○春日正一君 その点聞いて非常に私も話がしやすくなったんですがね、根本点は一致するということになりますから。こういうことじゃないですか、公共賃貸
住宅の
建設のおくれの原因として、地価、資材の高騰、土地の入手難、それから関連公共施設の整備等地方負担の問題ですね。それから人口、自治体が人口抑制とか環境問題というようなものを含む地元が受け入れを拒否するというような問題があって、なかなかそこに土地があいておっても建たない。公団の場合なんかそれが非常に大きい要因になっていると思うのですけれ
ども、そういうことなんですね。私
どもこういう要因のあることは
否定しないんですけれ
ども、困難だからといって、それではこの賃貸を建てることをあきらめてしまって、持ち家のほうに重点をかけるということになったんではまずいだろうと思うのです。
〔
委員長退席、
理事沢田政治君着席〕
ついでですから申しておきますけれ
ども、公庫から借りて建てるとか、あるいは自分であっちからこっちから借金して建てるとかいう者の中には、やはり場所といい、面積といい、そういう
意味ではいわゆる都市の正常な発展を非常に阻害するスプロール要因といいますか、そういうものもあるし、非常に土地が細分化されて、私
どもは新幹線乗っていくと、伏見のあたりへ行きますと、沿線にずうっと密集
住宅建ってますわ、ああいうふうな形の非常に小さな家がぐっと密集してしまって、防災上から見ても、いろいろな見地から見てやはり町づくりとしてはぐあいが悪い。だから、そういう
意味では、後でもこれ触れますけれ
ども、やはり
住宅というものは都市を構成する重要な要素ですから、単に
個人の好み云々というのではなくて、やはり都市
計画全体の中で
住宅を位置づけていくということでなけりゃまずいだろう。そういう点で公的
住宅というものの役割りは非常に大きくなるわけですけれ
ども、ところが、この五十年度の公団
住宅について見ると、分譲が六割で賃貸が四割、そういうふうに賃貸のほうを少なくしているんですね。
いままでのこの
資料で見ますと、あれですか、四十六年が五万八千戸賃貸、それから四十九年が四万戸、それが五十年が二万四千戸になっている、四〇%。それから分譲の方は、四十六年が二万六千戸、四十九年が四万戸で五分五分になっているのですね。今度は三万六千戸と四分六になってしまったというような形でだんだんだんだん分譲へ重点を移していくということは、
先ほど言ったように、それじゃあ買えない人をどうしてくれるんだということが残ってしまうわけですね。まあ
大臣もその点はお認めになっているわけですけれ
ども、そうすると、この比率というものが、これはいまの
住宅問題解決に逆行する、そういうことになる。この点は、私まあもう一度これ確認せいとは言いませんけれ
ども、しかし、やはりさっき
大臣もお答えになったとおり、公的な賃貸
住宅つくって自分の家を持てない人を入れるということが一番大事なことだという点から見て、これは間違ったやり方だと、私はもうこの点を強調しておきます。分譲分譲と言って、それじゃあまずいだろうと思うのです。それからこの地価の高騰にしても、やっぱり持ち家、持ち家と言ってそれを奨励する、そういうところから、たとえば大企業なんかが調整区域を買い占めて、そうしてそこを開発するというふうなことをやるために、中間の地帯が値上がりがして、そうして今度は
先ほどもちょっと言いましたけれ
ども非常に細分化される。この間も話ありましたけれ
ども、四十坪の土地が世田谷にあると。これ買いたいんだけれ
ども
一人じゃ買えないから二人で買わぬかと、二十坪ずつにしちゃうんですね。そういうふうな話が具体的に出てきておる。そういう形で結局土地が値上がりしてしまって公共
住宅も建ちにくくなるというような状況も出てくるわけですね。だから、そういう
意味で言えば、やはり公共賃貸
住宅を大量に
建設して供給する。これを中心にして、そうしてそういう方向で国の
住宅政策を進めていくということが非常に大事だし、だからそういう
意味で
国民生活審議会の予測と現実というようなものを見ましても、こういうふうに言っているのですね。
昭和四十一年のこれできた十一月十五日の
国民生活審議会の答申では、一人当たりの所得が現在は二十五万と、それが五十四万になり、それから九十万になると。そういう九十万になるという段階になれば、一戸当たりの面積、これが百平米ですか、それから公園面積が十四平米、下水道普及率九五%というような
可能性をずっと挙げているんですけれ
ども、しかし、実際にはそうなっていないということはこれ
新聞で書いてありますけれ
ども、
国民総生産は
昭和五十年の予測が七十五、それが実際には百三十六と、予測を起えて伸びていると。そして
個人消費の総額も四十というのが七十二・九というように伸びておる。そうして一人当たりの
国民所得も五十四という予測が百五と倍以上伸びている。にもかかわらず、十人当たりの
住宅戸数、これは予測として三・一伸びるのが二・九と。一戸当たりの面積が、八十六が予測されておるのが七十七しかなっていないというような形で実際には
住宅というものが、政府が専門のそういう方に委嘱して研究した見通しに比べて、
国民総生産、GNPではぐうっと伸びているけれ
ども非常におくれているということが数字に出ておるし、いろいろな
新聞の主張でも、
住宅対策に対して、五十年度の対策に対して「後退した
住宅対策」ということで、
先ほどの公団
住宅の戸数が減って賃貸と分譲の割合が四対六になったというような点を
指摘しながら、この「
住宅対策の最大の課題は、公共賃貸
住宅の大量供給であることを、われわれは繰り返し主張したい。わが国の
住宅対策が西欧諸国に比べてもっとも立ち遅れているのもこの点である。」と、こう言っているのですね。
それからまた別な
新聞は、同じように「遠のいた
住宅難の解消」ということで、「持ち家から公共借家へ——少なくとも公的資金を注ぎ込んでの施策
住宅については重点を変えねばならない。高い家賃を払いながら、狭小過密、日当たりも悪い民営借家に住んでいる人たちに、その所得に応じた公共借家をまず提供することである。持ち家
政策はそれからでも決しておそくはない。それにもかかわらず、賃貸、分譲の比率を逆転させ、公団
住宅にまで持ち家重視の
政策をとろうとする新年度の
住宅対策である。困窮者を置き去りにして、政府に福祉をいう資格はない。」まあこれは別な
新聞ですけれ
ども、これは共産党の
新聞じゃないのです、一般に売られている
新聞です。だから、そういうふうにまで言われておるその点は、やはり真剣に考えていただいて、私は、いまからでも持ち家の比率を変えるというような、分譲とあれのというようなことはできないものですか。