○
中村(重)
分科員 質問したいことがたくさんありまして、一問一答する時間的余裕がありませんから、一応問題点を指摘いたしまして、後で一括してお答えをいただきたいと思います。
厚生大臣、言語障害の口蓋裂という、くちびるが割れている三つ口症というのがあるのですが、この障害者の口の中は変形をしておりまして、歯はあちこちにある、奥の方にも歯が生えているというようなことでして、この歯列矯正をやらなければならないということになるわけですが、しかし歯列矯正はおしゃれ行為として
医療行為に入っていない。国保の適用もなければ育成
医療の
対象にもなっていないわけです。したがって、全額自己負担でやらなければならない。五十万円も百万円も出しているという実例があるわけですが、これは国保の方を
改正をして、歯列矯正を含むというものにしなければならないのではないか。あるいはまた、三つ口手術等の関連ですから、これはやはり育成
医療の
対象にする必要があるんだろうと考えていますが、この点後でお答えをいただきたいと思います。
それから、自治体が身障者の
医療の無料化を図っているわけですが、この間新聞報道で、自治省は、地方自治体の
医療無料化については交付税を削減をするのだといったような意向を明らかにしておったようでございますけれ
ども、国としては当然
医療の無料化を実施をしなければならないと思うのですが、この点に対しての
大臣の考え方はいかがであろうか、伺っておきたいと思います。
それから、
障害児の保育の問題というのは実に深刻な問題です。保育所にいたしましても、あるいは幼稚園にいたしましても、非常に手がかかるので、
障害児を預からないのですね。そこで、
障害児保育ということに対してはどのようにお考えになっておられるのか。私は
障害児のための保育園をつくるということも考えなければならないでしょうけれ
ども、それよりも健康児と一緒に保育をする、幼稚園にも通わせるということでなければならないわけですから、そうした
障害児を保育する場合の特別
措置費を支給をするということを当然考えるべきだというように思います。この点もひとつお答えをいただきます。
カトリック系の友愛会というのがあるんですが、この友愛会で
障害児の保育をしておりますけれ
ども、お母さん方がその友愛会に行って、そして保母さんのかわりをやっているという、それはやはり集団
教育の必要というものを母親としては痛切に感じている結果であろうというように考えますから、友愛会の実態等も十分御調査になって、適切な
措置を講ぜられる必要があるということを申し上げておきたいと思います。
それから、身障者には、御承知のとおりに、運賃の割引があるわけですが、前
大臣の齋藤さんに対して私が、新幹線の時代なんだから特急、急行の割引も当然やるべきじゃないかと申し上げたことに対して、そのとおりだというようなことを言っておりましたが、
田中厚生大臣とされては、この身障者の国鉄運賃の割引について、いま申し上げた点をどのようにお考えになるのかという点と、それから、身障者の内部疾患の障害者には割引の制度がございません。これも当然やるべきだと思いますし、精薄者にも実施しておりませんから、精薄者の運賃割引も当然やる必要がある、この点のお考え方はどうなのか。
それから自閉症児、これは自閉症児というのか異常行動児というのか、大変手数がかかるわけですから、この点に対しては、保育園にいたしましても、あるいは幼稚園にいたしましても、学校にしましても、副担任制という制度をとる必要があるのではないか。この点は文部省とも関係がありましょうから、それぞれお答えをいただきたいと思います。
次に、指摘したいことは、
障害児の機能訓練というものは非常に不十分であるわけです。それは訓練士や理学療法士あるいは作業士というものが非常に少ない。少ないということは、そうした訓練士等を養成する機関が
充実をしていないという点にあります。そこで、
国立大学等で養成をするということ、それから訓練士、理学療法士あるいは作業療法上等に対して、いわゆる
先生としての資格を与えてやらなければ、なかなか希望者もないんじゃないかというように思います。特殊な業務であるだけに、やはりこの点に対するきめ細かい
施策というものを考える必要があるのではないかというように思います。
それから、これと関連をいたしまして、授産所というのが非常に少ないんですね。各県とも
福祉事務所と一部でやっているわけですけれ
ども、本格的な授産
施設とは言えないと私は思います。不十分な授産所でありますと訓練が十分行き届きません。したがって、必然的に不十分な技術だから職場もないというようなことになってまいりますから、本格的な授産所を多くつくっていくということについてどのようにお考えになっておられるかという点であります。
それから、手話の通訳の養成をやっていらっしゃるわけですけれ
ども、せっかく養成をいたしました手話の通訳が、派遣制度がないために、宝の持ちぐされとは言いませんけれ
ども、この点をお考えになる必要があると私は思います。相談員のような制度をお考えになって、各
福祉事務所に一名とか二名とか相談員のように配置をいたしますと、必要な場所に、養成をいたしましたこの手話の通訳が派遣できます。しかし、派遣制度や、また
予算もついておりません。それで手話の養成と同時に、派遣制度を考えていくということが非常に急を要する問題であろうと私は思いますから、この点に対しても考え方をお聞かせいただきたいと思います。
それから、
福祉モデル都市の指定というのはよろしいわけですけれ
ども、中身が明らかではございません。車いすを利用する障害者が歩行しやすいように、道路を
整備するというようなことに主体があるのではないか。これは各種事業とも伺われる誘導的な
予算であるということも伺っているわけでございますけれ
ども、この中身をひとつ明らかにしてもらいたい。一千万円の補助の
増額と、それからこれが特定の事業に偏っておるといたしますならば、
対象の
拡大が必要であろうと思いますから、その点に対する考え方をお聞かせいただきたい。
それから、車いすを電動いすに切りかえたことはよろしいのですけれ
ども、しかし百台とはこれは余りにも少な過ぎます。県当たり二台弱ですから、これは
福祉電話の千二百台とあわせて、年次計画を持っておられるならばその点もひとつ明らかにしてもらいたいというように考えます。
それから、大変深刻な問題の一つといたしまして未熟児の網膜症の問題です。これは
医師の不
注意のために、保育器に入れてそして酸素過剰ということで目や脳をやられるという事例が非常に多い。裁判問題等にも発展をしておるわけですが、先進諸国家の例等から見ましても、早期発見をいたしますと盲にならないとか、あるいは弱視で済むといったような点もあります。しかし、日本の場合は、医者に早期発見の義務づけをしていないという点で、どうしても
医師が
注意を払わないということになっているのではないかというように考えますから、
医師に
注意をさせる、早期発見をすることを義務づけていくということを、当然おやりにならなければいけないであろうというように考えます。
それから、保育所の問題については、もちろんこれも
措置費の
引き上げであるとか、あるいは長時間保育をやっていかなければなりませんけれ
ども、公私立の保育所に勤務時間の差がある。私立は週五十四時間ですが公立は四十八時間、一時間長く働きますが、超過勤務手当もない、それから土曜も半ドンという制度がありません。ありましても超過勤務手当がないというようなことですから、当然公立と私立との均衝をはかるような
措置は、
措置費の
引き上げをやるということ以外には、ないんじゃないか。さらにまた、
施設の補助単価にいたしましても、実勢単価とはるかに差があるというわけですから、それらの点に対しても十分検討して、もっと中身の
充実した
対策を講じられる必要があるのではないか。
まず、以上申し上げたような点について、大変盛りだくさんで恐縮でございますが、お聞かせをいただきまして、また時間の許す限り再
質問をしてまいりたいと思います。