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説明員(水田治雄君) 私の方は生活産業局でございまして、繊維雑貨が
中心でございますので、通産省
関係の産業全般についてのお答えにはならぬかと思いますが、通産省所管の業種のうち相当部分の中小
企業が生活産業局にございますので、その限りでお答えをさしていただきたいと思います。
御承知だと思いますが、繊維
関係につきましては、一昨年半ばから物不足、石油不足ということで非常な
国内外の仮需要が出まして、繊維の
輸入が一昨年の半ばぐらいから非常にふえたわけでございます。
国内景気の下降とともに繊維産業、非常にこの一年余り不況に苦しんできたわけでございますが、一昨年の
輸入急増ということがその原因の一端でもあったので、非常に
輸入制限をしてくれと、あるいは
関税を上げてくれという要望がございましたが、景気の下降ということもございまして、最近では、一昨年の半ばから去年の春ぐらいまでは繊維
輸入が月二億ドルぐらいございましたが、最近では三月が八千五百万ドル、四月が九千百万ドルと一億ドルを切りまして、相当繊維
輸入が下がってきましたものですから、
輸入制限の声も大分小さくなっております。雑貨
関係についてもほぼ同様なことが言えます。現在
輸入規制の要望があるものというのでは大島つむぎと絹織物というのがこの間、最近までございましたが、絹織物につきましては生糸が去年の八月から一元
輸入になりまして、国産生糸がキロ当たり三割ぐらい高いものですから、付加価値の低い絹織物、主として羽二重、裏絹等の裏地用のものでございますが、それが中国、韓国から
輸入がふえまして、何とか対策をとってくれというのが
一つございます。大島つむぎは、これは奄美大島と鹿児島県本土ということで、三、四年前から韓国に
日本の伝統的な旧来の産地からの指導というものもございまして、生産を始めたのが
日本に入ってくるという問題がございますが、絹織物
関係につきましては、確かに割り高の国産生糸を付加価値の低い産地が使うというふうな非常に苦しい
状況にございまして、この点につきましては六月からの新生糸年度における一元
輸入の継続に当たりまして、一万八千俵以内を限りまして、蚕糸事業団を通ずるわけでございますが、
輸入価格に近い、
輸入価格並みで、先ほど来申しております付加価値の低い産地に入れていこう、これを入れたために生糸の値段が暴落するというようなことがあっては困りますので、その辺、養蚕農家と裏地産地等の調和を図りまして、一万八千俵をそういう特別措置をとろうというのが今回農林省との間で
合意されたわけでございます。間もなく措置が発動する手はずになっております。
それから大島つむぎにつきましては、昨年来、大手商社に対しては、このような種類の特定の
地域に限った品物を取り扱わないようにという指導を、通産省に数回招致をいたしまして取り扱わないよう指示いたしますとともに、中小の
関係の商社につきましても、
輸入組合あてに、できるだけ自粛するように、ということをやってまいりまして、また在
東京の韓国
大使館とも
接触を保っておりましたが、ことしの二月、生活産業局の後藤審議官が韓国に参りまして、量の問題表示問題等につきまして
交渉をしてまいりまして、第二回目、先月、四月十五日、十六日の二回にわたりまして嶋崎政務次官に後藤審議官随行をいたしまして、量の問題につきまして、あるいは表示問題につきましても一応の
合意が見られまして、その
合意の線でいくものであればわれわれとしては当面は回避できるのじゃなかろうかというように考えております。さしあたって、非常に問題になっておりますのはその二つでございます。