々に対します一般的な
医療対策の一環として
政府もさらに厚く講ずるよう考えていかなければならないと思います。また、医療的には
高額家族の
療養費等の
制度もとられておるようでございますが、今後
交通事故に起こりました
植物人間になられた
方々の
実態等につきましては、
関係省庁と十分さらに詰めまして、もう少し手厚くできる問題があるのかどうか、この点につきましては勉強していきたいと思います。