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国務大臣(
佐々木義武君) 話は少し長くなりますけれ
ども経過を
お話申し上げた方がよろしいかと存じますので、その点に関しまして
お話申し上げますが、一月に
新定係港を選定いたすべく
科学技術庁、運輸省あるいは
事業団、三者で推進本部を設けまして、参議院議員で
科学技術庁政務次官をやっています片山政務次官を首班にいたしまして特別の作業、専門の作業隊をつくりまして実は鋭意
検討に入りました。三月二十七日ごろになりましてほぼ見当がついてきたのでございますけれ
ども、しかし、ちょうど統一地方選挙に入る時点でございましたので、もし
約束の四月十四日までに
決定するということで新しい
候補地の
地元との交渉を始めた際には、場合によっては、やり方によっては統一地方選挙に対する
一つの妨害的な要素にもなりはしないかという点を考慮いたしまして、あるいはできるものもできないというふうな結果を招来してはかえって青森県側の
趣旨にも沿いかねるという感じもいたしましたので、青森に片山政務次官に行っていただきまして、そして当時、去年の十月にこの話を定めました知事あるいは
むつの市長あるいは漁連会長に当時
政府側を代表して参りました鈴木総務会長の四者にも立ち会っていただきまして、四月十四日までには
候補地は決めるけれ
ども、しかし、新しい交渉は地方選挙が済んでからにいたしますよと、その理由はただいま申し上げたような理由でございますと、ただし、
地元と交渉を始めた際には
青森側には正式に遅滞なく御
報告申し上げますということ、それから二年半後までをめどとして「
むつ」という船
そのものを移転さすことには変わりはございません、必ずそれは実行いたしますと、こういう話をいたしまして、
地元側もやむを得ぬだろうということで、その後四月五日に大体中央
政府といたしましては
候補地はこれこれだというふうに内定をいたしたのでございますけれ
ども、しかし、これを現地の交渉に移すのはどうしても統一選挙以後でなくちゃできませんので、統一選挙以後に延ばしたわけでございますが、統一選挙が終了いたしまして、さてということで
考えてみますと、政治家の皆さんであればよくおわかりのとおり、地方の議会はいわば国会同様、国会の言葉で言えば院の構成ができません、議長もその他も決まらぬのでございますから、実際は
開会に至っておらぬわけでございまして、それを待たぬと実際の交渉というのはできないのじゃないかということで、実は地方議会等
責任機関の
整備を待ってございました。いよいよ地方の
整備もぽつぽつできつつあるのじゃないかということで、連休明けの国会再開になりまして、私
どもの態度といたしましては、この問題の解決は中央で決めたからということで地方に権力で押しつけちゃいけない。先ほ
ども御
質問ございましたように、あくまでも地方との合意の上に立って、
理解、協力を得た上で円満にこの問題を進めたいというのが予算
委員会等を通じまして衆議院、参議院、両方とも強い御希望でもございますし、私
どももそういうふうに
考えてございました。
したがいましてその線に進めるためにはどうしたらよろしいかということを
考えてみたのですけれ
ども、突如として知事あるいは当該市町村長等に話しかけて、それぞれの議会の了解でという工作をする前に、まず当該県の選出
国会議員の皆様に
お話を申し上げて、ある程度
安全性その他の了解もいたしまして、それからだんだん知事さんの協力も得つつ、市町村長とあるいは漁連と
地元の皆様に実地調査あるいは
安全性の御
説明なりをいたしたいという順を実は
考えておりました。なぜかと申しますと、県出の
国会議員の皆様は——もちろん衆議院、参議院両方でございますけれ
ども、皆様の御了解を、話もせずに足元へ行ってがたがたやったということでは、まことに国会の皆さんに対して申しわけないという感じがいたしましたので、まず
長崎の問題でございますけれ
ども、自民党の皆様の御了解と申しますか話をいたしまして、それから野党側にも話を進めまして、その最中で漁連の大会か何かでこの話が出まして、御
承知のような反対運動というようなことで、まだ正式交渉に入る前に、
長崎のような反対運動に会いました、こういうのがいままでの
経過でございまして、意図といたしましては、これからひとつ
地元の皆さんにじっくりそういう点を
お話ししていこうじゃないかという矢先に、ああいう問題が起きたものですから、大変実は困惑しているところでございます。