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政府委員(山崎敏夫君) 立木
委員から御提示のありました
文書は、われわれとしてもしさいに研究いたしました。また、必要に応じまして
アメリカ側にも照会いたしましたので、その点を取りまとめて御回答申し上げます。
まず、一九七四年八月十二日付の「第三七四戦術空輸航空団現地作戦行動要領」という
文書によりますと、
核兵器輸送は、西太平洋方面の輸送を担当しております第三七四戦術空輸航空団のあり得べき任務の
一つであるということは認められます。しかしながら、この点につきまして
アメリカ側の
説明を求めましたところ、先方の
説明によりますと、このような任務を遂行する能力があるということは、
日本の領域内においてこういう任務が現実に行われていることを
意味するものではないということ、また、
アメリカ空軍の搭乗員及びその部隊は
世界のあらゆる地域で勤務する
可能性を有しているので、あり得べきすべての任務につき常に熟練していなければならないというふうな
説明を得ております。したがいまして、この
文書に
核兵器輸送の任務についての記述があるからといって、
わが国に
核兵器が持ち込まれていると見るのは当たらないと考える次第でございます。
次に、一九七四年五月七日付のヘニングソン中佐発出の
文書につきまして
アメリカ側に照会いたしましたところ、
アメリカ側の回答は次のとおりでございました。
まず第一に、立木
委員より御提示のありました
文書は、第三四五戦術空輸中隊所属の七名の要員に対して、新たにスペシャルウエポン関係の追加的な任務が課されたことを示しておりますが、スペシャルウエポンというのは保安上等の理由で特別の取り扱いを要すべき兵器を指すものである。第二に、
アメリカ空軍の搭乗員及び部隊は、
世界のあらゆる地域で勤務する
可能性を有しているので、あり得べきすべての任務につき常に熟練していなければならないことになっている。したがいまして、ここに言うスペシャルウエポンは常に
核兵器であるという
指摘は当たらないと考える、こういうことであります。
次に、嘉手納基地内の「飛行計画書」、フライトプランによりますと、C130輸送機が昨年十月二十四日と本年の一月三日にクラシファイドミッションのため飛び立っておりますが、このクラシファイドミッションとは
核兵器輸送を
意味しているのではないかという御
指摘がございましたが、
アメリカ側の
指摘によりますと、「クラシファイド」という用語は、目的、装備品、あるいは軍要員等、飛行のあらゆる面についても用いられるものでありまして、「クラシファイド」という用語があるからといって、それが直接
核兵器とは関係がないというふうな回答でございます。
なお、関連
質問で上田
委員から、一九七二年二月十八日付「第三一二航空師団・嘉手納基地作戦行動計画五八二」には、ハイジャック対策についての記述がありまして、その中には、「
核兵器を積んでいる場合」という対策も含まれております。これにつきましては、軍事空輸軍MAC所属の輸送機によって
核兵器が嘉手納基地を中継として輸送されていることを示しているのではないかという御
質問がございました。この点に関しても
アメリカ側に問い合わせましたところ、米側の回答は次のとおりでございます。
この
文書に、MAC所属航空機の指揮官が、
核兵器が積載されている場合を含めハイジャック対策等についてブリーフィングを受けることになっていることが記されていることは事実でございます。この記述は、離発着しますMACの飛行機に給油、補給、整備等の支援を行うことを任務としております嘉手納基地所在の第六〇三軍事空輸支援中隊に対してMAC所属航空機指揮官がかかるブリーフィングを受けていることを明らかにするために作成されたものにすぎないものである。また、広範囲を飛行するMACの所属航空機がハイジャックされて嘉手納基地に途中給油等のため強制着陸せざるを得ないこともないとは言えないので、こういう場合を想定して本件のような
情報が第六〇三軍事空輸支援中隊に送付されているものである。
以上のような回答を得た次第でございます。