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参考人(南部哲也君) 大
規模の
宅地の
造成につきましては、実はあらゆる面の
計画の整合性ということが一番根本になるわけでございます。いまお話のありましたように、まずわれわれといたしましては、その団地の所在する
地方公共団体、これは都道府県があり市町村があり、おのおのその主張があるわけでございますが、これと十分にまず話を詰めなければいけない。したがいまして、そのときにいろんな問題が起きてくるわけでございます。一番いろんな点で苦労するのは、急に
人口を張りつけるということが非常に財政的なショックを一時的に大きく市町村に与える、これを何とか緩和しなければいけないということで、この金の面におきましては、ずいぶん立てかえであるとかいうような制度でいろいろ問題を詰めてきておるわけでございます。
たとえば学校について申し上げますならば、中小学校についても、これは建設費だけの国庫補助であって、用地についての国庫補助は全然なかったという時代が、つい四十五年までがそうでございました。
人口急増地帯におけるいろんな地方財政上の援助、これを強化していく、これも大体四十六年以降の施策でございます。これらの問題につきましては、
地方公共団体と私ども一体になりまして、自治省にも話をし、あるいは
建設省はもちろんのこと大蔵省にも話をしというようなことで、この間の問題の
解決につきまして大いに努力してきたつもりでございます。これは今後ともこの努力は続けていく。現に今年度からは大
規模のものにつきましては十年間無利子据え置きというような制度、これがあったならば、これがもっと早くやってくれていたならば、もっともっと建設には協力したであろうということを私どもの方に言ってくる市町村長さんも非常にたくさんございます。そのようなことでございますが、逐次その問題はそういうふうな
方面で、
建設省の方にも
お願いいたしまして進めていくということでございますが、問題は水の問題と足の問題というふうに、これは府県ベースあるいは
公団だけのベースでは
解決のできない問題であります。これにどう対処するかということが今日の非常に大きな
課題でございます。
水の問題につきましては、特に南関東、
東京圏におきましては、御
承知のように神奈川、埼玉、千葉県も
人口抑制
——余りに急激に年に二十万人ずつふえていくというようなことではとても県民に健康で文化的な生活を保障することができない。その根幹は何かと申しますと、これは水の
供給について県が自信を持ってこれに対応できない、こういうところに来ているわけでございます。したがいまして、この問題につきましては、
国土庁、
建設省、さらには厚生省というように、いろいろ水問題そのものの所管の官庁があるわけでございますが、
公団だけでできるそれでは水に対する対処はどういうことかということで、実は本年度からいわゆる中水道
計画と言いまして、水洗便所に消毒した上水を使う必要はないじゃないか、これを何とか循環
利用することはできないだろうかというような研究に着手いたしまして、われわれのできる範囲、すなわち使用する水の循環
利用ということで使用量そのものの増大を食いとめる、こういう
方向で何とか第一歩を踏み出そうということでやっておるわけでございます。
足の問題につきましては、これはわれわれも問題がありますので、大団地につきましては、絶えず国鉄当局、あるいは営団地下鉄、あるいは地方の公営
交通関係、これと十分な打ち合わせを毎年やっております。しかし、国鉄も非常に苦しいところであり、あるいは私鉄等においても実は多摩に二線入れてもらったのでございますけれども、今日あとの
住宅の張りつきが遅くて非常に赤字経営で悩んでおるというような御迷惑もかけておるというような点で困っておりますが、これにつきましても運輸省の方の御努力で、たとえば団地バスに対する赤字についていろいろな国から補助も出していただく、あるいは金利の
軽減の措置もしていただくというようなことで進めておるわけでございます。そのように徐々にではありますけれども、いろんな難点がありますのに
一つ一つ取り組んで今日まで来ておるというのが現状でございます。