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久保亘君 白石さんは当時、第二次池田内閣の
田中大蔵大臣の時代に管財
局長を務められて、そしてこの管財
局長をおやめになりましたすぐ後にも大蔵大臣はやっぱり
田中さんで、たしか通産大臣が佐藤榮作さんのころに電源開発株式会社の
理事に就任をされたと思います。そしてその後第二次佐藤内閣のときに会計検査官として現在の職務につかれたのではないか、こう考えております。この間、一貫して
田中角榮氏は大蔵大臣あるいは与党の幹事長という
立場にありまして、直接にあなたの上司であったり、あるいはあなたがいろいろ相談をしなければならない
立場に立っておられたと思うのでありますけれ
ども、そのようなことは
会計検査院長の職務を遂行する上には一切かかわりはないということでございましたから、私もそれを信じて
調査をお願いをいたしたいと思います。
この信行社に関しまして少し私の方で調べておりますことを申し上げますから、この点について
会計検査院としても正確な
調査をなされた上御報告をいただきたいと思います。この信行社は、二十六年に板橋の国有地造兵廠跡などを借用して板橋印刷工場をつくっておりますが、先ほど申し上げましたように、四十八年の四月まで本店といいますか本社は練馬区仲町一丁目二千六百九十九、現在練馬区錦一丁目四の十三に所在をしておったのであります。この信行社の取引先といいますか、業務内容は馬券の印刷が非常に多いのでありまして、現在中央競馬会の手売り券を印刷いたしております共栄商事、納入をいたしております共栄商事、機械券を納入をいたしております
日本トータリゼーター、この二つの会社の印刷の下請をやっております。なお、この
日本トータリゼーターの代表者は農林省出身であります。この中央競馬会や特別区競馬会の馬券の印刷の仕事だけではなくて、農林省、法務省、東京都庁、
千葉県、埼玉県などを初め関東一帯の都市、自治体ですね、それから
日本鋼管、
日本通運、荏原製作所、松阪屋、それらのところの印刷を引き受けている、かなり手広く仕事をやっている会社と思われます。工場も何カ所か所有をいたしております。
しかし、こんなに大きな仕事をやっております印刷会社が、最近まで本店の所在地が練馬区の錦一丁目四の十三に所在していたということは大変不思議なことの
一つであります。現在この練馬区錦一丁目四の十三という土地には大平正芳氏が学生寮をつくっておられたり、あるいは三十七、八年ごろからは真鍋という秘書の方がここに居住をされておるということは、前に
委員の
質問に対してお答えになったことのようであります。なおこの土地は、四十年の七月一日、この土地を大平氏が某氏から購入をしたということになっております。まだ私の方で確実な
調査が行き届いておりませんが、一説によれば、この土地も板橋の払い下げられた工場用地と同じく造兵廠の用地であったという見方もあります。したがって、信行社は、大平氏の借地であって、寮があったり、秘書の真鍋賢二氏が居住している地番を本店として一昨年四月までそこにあったことになっておりまして、そしてあなたが管財
局長時代に払い下げの申請をし、払い下げを受けましたときの本店の所在地も全く同じ場所であります。したがって、この払い下げに当たっては、本店の所在とか、その本店と大平正芳氏の
関係などについてはどのような
調査が行われておったのか、その点についてぜひ
調査をいただきたいと思うんです。
払い下げられました物件は、現在は地名表示が変更になっておりまして板橋区加賀一丁目六番地です。ここには現在信行社の印刷工場が建っております。土地は五千四百三十九・八二平方メートル、払い下げられましたときの内容は、そのほかに立木九本、建物は七百三十七・四五平方メートル、工作物一式、価格は当時八千六百六十六万三千三百十円で払い下げられております。この内容につきましては、検査院の担当官が大蔵省の国有財産
審査課に照会の上私に御報告に相なったものでありますから間違いがなかろうと思うんであります。なお、
審査課のほうでは、この物件については三十七年の九月十九日に国有財産関東地方審議会の議を得て三十八年一月二十九日に払い下げたということになっております。その点については私もそのとおりであろうと思うんであります。
この造兵廠のかなり広い敷地が払い下げられます際に、当時の閣僚の借用ないしは所有する土地の上にこの会社の本店が存在をしたということになれば、通常の場合、この会社とその閣僚との
関係があったものと言わなければならないのではないでしょうか。その点については、当時の担当者としては全く何もお調べになっておらないのかどうか、当時の
局長が何の記憶もないということでありますから、検査院としてはその点について御
調査をいただきたいと考えるわけであります。いま私が申し上げました内容についてはおわかりですか。