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上田耕一郎君 私はやっぱり
大臣の言い方の方が率直で、事実に合っているのだろうと思うのですね。まずとにかく
住宅を四十キロ圏から五十キロ圏のところに大団地として、ニュータウンとして、ベッドタウンとしてつくるというのが第一義的だと、そう
大臣は言われた。私はこの法案というのは、そういうものだろうと思う。
計画局長はそこを少しいろいろな議論をつけていらっしゃるけれ
ども、実際には大
住宅団地をつくると、これにはいままで私が言ったような問題があるのですけれ
ども、そこで問題が起きるのです。結局、
都市政策としての問題点では、これは
検討が十分されていない。むしろ私は巨
大都市の
東京の
都市問題の激化にこれは役立つことになる、そう思うのです。確かに四十キロ圏、五十キロ圏のところに
住宅をおつくりになる、鉄道を敷かれる。しかし、これはちょっと
考えてごらんなさい。きょう私は鉄道問題については余り言いませんけれ
ども、最寄り駅まで敷くというのでしょう。最寄り駅というのは大体本線ですよ、私鉄にしろ、国鉄にしろ。しかし、常磐線
考えてみても、総武線
考えてみても、中央線
考えてみても、あるいは小田急、東武、どこでも、そういう本線、都心に集中してくるところに十万、二十万の
都市をつくって、そこから線路引っ張ってつなげてごらんなさい、ラッシュはもっと物すごくなります。これは本線をもっと複々線化するとかいろいろの手を打たない限り、そういう十万、二十万の
都市ができて、どんどん引っ張ってごらんなさい、これは本線は完全にパンクです。
そうすると、
東京の
都市問題というのは、いま確かに三十キロ圏、四十キロ圏がスプロール化していると、だから今度は四十キロ圏、五十キロ圏に大団地をつくろうということでは
東京の
都市問題は
解決できないのです。むしろこの巨
大都市東京が四十キロから五十キロに広がろうとしているとき、その四十キロ、五十キロまでのところに広がるのをどう食いとめるかという、人口、
産業の過密問題をどう
解決するかという根本問題なしに
東京の
都市問題
解決できないです。ところが
大臣は、そこまでわしは
考えていないと、とにかく
住宅つくるのが第一義だと言って、四十キロ、五十キロのところにつくるわけですね。そこで鉄道を最寄り駅まで引っ張って、これは大変なことになる。鉄道を引っ張ったところは市街化区域になってもっと開発も進む。そうすれば、巨
大都市東京のまあ水の問題もあります。鉄道の問題もあります。人口問題、ラッシュの問題、こういう問題が絶対
解決しない。むしろ巨
大都市東京の過密
状況が広がることをねらったわけじゃないけれ
ども、そういう結果をもたらす法案にならざるを得ないだろうと私は思うんですね。もちろんこれで
東京の
都市問題完全に
解決するなどとはあなた方おっしゃらないでしょうけれ
ども、しかし、
解決するというそういうことよりも、第一義的には
住宅問題だということによって
都市問題激化させているという法案だと思うんですね。
そうすると、今度の法案は私は、最初に
住宅政策としても、
都市政策としても
国土政策としても、三つの柱で科学的、全面的に
検討することが大事だと、それがこの法案に向けられている新聞その他あるいは
国民の世論、
住宅に困っている
人たちに対して、国会がこの法案を
責任を持って審議する際に、われわれはこういうところに問題があると提起した。ところが、
政府側はそれに対してこうこたえたと。そうすれば、われわれだってただ反対するのが
目的じゃない、わかればわれわれも賛成すると、あるいは修正するということになる。しかし、いままでの審議の過程で出てきた問題は、そういう根本問題が
検討されてないということですよ。法案上になくても、いろいろ聞くと、構想も出てこない、
大臣と
局長の言い分も違うということですよ。それで、
住宅問題第一義で、
都市政策、
国土政策の面での
検討はまだまだ、第二義、第三義、今後だ。そうすると鉄道ラッシュなんか大問題になるということについて、じゃあどう
考えるかというと、それは今後のことになるというわけですね。非常に過渡的な、その過渡的なやり方が実は問題をもっと激化させるようなそういう法案だと。そう私は、いままでの審議であなた方が言われることをただ曲げてとるんじゃなくて、率直にとってそういう大きな重大な疑問を感ぜざるを得ません。
最後に私は、五番目に
住宅公団との問題、これをお
伺いしたいと思います。これはこれまでもやっぱりこの
住宅公団となぜ別個に
公団を新設するかということについては多くの論議が行われました。それから
住宅公団の労働組合の
方々もこの問題については非常に強い反対をなされて、私も
公団の労働組合の
方々とも話し合いましたし、
住宅公団の側の
方々とも話し合いもいたしました。それで、いままでの審議の過程で
政府側から出された見解を読んで、私は残念ながらやっぱり納得するに足る答弁を発見することができませんでした。で、この
委員会でも
前回の
委員会で、たとえば
住宅公団は七十万戸の管理を行っている、年間六万戸を建てるノルマがあると、もう
能力はいっぱいだということが出されたし、それから
道路公団のときに高速
道路公団をつくった例もあるということで、新しい
公団をつくる理由として述べられましたけれ
ども、ある人員とある機能を持っていていまもういっぱいだというのはどこでもあたりまえなんですね。いまの人員といまの機能でまだまだ余力がいっぱいありますというのは、よほどサボっているか仕事してない機構なんですよ。それで、ある機構とある人員を持っていて目いっぱい仕事していると。ところが、ある仕事を新しくやらなきゃならなくなったら新しい部門をつくり新しい権能を与える、それでやっていくのが生きた組織だと思うんですね。われわれ政党だってそういう活動やっていますよ。共産党員が
能力目いっぱいだからもう
一つ別の共産党をつくろうなんというんじゃ政党できないし、大体会社でもそうだと思うんですね。それから
政府機構だってそうですよ。三木内閣じゃもう何もできない、目いっぱいだと、ひとつ別のなんというふうにいかないわけで、だから新しい仕事が必要になったから別個の組織をつくらなきゃならぬというのは、これは論拠にならない。小さ過ぎるからもっと大きなものをつくらなきゃならぬ、これは論拠にならない。
そうしますと、私は、私の質問の第一に指摘しましたように、
住宅公団法にあった、
住宅に困窮している勤労者のためにという
目的を取り去って、
持ち家主義を持ち込んできた新しい
公団、これをやっぱりつくろうとするのがひとつ非常に重大な逆行的
目的ですね。これが
一つ、私としてはこういうところに理由があるのではないか。私はその
実態とそれから法文上から、これはなるほどそういう意図があるということが
一つ私はわかったわけです。これは私は行うべきことではない。これは新しい
公団を設立する合理的な理由にはならない。むしろ新しい
公団を設立すべきでない。
住宅に困窮する勤労者のためにという
目的をちゃんとうたった
住宅公団に
宅地の開発、新しい市街地の開発、これをやっぱり勤労者のための仕事をさせるべきだと、そういうふうに思います。
それから二番目に、私は非常にこれは重大な問題だと思いますけれ
ども、
建設省の
方々には耳の痛いことになると思いますが、天下り問題ということが
一つあるのではないかと、そう思います。これは政労協から天下り白書というのが、六回目のものがことしの三月に発表され、新聞にも非常に大きく出ました。それから国会でも問題になった持参金つきの
建設省の天下り問題というのも議論になった。天下り官僚のリストを見ますと、
建設省は大体この数年、一位から二位、三位を上下しているということでもあります。
一つ質問がありますが、
建設省は各局が主務官庁となったいろいろな特殊法人を持っております。
住宅局は金融公庫、それから
住宅公団、これの主務官庁であります。
都市局は首都高速
道路公団、阪神高速
道路公団、これを主務官庁として持っております。
道路局は日本
道路公団と本四架橋
公団を主務官庁として持っている。河川局は
水資源開発
公団、これをお持ちになっている。ところが、
計画局だけは残念ながらないという事実があるわけで、なるほどこれはひとつ積極的な論拠になるであろうということが指摘されているのも無理からぬことがあるということがあるんですけれ
ども、この点はいかがでしょうか。