○岩間正男君 問題は
自衛隊とそれから
民間航空機の
衝突事故から発したわけですよ。ここでこういうようなとにかく競合した問題が出てきたのだ、このときどっちを優先するかというのが問題だったわけです。その結果、出されたのがこの
緊急対策要綱です。
あなたは当時何しておったかわかりませんけれ
ども、当時、参議院では
連合審査会が設けられたわけです。
内閣と
運輸とそれから交通特別の三つの
委員会の
連合審査会が設けられた。そのときの
委員長がほかならない木村
運輸大臣。私も
内閣委員だったから、現地を三日視察をして、その結果を持ち帰って
内閣委員会あるいはあの
連合審査会でずいぶん激しく論議した。そういう態勢の中ではっきり出されたのは
民間優先、これをはっきり確立するということじゃなかったのですか。
ところが、あなたの先ほどの
青木委員に対する答弁を聞いておるというと、この問題についてどちらが優先ということでなくて、安全の確保を
前提としてというような答弁をされている。私はこれは後退だと思う。これは問題をやはりはぐらかしておると思うのであります。だから私は当然そういう点から、これははっきりしたやっぱり証拠を
提出しなければならぬ。当時の
委員会の論議で一体どういうことが論議されたのか、各大臣がどういう一体答弁をしたのかということが重要です。あなたはこれを踏まえて言っていますか。どちらが優先ということでもございませんという答弁は撤回してもらわなければならぬ。
それを撤回してもらうだけの理由がはっきりある。あのときの木村
委員長がおります、ここに生き証人が一人います、あなたの隣にいる。このときに何と言っているか。たとえば西村防衛庁長官
——これは
自衛隊もよく耳を澄まして聞いておいてくださいよ。あなたたちの今後の答弁にこれは非常に影響する。
当時の西村防衛庁長官はこう言っています。ここのところを読んでみますと、「
国民の
自衛隊であるものが、万一にも今回の
事故ように
国民に危害を与えるようなことがあってはたいへんであります。」「今回海上を使うということに中心を置きまして、やむを得ざるものにつきましては、民航の安全第一を第一義としながら」、と、こういうふうに言っている。そうして「したがって、海上に中心を移すということでございます。」と、明確に答弁している。これは虚言にはできない。
江崎防衛庁長官、これは何と一体答えていますか、これは十二月二十一日でありますが、「二度と再びこういう悲惨を繰り返すことのないように、
自衛隊機はあくまで
民間航空を優先して、なるべく海面でその
訓練を行なうという原則のもとに」これはやっていきたいと、こうはっきり答えています。
さらに大西防衛庁参事官、これは
自衛隊側の証言というものは非常に重要だと思いますが、「
事故以来さらに、
航空路あるいは
ジェットルートから分離をするという原則をシビアに貫くということで、
訓練空域を主として洋上のほうにいま設定をいたしている」、こう答えています。シビアに貫くと言っている。最大級の言葉を使っている。民航の安全を第一とすることを第一義といたしましてと、これは防衛庁長官の言葉でありますよ。いまシビアに貫く、こういう言葉でこれは言っています。
それから金井
航空局技
術部長、これもありますからついでに読み上げておきましょう。「
自衛隊用であろうが米軍であろうが、
訓練空域を設定するにあたっての私
どもの基本方針は、
民間機の安全に支障のない」、そういう方向でこれはいくんだと、これを裏づけるような
発言をしているわけであります。
何よりも防衛庁側が、これは
民間優先ということを第一義としておると、こういうふうに二人の防衛庁長官が言っておる。もう
一つは、
訓練空域を海上に完全に分離するんだと、これが答弁の二つの大きな重要な柱じゃないですか。それなのに何ですか、民航の立場に立たなければならない
航空局長が、あなたが、どちらが優先ということでもございませんなんという答弁では、まさに防衛庁よりも後退していると言わざるを得ない。私は先ほどのあの答弁はいただきかねる、これは答弁を撤回しなければならぬ。基本方針に関する問題で、今後の
航空行政、現在の
航空行政、これ一切に関連した問題です。単に言葉のあやなんかの問題じゃない。したがいまして、どちらが優先で何だということでは、あの
雫石事故の大惨事、百六十二人の人命を失った、当時全く日本を震憾さしたようなあの重大な教訓、これにこたえていない。のど元過ぎればまさに熱さを忘れるという答弁だったというふうに思うのです。どうですか、
航空局長、私は撤回を願いたい、先ほどの言葉。