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1975-02-28 第75回国会 衆議院 予算委員会第五分科会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年二月二十八日(金曜日)    午前十時一分開議  出席分科員    主査 谷垣 專一君       内海 英男君    瀬戸山三男君       山村新治郎君    阿部 昭吾君       久保 三郎君    柴田 健治君       堀  昌雄君    和田 貞夫君       高橋  繁君    兼務 高橋 千寿君 兼務 井上 普方君    兼務 上原 康助君 兼務 東中 光雄君    兼務 小沢 貞孝君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 村上  勇君  出席政府委員         郵政大臣官房長 高仲  優君         郵政大臣官房首         席監察官        永末  浩君         郵政大臣官房電         気通信監理官    田所 文雄君         郵政大臣官房電         気通信監理官    佐野 芳男君         郵政省郵務局長  石井多加三君         郵政省貯金局長  船津  茂君         郵政省簡易保険         局長      北 雄一郎君         郵政省電波監理         局長            石川 晃夫君         郵政省人事局長  神山 文男君         郵政省経理局長  廣瀬  弘君  分科員外出席者         大蔵省主計局主         計官            佐藤  徹君         郵政大臣官房建         築部長          武田 礼仁君         日本電信電話公         社総裁          米澤  滋君         日本電信電話公         社副総裁        秋草 篤二君         日本電信電話公         社総務理事   三宅 正男君         日本電信電話公         社総務理事      遠藤 正介君         日本電信電話公         社計画局長      輿 寛次郎君         日本電信電話公         社施設局長      山本  孝君         日本電信電話公         社経理局長      好本  巧君     ————————————— 分科員の異動 二月二十八日  辞任         補欠選任   阿部 昭吾君     久保 三郎君   岡本 富夫君     小川新一郎君 同日  辞任         補欠選任   久保 三郎君     柴田 健治君   小川新一郎君     高橋  繁君 同日  辞任         補欠選任   柴田 健治君     和田 貞夫君   高橋  繁君     山田 太郎君 同日  辞任         補欠選任   和田 貞夫君     阿部 昭吾君 同日  第一分科員上原康助君、第二分科員高橋千寿君、  第四分科員井上普方君、東中光雄君及び小沢貞  孝君が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和五十年度一般会計予算中国土庁、運輸省、  郵政省及び建設省所管  昭和五十年度特別会計予算運輸省郵政省及  び建設省所管  昭和五十年度政府関係機関予算運輸省及び郵  政省所管      ————◇—————
  2. 谷垣專一

    谷垣主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。  昭和五十年度一般会計予算及び昭和五十年度特別会計予算郵政省所管並びに昭和五十年度政府関係機関予算日本電信電話公社関係を議題といたします。  まず説明を聴取いたします。村上郵政大臣
  3. 村上勇

    村上国務大臣 最初に郵政省所管昭和五十年度予算案につきまして、その概略を御説明申し上げます。  まず、一般会計でありますが、歳出予定額は百七十七億五千七百万円で、前年度予算額百三十六億五千四百万円に比較いたしまして四十一億三百万円、三〇・一%の増加となっております。  この歳出予定額には、通信衛星及び放送衛星開発を初めとする宇宙開発に必要な経費三十六億五千七百万円、国際海底ケーブル建設計画推進のため、より経済的な新海底同軸ケーブルシステム開発するための経費五千百万円並びに総合的電気通信施策の強化、国際放送の充実と国際協力推進など、通信技術の著しい向上と、ますます多様化する情報化社会への進展に伴いまして、当省が所管いたします通信行政に必要な経費が含まれております。  次に、郵政事業特別会計でありますが、歳入予定額歳出予定額ともに二兆二千六百二十六億四千万円で、前年度予算額一兆八千八百九十七億六千万円に比較いたしまして三千七百二十八億八千万円、一九・七%の増加となっております。  この歳入予定額には、収入印紙収入等一般会計等へ繰り入れる、いわゆる通り抜けとなる業務外収入が七千九百七十二億四千二百万円ありますので、これを差し引いた実体予算、すなわち郵政事業運営に必要な財源となる歳入歳出は一兆四千六百五十三億九千八百万円でありまして、これは前年度予算に比較いたしまして二千八百九十五億四千四百万円、二四・六%の増加となっております。  なお、歳入につきましては、本年十月一日から実施を予定しております郵便料金の改定に伴う増収見込み額一千五百七十八億百万円を計上いたしておりますほか、業務運営に要する経費の不足に充てるための借入金として一千九百八十二億円を計上いたしております。  歳出予定額におきましては、重要施策としております。安定した郵便業務運行を確保するための、集配運送施設拡充整備に必要な経費を初め、郵便貯金簡易保険の増強と利用者サービス向上に必要な経費、並びに明るい職場づくりのための施策に必要な経費などが含まれております。  また、局舎その他建設費予定額は五百八十八億円でありまして、前年度予算額五百六十億円に比較しまして二十八億円、五%の増加となっております。  次に、郵便貯金特別会計でありますが、この会計歳入予定額は一兆五千六亘一子七億四千百万円で、前年度予算額一兆二千七百二十三億四千百万円に比較いたしまして二千九百十四億円、二二・九%の増加となっております。  歳出予定額は一兆五千四百十五億五千二百万円で、前年度予算額一兆一千六百十七億六千百万円に比較いたしまして三千七百九十七億九千百万円、三二・七%の増加となっております。  なお、郵便貯金特別会計につきましては、前年度剰余金受け入れを除いた当年度損益におきましては、九百二十二億一千万円の損失を生ずることとなっており、前年度予算損失五百九十億七千万円に比較いたしまして、さらに三百三十一億四千万円増加しております。  次に、簡易生命保険及び郵便年金特別会計でありますが、保険勘定におきましては、歳入予定額は一兆九千七百九十億三千二百万円で、前年度予算額一兆六千七百九十二億九千万円に比較いたしまして二千九百九十七億四千二百万円、一七・八%の増加となっております。  歳出予定額は八千五百二十一億四千五百万円で、前年度予算額六千八百七十九億二千七百万円に比較いたしまして一千六百四十二億一千八百万円、二三・九%の増加となっております。  この歳出予定額には、五十年度において新たに実施を予定いたしております。昭和二十四年五月以前の簡易生命保険契約に関する特別措置に要する特別付加金等十七億五千万円が含まれております。  また、年金勘定におきましては、歳入予定額歳出予定額ともに二十六億三千三百万円で、前年度予算額二十七億六千九百万円に比較いたしまして一億三千六百万円、四・九%の減少となっております。  最後に、日本電信電話公社予算案につきまして、その概略を御説明申し上げます。  損益勘定におきましては、収入予定額及び支出予定額とも二兆一千二百六億六千七百万円で、前年度の収入予定額及び支出予定額一兆九千二百七十七億八千万円に比較いたしまして一千九百二十八億八千七百万円、一〇・〇%の増加となっております。  資本勘定におきましては、収入予定額は一兆七千百九十二億四千六百万円で、前年度予算額一兆四千九百二十九億二千百万円に比較いたしまして二千二百六十三億二千五百万円、一五・二%の増加となっております。この収入予定額の中には、日本電信電話公社の最近の事業収支の悪化に伴う赤字分を補てんするための借入金が含まれております。  他方、支出予定額は、収入予定額と同額の一兆七千百九十二億四千六百万円で、債務償還等に四千二十二億四千六百万円、建設勘定への繰入額で一兆三千百七十億円を計上しております。  建設勘定におきましては、収入予定額及び支出予定額とも一兆三千百七十億円で、前年度一兆二千五百四十億円に比較いたしまして、六百三十億円、五%の増加となっております。  建設計画につきましては、総需要抑制策による投資規模抑制によりかなり厳しいものとなっておりますが、国民生活必需品となっている電話増設を最重点とし、加入電話三百万加入公衆電話七万五千個、市外電話回線十三万九千回線増設を行い、その他の建設は縮少することとしております。以上をもちまして私の説明を終わりますが、なお詳細の点につきましては、御質問をいただきましてお答えいたしたいと存じます。
  4. 谷垣專一

    谷垣主査 以上をもちまして、説明は終わりました。     —————————————
  5. 谷垣專一

    谷垣主査 質疑に先立ち、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間は、これを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。  なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は必ず的確に要領よく簡潔に行われますようお願いいたします。  これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。まず、上原康助君。
  6. 上原康助

    上原分科員 いまも大臣の御説明があったのですが、私は主に復帰後の沖繩電話架設の面とか、あるいは郵便局の問題、特に特定郵便局の点、さらにVOAの件と、この三点についてお尋ねをしてみたいと思うのです。  昨年のこの分科会でも取り上げましたが、復帰後、沖繩のこの電話架設が非常におくれており、積滞数がかなりの量に上っているわけですね。しかしその後もなかなか改善をされない状態で、県民、特に一般家庭利用度の面においては大きな支障をいまも来たしている状況なんですが、なぜこういう結果になっておるのか、その原因なり、あるいは今後これを解消していくために、需要に見合った施設設備整備していく上でどのように電電公社は考えておられるのか。まずそこいらから御説明をいただきたいと思います。
  7. 遠藤正介

    遠藤説明員 お答え申し上げます。  昨年お答えいたしましたように、現在、沖繩電話状況は確かに本土に比べまして相当悪うございますけれども新規架設数といたしましては昨年の約倍、昨年約六千ばかりつけましたのですが、その倍、約一万二千を本年度は大体つけられる見込みでございます。現在までのところ約九千新規架設が行われております。  そこで、その原因でございますが、これも昨年先生の御質問にお答えをいたしたかと思いますが、  一つ沖繩基礎設備が非常におくれておるということでございまして、これは相当長期期間を要しますけれども長期計画を立てまして、その中で鋭意現在努力をいたしております。  それから、確かにおっしゃいましたように、それにもかかわらず積滞数がふえております。ふえておりますが、これは実は私ども電電公社二十年の歴史を振り返ってみましても、だんだん電話が少しずつではございますけれどもよくつき出しますと、新しい需要がどんどんふえてまいりまして、そしてその結果つける数よりも積滞数の方が多いという歴史を約二十何年間電電公社でも繰り返してまいりました。したがいまして、現在積滞数としては十二月末で約五万六千という積滞数を持っておりますけれども、これらのものにつきましても、先ほど申し上げたような形で三、四年の間にはぜひこれを解消したい、こう思っております。  ただ、これを一遍にできませんのは、先ほど申し上げましたように、相当長期を要する基礎設備の問題と、それから昨年労使関係ということを申し上げましたが、具体的に労使関係がいいとか悪いとかいうことのほかに、従来の、昔の協約その他が本土協力と異なりますので、これを逐次私どもの方の全電通という組織を通じまして本土に近い形で皆さん方に納得をしていただきながら改めつつある状況でございますので、三、四年の間にはそういった点もめどがつくのではなかろうかと私ども思っております。
  8. 上原康助

    上原分科員 復帰時点での積滞数は幾らぐらいあったのです、累積の積滞数は。
  9. 遠藤正介

    遠藤説明員 四十六年度末の積滞数が三万三千ぐらいでございます。
  10. 上原康助

    上原分科員 四十八年十二月末は幾らですか。
  11. 遠藤正介

    遠藤説明員 四十八年十二月はちょっと私ここに数字がございませんが、四十八年度末で大体四万でございます。
  12. 上原康助

    上原分科員 私が調べたところでは、四十八年十二月末の積滞数は四万九千になっている。四万九千、約五万、これは四十八年の十二月末ですよ。四十九年の推定では五万六千にまたふえてきている、毎年。ですから復帰時点で三万三千二百四十五の積滞数であったのが、解消されるどころか、需要がふえたとおっしゃるのだが、それは当然でしょう。ふえないと困る。それを充足していくのが皆さんのお仕事であって、解消するために一生懸命努力をなさると言ったのだが、実際問題としては三万三千から五万六千に倍近くなってきている。こういう状態じゃ、とてもじゃないがこれは解消できないんですね。何かほかに根本原因があると思う。  そこで考えられるのは、特に海洋博との関係で、全部そういった公共面設備の面とか優先してやっているものですから、個人の利用というものがこのように積もっていっている、これを何年計画でどのように解消していくのか、この際少し明らかにしていただかないと、積もるだけではこれはどうにもなりませんね。ここいら事情はどうお考えなんですか。
  13. 遠藤正介

    遠藤説明員 これは先ほどちょっとお話をいたしましたように、電電公社もそういう御批判を二十何年か承っておったわけです。電話がつき出しますと、いままで眠っておりますいわゆる需要というものがふえまして、積滞というのがどうしてもふえるわけでございますが、この積滞という意味は、昨年度中に申し込みがありましたもの、本年度中に申し込みがありましたものを本年度中につけられなくて翌年に繰り越したものを申します。したがいまして、具体的に沖繩の場合でも、正確な数字は存じませんが、たとえば一昨年申し込まれたものは私は相当数がついておると思います。ですから、そのまま眠っておるわけじゃなくて、それをやっていく、順番でやっていきますうちにまた新しい需要が出てくる、こういう状態でございますので、逆説的な言い方になりますが、電話がつき始めますと積滞数というのは数字の上でふえてくることになります。それが第一点。  それから海洋博の問題でございますが、これは御承知のように海洋博周辺電話利用改善のためにも、海洋博が終わりますればそれに転用されるための設備でございます。また、海洋博開催を機会にいろいろな公共施設等整備されておりますが、それに関連するもので、これは海洋博だけじゃなくて、それが終わりました後その地域電話利用にそのまま転用されるという形でやっております。  そこで、基本的に何年で解消されるかということでございますが、実はこれは私どもの方の仕事のやりくりとしましては、まずその需要というものがどれくらい出るかということを押さえなくてはいけません。その需要とり方そのものが実は従来から非常に不十分でございましたので、この需要とり方をもう少し整備をいたしませんとはっきりわかりませんが、現在私どもがしようとする段階では、大体数年間のうちに、四、五年のうちには必ずいわゆる本土の県と同じレベルまでいけるようにしたいと、こういうつもりでやっております。
  14. 上原康助

    上原分科員 いろいろ言いわけもあるでしょうし事情もわかりますが、たとえば四十七年度の架設数皆さんの御計画ではたしか一万五千だったですよね。四十八年度は二万、四十九年度もたしか二万五千だ。では、その実績はどうなっているのですか。皆さん計画なさったのがこういう数字ですよ、一万五千、二万、二万五千と。実績はどうなっているのですか。
  15. 遠藤正介

    遠藤説明員 残念ながら、それはたとえば四十九年の場合一先ほど申し上げましたように、私ども現在の見通しでは一万二千の架設が予想されます。現在まで約九千架設しております。したがいまして、これはやはり計画に対するそこでございまして、計画そのもの需要の予測その他が非常にあれだったものですから、地域的にうまくまとまりませんで、そういうそごを来しました。基礎設備との関係そごを来しておりまして、これらの点を基本的にやりかえましていくためには、あるいは私ども数年かかるかと思いますが、いまのところ本年度計画数には確かに及ばない一万二千という数字でございます。
  16. 上原康助

    上原分科員 そこに問題があるわけでしょう。計画ではこういうふうに沖繩電話架設はやりますということで、予算も十分措置しますということをおっしゃった。それは計画が一〇〇%まんまといくということは、いまの状況下達成率に若干の落ち込みがあることはやむを得ないと思うのです。しかし余りにもひどい。一万五千に対して架設された実績はわずか三千じゃないですか、四十七年度。四十八年度も四千、五分の一ですよ。これじゃ計画倒れじゃないですか。そういう実績にしかならないという見通しであるならば、もう少し計画においても、こういう事情だからこうなんだということを県民関係者十分理解をさせる努力をなされば、まだ協力理解というのもできるのだが、計画ではこれだけ持っていきますよ、本土水準に二、三年で持っていきますよと言ったって、やっているお仕事実績がこういう状態では、これは理解できませんね。     〔主査退席内海(英)主査代理着席ここいらはぜひ早急に解消するように特段の努力をしていただきたいと思いますが、これはやりますね。
  17. 遠藤正介

    遠藤説明員 いま先生のお言葉にございましたように、確かに地域では非常に計画実施の差が多うございまして、だんだんその差も四十九年度は詰めてまいりました。それからまた地域別には、那覇市あたりにおきましては相当私は改善されておると思うのでございます。ただ、本土復帰します前の沖繩電電公社というものと、いまの私どもがやっております電話架設の基本的な違いは、やはり住宅電話というものを相当私どもは重視をし始めているというところに問題の焦点があると思います。また、それだけにむずかしいと思いますが、いまの先生の御指摘のようになお一層努力をさせまして、県民皆さんの御期待に沿うように、また御理解をもいただくようにいたしたいと思います。
  18. 上原康助

    上原分科員 たとえば私的なことを申し上げてあれですが、私も事務所に電話が必要で、もう二カ年近くなるが、実際問題としてまだ入れてもらえないのですよ。回線がないと言っている。那覇でさえそういう状態なんですよ。もう少しそういったのは県民の、利用者の立場に立った運営なり業務のあり方というのをやっていただかないと困ると思うのですね。  ところで、五十年度の予算で、たしか百五十五億円ぐらいの投資額ですか、この通信施設のあれでなされていると思うのですが、簡単にその内訳を、どういう面に重点を置いておられるのか御説明いただきたいと思うのです。
  19. 輿寛次郎

    輿説明員 お答えいたします。  五十年度の予算も、五カ年計画一つといたしまして、何と言いましても住宅電話あるいは一般電話架設重点を置きまして五十年度といたしましては二万五千の一般電話の開通、あるいは公衆電話一千六十個、あるいは専用線回線電話局で申しますと二十局、その程度を考えております。
  20. 上原康助

    上原分科員 その予算が百五十五億円ということですか。
  21. 輿寛次郎

    輿説明員 さようでございます。
  22. 上原康助

    上原分科員 これもまた計画倒れにならないように、ひとつ十分やっていただきたいと思います。  次に、海洋博開催に伴っての電話需要が非常に増加しているということは、これは理解できるわけですが、そこで問題は、民宿なんかに電話を引こうとしたってなかなかもうできないと言っているんですね。したがって、営業計画も成り立たない。万一、海洋博期間中の民宿病人とかいろいろな、どうしても電話が必要だという場合は一体どうするかという問題が関係者から要求があるわけですよ。こういうのは臨時架設をするとか何らかの対策をとっていただかないと、海洋博や何やかんやと言ったって、電話もないし公衆電話もないというような状態では、とてもじゃないが利用者に対しては御不便を与えてしまう、あるいは救急病人なんか出た場合にも困る。この面の対応策はございますか。
  23. 遠藤正介

    遠藤説明員 実は私、先月沖繩に行ってまいりまして、海洋博の現場も見てまいりまして、いま先生のおっしゃったようなことは痛感をしております。これは大阪の万博のときもそうでございましたが、そういう臨時的な需要が非常に多いので、近く沖繩那覇市の中に特別の営業関係を設けまして、そういう臨時設備の受け付け、あるいは需要に対応できるように相談をしてまいります。おそらく完全かどうかわかりませんが、できるだけのことはいたすようにするつもりでございます。
  24. 上原康助

    上原分科員 そういう計画があって、できるだけこれは臨時的な措置をやりますね。  それと次に、先島、いわゆる宮古、八重山のテレビ回線同時放映の問題も前々から取り上げてきたのですが、いろいろ御努力をいただいていることは評価いたしますが、この計画進捗といいますかはどうなっているのか。たしか今年の夏ごろまでにカラー同時放映できるような措置をとるということだったと思うのですが、御説明いただきたいと思います。
  25. 石川晃夫

    石川(晃)政府委員 先島の件でございますが、これは御承知のように、現在は先島の方にビデオテープを空輸いたしまして、そうして先島で放映しているわけでございます。一日に約十六時間程度でございますが、そういうかっこうで放送しております。ことしの夏、電電公社の方で沖繩本島宮古の間に見通し外電波によりますマイクロ回線が完成するわけでございます。これができますと、白黒テレビ同時放送が可能になるわけでございます。  それからまた、沖繩本島宮古の間にカラー番組を伝送することができる新型の海底同軸ケーブルの敷設も計画されております。これは電電公社でございまして、五十一年度中には開通する見込みでございます。これが開通いたしますと、すべての番組につきまして、カラーでの同時放送が可能になるという計画でございます。
  26. 上原康助

    上原分科員 白黒については、昨年、三月を目途とするということじゃなかったのですか、たしか去年は。
  27. 山本孝

    山本説明員 昨年、この予算分科会でも御説明申し上げましたが、白黒テレビジョンにつきましては、見通し外伝搬マイクロを使いまして、今年夏ごろ開通するというふうに申し上げたと思います。これは、現在、同時放映をいつからやるかということは、NHKの方でお決めになること、郵政省と御相談されることですが、それの伝送路につきましては、それに間に合うように、目下順調に進捗をしております。
  28. 上原康助

    上原分科員 これも早急に、また計画が狂ったとかそういうことのないように、ぜひ実行していただきたいと思うのです。晩になって、おはようございますというテレビ子供たち復帰しても一体何年見せるのです、皆さん大臣、そういう状態なのです。朝のラジオ体操をお昼後に見るというような状態は、もうなくしてもらわないと困ると思うのですね。海底ケーブルの問題についても、予算筋の面で支障のないように十分やれますね、五十年度までに達成するように。
  29. 山本孝

    山本説明員 お話のとおり、白黒テレビジョンにつきましても、それからカラーテレビジョンの伝送につきましても、予定で申し上げた白黒につきましては、今年夏ごろ、それからカラーテレビジョン伝送につきましては、五十一年度に開通できるように努力をいたします。
  30. 上原康助

    上原分科員 ぜひいまの電話の問題とか、この先島へのテレビ同時放映等について、十分支障のないようにやっていただきたいと思います。  それと、今度郵政省にちょっとお伺いしますが、復帰後どのくらい郵便局増設されたのか、御説明いただきたいと思います。
  31. 武田礼仁

    ○武田説明員 お答えいたします。  増設という言葉の意味になるわけですが、改善された局数ということでお答えいたしたいと思います。  四十七年度に、特定局が二つ。それから四十八年度に普通局が一つ、特定局が三つ。それから四十九年度に特定局が一つというようなプロセスで改善されております。
  32. 上原康助

    上原分科員 特定局の設置の問題ですが、これは全国的にいま問題になっているわけですが、特に沖繩の場合は、御案内のとおり、復帰前に特定局というのはなかったのですね。みんなが、全部公設の機関として郵便局というものは運営されてきた。しかし、復帰後は、公設の、公的なものをふやすよりも、むしろ特定局の方に皆さん重点を置いておるのですね。特定局のあり方というものは、これは労務管理の面からしても、いろいろな面で問題を起こしている。あれだけ特定局を廃止をしてくれ、まかりならぬということを全逓さんなりあるいは関係者が強く申し入れても、市町村だって、それを快く受けとめていないわけでしょう。今後も特定局を中心に進めていくお考えなのですか。
  33. 石井多加三

    ○石井政府委員 沖繩の普通局と特定局の分布の問題については、沖繩の場合、現在特定局が全部で確か九十九局あったと思いますが、沖繩地域の特殊性がございまするので、今後、普通局を増置するというような必要性よりも、無集配の特定局でございますとか、あるいは集配の特定局をふやすとか、あるいはまた簡易郵便局をふやすとかいったようなことによって、郵政のサービスをもっと普及させるということの必要性が大きいものであるというふうに見ておるわけでございます。
  34. 上原康助

    上原分科員 それは確かに僻地であるとかいろいろな面で、公有化の郵便局にするよりも手っ取り早いかもじれませんね。しかし、郵便物というのはやはり秘密を守らなければいかぬ原則もあるわけでしょう。特定局を置いて、ある部落や村のボスをそこに置いて、郵政省の指示指令に従って動くような郵便局であっちゃ困るのですよね。乱用されている。だから、関係者はこの特定局の設置については強く反対をしているわけでしょう。できるだけ公的なものにしていくという立場でこれはやっていただきたいと思いますが、どうしても特定局をふやしていくというお考えですか。
  35. 石井多加三

    ○石井政府委員 特定局という名称は、いろいろ、この中身についてもまた、昔のいわゆる請負時代の特定局制度というものについてのあるいはそういった印象をお持ちになっての御発言のようにも受け取れるのでございますが、いま別に特定局でありますとか普通局でありますとか申しましても、同じ郵政省の公的な郵便局であることはちっとも違いはないわけでございます。特定局長の任用等につきまして多少自由任用制というような、普通局と違う任用制をとっているにいたしましても、同じく国家公務員でありますし、国から給与を支給しておる職員でございます。そこの中のいろいろな業務の運行も局長の恣意によって動かされるといったようなことは全くないわけでございますので、問題はその地域地域に置く郵便局の大きさ、普通局というのはやはり大体定員三十人以上の大きな局をわれわれ呼んでいるわけでございます。そういった大きいものを置く必要があるか、小さい郵便局でいくかというその違いでございまして、制度の本質にはちっとも変わりがないというふうに御理解を賜りたいと思います。
  36. 上原康助

    上原分科員 皆さんはそうおっしゃっても、しかし関係者協力していただく、あるいは理解してもらえるということでなければいけないわけですね。いまよしんば、局長が御説明なさるような方向で皆さんが管理しているということであるならば、少なくとも設置をする場合はその地域の市町村なりあるいは関係労組とも十分協議の上で、納得のいく方向でこの問題は解決をしていくということでないと、特定郵便局局長の自由任用制度をいままでもとっているわけでしょう。そして局舎というものは私有化して、私物化している。これではいけないと思うのですね。少なくとも関係者と協議の上で今後は進めていくというお考えはあるわけですね。
  37. 石井多加三

    ○石井政府委員 郵便局を置く必要性の有無についての判断をいたします場合には、当然その地元のいろいろな地域の情勢を見、また地元の住民の御要望も聞き入れて、われわれの方はやっているつもりでございます。その点はお説のとおりでございます。  ただ、沖繩の場合は、ただいまお話が出ましたけれども、九十九局の特定局の中で八十七局までが、これはいわゆる国有の局舎でございます。あとの十二局が、国以外のものを郵政省が借りておるということでございますし、それも特定局長の個人の財産を借りておるというものはほとんどないように私は聞いているわけでございますが、これはわが国全体の特定局の中ではちょうど逆でございまして、全国で一万七千ばかりの特定局の中で大体八%ばかりのものが国で持っており、あとの九二%のものは、これは実はいろいろなものを、第三者の所有のものを借りておる、借り入れ局舎が大半である。ちょうど沖繩の場合は逆になっているわけでございまして、余り御指摘のような、特に局長に立候補する者がおるからそこへ郵便局を置くということはもちろんやっておりませんし、現実にそういう局舎はほとんどないというふうに私は理解しております。
  38. 上原康助

    上原分科員 ですから、先ほど申し上げたように、沖繩の場合は、アメリカの施政権下にあっても、郵便局というのはやはり公的機関でなければいかぬということで、そういった特定局とかは置かなかったわけですよ。それはよかった面なんだ。それが本土がたくさんあるからということで、今後沖繩にもあっちにもこっちにも特定局を置きますということではいかぬということですよ。その点はおわかりですね。
  39. 石井多加三

    ○石井政府委員 特定郵便局という制度自体は、私たちはいろいろ御批判ございますけれども、今後も維持していくべき郵政事業にとって非常に適切な制度である、さように理解しておりまするので、その点につきましては残念ながら先生の御意見に賛成いたしかねる次第でございます。
  40. 上原康助

    上原分科員 時間かもうあれですね。VOAの件は次、防衛庁の分科会がありますから、そこでお尋ねしますから御勘弁いただきたいと思うのです。  そこで、大臣、いまいろいろ郵便局、これも本土の人口比でいってもまだ五〇%程度なんですね。あるいは電話架設状況というのは先ほど申し上げたような状態テレビ回線、そういった面でもいろいろな面でまだまだ施設が十分でない、格差があるということは、わずかの時間でしたがやりとりを聞いてお気づきになったと思うのです。この種の問題はやはり本土復帰した以上は、特に最近の社会生活、文明生活においてこれを整備していただくということは、欠かせない最低の条件なんですね。そういう意味で、ぜひ予算面においてもいろいろな角度から御検討いただいて、事務当局にも指示をしてもらって、特に海洋博という関係もありまして、早急に整えなければいかない問題がたくさんありますので、ここらで大臣の今後のこれらの問題に対する決意のほどを伺っておきたいと思うのです。
  41. 村上勇

    村上国務大臣 復帰後まだ歳月があまりたっていないために、いろいろと隘路があろうと思います。特に海洋博を控えての電話需要につきましては、先生御指摘のとおり私も全く同感であります。先ほど遠藤総務理事からお答えがありましたように、そういう調査会あるいは委員会というものを設けて、そうしてこれが対応策を講じつつあるようでありますから、私も電電公社によく地元の期待に沿うようにということを申し上げて、その御期待に沿うようにいたしたいと思います。  それから先ほど特定局の問題でございますが、これはあなたが特殊事情であった沖繩における御認識だけで御指摘されておるように拝聴いたしておりまして、特定局というものがとにかく非常に地域住民のためになっておるというようなことは、沖繩以外の国内におきまして非常に歓迎されておるのであります。したがいまして、将来沖繩もどんどんと不自由を除いてくれるような特定局ができることを私は希望いたしております。とにかく特定局と普通局の問題は、普通局でなければいかないというような切実な御意見をこの沖繩以外のところでは聞いておりませんから、その点ひとつ郵政当局としても十分検討して、はっきりしたものをこれから出していきたいと思っております。
  42. 上原康助

    上原分科員 どうも、時間ですから……。
  43. 内海英男

    内海(英)主査代理 これにて上原康助君の質疑は終了いたしました。  次に、久保三郎君。
  44. 久保三郎

    久保(三)分科員 時間もありませんので、簡単に地元に関係する問題を二つほどお尋ねするのでありますが、一つ電話加入区域の問題であります。電話加入区域については一般的な加入区域、そのほかに特別加入区域、そういうようなものが決められているのでありますが、最近電話の普及が広域的になってきたと思うんですね。特に都市部においてはもちろん、稠密というかたくさん密集するような傾向だと思うのでありますが、地方においては拡散の方向というか、需要が広がってきたと思うんです。だから、いままでの加入区域ではカバーし切れないものがたくさん出てきている。また実情はたいへん理不尽と言ったら語弊があるが、現状に照らしては理不尽なものが出てくる。もちろん、特別加入区域あるいは普通の加入区域を決めた当時は大体理屈に合っていても、だんだん情勢の変化に伴って、従来特別加入区域であったものが当然のごとく国民あるいは地域の住民の生活から見れば一般的な加入区域に編入というか拡大されるべき筋合いのものが多いのでありますが、そういうためにかなりトラブルがあると言っては語弊がありますが、国民大衆の中には不平や不満が出てくることも事実であります。公社の財政状態もこれはわからぬわけではありませんが、何といってもやはり公平に、しかも独占事業でありますから、郵便以外はほかに方法手段はないのでありますから、そうなりますれば、当然企業の採算ベースだけでこれらを律するわけにはいかないかと思うのであります。ついては、この加入区域の設定の基準というのを法律では「地域の社会的経済的の諸条件、行政区画、加入電話需要及び供給の見込」当然のごとく、そういう項目が挙がって、それによって決めるとなっておるのでありますが、具体的な決め方、基準の持ち方については公社に任せられていると思うのであります。これはちょっと言葉にひっかかりがあって恐縮だと思うのですが、えてしてこういうものは、法律の上では大変民主的にできておりますが、実情は独善的な決め方をされる場合が多いのであります。私は、この加入区域を拡大するために変更といったらいいのか拡大ですね、そういう基準について、もちろん中央ではいろいろな審議会でやられる場合もあるが、具体的な基準というか区域を決める場合は、地域においてもっと民主的な方法でこの区域を決めていく方法を考える時期ではないのか。しかも一たん決めたら、公社が大体様子を見てこの辺から変更しようかというのではなくて、毎年一回ぐらいは開いてそれを見直しするというのが今日必要ではないかと思うのでありますが、いかがでしょう、大臣
  45. 村上勇

    村上国務大臣 電話の普及によって国民の利便の向上を図るため、電話加入区域を拡大すべきであるという御趣旨には全く同感であります。電電公社では、四十八年度以降五カ年計画をもって普通加入区域を逐次拡大しているところでありますが、設備投資の予算及び需要の動向等を考慮しながら漸次拡大への努力を続けるように、電電公社を指導してまいりたいと思います。
  46. 久保三郎

    久保(三)分科員 五カ年計画で拡大すると言うんですが、電電公社お話を聞くと、加入区域はおおむね五キロの距離というかサークル、そういうものを置いているそうでありますが、もちろんそれには多少なりとも科学的な根拠があるのかもしれませんが、地域によっては五キロなんというコンパスを当てたようなわけにはまいりませんので、こういうものは考えて少し修正をしたらどうかというふうに思うのです。われわれの住んでいる地域でもそうなんです。つい数年前までは山間僻地であったものが家が立て込んできて、どんどん開発されまして、最近では団地ができたなんという所があります。ところが、道路一つ隔てて、それは特別加入区域だというので、思わぬ負担があるのでしり込みをするということですね。そういうものもあるので、この際、五カ年計画に基づいておやりになることは結構だ、もっと繰り上げてもらいたい。それと同時に見直しをもう一遍やる必要がありはしないか。おまえの所は大体来年見直すから待っていろじゃなくて、県内でも地域によっていろいろあります。そういうものを見直す工夫をしてみたらどうかと思うのだが、それはいかがか。  それからもう一つ。時間もないので大変恐縮でありますが、特別加入区域の割り増しと言ったら語弊がありますが、百メートル九千円とかの特別料金がありますね。こういうものも、公社の経理から言えばあるいは採算割れしているのかもしれませんが、新たな工夫を考えてみたらどうか。その際一遍に取らぬで、電話の普及発達によって取れる部分もあるだろうし、あるいは考えようによってはもっといろいろな問題がある。あるいは地域において新しい町村の建設計画というか、そういうものともあわせてそういうものを考えてみたらどうだというふうに思うのです。そうなれば地域住民もある程度納得するわけですね。  それからもう一つ、積極性がないのじゃないかというふうにわれわれは思うのです。たとえば私なら私が区域外で電話を引く、これはもろに負担しなければならない。しかし、通話の度数を見ても、まず一日に一遍か二遍しか通話しないだろう。こうなれば、その地域に五軒か六軒あるんだから共同にしたらどうか。いまは何と言うか、集団と言うんですか、そういうものを積極的に進めていって、そういう希望する者の負担を軽くして、もっと合理的に引いてやるという積極的な工夫があってしかるべきなんだが、われわれが窓口に行っても、先生、あそこはだめなんですよ、区域外ですから高い料金取ります、ということだけで終わってしまう。これでは余りにも芸がないお役所仕事ではないかというふうに思うので、この辺について公社自体はどう考えておられるのか。
  47. 遠藤正介

    遠藤説明員 いろいろ御意見を伺いましたが、区域という問題は、実は日本全土の一五%が普通加入区域で、残りの約一五%が特別加入区域でございます。そこで私どもとしては、区域の問題いろいろございますが、確かに先生がおっしゃいましたようにいろいろな問題がございましたうち幾つかは解決してきたわけです。と申しますのは、一番大きいのは料金の問題でございまして、前は区域内、いわゆる市内通話とその周辺との料金の格差が非常にはなはだしかったのを、先般の広域時分制の実施で料金の問題は一応解決をいたしました。それからいまちょっとお話の出ましたように、普通電話でなくて、私ども地集と呼んでおります地域集団電話については、この区域の問題を解決してまいりました。  残る問題は、現実の普通加入電話の区域の拡大の問題でございますが、この区域は、日本じゅうに普通加入区域というのが約五千ございまして、半径が大体二キロから三キロという非常に小さいものでございます。これが大体五キロになりますと約倍の広さになるわけでございまして、倍の広さになるということは、具体的に申し上げますと、先ほど申し上げた一五%の普通加入区域が残りの一五%の特別加入区域をほとんど全部吸収してしまうだろう、こういうことになろうかと思います。私どもとしては、これを第一の段階といたしまして、一応原則的に特別加入区域を吸収するような形で五カ年計画でやっていきたい。と申しますのは、なぜ五年もかかるんだと言うと、やはりそこに、加入区域になります以上は、申し込まれればすぐ電話をつけるという状態でふだんから設備を用意しておかなくてはいけませんし、したがって投資額が相当な金額になりますので、私どもの台所も苦しいものですから、計画的にやっていくということであります。したがいまして、五キロというのは定規で線を引いたような形式的なものじゃなくて、大体現在の特別加入区域、つまりわりあい人の住み始めている所あるいは開発されている所を中心に具体的にそれぞれの電話局で考えていく、こういうぐあいにいたしております。  それから、先生の御指摘にありましたように、確かに従来はこれほど急変する社会開発状態の中で一遍決められた区域をなかなか変えないということがございました。これも私どもとしては、一年なり二年なりの期間を置きまして今後は見直しをしていくということも考えていくことは必要だろうと思います。  それから、いま普通電話を申し込まれたときにもう少し親切に、たとえば地集ならいいとか、そういうようなことをサービスで申し上げる、これも確かにそうなんですが、御存じのように、地集はある程度まとまりませんとできませんので、お一人で地集というわけにもいきませんので、なかなかむずかしいと思いますが、確かに窓口の応対としてはそういう点も親切にする必要があるかと思います。  それから、特別加入区域の負担の問題は、実は昔は実費主義でございまして、実際にかかったお金をもろにもらっておったわけです。それをある経験年数の中で単金化をして、現在の百メートル九千円に一応単金化をいたしましたが、これも現在の実費から見て、諸物価値上げの折で約半額程度にまで下がっております。しかし私どもは、一応これを基準にして、もうしばらくがんばっていきたい。ただ、こういったようなものについては、政府として過疎対策で政府の補助金をお出しになるというようなことを私どもの側面からでもお願いしたい、こういうぐあいに現在は考えておりますが、公社としてはこれを極端に安くするということは、設備投資との関係で非常にむずかしいと思うのですが、以上申し上げましたように、先生のお尋ねの点についてお答えをさせていただきます。
  48. 久保三郎

    久保(三)分科員 なるほどそういう考えもあろうかと思うのでありますが、別に固執するわけじゃありませんが、時代は変わってまいったと思うのですね。電報電話の事業についてもやはり時代の流れというか趨勢に応じて対応してほしいものだというふうな気持ちでいるわけです。なるほど産業優先で今日まで来たと思うのです。電話の普及についても大体そういう傾向だと思う、あるいは都市中心だと思うのですね。御承知のように都市にはいろいろな通信というか連絡の手段もあるわけです。たとえば東京都一つとっても、電話が全部だめになったという場合には、身近な交通機関も伝達の方法としてはあるわけですね。ところが田舎の場合は、そういうものは常日ごろない。過疎地というか、交通もまばらである。そういう所で唯一の通信というか交通というのは電話が一番手っ取り早いのですね。そういうことになりますると、どうしても比重が違ってくる。最近は格差是正とか弱者救済とかが関心の的というか、趨勢としてそういう方向に行く時代でありますから、電話の問題についても同じように私は考えてしかるべきだと思うのであります。企業性については、もちろんあなたがおっしゃるとおり、百メートル九千円でも安いのかもしれませんね。もっともらわなくては採算に合わないと言うのですが、長い目で見た場合どうなのかという議論もあると思うのですね。それからもう一つは、そういうものは料金で取るのが原則ではないのか。施設費まで取るというのは独占だから取れるのであって、料金というかそういうもので取るというのが正しいやり方ではないのか。と申し上げますのは、生活に密着した事業でございますから、東京のものが安くて田舎のものが高いなんていうのは、これは何とも納得がいかないものですね。鉄道の運賃は、田舎の赤字線でも東京の中の山手線でも同じ運賃であります。その評価についてはいろいろございましょうが、いまやそういうものが必要な時代になったと私は思うのですよ。だから、そういう観点からすれば、私はあえて私の方によこせとは言わぬけれども、もう少し地方の電気通信部長に権限を委譲して、予算もつけて、そして機動的にそういうものができるようにやったらいいのじゃないかというふうに思うので、時間がありませんのでこれは別に御回答いただく必要はないかと思うのですが、考えてもらいたい。大臣、ひとつそういうふうな方向で五カ年計画なるものを見直してほしいと私は思うのですよ。いままでのやりきたりで、四十八年に立てたのでは、これは列島改造論に乗っかったやつだ、はっきり言って。こんなものは御破算にするのがあたりまえですよ。その中から公社の企業性の問題も考えたらいいと私は思うのです。よけいなことでありますが、そういうふうに思うのですが、大臣これはどうですか。四十八年からの五カ年計画なんていうのは、大体どこの官庁でも見直しですよ。よろしくお願いします。いかがですか。
  49. 村上勇

    村上国務大臣 御趣旨をくみまして、第五次五カ年計画より電話加入区域の拡大措置が終了した段階におきまして慎重に検討してまいりたいと思います。
  50. 久保三郎

    久保(三)分科員 いや、終了した段階というと五十二年になってしまうので、そういうことを申し上げているのじゃなくて、いま進行中の五カ年計画は、少し時代の変遷にも応じて見直しをいただいて、もちろん公社が自体でやられるのでしょうから、見直しをいただいて、時代の趨勢に合ったものにしていってもらいたい、その中で特別加入区域などももっと早く整理をしてもらいたい、こういうことを要望しておきます。  時間がありませんので先に行きます。  次は、分科会だから直接担当者が来ておらないようでありますが、NHKを中心にした放送の問題について、これは郵政省からお答えいただくほかにないのでありますが、いまの放送というのは非常に不公平なんですね、公平ではないのです。放送法の第七条では「あまねく日本全国において受信できるように放送を行うこと」とこうなっているわけなんだが、放送は行っているのか知らないが、受信ができないのです。放送は行っていますが、受信できないのはそっちのせいだということかもしれませんが、それでは少しどうかと思うのです。  一つは、難視聴の問題がございますね。余りへ理屈を述べるのはどうかと思うのでありますが、これはどこの責任で解決するのでしょう。受信者そのものか放送担当者そのものか、これはどちらですか。それともその地域にある地方自治体とかそういうものが解決するのですか。これはどうなんですか。
  51. 石川晃夫

    石川(晃)政府委員 放送法におきましては、NHKには全国あまねくサービスできるようにというようなことを規定しているわけでございますが、特にテレビジョンでございますが、テレビジョンの場合には見えない地域がわりあいあるわけでございます。これは難視聴地域と称しておりますが、その見えない形にも二つございまして、辺地、いわゆる相当へんぴな土地において見えない場合と、それからもう一つは都市において見えない場合、この二つあるわけでございます。この辺地におきますテレビジョン放送の難視聴の問題につきましては、従来から放送事業者に対しまして、そのサービスを徹底するよう、要するに難視聴地域を解消するように努めるように指導してきたわけでございます。ところが、いま申しましたように、都市におきましては、これは非常に複雑な問題でございまして、最近のように高層建築物が出てまいりますと、それによる難視聴の問題、そういうものの複雑な問題が出てまいりましたので、現在郵政省の中におきまして、この辺地の問題、さらに都市の問題、この両方を含めまして、調査会をつくって検討しているわけでございますが、現時点におきましては、この都市の難視聴の問題につきましては、原因者が責任を持つという形で指導してきているわけでございます。     〔内海(英)主査代理退席、主査着席〕
  52. 久保三郎

    久保(三)分科員 原因者が責任を持つということで指導するというのだが、指導では余り言うことを聞かないのではないですか。たとえば高層ビルを建てた、そのときに税金の形で賦課する、課徴金を取るとか、あるいはテレビの中継塔を建てさせるとか、そういういずれかをきちっとしなければいけないのではないかと思うのですが、いかがですか。
  53. 石川晃夫

    石川(晃)政府委員 御指摘のとおりでありまして、その点が非常にむずかしい問題でございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、郵政省の中にそのような調査会を設置いたしまして、そして現在、学識経験者によりまして、技術面、さらに法制面、こういう両方の面からこの問題を検討いたしております。これが大体今年度末に答申をいただくということを予定いたしまして作業を進めておりますが、やはりいろいろむずかしい問題がありまして、あるいは少し予定より延びるのではないか、こう思っておりますが、われわれといたしましては、この調査会の検討結果をまちまして、いずれわれわれの対策というものを進めていきたい、こういうように考えております。
  54. 久保三郎

    久保(三)分科員 私の地元の水戸市では、最近というより、もうしばらく前からテレビは二重写しが普通でありまして、きっちり見えたためしがどのチャンネルもありません。そこで、市の方では中継塔といいますか、それをつくる予算——一つについて金がかなりかかる仕事なんですね。それで市でも金を出す。これはいまあなたがおっしゃった障害を起こすところの、たとえば高層ビルを建てたものから税金を取ってという思想ならば、そうだと思うのですね。どういう関係、どういう考え方からお金を出すのかわかりませんが、NHKは全部出すとか言っていましたが、民放は全部出し切れない、市役所からも出せということで話は決まったそうでありますから、もうこれに文句をつける必要はないと思うのですが、いまのお話のようにきちっとしないところがあるから、二年も三年も難視聴をがまんしなければならないという視聴者の身からいけば、これは大変なものだと思うのですね。いまのお話だと、むずかしいことがあるかもしれないが、ちょっと延びるかもしれないというのでは、困るのですね。延びないように精いっぱいやってもらうことだと思うのです。  時間もありませんので、もう一つだけ申し上げておきます。  それから、放送は全国向けの放送番組のほか、地方向けの放送番組を有することということが四十四条に書いてあるのですね。ところが、たとえば、私は茨城県なんでありますが、首都圏では、大体そういう地方向け放送というのは首都圏放送というのがあるのです。こういうものが果たしてそれでいいのかどうか。非常に不公平ではないか。茨城県の者が群馬県のニュースを聞いておって、何かたまにローカルというか首都圏ニュースということで、東京のニュースばかり聞いていて茨城県のニュースはわからない。ところが福島県や青森県へ行くと、その地域のニュースが十分に入る。電波も別な電波でしょうから、放送の番組も非常に多彩に組めるように、私は素人でありますが、見受けられる。そういう観点からして、特にNHKは、これも電電公社と同じように、お金がないということが結論かもしれませんが、お金がないのなら何もできないのでありますが、そういうことでなくて、もっと前向きで考えたらどうだろう。これはどうなんです。いわゆるローカル放送ができる電波を与えることはどうなんですか。  それから、時間もありませんので、NHKばかりじゃなくて民放の会社が申請しているものがあるのかどうか、申請しているとするならば、なぜ免許が取れないのか、免許をしないのか。これは免許の基準というものはきちんときまっておるわけでありますから、どういうわけでそういう免許をしていないのか、あわせてお答えいただきたいと思います。
  55. 石川晃夫

    石川(晃)政府委員 お答えいたします。  先生から御指摘の首都圏放送と申しますのは、われわれの方は広域圏放送ということでございまして、これは対象といたしましては関東地方、それから近畿地方、東海地方、この三つを大体広域圏放送ということで考えております。  郵政省といたしましては、そのような広域圏放送に対しましてはNHKの総合テレビジョンの県域放送は可能になるようにということで、昭和四十五年以来指導してきたわけでございます。逐次措置がされておりまして、近畿地方と東海地方はすでにNHKの置局か完了したわけでございます。ただ、関東地方におきますNHKテレビジョンの県域放送用の周波数につきましては、実は特に茨城県などは置局における技術的問題があるわけでございます。これは地形などが非常に影響しているわけでございますが、したがいまして、現在ではこの技術的検討を行っているという状況でございます。  それから民放関係でございますが、民放につきましては、ことに茨城県につきましては、昭和四十六年の七月でございますが、水戸地区に民放テレビジョン放送局用の周波数を一波割り当てたわけでございます。これはUHFの波でございますが、これを一波割り当てております。これに対しまして、現在地元から八社の免許申請が出てきているわけでございます。われわれ、現在この申請につきまして審査しているところでございますが、内容を見さしていただきますと、経営の見通し等につきまして若干問題があるように考えられますので、その点、現在事務当局で検討中でございます。  以上でございます。
  56. 久保三郎

    久保(三)分科員 時間でありますから、詳しく申し上げるわけにもいきませんが、いまのNHKの問題については、技術的な検討をしているというのですが、見通しはいつなんです。いつまでも、さっきの話じゃないが、なぶっていられたんじゃ、ちょっと困るのでありまして、いまの時代にそんなに長くかかるはずはないと私は思うのですね、技術的検討ならば。それはどうなのか、あわせてお答えをいただけますか。  それからもう一つは、この民放の八社の申請があった、これは経営の問題だけだ、こういうのですね。そうですね、経営の問題でどうかと思う……。これに対して、電波監理局がどういうふうに見られているのか。八社もあっては、ちょっとこれは過剰の申請のようにも思います。むしろ別な意味で、どれにしようかなという、それができないでおられるのじゃないのですか。これは決断と、言うならば公正の問題にかかるわけでありまして、三木内閣ならできると思うのですよ、そういう内閣らしいから。ところがそれができないというのは、経済的な問題じゃなくて、何か思惑があってできないのじゃないのですか。これはもう少し高いところで御判断をいただくことだと思うのですが、これは郵政大臣からお答えいただく方が一番いいように思うのですが、どうですか。
  57. 石川晃夫

    石川(晃)政府委員 先ほど御指摘ございました技術的検討の問題でございますが、これにつきましては、NHKにおきましても現在調査を進めておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、茨城県の場合は、筑波という場所と、それからその後ろの日立の方の問題、この問題等を含みまして、技術的に非常にむずかしい問題点がございます。その点を調査を進めておりまして、五十年度、NHKにおきましても鋭意その置局の問題について取り組んでいくということでございまして、進めるように予算も計上されているわけでございます。  それから民間放送の問題でございますが、これはまだ大臣の御裁断を仰ぐまでに至っておりませんで、やはり先ほど申し上げましたように、経営の問題ということで、民間放送の場合でございますので、経済的基盤が確立されているということを私たちは審査の対象にしておりますが、その点においてまだ十分われわれの事務段階において判断のつくところまで来ておりませんので、その点、現在事務当局において検討中でございます。
  58. 久保三郎

    久保(三)分科員 もう長いこと事務当局で検討していても結論がつかなければ、やっぱり大臣のところまで上げて検討いただくのが当然じゃないのですか。余りおくれているのはかえって悪いのですよ。私は別にどうということはありませんけれども、そういうことです。  それから、NHKは五十年度についてというお話ですが、これはもっと早めて、本年度そういう要望がかなえられるように、ひとつ督励をしていただきたい、こういうふうに思います。  時間がありませんので、以上で終わります。ありがとうございました。
  59. 谷垣專一

    谷垣主査 これにて久保三郎君の質疑は終了いたしました。  次に、柴田健治君。
  60. 柴田健治

    柴田(健)分科員 郵政省にお尋ね申し上げたいのですが、私たちは、弱者救済という立場でいろいろの場で論戦を深めておるわけですが、今度は郵便料金値上げという法案が出てきました。しかし、まだこれからの審議で、私たちは公共料金の凍結ということで臨んでおりますけれども、まず私は、郵政省がぜひ弱者救済という立場、そして、特にその中できょう申し上げたいのは、身体障害者に対して封書並びにはがきの料金を半額にしたらどうか、そういうことを提案を申し上げて御回答願いたい、こう思ってお尋ね申し上げるわけです。  御承知のように、身体障害者対策というものは、国においても、基本法をこしらえ、また、福祉法をこしらえ、関係の法律がたくさんできておるわけですが、それぞれ国においても、地方公共団体においても、また民間においても、できる限り身体障害者の皆さんには温かい手を差し伸べていくという、そういう基本姿勢で取り組んでおるわけであります。その中で、郵政省もひとつ力いっぱい考えてもらいたい、こういう気持ちでお願いを申し上げるのですが、どうでしょうか。身体障害者に対して、はがき、封書の半額というこの減免措置、特に私は、無差別に全面というわけにいかないだろうから、身体障害者の手帳を郵便局で提示したら月に二回ぐらいは認めてやる。そうすれば年に二十四通ぐらいは、ささやかな温かい思いやりというか、血の通うた政治ということから言っても、その程度のことはしてやってもいいじゃないか、こういう気がするのですが、いかがですか。
  61. 石井多加三

    ○石井政府委員 お答え申し上げます。  身体障害者に対して封書、はがきの料金を半額にしたらどうかというお話でございます。  現在、郵政省では、身体障害者の方々の中で盲人の方につきましては、御承知のとおり、盲人用郵便の料金を無料といたしておるわけでございます。これは、わが国のみではなく、世界共通の制度でございまして、万国郵便条約という国際協約がございますが、その中におきましても、盲人用の郵便に限りまして無料とするような明文があるわけでございます。この趣旨は、盲人の方々は、知識あるいは慰安を得られるためには、一般の出版物によることができませんために、いわゆる点字などによらなければならぬわけでございます。盲人の方々は、こういった点字物等の借り受けとかあるいは入手をされるに当たりまして、郵便でこれを送られる、そういったことに依存される度合いが非常に高いわけでございます。しかも、点字物等は、一般の出版物より非常にかさ高でもありますし、重くもあります。いろいろな面で郵便の利用郵便料金をたくさん払っていただかなければならない、そういうハンディがございますので、そういった点を考慮いたしまして、これを軽減するという趣旨に基づいて世界各国とも、いま申し上げたように無料扱いにしておる、そういう趣旨でございます。  いまのお尋ねは、盲人以外の身体障害者の方々すべてについて封書、はがきの料金を半額にしたらどうかということでございますが、盲人以外の身体障害者の方々ということになりますると、いま私が盲人について申し上げましたような、郵便利用上の特別な事情といったようなことになりますと、一般の方々との間に特に特殊事情があるというふうな差がないように思いまするし、また、私たち郵便を扱う側から言いますと、身体障害者の方々が出されたものであるかどうかということを逐一確認するという——いま身体障害者手帳というようなこともおっしゃいましたけれども、いずれにしてもそういった確認というような、取り扱い上の技術的な困難性もあるかと思いますし、また、取り扱いの複雑化というようなこともあろうかと思いますので、私たちとしては、これの実施は非常にむずかしいというふうに考えておるわけでございます。
  62. 柴田健治

    柴田(健)分科員 私はそうむずかしいことはないと思うのですね。あなたが無理やりむずかしく考えておるのじゃないかということです。民間のバス会社でも、赤字が出て困っておる会社でも、手帳を出したら、車掌さんが手帳を見て割引切符を切って、いま合理化で自動化だということで車掌もいない時分でもやはり非常に苦労して、このささやかな、身体障害者に対する思いやりをやっておるのですよ。それを、郵政省ができないなんというのがおかしいのであって、たとえば雇用促進でも郵政省が一番成績が悪い。民間の赤字会社ですらやっているのにそれができないというのはおかしいので、無差別にやるのでなくして、ひとつテストケースで何ぼかやってみようか、そういう検討の余地があるというお答えが出ると私は思っておった。全然むずかしい、事務的に困難だというが、私は事務的に何もむずかしいことはないと思うのです。手帳を持っていって、年に一回なら一回、二十枚なら二十枚だけは認めましょうとか、無差別というのじゃないんだから、そういう方法は検討していい知恵を出せば、いろいろなことが出てくると私は思うのですよ。私は、郵政審議会にでもかけて、この問題をどうするか、弱者救済、特に身体障害者に対するそういう血の通った行政、政治をするという立場で検討してみる、こういう気持ちがあってほしいし、そういうお答えを願いたい、こう思っておるのですが、大臣、どうですか。
  63. 村上勇

    村上国務大臣 全く先生と同感ですが、身体障害者、いわゆる弱者救済につきましては、郵政省がはがきや切手を売っているから、製造しているから、その主管庁であるからというだけでなくて、これはもう政府全体で考えるべきことではないかと思います。でありますから、こういう面から福祉行政と取り組んでいくということを考えますと、郵政省だけの問題でなくて、厚生省、大蔵省、政府全体の問題だ、私はこう思いますので、こういう福祉行政の施策の中で十分配慮してまいりたいと思っております。
  64. 柴田健治

    柴田(健)分科員 大臣は多少前向きの御意見、御発言をいただいたのですが、たまたまその窓口というか、当該官庁が郵政省ということになるので、ひとつ郵政大臣が閣議等でそういう問題を提案されまして、国全体の福祉行政の中でどうするか、前向きで努力する、こういうお答えを願いたいですね。直ちに五十年度から実施しなさいと言っているわけじゃないんだから、とにかくそういう次勢で実現に向かって最善の努力をする、こういう答えをいただきたいのですよ。どうですか、大臣、もう一回。
  65. 村上勇

    村上国務大臣 お答えいたします。  総合施策の中で配慮してまいりたいと思います。
  66. 柴田健治

    柴田(健)分科員 ぜひその実現に向かって最大の努力を願いたい、こう思います。  次に、私は、日本のいまの政治というか行政、国、地方公共団体を含めてギャンブルの政策が多過ぎるという不満を平素から持っておる一人なんですが、国を挙げて宝くじを売ったり、競馬、競輪も奨励もするしというように、余りにもギャンブルが多過ぎる。まあ東洋のモナコだとこう言われるぐらいギャンブルが盛んなんですが、人間は競争心や抵抗心や反抗心を持っている動物だから、まあそれぞれの競争心をあおるということもいいでしょうが、余りにも国がやり過ぎるという立場から、一つでもこのギャンブル的な要素になるようなものはやめた方がいい、こういう立場で私は申し上げたいのは、この賞品つき、景品つきのお年玉はがきはやめたらどうか。何も年賀状をやめろと言うのじゃない。それは人間のエチケットというか、社会連帯性の中で人間性という、いろいろな人間味を出すという立場で、いろいろ年賀状は出してもいいのですが、あの景品つき、賞品つきという制度はやめたらどうか、こういう気持ちで申し上げるのですが、どうでしょうか、これ。
  67. 石井多加三

    ○石井政府委員 お答えいたします。  お年玉つきの年賀はがきの制度ができましたのは昭和二十四年からでございまして、その基本的な法律はお年玉つき郵便葉書及び寄付金つき郵便葉書物の発売並びに寄附金の処理に関する法律ということで発足した制度でございます。ただいま御指摘のありましたように、年賀状の交換ということは、わが国では古来行われておった制度でございましたが、戦争中に、物資の節約ということやら虚礼の廃止というようなこと等で数年間これが廃止になりまして、それを終戦後また、そういった復活の機運がございました際にこういった制度をつくって、なお、この賀状交換の制度を少し活発にしたというような目的が、当時あったわけでございます。  ただいま御指摘にありましたように、ギャンブルというようなお話もございますけれども、御案内のように、この年賀状の場合は、年賀状を買ってお出しになる方に当たるのではなくて、それを受け取られた方に当たるわけでございまして、そういう意味でも、非常に強いギャンブル性はないのではないかという感じもいたします。まあ、ささやかではございますけれども、いま一等賞が大体三万円近いものを、自転車でしたか、差し上げておるわけですが、二等が腕時計、これは学生用の安い腕時計でございます。それから三等が封筒のセット、四等がたしか切手でございます。そういうささやかなものをつけまして抽せんに当たった方にそれをお上げしておる、そういうことで、今日まで二十五年間こういった制度を続けてきたわけでございます。  いろいろこの制度につきましては、確かに先生御指摘のような御意見の方も過去に何回もありましたし、郵政審議会の場でも、年賀状はいいが、もうこういった賞品はやめたらどうだという御意見も確かにございました。われわれとしても、これはひとつ国民の皆さん方の御意見を聞いたらどうかということで、過去三十八年以来三回にわたりまして、外部の調査機関に委託いたしまして、国民の広い意見はとっておりませんけれども、アンケート調査をやってみたわけでございますが、こういうものはやめてしまえという御意見は非常に少なくて、いまの程度のものなら続けた方がいいという御意見の方が非常に、もう九割ぐらいまでそういう御意見の調査結果が、過去三回も出ております。われわれとしても、そういったような調査結果も考えながら、このお年玉というものも本当にささやかなものでございまして、実際に各家庭では皆さん方、あるいは特にその家庭の子供さん方がこれを当てにして、番号をいろいろと探しておられるというようなこと、楽しみにしておられるというような面もあるようにも思いますので、私たちとしては当分、いまのようなお年玉をつけることは続けてまいったらどうかと考えておりますが、ただ、余り賞品の数がたくさんありますと、われわれ郵便局の方でも交付の事務が大変でございますので、四十九年度から、いままで一等から五等までありましたものを整理しまして、一等から四等までにしたわけでございます。少しでも事務の簡素化も図りたいということをやったわけでございます。
  68. 柴田健治

    柴田(健)分科員 郵政省は近代化、合理化ということで盛んに事務の簡素化をやる、一方ではいろいろなことをやっているのですね。だから、どうもどこまでが本音かたてまえかようわからぬことをやっている。要するに、言うていることとしていることが全然違うところがある。あわせの着物着ているようなもので、表生地と裏生地が違う。それから、ある郵便局へ行くと、定期をすると六カ月になると砂糖を一斤配ったり、またその額に応じて一年定期なら四百グラムか四キロ袋の砂糖を配ったりしておる局もあるし、ばらばらなことをやっておるわけですが、そういういろんな賞品つき、景品つき、そういうもので金集めをしたり郵便の水揚げを上げようとする、このあさましい気持ち、それで公共事業としてやっていいのかどうかという非常に疑問があるわけです。局長は末端のことを余り知らないから、きれいごとで済んでいるのだろうけれども、本当にきれいに、すっきり、そして清潔に、そういう賞品、景品つきの郵便行政はできるだけやめるのだ、いま当分やっているけれどもいずれはやめなければならぬだろうというお答えが出ると私は思っておったら、まあいいんだとこういうことで、それならこの点についてはやめる意思はないのですな。
  69. 石井多加三

    ○石井政府委員 私たちは先ほど申し上げましたような考え方で、特にこれがなければ年賀はがきが売れないとかいうような意味のものとはもちろん考えておりません。もちろん、これをやめましても、年賀はがきに対する需要は年々ふえておりますし、ただ、まあそこのところが過去の惰性ということになるかもしれませんが、いままでやってきた制度で、特に大きな弊害もないし、先ほど申し上げたような調査等を見ましても、やはり否定される方よりは肯定される方の方が、これが余り大きなギャンブル的なものになるとまた御意見もあろうかと思いますが、いまおつけしておる程度のものであれば、特にそういった批判を受けるほどのものではないんではないか。ずっと今後続けるというふうに申し上げるほど確信を持ちませんが、従来続けてきたもので、当分こういう形で持っていきたいというふうに思っておるわけでございます。
  70. 柴田健治

    柴田(健)分科員 時間があるからもう一つ、これは防災管理の立場からお尋ねしますが、特定郵便局の建物で私有財産を借り上げておるもの、あれは、火災保険は貸し方の方が払っているのですか、郵政省は火災保険には入ってないのですか。
  71. 廣瀬弘

    ○廣瀬政府委員 借料の計算の際に火災保険料を含めて計算いたしておりますので、借料の支払い、家賃でございます。そこの中に含めてございます。
  72. 柴田健治

    柴田(健)分科員 それで、あれは木造と軽構造鉄筋、いろいろ建物によって違いますが、その建物によって認定額は火災保険会社に任しておるのか、火災保険契約金額というものを郵政省の方が認定して指導して加入さしているのか、その点はどうですか。
  73. 廣瀬弘

    ○廣瀬政府委員 先ほど申しましたように、家賃を計算いたします場合の算出額として含めておりますので、実際の契約につきましては郵政省が直接やっておるわけではございません。
  74. 柴田健治

    柴田(健)分科員 それなら、そういう形で火災保険の加入をさせておるとするならば、公共施設の位置づけはどうなんですか。公共施設としてはどこまで公共施設か。特定郵便局の場合、民家を借り上げた場合には、郵便局として看板が上がっているけれども、あくまで私有財産である。借りているのです。公共施設であるかどうかの認定はどうなんですか、その点は。
  75. 廣瀬弘

    ○廣瀬政府委員 ただいま特定局制度をとっておりますのは、国有の部分もございますけれども、その他民間の建物を国が借りまして、それで郵便業務あるいはその他貯金保険業務、電気通信業務、そういったものを行うようなシステムになっておりますので、これはあくまでも借料というかっこうで契約を結んでいるわけでございます。
  76. 柴田健治

    柴田(健)分科員 それなら公共施設ではない。中の業務は公共、公務的な、公益性の強い郵便業務であるから、この中の備品だとか書類だとかいろんなものは、それは重要書類として、公共備品として取り扱うが、建物は公共施設でないということですね。
  77. 廣瀬弘

    ○廣瀬政府委員 所有権は仰せのとおりでございます。ただ、中身の備品あるいは消耗品等につきましては国で調達し、これを配備いたしております。
  78. 柴田健治

    柴田(健)分科員 私たちは、その点がはっきりしてもらわなければ困るのですよ、あれは公共施設かどうか、個人の私有財産かどうかというふうに。消防の立場で予防査察をする場合、それぞれ防火管理者がある。あれは私有財産か、私有施設か公有施設かというふうに、借り上げのやつをどうするのかという問題がある。そういう、はっきり通達をしてもらわなければいけませんな。出しますか、それは。
  79. 廣瀬弘

    ○廣瀬政府委員 消防法上どのようになっておりますか、私まだ勉強いたしておりませんので、この場ではっきり申し上げるわけにはまいりませんが、ただいま私が申しましたのは、いわば所有権という絡みで申し上げたわけでございまして、中身と申しますか業務の面につきましてはあくまでも公の業務を営んでおるわけでございまして、そういうふうに解釈はいたしておりますけれども、先ほど申しましたように、消防法的にどのように分類されるのか、まだ研究をいたしておりません。
  80. 柴田健治

    柴田(健)分科員 中の業務は公共性があるということは、これは素人でもわかるのですよ。施設が公共施設かそうでないのかという問題をはっきりしてもらわないと、われわれは取り扱いに困る。その点をはっきり下までちゃんと通達してもらわないと、あのところは借り上げなんだから公共施設じゃありません、こう、ちゃんとはっきりしてもらっておかないと困るのですよ。それは通達、出ますか。
  81. 廣瀬弘

    ○廣瀬政府委員 先ほども申しましたように、さらによく検討いたしておきたいと思います。
  82. 柴田健治

    柴田(健)分科員 その点が私は、郵政省は非常にあいまいだと思う。片一方は明らかに郵政省施設として、国有財産として、公共施設として郵便業務をやっておる施設がある。片一方は人の財産を借りて使っておる。こういうばらばらにするところに末端でもいろいろな見解があるし、意見が食い違うし、いろいろな行政の防災対策上においても、おい、あれは特定郵便局だ、公共施設じゃないんだ、あれはほうっておけばいいじゃないか、こうなる。そんなことで、この国民の生命財産を預かっておる、金も預かる、重要なものを預かっておる施設が、そういう公共施設でないところで業務するという自体おかしい。大臣、どうですか、この点は。
  83. 村上勇

    村上国務大臣 公共施設でないと言っても、その中でやっている仕事が公共的な仕事をしているのですから、その局舎を、公共施設でないからと言って軽視するわけにいかないと思います。ただ、貸し主が火災保険料を払っておるかあるいは借り方の方で払っておるかということについては、私ははっきりしませんけれども、いずれにしても、火災保険の問題だけでなくて、あくまでも公共建物であるというように解釈してもいいんではないかと私は思います。
  84. 柴田健治

    柴田(健)分科員 法律では、そんなことは一つも書いてない、どこを読んでも。個人の私有財産を借り上げた場合に全部それが公共施設になるように、法律にちゃんとはっきりしてくれなければ困るのでね、制度的に。何もそういう位置づけはないのですよ。それは一方的な解釈で、郵政省の御都合のいい解釈なんだ。この点をはっきりしてもらわなければ。本当は筋から言うと、もう私有財産は借りないんだ、郵便業務をやる施設は全部国有財産でやるんだ、国有の施設でやるんだ、こういう位置づけで、いま、当面仕方がない、施設がないから借りておるのであって、あれは好ましい姿ではないのだ、あくまでも郵政省がこの施設をつくってその中で業務をしていくのが正しいのだ、こういう考え方に立って、いまはもう臨機応変の施設だ、施設が足らないからだ、とこう言うんならわかるのですよね。それを、明らかに制度にも何も法律に解釈がないのに、私有財産を借りたらすぐ公共施設だからおまえら守れ、そんなことは大臣、常識で考えてもちょっと不合理なんで、この点をはっきりする、そういう借り上げの施設は少なくするんだ、こういうことで今後やってもらいたい、私はそう思うのですよ。いかがでしょう。
  85. 石井多加三

    ○石井政府委員 ちょっと、最後のところでお尋ねになりました借り上げ局舎を少なくするようにという問題につきましては、実は現在、特定局の局舎の九割二分までが借り上げ局舎でございます。これはもちろん、私費で建てたものを借りておるのもございますし、地方の公共団体が持っておるものを借りておるのもございます。また、郵政互助会といったような別の組織が持っておるものを借りておるものもございますし、要するに郵政省自身が、国営事業だからすべての郵便局舎も全部国有で持たなければならないという原則は、私たちとしては、事業の経営ということを考えました場合には、もし適当な施設が外部に借りられるものがあれば、やっぱり借りていった方がいいのではないか。先ほどもちょっと申し上げましたが、現在で全国一万七千ばかりの特定局がございますが、そのうちの千四、五百が、たしか国費で建てたものでございまして、残りの一万数千は全部借りておるわけでございます。これを一挙に国で建てようとか買収しようとしますと、これだけでも数千億円以上の金がかかりまして、いまのような郵便事業財政が窮迫している折から、そのこと自体も無理でございますし、また同時に、自分で全部持ちますと、その維持管理にも大変なお金がかかってくるというふうなことでございまして、今後とも、建てられるものは建ててまいりますけれども、大多数のものはやはり借りていく方が、事業の経営を考えた場合には、国民の皆さんのためにもいいのではないかというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
  86. 柴田健治

    柴田(健)分科員 そういう面も含めてだけれども、私が申し上げるのは、防災対策上防火管理者その他の場合に、中の郵便業務は公共事業だけれども施設そのものが公共施設であるかどうかがいろいろな問題になって論議されることが多いのでお尋ね申し上げたので、その点の位置づけを明確にしてもらわないとわれわれは困ると言っているのですよ。局長、あんた間違ってとってもらっちゃ困るのですよ。
  87. 村上勇

    村上国務大臣 柴田先生、私は、あなたの御質問も少し、何ですか、何とかカーブをひねり過ぎていると思う。というのは、公共施設であろうが、あるいは民間の施設であろうが、個人のものであろうが、いざ火災とかなんとかという際に、それを消防団なりが差別すべきものでは絶対にないと思います。そういう面から申しますならば、それは一つの公共施設だから、あるいは民間のものを借りているからということに左右されるべきではないのじゃないかと思います。
  88. 柴田健治

    柴田(健)分科員 大臣、あなたも間違うてもらっては困るのですよ。火災が起きたら、公共であろうと何であろうと、差別をしてないのですよ。ただ、平素の予防査察のときに、全部あれを公共施設というわけにいかないから、民家と公共施設に分けて、公共施設はより一層警備しなければならぬ。その場合に、民家の場合には年に二回の予防査察を、公共施設は一回余分にしなければならぬ。民家の場合には春と秋とやる。公共施設は三回も四回もするんだ。こういう予防査察の場合に問題になるから申し上げたので、火災時分に、あれは公共施設だ、そのことを言っているんじゃないですよ。大臣、あなたはよく物を考えて言ってもらわなければ困るのですよ、一国の大臣が。  以上で終わりました。
  89. 谷垣專一

    谷垣主査 これにて柴田健治君の質疑は終了いたしました。  次に、高橋繁君。
  90. 高橋繁

    高橋(繁)分科員 最初に私、簡易保険の問題で若干質問して、あと郵便事故の問題で質問したいと思います。  参議院の決算委員会でわが党の塩出委員が質問いたしましたが、あと若干問題点が残っておりますので、この辺について質問したいと思いますが、郵政省が、委員会で、被保険者からの返還請求があれば契約して五年以内の分は保険料金を全額返還するという見解を明らかにしておりますけれども、被保険者からの申し出があればということで、なかった場合は一体、そういう超過契約をしている場合、内部的に調査の方法であるとか、それをわかるような方法というものはないものかどうか、この辺について最初に御質問申し上げます。
  91. 北雄一郎

    ○北政府委員 ただいまお尋ねでございますが、私ども、基本的には、この超過契約部分については有効だという見解を持っておるわけでございます。その場合に、契約者の方から申し出がなかった場合、何か調査の方法はないかという仰せでございますが、実は、ごく最近におきましては総件数が四千九百件というような状況でございまして、しかも加入年次というものか皆違っております。それやこれやで、これを当方で積極的に調査をする、そしてこれを発見するということは至難でございます。でありますので、私どもは、この超契自体が発生しないように、契約締結の段階でこれをチェックするということに力を注いでおる、こういう次第でございます。
  92. 高橋繁

    高橋(繁)分科員 実際はわからないということですね。そうなれば、本人から申し出がない場合にはそのまま保険料も徴収するということになりますが、あくまでもそうした消費者並びに被保険者を守るという立場から、本人は気がつかないでいる、気がついた場合にやればできる、そういうことになると非常に矛盾も起きてきますし、問題を後に残していくということになりますが、件数が多くて非常に調査がむずかしいということでございますが、私は、そうした防止のためにも、何らかの手を打って解決するめどを立てなくちゃいかぬじゃないかという感じがするんですが、その辺は大変むずかしいですか。
  93. 北雄一郎

    ○北政府委員 大変恐縮でございますが、先ほど申し上げましたように、実際問題としてこれは至難のことでございますので、要するに、そういう契約の発生することに対する防止体制というものを今後とも固めていく、なお職員の訓練ということにも意を注ぎまして、将来こういうことが絶滅するということで努力をしていくつもりでございます。  なお、そういうことで契約は有効に存続しておる場合には、当然保障ということが続いておるわけでございまして、その点は加入者の受益といいますか、そういった状態はあるわけでございます。
  94. 高橋繁

    高橋(繁)分科員 論議をする時間がありませんので、次に乗りかえ契約ということでありますが、これは恐らく民法で禁止されていると思うのです。最近、養老保険が三百万から五百万に引き上げられた。そうした際に、さらにそうした乗りかえ契約というものが続けられると思うのですけれども、そうした対策といいますか指導といいますか、そうした問題はどういうようにお考えですか。
  95. 北雄一郎

    ○北政府委員 私どもの簡保では、乗りかえというのがないと思うのでございます。聞くところによりますと、民保さんの方では、最近、たとえば死亡保障の高い養老保険、何倍型、何倍型というのを矢継ぎ早にお出しになっているように聞いております。そういたしますと、過去において死亡保障の比較的低いのに入っておられた加入者の方が、そういう満期保険金に比較いたしまして死亡保険金の倍率の非常に高いそういう新種の保険に乗りかえられるということは聞いておりますが、私どもの場合はこれも二倍型、三倍型というのしか発売しておりませんし、実は近く五倍型というものについての発売を考えておりますが、その程度ではこの乗りかえという問題は起こらない。現実にそういう問題を簡保としては抱えているというふうには思わないわけでございます。ただ、簡保といたしましては別途料済契約というものがございまして、これは簡保法の二十九条なりあるいは九十五条で認められた制度でございます。これは同一種類の保険に乗りかえる。その場合、通例の場合は従来払っておった保険料より安い保険料、したがって保険金額の低いそういう保険にいわば乗りかえると申しますか、これは料済契約というふうに呼称しておりまして、これが法律で認められておるところでございます。
  96. 高橋繁

    高橋(繁)分科員 料済契約ならよろしい、乗りかえ契約は簡保にはない、このようにお考えでありますが、今後金額がのしていくに従って、民法では禁止をされておりますし、あるいは民間保険会社では過去にこういう例があるわけで、私は、外務員の指導なりというものを徹底しないと起こらないとも限らないと思いますので、その辺をよろしくお願いしたいと思います。  それから、若干養老保険について、いま満五十歳でありますが、寿命が延びている関係で、五歳くらい延期してはどうかという意見が多々ありますが、その考え方と、簡易生命保険は大衆保険でありますので、解約した場合の還付金の返還は六カ月、こういうことになっておりますけれども、もう少し期限を三カ月なりに縮めることはできないか。これは考え方で結構ですから、その辺二つだけお聞きいたしたいと思います。
  97. 北雄一郎

    ○北政府委員 第一番目の、加入年齢のリミットをもっと先へ延ばしたらどうかということでございますが、確かに私ども、去年の十一月から第十三回生命表というのを用いたわけでございます。その前は当然第十二回生命表でございまして、その間、御指摘のように平均寿命が延びております。男女とも一歳強延びておるというように承知しております。しかし、その反面、高齢者でありますとどうしても保険料額が高くなるわけでございますから、それに関する限り加入者としてもメリットが少ないんじゃないか。あるいは簡保は全部無審査でございますので、あまりそういたしますと逆選択が多くなるという危険性も出てきはしないかというようなことで、リミットを設けておる次第であります。しかし、その生命表の中でも寿命が延びておることは御指摘のとおりでありまして、また高齢者自体の絶対数もふえてきておるということがございますので、簡保におきましてもこういった背景は十分に考慮いたしまして、将来の課題として加入年齢の上限の引き上げということを検討していく必要があるのではないかと思っておる次第であります。  第二点の、六カ月以内に失効した場合に、いま還付金を払わない制度になっておりますが、これを五カ月とか四カ月とかというふうに縮めたらどうかという仰せだと存じますが、実は六カ月以内に消滅した契約につきましては、契約締結時に新契約費が相当多く必要になるわけでございます。しかも、その加入後の経過が短うございますと、その保険料を運用いたしましてプラス、要するに積み立て金というものがあるわけではございますけれども、これが金額的にはごくわずかでございます。また、こういう短期間で失効する契約というものは、保険料が納まらないで、つまり延滞保険料というものを生じて、その末に、簡保の制度では三カ月間延滞しますと失効しますが、そういうおおむね三カ月間の保険料払い込みが延滞いたしまして、その末に失効するわけでありますので、この延滞保険料を計算しますと、これは非常な金額に上るわけでございます。総じて大幅な持ち出しになるという状況がございます。  具体的に申し上げますと、四十八年度で見ますと、六カ月以内に消滅した契約の積み立て金が八千四百万円でございますが、一方、延滞保険料が三十五億円ということで、全面的な赤字になっておるわけでございます。そういったところから、この六カ月未満は不還付期間とする。ただし、その不還付期間にしますけれども、いまの延滞保険料というものはそのかわり徴収しない。差し引き三十四億何がしという赤字はやむを得ぬこととして簡易保険の方で負担をしておる。こういう状況にございますので、この不還付期間を縮めるということは大変むずかしいことだと思います。また、民保の場合は、別の方式をとっておりますところが多いために、六カ月未満でも還付金の出てくるところがございます。しかし、私どもの方、七カ月以上お続けになって、そうして失効解約という場合の還付金、これは軒並み簡保の方が有利になっておりますので、全体といたしましては決して民保にこの点では劣っておらない、こういうふうに考えておる次第であります。
  98. 高橋繁

    高橋(繁)分科員 次は事故の問題で、私たち国民は、郵便事故というものはあまりないというように全般的に思っているわけでございますが、ところが事故が大変に多い。郵政白書によりますと、申告をされた件数だけでも十一万余件、そのうち解決が八万幾らでありますが、なお、さらに不着がまだ三万七千、内容品亡失が五〇%の二千二百余件が未処理で残っておる。その他が三百件、このようにあるわけでありますが、未申告の数というものはこれははかり知れないと私は思うのです。これを入れますと、この郵便事故というものは莫大な数に上るんじゃないか。そこで、一応郵政白書には、処理状況として不着とか内容品亡失その他とこう簡単に書かれておりますが、私は、何でそういう事故が起きたのか、内容品亡失であれば件数がたしか四千七百四十四件ありますけれども、その原因というものを突きとめない限りこの解決策は立たないのではないか、こう思いますが、主たるそうした事故の原因について、もしわかれば御説明を願いたい。
  99. 永末浩

    ○永末政府委員 先ほどおっしゃいましたように十一万ほど申告があるわけでございますが、その七二%は差出人、受取人の思い違いや名あての不正確などであった、あるいは異常なく配達されたというようなことでございます。残りの二八%、これが未解決になっているわけでございますが、この二八%につきましては、配達はされているけれども、郵便受け箱にかぎがかかっていないというようなことで盗まれたというようなケースもかなりあるわけでございまして、これにつきましては鋭意捜査しているのが現状でございます。
  100. 高橋繁

    高橋(繁)分科員 いや、私が聞いているのは、原因が何であるか。たとえばよく新聞で取り上げられる問題で二、三例を申し上げれば、静岡の郵便局で駅で送るときに郵袋が一袋なくなったとか、あるいは郵便ポストに放火をする、これが一年間で二百何件あるとか、あるいは新居浜局で三千通が灰になったとか、あるいは埼玉の鳩ヶ谷郵便局区内で六千通の年賀状がポイされたとか、清水市では竹やぶにポイされたとか、そういうような事件がマスコミに取り上げられているのですよ。ポストの焼失事故であるとか、アルバイトの配達貝が竹やぶに捨てたとか、どこかに捨てたとか、あるいは未配であるとか、郵便袋がなくなっちゃったとか、そうしたいろいろな事件があるのですよ。その主たる原因が何かということがわからないかと言うので、それはわかりませんか。
  101. 永末浩

    ○永末政府委員 ただいま数字としては持ち合わせておりませんけれども、たとえば郵便物がおくれたということで、取扱者側の手違いあるいは過失というものもございます。犯罪につながるというケースもあるわけでございますが、犯罪につながる件数というのはごくわずかなものでございます。原因はいろいろとございますけれども、このパーセンテージは現在持ち合わせておりません。
  102. 高橋繁

    高橋(繁)分科員 私はそこを言いたいのですよ。それでなければ事故対策なんか立てられないんじゃないですか。郵便ポストの焼失事故があった、じゃポストに欠陥があるか、何か一つ工夫すれば焼失事故がなくなるということも考えられるし、あるいはアルバイトの事故が起きればアルバイトの教育をもっと徹底せねばいかぬ。そういう対策が講じられないから、いつまでたっても事故がなくならないし、もちろん郵便件数が多くなったから、それに伴って事故もふえたということも言うでしょう。では仮に、犯罪傾向というものはどういう傾向ですか。具体的にわかりますか。
  103. 永末浩

    ○永末政府委員 大まかな傾向を申し上げますと、大体四十六年をピークにして四十七年、四十八年と下り坂になってきております。四十九年度はまだ定かでございませんが、昨年の十二月末をとってみますと、前年度よりもやや増加しているというのが犯罪の傾向でございます。
  104. 高橋繁

    高橋(繁)分科員 監察局の方、おりましたら聞きたいのですけれども、四十九年度の監察実施方針として「犯罪傾向、検挙実績を考慮して犯罪種類別の検挙目標を設定する」とありますけれども、その犯罪傾向がいまの答弁ではっきりしない。じゃ、何でこういう実施方針が立てられるのですか。
  105. 永末浩

    ○永末政府委員 いまちょっと数字を持ち合わせていないということを申したわけでございますが……(高橋(繁)分科員「向こうへ行けばあるということですな」と呼ぶ)はい。
  106. 高橋繁

    高橋(繁)分科員 それでは結構です。  そういうことで犯罪の傾向もちゃんと把握して、もちろん持っているようでありますが、たとえば会計検査院の報告によると、岡山県の吉ヶ原郵便局で金額にして九百九十一万円、目黒郵便局で三百九十三万円、横浜中央郵便局で百九十二万円、港北郵便局で百七十八万円、東海市の北郵便局で九十二万円の事故がある。そうした解決方法がどうなされているのかわかりませんけれども、そういう事故、犯罪というものが発生しているのですから、そうした犯罪の面での傾向を明らかにし、他方では事故の原因別をきちっととらえて、それで対策を講じなければならないということを私は言いたいのです。これは大臣、どうですか。私はそう考えているのですが。
  107. 村上勇

    村上国務大臣 御指摘のとおりでございます。
  108. 高橋繁

    高橋(繁)分科員 それでは次の委員会がありますので、ちょっと早目に終わらなければなりませんので、はしょって質問いたしますが、たとえば集配上の問題もあります。事故の問題については、また今後の問題にしてひとつよくお考えになっていただきたい、こう思います。たとえば、一日二回集配すべき個所がある。それが、いわゆる労働時間あるいは労働過剰という面もありましょうし、配達される方の怠慢もあるかもしれません、こういうことで二回配達しなければならないというふうに規定されているのですけれども、実際はされてない個所がある。これは一々申し上げませんが、そういう実態というものが調査されているのかどうかという問題ですね。その辺はどうですか。
  109. 石井多加三

    ○石井政府委員 ただいま御指摘のございました配達度数の問題でございますが、全国的に見ますと、一日二度配達をすることになっております所が大体四八・七%ばかりあるわけでございます。その二度地の所が必ずしも二度行ってないのではないかという御指摘でございまして、私たちの方の調査で、これは平常の状態で調べたものでございますが、大体一割近くのところは二号便の配達が実施できてないというふうに私たちも掌握いたしております。これはあるいは多少少ないのじゃないかというふうにお聞きになるかもしれませんが、いわゆる組合の年末闘争でございますとか春闘でございますとか、そういった特殊な時期につきましてはやはり非常に郵便物数がたまりますので、一日に二度の配達ができない、そういう事情は別にこのほかにあるわけでございます。
  110. 高橋繁

    高橋(繁)分科員 よく調査されて、適切なあれを講じていただきたいと思うのです。  それと、ちょっと前後しますが、事故があった場合に一〇一で申告をすることになっております。ところが、ほとんどの国民はこれを余り知らない。郵政省としては大変宣伝をしているようでありますが、まだまだそうした方法があるということを周知徹底をされてないので、これはもっとPRすべきではないか、こう思います。これは要望しておきます。  次に、集配作業の環境の改善ということで、これも白書にございますが、一、二の例をとって申し上げますと、ビルあるいはアパートも含みますが、エレベーターのないビルですか、これは郵便受け箱の設置が義務づけになっていますね。その他のビルにつきましては、郵政省の働きで順次進めていくということでございます。これが大きく労働条件の改善にもなります。ところが白書によると、そうした義務づけされていないビルの全棟数の四・八%しかまだいってないということになると、これはビル側が協力しないのか、あるいはこちらが積極的にやらないのか、この辺の理由は那辺にございますか。
  111. 石井多加三

    ○石井政府委員 ただいま御指摘の郵便の受け箱の設置の問題でございますが、設置義務のあるビルの問題につきましてはお触れになりましたが、その設置義務のないビルの場合にも、私たちといたしましては、できるだけ設置していただくように勧奨をいたしておりまして、それぞれ担当しておるところの郵便局の担当課長、局長が、そういったビルができる時点で事前に行きまして、御協力をお願いしておるわけでございますが、ただいま御指摘のように、白書に申しておりまするように、まだ御協力を得られていないところもございます。今後も、この点につきましては最大の努力をしてまいりたいと考えております。
  112. 高橋繁

    高橋(繁)分科員 そうした最も省力化ができない配達の業務でございますが、そうした建築の高層化に伴っての省力化ということはできるわけですから、できるだけそうした方法を講じて円滑な集配かできるように努力していただきたい。  最後に、監察官の業務考査でございますが、四十八年、郵便局が四八%、地方簡易郵便局が二九%、その他地方郵政局が四三%、電波監理局が二〇%、地方貯金局が二九%の業務考査を行っておりますが、果たしてこれでいいのかどうか。郵便局は二年に一回ということになります。私は事故を少なくするためにも、そうした犯罪をなくするためにも、監察官の仕事というものは大変だと思いますが、これで完全と言えるのか。言えなければ、もっと体制を充実してやらなければならないと思いますが、この辺の今後のあり方についてお答えを願いたい。
  113. 永末浩

    ○永末政府委員 防犯の面つきましては、まず第一に郵便局側で管理者が防犯体制の強化ということに意を尽くしているわけでございます。監察官といたしましては、二万近くの郵便局、これはよけい行った方がいいということははっきりしているわけでございますが、現状では二年に一回臨局するというようなことでございます。大体そのくらいで監察として行く回数はいいのではないかというふうに考えております。
  114. 高橋繁

    高橋(繁)分科員 以上で終わります。
  115. 谷垣專一

    谷垣主査 これにて高橋繁君の質疑は終了いたしました。  次に、小沢貞孝君。
  116. 小沢貞孝

    小沢(貞)分科員 きのう、実は私たちの党の佐々木良作副委員長のところへ、兵庫県の過疎地域の学校の生徒から手紙が届いております。ちょっと長くなりますが、読み上げます。四、五通あるのですが、読み上げます。   はじめまして、佐々木良作衆議院議員様、私  たちは、兵庫県美方郡浜坂町大味分校の生徒で  す。   ここらは冬になるとたいへんたくさんの雪が  降ります。そのために手紙を配達してくれる人  がいません。冬だけではなく夏もです。一年中  ずっと来てくれません。そのためとってもこ  まっています。   私は神戸や東大阪や京都の人と文通していま  す。手紙を出して返事がとても楽しみなのに、  二週間たっても三週間たっても、返事がきませ  ん。どうしたんだろうと思い、約三キロはなれ  た出合に出ると、手紙の山です。だから郵便配  達してくれる人がほしいと思います。   前は、山をこえてまでもくばりに来てくれた  そうです。今は道もよくなって、自転車や自動  車も通り、中学生も毎日通学しているようなよ  い道になりました。一週間に一度でもいいから  来てほしいと思います。   お寒い中です。お体にお気をつけください。  さようなら。      二月十九日                 山本美雪   佐々木良作衆議院議員様このような手紙がその学校から四、五通来ていますが、冗漫ですから一々読み上げません。  郵便法第一条によると、「この法律は、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進することを目的とする。」こういうようにあるのですが、全然配達しないような所が全国にたくさんあるわけですか。
  117. 村上勇

    村上国務大臣 ただいま小沢先生のお読みになった手紙と全く同じ人たち、同じ児童から私のところにもつい三、四日前に手紙が来ました。それで、早速私は本省に持っていって、そして秘書官に、これを調べて、これに対してすぐ私の名前で返事を出してやってほしいということを命じたところであります。多分もう結論が出ておると思うのでありますが、そういうことで、私としてもこれはどういう事情かよくわかりませんので、ひとつ郵務局長の方から伺いたいと思っております。
  118. 石井多加三

    ○石井政府委員 お答えいたします。  ただいま御指摘のありましたような郵便の配達を実施してない地域と申しますものが、全国で、四十九年の十二月末の現在数で四千六百三十九集落、戸数にいたしまして一万四百九十五戸あるわけでございます。この法律的な点からの御質問でございますが、郵便法の第五十六条の「この法律に規定するものの外、郵便物の差出、運送、交付及び配達に関し必要な事項は、郵政大臣が、省令でこれを定める。」という規定を受けまして、郵便規則の第八十五条で、われわれの方で俗に八十五条適用地と申しておりますが、ちょっと読みますと、「特に交通困難であるため周年又は一定期間内通常の方法により郵便物を配達することができない地域にあてた郵便物は、当該地域にあてた郵便物の交付事務を取り扱う郵便局に二月間」ちょっと途中にありまして、「留め置き、受取人の出局をまって交付する。」そして二項以下いろいろ書いておりますが、こういった条文がございまして、こういう規定によって配達をしていない地域が、いま申し上げましたように、全国に数あるわけでございます。  ただいま大臣からお話のございましたこの地域の問題につきましては、私の方も実は詳しい事情は知りませんでしたけれども大臣からの御指示によりまして、現地の大阪郵政局の方へも問い合わせいたしました結果、久斗山小学校大味分校の所在地は、最近道路状況改善されてきましたので、豪雪のために通行困難になる冬季を除きまして、配達事務を開始する方向で現在検討中でございます。  なお、この方々からのお手紙を私も読ませていただきました中に、ポストとか切手の売りさばき所等についての問題も書いてございますが、その点につきましては、なお現地の状況を調べまして、あわせて検討をして、早急に対処したいと考えております。
  119. 小沢貞孝

    小沢(貞)分科員 それでは、結論から言いますと、この大味分校のある部落は、冬季はこの手紙にもあるように、何か雪で行けないらいしのだが、それを除いては配達をしてくれる。こういうわけですね。大変ありがとうございました。  ところで、私はこの規則について若干触れたいと思いますが、こういう規則は住民の了解なしに勝手にやるわけですか。この規則を読ましてもらうと、「特に交通困難であるため周年又は一定期間内通常の方法により郵便物を配達することができない」、こういう場合に、これはだれが決めるわけですか。現地の郵政局長かあるいはそこの付近の郵便局長が勝手に決めるのか。だれが一体これを決めてやるか。もう一つは、これは住民の了解なり何なりなしでこういうことを勝手に決めているか、その点、どうでしょう。
  120. 石井多加三

    ○石井政府委員 こういう制度は実はずいぶん昔からあるわけでございまして、いま御指摘のように、こういう地域を適用するのは、従来配達しておった所を急に廃止するというようなことは現実にはないわけでございます。従来から配達しなかった地域があるわけでございます。そういうふうな措置を講じた時点で地元の御了解を特に得たというふうにわれわれ考えておりませんが、いずれにいたしましても、この措置の判断は地方の郵政局長がいたしておるわけでございます。当然現地の郵便局長の意見も聞いた上で郵政局長が判断をしている。そういうことで、現在そのような状況の個所が四千数百あるわけでございます。
  121. 小沢貞孝

    小沢(貞)分科員 この交通困難な僻地にあてた郵便物は配達しないでもよろしい、こういう権限は明確に現地の局長が持っていますか。局長がそういう職責を持っていますか。それが一つ。これは、勝手にその付近の郵便局がやっちゃうんじゃないでしょうな。勝手にやらないでしょうね。それ、郵便規則なり省令なりどこかに明確にあるかどうか。それが一点。  それから、四千六百三十九集落、戸数一万四百九十五戸、こういう御回答がありました。これは最近ふえているのか減っているのか、最近の傾向。その二つをお聞きしたい。
  122. 石井多加三

    ○石井政府委員 そういった認定の権限は現地の局長ではございませんで、もちろん郵政局長でございます。  それから、後のお尋ねの、この戸数はどうかということでございますが、これはいつまでもこういった状況が続くわけでもございませんで、さっき御指摘になりました所もそうですか、最近だんだん道路状況がよくなる、開発されていくというようなことに従って徐々に解除はいたしております。四十六年度に解除いたしましたのが十三集落、四十七年度十二、四十八年度十七といったような数字の所はそれぞれ解除いたしまして、場合によると、周年配達していなかったものを冬季を除いて配達するとか、全部を配達するようにするとかいうふうな改善はいたしてきております。
  123. 小沢貞孝

    小沢(貞)分科員 まだ答弁の足りないところがある。郵政局長が持っているというその権限は規則だか何かに出ていますか。明確にそうなっていますか。それをひとつ後で調べて御答弁いただきたい。  それから、いま局長の答弁で、十三、十二、十七というようにだんだん解除になっている傾向で、大変ありがたいと思いますが、念のために、この前の郵便料金の値上げがあった当時、幾集落、何戸こういう交通困難で配達しませんという場所があったか。去年の暮れのものはいま聞きましたので、それと比較するために、この前の郵便料金の値上げのときにはどのくらいあったか。後で調べて、ひとつ資料を私のところへ出していただくように、これは主査にもお願いをいたしたいと思います。  前段の、どういう規則にそういうことが明確にうたわれているかということを私が言うのは、何かめんどうくさいし、遠いからもうここは配達をやめようということを現地の局長かどこかでもって勝手に決めちゃうということはないだろうか、こういう疑いを持っているので、管轄の郵政局長が許可しなければそういうことはできない、こういうことが明確にうたわれているかどうか、こういうことです。
  124. 谷垣專一

    谷垣主査 郵務局長、さっきの小沢分科員からの御質問の資科を後で……それはいいですね。
  125. 石井多加三

    ○石井政府委員 はい。  ただいまの郵政局長の権限を決めておりますのは、郵政省の中の郵政省職務規程という規程がございまして、第二十条、これは郵政局長の権限をずっとたくさん並べておりますが、その第三十四号に「郵便規則第八十五条の適用を指定し又は削除すること。」というのがございます。ただ、お言葉ではございますが、郵政局長がいまから新たに、ここはもうやめようというふうなことを簡単に判断してやるようなことは、実際上はできないと思います。もうすでに昔からあったものを認可しており、それがだんだん減ってきておるという状況でございますので、その点は申し上げておきます。
  126. 小沢貞孝

    小沢(貞)分科員 はい、わかりました。  それでは次の質問に入りたいと思います。私はどうしても遅配がたくさんあるような気がしてしようがないわけであります。これは、ストなんかのときの遅配、この問題については後でまた時間があったら論議したいと思いますが、慢性的な遅配がたくさんあるように考えるわけです。この前の料金値上げのときだと思いましたが、郵便物はいつまでに届けなければならないというその日がないものだから、投函してから一週間かかろうと十日かかろうと、料金は安い料金だものだから、何も戻してよこすこともなければ、これはどこにも何も規定がない。だから、郵便物というのはいつまでに届かなければいけないか、東京から大阪へ出したら十日かかっていいのか、三週間かかるのか、明くる日到達するのか、そういうものはどういうところでどういうように決まっておりますか。
  127. 石井多加三

    ○石井政府委員 前回の郵便料金を値上げいたしましたのが昭和四十六年でございますが、その当時まではただいま御指摘のような、郵政省として郵便を引き受けましたものをいつまでにお届けするということを対外的にお約束として公表したものは何もございませんでした。したがって、いま言われるような一週間とか十日とかかかった場合でも、特にわれわれの方としてそういったことを逆にお約束したものはないということも言えたのでございますが、去る四十六年の値上げの際に、郵便料金の値上げを実施するときの一つのお約束として、十月からいわゆる郵便ダイヤといいますか郵便の標準送達日数表、これは第一種、第二種についての日数表でございますが、全国の主要な郵便局には、その郵便局の窓口にそれを掲示して、お受けしたものはこの期間にどこどこへお届けできますというふうなことをお約束をしたわけでございまして、それによって現在やっておるわけでございます。
  128. 小沢貞孝

    小沢(貞)分科員 その標準到達日というのは国民はあまねくわかっているでしょうか。郵便局に明示してあるだけですか。このごろ大変不安を感じてしまって、少し急ぎだとみんな速達でやれよ、もうこれが合い言葉になっているわけだ。だから、実質的にそれだけ郵便料金が上がったことであり、またこの速達の収支率は恐らく悪いのじゃないかと思うから、それだけまた郵政省経費はかさむことになる。こういうことですが、この標準到達日というものが、一体国民はよくわかっているか。これにみんな不信を感じて、このごろでは速達ばかり多くなる、こういうことですから……。そしてまた、これは郵便規則またはその他に明定してあるか。その二点。
  129. 石井多加三

    ○石井政府委員 この標準送達日数表は全国の郵便局に掲示いたしておりますので、ポストに入れられる方ではあるいはお目にとまらぬかもしれませんが、郵便局で御利用になっている方々にはお目にとまるようにお約束をいたしておるわけでございます。また、当時新聞等にも大々的に報道されましたし、またその後、よけいなことになりますが、昨年からいわゆる飛行機の深夜の航空便に載せておった制度をやめましたので、それによっての遅延が半日ないし一日出ましたから、その時点からこれを修正しておるわけでございます。絶えずこの点についてのPRはやってきておるつもりでございます。
  130. 小沢貞孝

    小沢(貞)分科員 この私自身さえ、そういう掲示がどこにあるかなということがよくわからないわけです。だから、あまねくポストや何かにやる一般の人にとってはわからないのじゃないかと私は思います。  それで、これは一つ要望ですが、郵便番号をみんな入れなさい、こういうことで、私たちはたくさん新聞や何か出すときに郵便番号まで入れさせられるものだから、アルバイト料が高くなってしようがないんだが、ああいうように丁寧に郵便番号をいまみんな入れているわけだ。あのときに、郵便番号簿をあまねく全戸にたしか郵便局で配ってくれたと思います。ああいうものの裏にでも大きく標準到達日、要するにお役所が国民に約束した標準到達日というものを国民にあまねくやはり知ってもらわなければいけない、こう思います。次回また郵便番号簿や何かを古くなればくれるわけでしょう。ああいうものの表紙か何かに大きく標準到達日、だれもがわかるようにしてもらえませんか。また、これは私たち国会議員にだけ配ったのか。これは全国へ配ったのか。郵便の値上げPR論だ、これは。値上げを一生懸命必要ですと言って、これは裏に「一九七五年郵政省」と、こうある。「郵便を利用される皆さまへ」、去年も郵政の答申の値上げが認められませんでした、ことしも残念ながら十月にならなければ認められません、そのPRだ。こういうものにも標準到達日、国民がみんな知ってないと——もう最近はおくれているから私はこう言うわけです。こういうものにも標準到達日をやって、郵政省はこれだけお約束いたします、そういうことを国民にもっと周知徹底させなければならないのではないか、こう思います。どうでしょう。
  131. 石井多加三

    ○石井政府委員 質問の御趣旨は非常によくわかるわけでございますが、ただいま郵便番号簿のお話が出ましたけれども、御存じのように郵便番号簿を二年に一回ぐらい全国にお配りしておりますが、これは全国一つの統一版と申しますか共通の版でいけるわけでございますが、ただいま先生の御指摘のような郵便の送達日数表というものは、具体的に申しますと、たとえば松本市を中心にしてそこから東京へは何日とか北海道へは何日というふうな、日数表というものはその個々の局で皆違うわけでございます。相手方も違いますし、それを郵便番号簿を配る際に、その地域全体に対して通用するものがよその地域ではまた通用しないものにもなりましょうし、何か工夫はしたいと思いますが、郵便番号簿の中にそれを印刷するということは技術的にちょっとむずかしいのではなかろうかと思います。なおいろいろ検討さしていただきたいと思います。
  132. 小沢貞孝

    小沢(貞)分科員 お手元に標準到達日、私ももらったことがある。それちょっと見せていただけませんか。——そこにはない。私たちももらったことがあるのだ。あれを書いてくれればいいということです。このぐらいな大きさで、あるんだ。郵便局で張り出したのがあるわけでしょう。大きさ、どのぐらいですか、縦何センチ横何センチぐらいだか、それを小さくしたのを印刷して、幾らでも、郵便局の天下国家に約束することをちゃんと書いてくれ、こういうことです。どこかないしょで、標準到達日というものはこういうものでございますだけじゃ国民は納得しないわけです。
  133. 石井多加三

    ○石井政府委員 先ほど申し上げましたように、たとえば私の手元にございますが、これは東京都中央郵便局ケースの郵便日数表でございます。松本郵便局のケースの日数表はまた違うものになるわけでございます。個々の郵便局で違うわけでございますので、一括して印刷して郵便番号簿として一緒にお配りすることが技術的にむずかしいということをお答えしたわけでございます。
  134. 小沢貞孝

    小沢(貞)分科員 そうすると、たとえば私の松本市周辺の所には、そこから出した郵便物はいつ着くかということはかいもく見当つかぬわけですか。それと準じて同じようなことができないわけですか。じゃ、これは東京で出したものしか標準がなくて、松本で出したものは一体いつ着くのかかいもく見当つかない中で国民は郵便物を出さなければいけないわけですか。
  135. 石井多加三

    ○石井政府委員 かいもく見当がつかないということはもちろんないわけでございますが、たとえば松本から東京へあてた場合と東京から松本へあてた場合は、これは同じ日数になるわけでございますけれども、他の地域にあてたものはおのずからまた違う日数になるわけでございます。これは郵便の到達経路も違いますから日数が変わってくるわけでございます。
  136. 小沢貞孝

    小沢(貞)分科員 ここで押し問答をやっていても容易じゃありませんから、慢性的遅配、こういうものを私はしょっちゅう聞いておるわけで、やはり料金を取ってやるからには、ここは大体このくらいまてには——まあ何かあって一日おくれるのは仕方ない。この間も東京新聞の新聞記者のおえら方が、一月二十三日に新宿で投函をいたしました都内へ出す手紙であります、原稿か何かだったと思います、それが二十七日でなければ到達しませんでした、二十七日の前はたしか二十六日が日曜日だったと思います、だから日曜日が間にはさまってそういうことに、一月二十六日は日曜日で二十七日の月曜日でなければ着かなかった、小沢貞孝これでいいものか、こういうぐあいに控え室でごんごんやられてしまいました。東京都内で五日かからなければ着かないぞ、こう言って私たちのところに来るわけであります。監察局おりますか。聞いておいてもらいたいのだが、たとえばこの局に遅配はありません、うまくいっていますというような役所の報告は、その局を悪く見せたくないものだから、局長は、まあつつがなくうまくいっています、そういう報告しか上に出していないわけです。ああ私のところは遅配が五通あります、一万通ありますという報告はとかく出さないで、きれいごとだけを上に出しているわけで、だから私は、こういうような問題が間々あるのではないか、こう思います。  自分のところは、私の郵便配連は改善されましたので、ここで申し上げるのは控えなければいけないと思いますが、去年の秋から松本市内は一週間に二回しか配達は来ないわけだ。その前までは毎日来ていました。一週間に二回しか来ないで、いかんとも私は、笹賀の家に来るかな——すぐ隣で会合があるのに間に合わない。私のお手伝いさんが怒ってしまって、私に文句を言う。よく配達された日は、アルバイトを雇った年賀郵便のときだけは毎日参りました。後まただめになっちゃいました。これはいかんとも、私何とかならぬものかと思っていたのだが、ならぬ。そのうちに、私の近くに松本市内に大久保という工場団地があって、その工場団地の中の経営者が集まって市長を呼びつけて、何だ、市ではここに工場を招致するようなことを盛んにやったけれども、郵便物はちょとも来ないじゃないか。夜中に大分一杯飲んでいたときか、つるし上げられたと見えて、市長が私のところに、これ、この配達は何事だ、この配達の方法を変えてくれるようにやってくれないか。そういうようなことまで出てきたものだから、私は長野の監察局長電話をかけたら、明くる日飛んできてくれて、その明くる日から直った。これはいまから二週間ばかり前の話ですからいいわけですが、そういう問題がたくさん出てくる。  私の方の近くの長野県大町市、なかなか配達しない。サボタージュだ、こう一般住民は言うわけです。これは一般の人が言うことを聞かないでいて、課長クラスがおくれてはいけないと言って、課長あたりが一生懸命で配っていて、下の者には世話をやき得ない、こういう問題。これも長野の郵政局の方に言っていったら、そのうちに、何か庶務課長が交代になりました、いまによくなるでしょうと思ってこれは一年だか半年ばかりたったが、依然としていかぬ。こういう話で、だから東京にいる郵政省のおえら方と末端でわれわれが毎日文句を聞いていることとは大分断層があるのではないか、こう思います。監察の方はしっかりそういう点を見てもらいたい、そのように思います。どうでしょう。
  137. 永末浩

    ○永末政府委員 監察官は二年に一回ほど各局に参ります。それから非常に業務等が乱れている局には特別に考査にも出かけるわけでございます。監察の心構えといたしましては、郵政事業の業務運行の実態を客観的に把握して、そして管理部門にその情報を提示するということが役目でございますので、現地に参りまして郵便局長の言いなりで報告する、そのようなことは決してないと思っております。
  138. 小沢貞孝

    小沢(貞)分科員 人事局長にお尋ねしますが、人事局では大変な予算を使って教育訓練その他をやっていると思います。主任になった、その上は主務ですか、副課長だか課長になる、その人を訓練をしている、教育をしている、こう思います。私は、教育ということは内容をどういうことをやっているかは知らないが、郵政省というものは、この郵便というものは国民に奉仕するものだ、こういう教育が柱でなければならぬ、こう思います。主務教育、主任教育、そういうことがきちっと行われていれば、私が言ったようなことが起こらないと思います。大体、教育訓練は概括でどのくらい予算を使っているのですか。時間がないからごく簡単に。
  139. 谷垣專一

    谷垣主査 人事局長、簡明にお願いします。
  140. 神山文男

    ○神山政府委員 郵政省の研修には、研修所における訓練、それから郵政局が単独に行う訓練、それから職場における訓練、大きく分けて三通りあるかと思います。  研修所における訓練でございますが、一つは将来に向かっての人材養成のための養成訓練というようなものでございまして、これは高等部一科、二科、専門部、本料、中等部といったような訓練の課程がございます。それから新しい職務についた直後に行う新任者に対する訓練、これは役職、主事、主任に新しく任命された人に対する訓練、あるいは郵政省に最初に入った人に対する訓練、それからその他の役職についた人に対する訓練といったような種類がございます。それからそのほかに、専門的な業務知識や技能を付与する必要のある職場にある者に対する訓練、といったような訓練を研修所において行っております。そのほか、職場訓練、それから郵政局で行う各種の研修会、講習会、そういった種類がございますが、予算でございますが、養成施設費として三十五億九千万円、これは四十九年度の予算でございますが、こういった予算で訓練を実施しております。
  141. 小沢貞孝

    小沢(貞)分科員 郵便局組織規程第二十四条三項には「主任は、上司の指揮を受け、従業員を指導する。」またその上の主事だか何かはまたその上の人の指示を受けて職員をみんな指導する、課長もそう、局長もそう、こうなっていると思います。私はそのことが、訓練がちゃんとできてるかと言うのです。国民に奉仕するものだ、上の者の指導を受けて指揮をする。たったその一行でよろしい。そういうことができてるか。郵政省の職員というものは法律を守らなければならない、そういう訓練をやってるか。その二項目でいい。三十五億も四十億も使って法律を犯すような者を訓練しているなら、その予算はやめてしまって、郵便料金値上げをやめなさい。四十億も使って、法律を犯すようなストが主任とか主事によって公然と行われてるような訓練をなぜやっているか。それだったらこの訓練費は全部やめて、郵便料金値上げをやめ、法律を守れ。上の命令を受けて下を指導しなさい。この二項目だけでいいんだ。こんな金かかりはしない。これが国民に対する奉仕する郵政省でなければならない、こう私は思うわけです。大臣、そういうことが行われていないわけです。それだけのことさえ行われたら、こんなに国民に、これだけの迷惑をかけるようなことは私はないと思う。どうでしょう、大臣
  142. 神山文男

    ○神山政府委員 先生おっしゃるように、この主事、主任というのは、中間的な立場にある役職者に対する訓練でございますが、これは郵政省としては相当力を注いでまいりまして、こういう人々、主任、主事が局長、課長と職員の間においてよいコミュニケーションの役割りを発揮してくれるということが非常に大切でございます。また、郵政省は、先生御案内のように、非常に人力に依存している仕事でございますが、多数の職員に対する指導的な役割りを十二分に発揮していただくということが非常に大切でございまして、研修所における訓練もそういうことに非常に力を注いでやっている次第でございますが、今後とも努力をいたします。
  143. 小沢貞孝

    小沢(貞)分科員 大臣から教育、訓練に力を入れていく、見直すということを一言言っていただきたい。
  144. 村上勇

    村上国務大臣 大変参考というよりも非常に有益な御指示をいただきましてありがとうございました。全く小沢先生のお考えと私一致しております。少なくとも迅速と正確ということが第一でなくちゃならない。そのいずれの部門も窓口にあって国民に奉仕する立場にあるものであります。私は初め全く——私自身も訓練ができていなければ訓練をし直してもらっております。本当に一人一人がりっぱな訓練をして、その責任の重かつ大なるをどこまでもしっかりと銘記して、本当に国民の御期待に沿うような従業員、全員をそういうふうにしなければならないという私は非常に責任の重さを痛感いたしておるところであります。
  145. 小沢貞孝

    小沢(貞)分科員 終わります。ありがとうございました。
  146. 谷垣專一

    谷垣主査 これにて小沢貞孝君の質疑は終了しました。  次に、高橋千寿君。
  147. 高橋千寿

    高橋(千)分科員 私は大臣並びに郵政省電電公社の方に地元の問題を二、三含めましてお尋ねしたいと思いますので、御答弁をお願いしとうございます。  第一に、特定郵便局の置局問題についてお伺いいたします。最近都市近郊は目覚ましく発展しておりまして、これらの地域郵便局の設置が強く要請されております。郵政省の五十年度予算での特定局及び簡易局の置局計画について概略説明をまずお願いしとうございます。
  148. 石井多加三

    ○石井政府委員 昭和五十年度の特定郵便局の増置の予算上の数でございますが、五十年度の無集配特定郵便局の増置が予算上百五十という数字が認められております。それから簡易郵便局の方は、同じく五十年度が二百五十認められておるわけでございます。
  149. 高橋千寿

    高橋(千)分科員 地元住民の強い要望がありまして、郵便局をつくってくれと言われておるのでございますが、たとえば新潟市におきましても、そのような設置標準に合致する地域についてなるべく早く郵便局を設置してほしいということ、郵便事業の円滑な運営を図って住民の利便に供されたいと思いますが、どうでございましょうか。
  150. 石井多加三

    ○石井政府委員 ただいま先生の御指摘の地域は新潟市の曽野木地区というふうに承っておりますが、この地域は御指摘のように非常に利用の人口が増加しておるということでございまして、私たちといたしましてはできるだけ早い機会に置局の方向に検討してまいりたい、かように考えております。
  151. 高橋千寿

    高橋(千)分科員 二月の二十四日に地元の新聞「新潟日報」夕刊に出ていたのですが、「遅れる郵便」ということでここに載っておりました。新潟市内の一市民が余り郵便がおくれますために、自分で実験をしたのでございます。東の端の山の下地区から西の端、内野地区へ郵便を出しましたところ、それは八日間かかりました。内野局の前にある駅のポストに入れましたところが、それは六日間かかって山の下へ着いたということなのでございますが、この遅配の原因でございますが、ただ単に一時的な事故によるものか、それともまた業務量の増大による慢性的な遅配によるものか、実情はどのようになっているかをお尋ねしとうございます。
  152. 石井多加三

    ○石井政府委員 お答えいたします。  ただいまの記事が載りました新聞は私も拝見いたしました。新潟市の内部で、そういった送達に非常に時間がかかっているということを知りまして、皆さん方に大変御迷惑をおかけしておるということをまことに遺憾に存じております。郵便の遅配解消といいますか、正常運行ということは、これは郵便事業の当然の責務でございます。われわれといたしましても、できるだけ狂いがないように平素から努力しておるわけでございますが、何分郵便事業に一番大切なのは人力でございまして、省の内部の事情ではございますが、いろいろ労務事情とかいったようなことで、局によりますと非常に業務運行か労務事情等のために困難になっておるというところもございます。したがいまして、そういうところでは何といっても労使関係の安定ということが一番大切なわけでございますが、同時に、ただいま先生の御指摘の地域は、確かに新潟市としても特に発展をしておるような発展度の高い地域のようでございまして、私たちの方のそういう発展地域に対する手当ての仕方が、あるいは人的な面におきまして、あるいは局舎等の物的な施設面におきまして、どうも遅れがちである、後手後手に回っておるということも率直に認めざるを得ないかと思います。  それから、先ほども小沢先生から御質問がありましたように、職員の資質向上といいますか、そのためにやはり訓練などがぜひ必要なのでございますが、そういった面での個人の能力をもっと発揮できるような訓練ということも、もっともっとやらなければならないというふうに考えておるわけでございます。いま、お話に出ております新潟市の内野局区内は、ここ数年来、特に発展が多いようでございますが、こういう地帯におきましては、いま申し上げましたような私の方の内部の事情のほかにも、とかく町名とか番地が非常に混乱しておる。新聞にも載っていましたように、たとえば青山千四百三十六番地という所には同じ番地に五百五十世帯もあるとか、あるいは有明町五千八百十八番地には四百二十世帯があるというふうなこともたしか載っていたと思いますが、こういったような番地が非常に、相当のベテランの職員でもなかなかこれをよくそこの所を考えて配達するということがむずかしいような大きな障害になっている面もございますし、あるいはまた、道路事情等もございまして、こういった面につきましては、地元の新潟市当局の方のそういった面での御協力をお願いし特に新住居表示というようなものも新潟市が大変、そう言っては失礼でございますが、遅れているような面もあるようでございます。こういった点も外部にもお願いし、また私どもの内部でやらなければならぬことはそれぞれ私の方でもちろんやりまして、できるだけ早くこういった事態が解消するように努力してまいりたいと思います。
  153. 高橋千寿

    高橋(千)分科員 私も市の方へは極力催促するつもりでおります。いたします。  また、こうした遅配の原因というものは、新潟市内における郵便局の配置といいますか、置局にも原因があると思いますので、遅配解消のためにもぜひ郵便局の設置を促進していただきたいと思いますが、大臣いかがなものでございましょうか。
  154. 村上勇

    村上国務大臣 十分御趣旨に沿うように努力いたします。
  155. 高橋千寿

    高橋(千)分科員 次に、郵便局職員の転勤問題についてお伺いいたします。  最近の傾向かと思われますが、東京や大阪などの大都市圏の郵便局に就職した職員が、三年ほどたちますと、出身地の地方の郵便局へ転勤したいという希望が出てまいります。私どもの手元にもたくさん参っております。こうした地方への転勤希望の傾向については、郵政省はどういうふうに理解し、また認識されておりますか。まずお伺いいたします。
  156. 神山文男

    ○神山政府委員 先生お話の職員の転勤問題、実はこれ郵政省としては非常に大きな問題でございまして、御指摘のように地方から採用いたしまして大都市へ勤務していただくという職員が非常にふえてまいっております。年間、その年によって新規採用者の数が違いますが、二万から一万数千名ぐらい採用いたしますが、そのうち一万強が東京及びその周辺の郵便局への就職になっております。こういった状態でございまして、二、三年たちますと郷里の方へ帰りたいという職員が多数発生してまいります。これを地方にスムーズに配転できるようにいろいろ考えてまいったわけでありますが、ところが、最近地方における電話の機械化、合理化、これによって非常に発生過員が生じまして、しかも最近それが地方の山間僻地を中心に電話の機械化、自動化が行なわれる。そういう田舎に多数の過貝といいますか定員をオーバーする職員がふえてまいりました。したがいまして、大都市の、郷里に帰りたいという職員を配転するには、非常に大きな障害にこれがなってまいりました。まず、やはり地元にあるそういう発生する過員を付近の欠員局に配転するのを第一としないと、予算定員をオーバーしてしまいまして、それだけよその局に迷惑がかかりますので、地方における発生過員というものをまず第一に阻止しなければならない。それからその余裕でもって、大都市からの希望者を充てていくということになりますので、なかなかこれが消化をし切れないで、実は非常に大きな問題になっているわけであります。それでも極力、そういう希望される職員を希望をする土地へ行っていただくということは、やはり職員の士気にもかかわる大きな問題でありますし、そういう状況下におきましても年々相当数郷里に帰っていただくように努力はしてまいっておりますが、今後とも、そういう職員の士気にかかわる問題でありますので、十分力を尽くしてまいりたい、かように考えております。
  157. 高橋千寿

    高橋(千)分科員 いまお答えいただきましたが、できるだけ郵政省で、この人事のことについては職員の勤労意欲を失わないように、打開していただきたいと思います。  次に、地域の集団電話についてお伺いいたします。地域集団電話は、一つ電話回線に接続される数が八つと聞いておりますが、このために話し中が多くて通話が不便になっております。一般加入電話への変更をしてもらいたいという要望か強くなされております。現に、地元の西蒲原郡中之口村小吉部落においても、二百五十個の要望が来ております。このようなことを郵政省はどういうふうに考えておられますか。  また、電電公社は五十年度予算においては、既設地域集団電話の一般加入電話への種類変更を六万加入また組み合わせ数の緩和などを図るとのことですが、その実施計画は具体的にどのように進められておられますか、お伺いいたします。
  158. 遠藤正介

    遠藤説明員 お答えいたします。  先生御案内のように、地域集団電話と申しますのは、いまはそういう要望が非常に多いのでございますが、もともと公社の電話、普通の電話がつきにくい時代には大変皆さんに喜ばれまして、その当時はたしか年間二、三十万の御要望もあって、ずっと続いてまいったわけでございます。ところが、その後公社の電話の方もだんだん地方にまで普及をいたしてまいりまして、今日ではごらんのように年間一万にも満たない御要望でございますし、その多くが負荷増というものでございます。したがいまして、次の段階としてはこれをできるだけ、言うなれば地域集団電話というのはある段階での臨時措置のようなものでございますから、将来の問題としては本当の電話にだんだんかえていかなくちゃいけないというのは、確かに当面いたします公社の大きな問題でもございます。しかしながら、これについては片っ方で加入区域の問題もございますし、また中には不便だけれどもこの電話でもいいとおっしゃる方を無視してまたやるわけにもいかないわけでございます。それから設備投資の金額の問題もございます。そこで、私どもとしてはできるだけこの時点で、従来から組みかえの問題につきましてはいま先生御指摘のような点でいろいろ計画を立ててやっておりますが、一般加入電話への種類変更の事務も見直しまして、新しい計画でやりたいと思っておりますが、当面いたしますのはいま御指摘のように現在出ております一般加入電話への希望、あるいは私どもの方から見ましても非常に高いトラフィックで同じ線にぶら下がっているほかの方に御迷惑がかかるというような方を優先的にやっていく、こういう形でやっていきたいと思って、予算長期計画に基づいて計上しておるところでございます。なお、この基準については、近くまた郵政省とも御相談いたしまして見直しをいたしたいと思っております。
  159. 高橋千寿

    高橋(千)分科員 いま加入区域の話もちょっと出ましたが、加入区域についてちょっとお尋ねいたします。  電話加入区域は普通区域と特別加入区域とありますが、現在特に電報の有無を問われている時期でございますし、また電話は生活必需品とも言われている時代でございますので、この普通加入区域を拡大していただきたいと私は思いますが、郵政省並びに電電公社のお考えをお聞かせ願いたいと存じます。
  160. 遠藤正介

    遠藤説明員 この加入区域の問題はけさほどもお答えをいたしましたが、現在日本全国の国土の一五%が普通加入区域で、残りの一五%が大ざっぱに申しますと特別加入区域でございます。私どもが従来積滞解消というようなことで考えておりました需要というのは、おおむね普通加入区域中心でございました。しかし、いま先生が御指摘のように、そのめどがつきました今日の段階では、また地域開発その他もこういうぐあいにどんどん行われているわけでございますから、従来の普通加入区域ではとうてい御要望に満たないということもよくわかっております。次の段階として私ども考えますのは、普通加入区域というものをできるだけ広げていくということにいたしたいと思っておるわけでございますが、現在、日本全国で加入区域の数にいたしますと、約五千ございますが、それが大体平均二ないし三キロメートルの半径のものでございます。非常に狭いわけでございます。したがいまして、これを第一段階といたしましては半径五キロメートルぐらいの広さに広げる、こういう形の計画を立てまして、大体昭和五十二年までにそういう形に持っていきたい。ということになりますと、実際問題として先ほど申し上げました一五%の普通加入区域が残りの一五%の特別加入区域を大体吸収してしまうんじゃないか。またその後は、地域の変動その他に応じまして常時見直しをいたしまして、新しい開発あるいは新しい変化に即応できるような体制で進みたい。現在第一段階をそういうぐあいに考えて、予算等も計上しておりますが、何しろこれも相当金額が要ります。なぜ金額が要るかというと、普通加入区域にいたしました以上は、そこで申し込みがありました場合には、現在の一般の負担額によって私どもとしてはその需要を満たさなくちゃいかぬわけでございますから、いろいろ線路その他の準備もあらかじめやっておかなくちゃいかぬわけでございます。そういう意味で金額が相当に上りますので、先生御存じのように公社の台所もいま非常に苦しいものでございますから、そういう五カ年計画に基づいて計画的にやっていきたい、またやっていくべきだ、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
  161. 佐野芳男

    ○佐野政府委員 いま高橋先生の御質問でございますが、これはけさほどにも質問がありましたのですが、いま公社から答弁がありましたように、電話の普及によって国民の利便の向上を図るために加入区域を広げるべきであるという先生の御趣旨は全く同感でございます。公社でも財政的な問題もありますので、現在の計画では四十八年度以降の五カ年計画の中で、約四千数百カ所の加入区域の拡大を、いま説明がありましたように、大体平均半径五キロというところまで広げていこう。それで一方、山間僻地の対策と裏表になるわけでございますが、一五%、一五%の配分もある程度広がりまして、大体先生の御指摘の希望に沿えるのではないかと私ども思っております。ただし、形式的にはやはり千数百億の金が要るものでございますから、さらに拡大するというのは、一応のいま申し上げた計画が終了してからさらに研究して、将来への拡大の努力といいますか、そういうものについて郵政省としましては公社を指導していきたい、こういうふうに考えております。
  162. 高橋千寿

    高橋(千)分科員 わかりました。でも、予算が大変厳しいとおっしゃっておりますが、厳しい中にではありましょうけれども、国民へのサービスとして大事なものでございますので、できるだけ早くやっていただきたいとお願いいたします。  それから先ほど私が地元の名前を申し上げました西蒲原郡中之口村小吉農協、この件につきましてはどのようにしていただけますでしょうか。
  163. 遠藤正介

    遠藤説明員 これは地域集団電話の一般加入の問題でございます。私いま担当の者に調べさせましたところが、大体普通加入区域になっておるところが多うございます。したがいまして、特段にいやだとおっしゃる方ができるだけございませんように地元の方にもお願いをして、皆さんの総意をまとめていただきました上で先生の御希望に沿うようにいたしたい、こう思っております。
  164. 高橋千寿

    高橋(千)分科員 できるだけ早くお願いいたします。きょうは郵便局の設置とか職員転勤、遅配、また電話の普及などの二、三の問題についてお尋ねいたしましたけれども、このほかにもまだたくさんいろいろのことをお尋ねしたいことがありますが、これらは基本的な問題でありますので、郵政省電電公社の方々も極力善処していただきますことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
  165. 谷垣專一

    谷垣主査 これにて高橋千寿君の質疑は終了いたしました。  この際、午後一時四十分から再開することとし、暫時休憩いたします。     午後一時九分休憩      ————◇—————     午後一時四十分開議
  166. 内海英男

    内海(英)主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  谷垣主査が都合によりおくれますので、その指名により、私が主査の職務を行います。  郵政省所管について質疑を続行いたします。堀昌雄君。
  167. 堀昌雄

    ○堀分科員 最初に郵政大臣に少しお伺いをしておきたいわけですけれども、この国会の最初の所信表明で三木総理は、日本の経済というのはこれまでの高度成長時代のあり方から少なくとも大きな転換期を迎えて、これからは安定成長という時代を迎える、それについてはいろいろなこれまでの不公正軸是正等を含めて新しい物の考え方でこれらの経済の問題に対処しなければならない、こういうふうに述べておられて、その後の予算委員会で、私、総理の御見解を聞いておりまして、いずれもその線に沿ったお考えで答弁がされておるように理解をしておるわけであります。  そこで、本日は電電公社の五十年度予算についてお伺いをいたすわけでありますけれども、いまの総理のお考え、日本経済というものがこれまでの高度成長、言うならば、これを支えてまいりましたのは、大企業の民間設備投資というものが非常に進行をいたしまして、高度蓄積型の経済が進行してきた。ですから、全体としてはそういう急速な発展段階に見合ったいろいろな経済的手段がとられ、それか電電公社においてもそのような考え方で取り入れられてきておった、こう考えるわけでございます。しかし、いま私か申し上げたような今日の日本経済の転換期に当たっては、当然これまでのそういう考え方が改められて、これまでの高度成長で生じてきておりますところの不公正というものが新たな角度から見直されて不公正が是正をされる、高度成長ではなくて、国民が中心になったところの福祉経済への転換という時代を迎えるというふうに私も考えるわけでございますが、まず最初に郵政大臣のその問題についてのお考えを承っておきたいと思います。
  168. 村上勇

    村上国務大臣 日本の経済か高度成長経済から大体安定成長の方向へ向かいつつあるというか、向かってまいりまして、社会的不公平の是正というようなことを三木総理も言われておりますが、私どももやはりそういう観点から今後の行政をしていくということが大事であろうというように考えます。  そういう観点から、今日の電気通信は社会、経済並びに国民生活に非常に大きな役割りを果たしておりますし、今後わが国が安定成長の道をたどるうちにおきまして、その役割りを果たすことはまことに当然だと思っております。したがって、今後の電気通信事業の運営は、安定成長と十分調和を図りながらこれを推進することが必要であろうと思います。  このような見地から、五十年度電電公社予算については、総需要抑制の方針にのっとりまして、国民生活必需品となっている電話増設に最重点を置きまして、その他の投資につきましてはできるだけ圧縮するということでこれを編成した次第であります。よろしく御了承願います。
  169. 堀昌雄

    ○堀分科員 いま大臣が前段でお述べになったこと、私も同様に思っておりますが、後段の方は、ちょっと私この予算を拝見して、必ずしもいま大臣のおっしゃったようになっていない点があるというふうな感じを率直に言って持っておるわけであります。  そこで、もう一つ基本的な考え方でありますけれども、要するに、高度成長時代というのは企業も非常にどんどん発展をいたしていきますから、それに伴ってまた技術革新も同じようなかっこうで進んでまいりましたから、いろんなものがどんどんと新しく転化をしていく時代だと思います。しかし、これからは全体としての成長が緩くなるということは、企業全体としても、これまでのようにどんどんと新しい企業ができて新しい支店やその他ができていくということではありませんしいたしますから、本来的には、企業自身も現在の資源を節約をするという立場からいたしますと、できるだけ投資を適切にしながら、同時に投資をしたものが有効に利用されるということを図ることが、私きわめて重要な課題になってきておる、こう考えるわけであります。言うなれば、これまでは使い捨てというような一般的な風潮がありまして、要するに消費は美徳と、こういうようなことが高度成長時代に言われたわけでありますけれども、エネルギーの問題を初めとして日本を取り巻く資源の問題というのは、決して楽観を許すような状態ではありませんから、すべての資源についてできるだけその利用度を高め、有効に使うことによって資源を節約をし、同時にそのことが国民生活に役立つ方向へ向かうようになるべきだ、こういうふうに考えますが、簡単にいまの私の考えにお答えをいただきたいと思います。
  170. 村上勇

    村上国務大臣 たとえ高度成長時代であろうとも、あるいは安定成長であろうとも、消費は美徳というような考え方は間違っていると思っております。
  171. 堀昌雄

    ○堀分科員 そこで私は、これから少し具体的に電電公社の問題に入っていくわけでありますけれども総裁にまず最初にお伺いをいたしたいのですけれども、いま私が前段で触れました基本的な物の考え方でございますね、これについては、総裁もおおむねいま郵政大臣がおっしゃったような角度でお考えがあるだろうと思うのですが、その点ちょっと最初にお伺いをしておきます。
  172. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  電電公社といたしましては、前から国民のためということを一つの経営の中心にしてやってまいりました。高度成長から安定成長になるという時代になってまいりまして、公社の計画も基本的にそういう方向にやはり見直す必要があるという原則論に対しましては同感でございます。
  173. 堀昌雄

    ○堀分科員 そこで私は、不公正の是正に触れた中で、電電公社は、いま総裁のおっしゃいましたように、国民のための電電公社だ、私も何回か委員会で総裁からも伺っているわけでありますが、国民というものの中には、広義で国民といいますと、やはり自然人だけでなくて、企業その他も国民に包含されるような立場になろうかと思うのですが、私はここでひとつ少し狭義の問題として、いま一般的に社会的な問題でもあり政治的な問題になっておりますのは、企業と個人といいますか、この関係が実はかなり問われておる段階に来ておると思うのであります。  私は、この間の予算委員会の総括質問でも企業と個人、さらには今度は個人の中における高額所得者と低額所得者の問題ということの不公正の是正問題を取り上げたわけでありますけれども、私はやはり電電公社の各種の料金体系その他を含めて見ておりますと、どうも電話そのものではそう著しい問題はありませんけれども、認可料金等にかかわる部分については、どうも大変企業がフェーバーを受けてきていた。それにはそれなりの高度成長時代における理由もあったかと、こう思うのでありますけれども、やはり私は、そういう全体の客観的な条件が変わってきた中では、この企業と個人との間の不公正の是正の問題、その次には、いま大臣もお答えになりました、国民生活にとって一番重要な電話を中心にして実は投資をやっていくという考え方で、総需要抑制の中でそういう方針をとったとお話しになっているわけでありますが、やはり私も、電電公社としては第五次五カ年計画でその一番主要な題目を、電話の積滞をなくする、こういうことに置いておられた経緯から見ましても、おのずから投資その他についても優先順序というものがあるだろう、こう考えるわけです。そういたしますと、この場合に個人、企業を問わず、電話については私は当然第一に優先度があると考えますけれども、その他の、私から見るとやや不要不急といいますか、それがなくても処理ができるものと一般の電話との関係というものは、やはりこの際かなり画然たる順位の差が生まれてもいいのではないか、こういうふうに考えるわけです。  そこで、先にちょっと郵政大臣から私がいま申し上げた考え方、言うなれば具体的な例を言いますと、いまプッシュホンという電話がございますね。実は私の家でも娘が新しがり屋なものですから、あれが出たときにプッシュホンを入れました。ところが約一年間使ってみました娘の結論は、どうもあまりプッシュホンというものはそう私たち一般の家庭では利用度はないというので、またもとの電話に戻すということになったわけですけれども、これは利用度が非常にある方にはあるでありましょうが、一般的にはあまりそう利用価値がないという感じがしますけれども、実はことしの予算でもこのプッシュホンが四十五万個建設計画の中に含まれている。これは一例でありますけれども、そういうものが本当に大事なのか、電話が大事なのかというと、私はかなり優先順位というのは差がある、こう思うのでありますが、郵政大臣はこれはどんなふうにお感じになりますか。お感じだけで結構でございます。
  174. 村上勇

    村上国務大臣 これはちょっと事務当局から……。
  175. 佐野芳男

    ○佐野政府委員 先生のお考えはそれなりに私は理解できます。ただし、人の好みによりまして、最低黒電話で十分間に合うという方と、プッシュホンがあれば便利だというふうにとる人もおることも理解できます。
  176. 堀昌雄

    ○堀分科員 そんなことは答弁されなくても当然なことなんで、全然需要がないと言っているんじゃないですよ。要するに需要の質の問題ですね。電話がないというのとあるというのとは、百とゼロの違いですね。しかし、プッシュホンがあるということと電話があるということは一体幾ら差があるかといえば、一〇〇と一一〇とか、それは使用者の立場によりましょうけれども、そういうことだというふうな前提で私はものを伺ったということです。時間がありませんから先へ行きます。  そこで、そういう問題を含めて私は不公正の是正問題をこれから伺うわけでありますが、最初に、私は電電公社の今度の予算を見ながら、実はいみじくも大蔵省に電電公社予算要求をいたしました。予算要求について一月四日の段階で大蔵省の大蔵大臣査定、内示が行われたんだと思いますが、その中で大蔵省の査定というのは私が考えておる方向で査定が行われたということで、私はこの大蔵省の査定の方向を実は多としておるわけなんです。その理由はどこに問題があるかと申しますと、いまの私が申し上げましたプッシュホンにつきましては、最初電電公社は五十五万個要求した、そうするとこれを実際は五十万個に削減をした。結果は四十五万個になっていますからそれはいいんですけれども、いろいろなそういうビル電話だとかビジネスホン、ホームテレホンというようなものについては、実はいずれも、ビル電話は同じですが、少しに査定がされて、投資総額が大蔵省の方は一応一兆二千五百四十億というふうに最初査定をされた。しかし復活の過程を通じて、最初の要求は一兆五千四百三十億であったものが一兆三千百七十億に実は落ちついた、こういうことになっているわけですね。そこで私は、この落ちついた一兆三千百七十億でありますけれども、これが五十年度に予算として計上されているけれども、完全に施行し得る確信が一体電電公社にあるのかどうか。もう時間がありませんから少し私の方で申し上げますけれども、過去の例を言いますと、四十八年度には繰越額が千二百四十九億、未完成施設額が三千二百三億、こうなっていますね。間違いありませんね。電電公社ちょっと答えてください。私が申し上げたのの数字が間違っているといけませんから。
  177. 好本巧

    ○好本説明員 そのとおりでございます。
  178. 堀昌雄

    ○堀分科員 そういたしますと、この予算は、この年に建設予算一兆二千九百三十億でありましたものが、決算では一兆一千六百八十一億円と、約三百億ぐらいはいまの繰越額の関係で減ったんだと思うのでありますが、しかしなおかっこの三千二百三億というのは決算額の二七・四%に当たっておる。実際予算は組んでも、繰り越しもしなきやいかぬ、あるいは未完成が残ってしまうということは、四十八年度の実情では、予算は組んだけれども実行できない予算であった。これは過去からずっとそういうふうに押せ押せにもなっているんですが、そこで、これはどうせ決算が出れば後でわかることですが、これから五十年度については、いま皆さんが一兆三千百七十億という投資を考えておられるけれども、一体これ、まあ過去の状態ですね、四十九年も恐らくそういう事態が起こっているだろうと思いますから、それから推計すると、どのぐらいがやはり繰越額になり、あるいは未完成額として残るかという感触、これは推計ですから、感触だけでいいですけれども、ちょっとお答えをいただきたい。
  179. 好本巧

    ○好本説明員 お答え申し上げます。  四十九年度の感触でありますが、四十八年度末の繰り越しが非常に近年にないように大きゅうございました。これは公共事業の繰り延べという御方針に従ったものでございまして、四十九年度の場合は恐らく九百億から一千億の間の繰り越しになろうかと思います。未完成施設の額も、四十八年度よりは少し少なくなるんじゃないかと思います。
  180. 堀昌雄

    ○堀分科員 ですから私、実は予算がつければいいということではなくて、予算をつけたらそれが実行できる予算をつけるということが、予算上重要な問題だと思うんですね。大蔵省側の見解をひとつ聞いておきたいのですけれども……。
  181. 佐藤徹

    ○佐藤説明員 ただいま電電の経理局長の方からお答えいたしましたおり、四十八年度は実は公共投資の繰り延べという措置をとって、その結果として非常に繰り越しが大きい。かてて加えて、御承知のように四十八年の下半期にかなり物価の高騰等がございまして、契約の進捗状況等が若干阻害をされたという、まあ特殊な年でございます。四十九年度、いま経理局長の方からもお話しした数字もまだ年度途中でございまして、その繰り延べ措置をとられておりますものがそのまま繰り越しになるかどうかということは、現在の段階でははっきりは申し上げられませんけれども、そういう前提で続けておるところであります。  したがいまして、五十年度の場合いまの経済情勢から言いますと、現在編成しております予算について五十年度中に繰り延べ措置がとられるというようなことは、目下のところ予想されておりませんので、四十八、四十九に起こりましたような大きな繰り越しが出るおそれはないだろう。まあ四十八、四十九という両年度は、繰り越しの面で言いますとちょっと特殊な年でございます。
  182. 堀昌雄

    ○堀分科員 これは決算で見れば結果がわかりますからどうせいいんですけれども、私はどうもずっと過去の例から見まして、四十八年は特に大きいかもしれませんが、いまの電電公社の工事能力とそれからいまの予算額というものが必ずしもフィットしていないんじゃないかという感じがいたします。特に電電公社の工事関係というのは電電公社と特殊な関係のあるところに集中をしておるわけでありますね。私、実は電電公社関係者皆さんかどういうふうなかっこうでいまの建設関係の企業に行っておられるかということをちょっと資料で調べてみましたけれども、協和電設、日本通信建設、大明電話工業、東洋電機通信工業、日本電話施設というのが工事関係の主たるもののようですが、実はかなり公社出身の方が役員に入っておられるわけですね。言うなればOBがかなり中心になっている企業じゃないかと思うのです。ところが、これだけでやるのじゃなくてその下に下請がある、さらにその下請の下にまた下請があるというのが日本の、これは村上さんの御専門の方ですからおわかりのようなことですね。そういう仕組みの中でだんだん工事費が下にいくほど値切られてきますね。本来最初に出たところは適切な工事費かもしれません。だんだん中間でピンはねしてきますから、下にいくと無理がいく。おまけにいまのように物価が上がる、人件費が上がるという情勢になれば、なかなか工事が予定したように進行しないという問題が、こういう工事会社のいまの請負関係を含めた問題の中にかなり介在するのではないか、私はこういう気がするのですね。ですから私は、これらの問題について郵政省に一遍資料をちょうだいしたいのは、ある一つの特定のこういう工事について、どこへ発注し、その次の下請は幾らで請負ってやっている、その次は一体幾らになるのか、要するに系列別の請負価格の状態、そうすると一体末端ではいまのいろいろな物価なり情勢なりで本当にやれるのかどうかというような問題があると思うのですね。国の公共投資もいずれもそういう関係はあるのですけれども、国は特定の企業というのじゃなくてすべての企業でいくのですけれども、電電の場合には限られた工事会社との関係がありますので、この問題はひとつ精査をする必要があるのではないか。できるだけそういう段階を縮めないと、本来の効率的な工事ができなくて、要するに中間でマージンだけ抜くようなことが起こるのでは、これは私は政府の関係機関としては適切を欠く、こう思いますので、ちょっと郵政大臣その点について簡単なお考えだけ承りたいのです。
  183. 村上勇

    村上国務大臣 私が調べたわけでもないのですが、私の常識から申しますと、電電公社と直接契約をしている事業体ですね、それ以外の下請また下請というものが仮にあるとしましても、それはわれわれの関することじゃない、こう思っております。ですから、電電公社と直接契約をしている会社、事業体というものを重視して、それから先のことは何段階になっているか、あるいはそのまま直轄でやっている場合もありますから、そこまで私は追及すべきであるかということについてはまだはっきりしたあれは出てきません。
  184. 堀昌雄

    ○堀分科員 これ、確かにおっしゃるように相手方はいま私か申し上げたような企業ですけれども、その企業が定められた期間に定められた仕事ができるならいいと思うのですよ。恐らく公社が予算を組んでいる以上一定の期間にやろうということでしょう、これは。ところがこういうふうな事情が起きているのは、定められた期間にやらないから繰り越しになったり未完成で残ったりするんだと思うのですね。それにはそれなりの理由があるでしょうから、ではその理由を、当然監督官庁である郵政省電電公社を通じていまの工事の請負会社に対してどうしてこれはできないんだ——私どもはそれかいま申し上げたような仕組みのために非常に困難な問題を含んでいるんだと思うのですけれども、これは調査してみなければわかりません。しかしそれは、郵政省としては調査をするに値するものだと私は思うのです。これはやはり国民に関係ある資金、たとえば財投も入るわけですし、国民全部が納めておる電話料金その他がもとになっていることでありますから、その点は一応調査をして、もちろんそういう処理をするにしても、それは能力の範囲があるでしょう。するのもいい。してはいけないと言っているのじゃないのですよ。公正な処理ができるようにされないと、結果としてはそれがいまの事業の進捗にはね返るというおそれがある、こう思うものですから。
  185. 米澤滋

    ○米澤説明員 ちょっとお答えいたします。  昭和五十年一兆三千百七十億の建設投資が工事が完全にできるかというお話に対しましては、私は完全にできると思います。ただ、四十九年とそれから四十八年は、これは大蔵省が七%ないし八%繰り延べしてくれということを閣議でお決めになりましたので、私たちは、公社の中にはいろいろ意見がございましたけれども、政府の方針に従うということでやりました。  それからもう一つ、未完成工事というのは、何かいかにも残っているような工事じゃなくて、これは会計決算の上で未完成、一部分工事が残っているということでありまして、その中の大部分はもう稼働しているということでございますから、その未完成工事の説明は場合によっては経理局長にさせますけれども、これは全部繰り越したのではなくて、すでに稼働している。ただ、ごく一部の部分的のものが完成していないので、経理処理上未完成になっている、こういう点がございますから、ちょっと補足させていただきます。
  186. 堀昌雄

    ○堀分科員 こればかり時間をとっておられませんから、そこらはいまおっしゃるような事実もあろうかと思いますが、いまの工事関係の問題というのは何も電電公社だけでありませんね。国の問題でも皆そうなっていることは御承知のとおりですね。ですから私は、そういう何重構造という問題はやはり排除されませんと、一番下ではそこに働く労働者を含めて大変困難な情勢が生まれておるということは周知の事実でもございますから、そこらは十分注意を喚起しながら処理を進めておかなければいけない、こう考えるわけであります。  そこでその次に、いまちょっと私、触れましたけれども、料金の問題でありますけれども電電公社の方で昨年の九月に出されている「電信電話事業の現状と問題点について」という資料の中の「データ通信の料金について」という項目で「データ通信については、公共的、全国的、開発先導的なシステムを中心とし、公社の多年にわたる技術、経験を活用して民間データ通信事業との協調をはかりつつサービスを提供している。データ通信は独立採算の原則に立ち、システム毎に八年を目途に収支相償うこととしている。しかし初期投資が大きいために過渡的には収支相償わない期間がある。」こういうふうにみずから触れておられるわけですね。そこで四十八年ではデータ通信に対しては五百六十三億の支出に対して収入が三百二十億で二百四十三億ぐらいの赤字になっていた、こういうふうに私の持っておる資料ではなっておるのですが、それが事実かどうかということと、要するに今日までの累積的な投資額と収入額との関係から見て一体どのくらい収支差額があるのかをちょっとお答えをいただきたいと思います。
  187. 遠藤正介

    遠藤説明員 ちょっといま手元に資料がございませんけれども、いま先生のおっしゃったような数字は、昨年九月に出しました資料に基づきまして、そうだと思います。  それで、データ通信の中に種類がたくさんございます。あるシステムによってはペイラインに入っているものもございますけれども、御案内のように、次々と巨額のわりあい大きな投資をするものがございますので、データ通信全体としては現在の段階でまだ収支率は悪い、つまり赤字でございます。その累積赤字の総額が幾らかという数字はいまちょっとございませんが、私どもとしましては、現在のところでは大体五十四年ぐらいにはいま申し上げましたようなデータ通信全体の収支が戻ってくる、こういうぐあいに見ております。なお、御案内のように各システムごとには八年目という計算でやっております。
  188. 堀昌雄

    ○堀分科員 そうしますと、いまお答えはちょっとできなかったのですけれどもかなりこれまでも累積的な収支差額がある。さらに五十四年でちょうどバランスがとれるというお話ですから、これから五十年、五十一年、五十二年、五十三年、向こう四年間ぐらいは依然として電電公社としては持ち出しになるわけですね。これは、私は当然そういうことがあっていいと思っております。それは投資の経過としては仕方がないと思うのですが、私はそういう問題を含めた投資態度というものを、いまの電話との関係で、ある程度調整がとられないと、言うなれば、恐らく来年、皆さんどうしても値上げをしてほしいということになるのでしょうけれども、今日でも電話料の方は黒字になっていて、その他の赤字を電話収入でカバーしているという現段階で、データ通信はますます赤字がどんどん出てくる、それを今度は電話料でカバーするんだ、値上げでカバーするんだというこの考え方は、実は国民的なコンセンサスを非常に得にくい問題ではないのか、私はこう考えておるわけであります。  ちょっと問題だけを指摘して、その他関係のある問題がありますからざらにちょっと進めます。  そこで、実は現行認可料金というのは、これはほとんど企業向けのものが大部分だと思います。この現行認可料金の中で、一つ今度、いま郵政省に申請がされておりますところの専用回線の料金改定が出されておるようでありますが、ちょっとお伺いをしたいのですけれども、私か承知しておる範囲では、大体専用回線で、D2規格というのですか、これを私どもの資料としてちょうだいしておるわけでありますが、これの千二百ビットというところで、もし加入電話でこの線を使って一日八時間で三十日間使用したとすると、東京——大阪間の場合は五十一万二千円ぐらいかかる、しかし、いまの専用回線では、現在は四万三千七百円ぐらいだ、こういうふうな資料をいただいておるのですけれども、これは公社からというのじゃないのですが、あるのです。そうすると、この専用回線状態は一般加入電話のものに比べてわずかに二・八%の負担しかしていないという状態でもあるのですが、いま私の申し上げたのは、大体そのくらいの計算になりますか。ちょっと公社でお答え願いたい。
  189. 遠藤正介

    遠藤説明員 料金表そのものの数字的な計算から言いますと、確かにそういうぐあいになるかと思います、一日八時間ならば。
  190. 堀昌雄

    ○堀分科員 もう一つ、ちょっとさっきもお願いしておいたのですけれども、この市内ケーブルと工事費を含めて、この専用線について、一回線当たりで一万円程度のコストがかかるのだ、これをいまは一キロ二千円になっていますから、二千円で提供しているというのは、大変なコスト割れの状態じゃないかという指摘があるのですけれども、いまのD2規格の専用線の一キロメートルのコストというのは一体どのくらいでしょうか。
  191. 山本孝

    山本説明員 ただいま資料を取り寄せておりますが、先ほど先生の御指摘のありました市内ケーブルでいきますと、キロメートル当たり約九千円から一万円とおっしゃったと思いますけれども、これは大体物品費だけで考えておりますので、もうちょっと高くなるかと思います。ただ、それは創設費、工事費でございまして、二千円と申しますのは月額使用料でございますから、一年間で伸ばしますと、もっとふえるということでございます。
  192. 堀昌雄

    ○堀分科員 もちろんいまのは最初のコストですから、後の使用費は、いまの二千円というのは年間に伸ばせばそれは大きくなるわけですけれども一つの感じとして、最初に私が申し上げたように、一般の電話に比べて専用料金というのは非常に安いということは、どうも間違いがないようですね。  そこで、私ちょっとこの専用料金の皆さんの方が出しておられる点でもう一つ問題があるなという感じがしますのは、今度これは値上げと値下げとが同時に行われるらしいのですが、電電公社は向こう当分の何年間かは値上げをしないということなら、私はそういう値上げ、値下げ同時並行でことし処理をしようということも、それはわからぬではないのです。これまで何回かそういうニュートラルな処理をしておられますから、その点わからないのじゃないのですが、恐らく電電公社は来年はどうしても値上げをしたいのだというのが、全体の資料を通じてうかがわれるわけですね。そうすると、国民からしますと、それでなくてもいま一般の電話よりは安い専用回線というのを、その前に上げるのも上げるけれども、割引するのも割引するのだというのは、ちょっと私は腑に落ちない。要するに、上げるものだけ上げておいて、将来ある一定の安定期間に来たときに、これはどうも高過ぎるから下げましょうというのなら話はわかるのですけれども、来年に値上げをしようというときに、大きな企業向けの分だけは、片一方値下げ、片一方値上げで収支ゼロでことしやりましょうというのは、どうも私はもう一つ納得のいたしかねる感じがいたします。おまけに、その内容を見ますと、こういうことなんですね。七キロまでのところは現行料金が八千円でも幾らでも、五千円でも二千円でも、一万円になる、これはいいと思うのです、値上げの方は。ところが、十キロというところにいきますと、一万七千円現在負担しているやつが一万円にがくんと減るのですね。四一%減るのです。ここではがくんと四一%減る。十五キロのところにいくと二万円になるのですが、ここは要するに二六%減る。ところが、その次の二十キロは、四万円が二万円になって、これまた半分になる。この区切りの中一つずつ見ますと、要するにものすごく安くなるのと余り変わらないのとが内部間にいっぱい出てくるわけですね。だから、たとえば運のいいのはうんと安くなって、運の悪い距離におるものはべらぼうに高くなるという、結果としてはちっとも安くならないのだという仕組みが、実はこの制度では出ておるわけですね。私はひとつ郵政大臣に、これは認可料金ですから郵政省がお考えになるのでしょうが、電電公社は来年何にしても電話の値上げをしようということでしょう。これは郵政省はどうお考えになるか、来年の判断になるのですけれども、しかし、ことし一年延ばしていますからね。そこでこういう来年値上げ必至、おまけに電話料の方は黒字なんだ、ほかのものが赤字のために公社は値上げが必要になってきておるときに電話料を値上げする、そのときに、要するに値上げ、値下げを一緒にするなんというのはおかしいので、とりあえず値上げだけしておいて、そうして、いまのその他の分は、値上げをしないのはそのまま置いておけばいいのですから、いまの電電公社の考え方というのは、とりあえず下の方を一万円にしましょうということでしょうから、七キロまでの九千五百円までのところは一万円にする、それ以外は一応据え置いて、要するに値上げが終わって公社の経営が安定したところで、余力がありますから下げましょうという話ならわかるのですが、私はこの際値上げと値下げでプラス・マイナス・ゼロですなんという処理をすることは、来年それでは一般の国民も値上げと値下げを一緒にしてくれるのかといったら、値上げ一方ですよ、電話料の値上げは。これは黒字である電話料をさらにほかの要素のために値上げをするという現状においては、まことに不公正を拡大するやり方だ、こう思いますので、郵政大臣、この点については、私は値上げだけの部分は値上げ、値上げにならない部分は据え置き。上げる必要はありません、そこから先は。下げたい部分の方は上げる必要はないけれども、据え置きということが今後の電話料金の値上げとの関連から見て最低必要だ、こう思うのですけれども大臣いかがでしょう。
  193. 村上勇

    村上国務大臣 全く常識的な御意見だと思います。ただ、私がこれをそういたしますと言うことについては、もう少し私研究させてもらわないと自信がありません。
  194. 堀昌雄

    ○堀分科員 結構でございます。御検討いただきたいと思います。  ただ、私が申し上げておるように、いまの三木内閣の不公正の是正という大きい政治的な判断を生かしていただいて、私が申し上げておることは決して間違ってない、国民的な一般常識としてそうありたいと願っておると思いますので、この点はぜひひとつ前向きの御検討をいただくようにしたい、こう思うのであります。  その次に、減価償却の問題なんですが、これはなかなか短時間で処理をするのはむずかしい問題なんですけれども、私、二、三資料をいただきましたので、その資料に基づいてちょっとお伺いしておきたい。実はこの電話機と木柱について耐用年数九年と十五年となっておる。これが一体耐用年数前に撤去されたり、あるいはその後に残ったりしたものはどうかということで資料をちょうだいいたしました。その中で耐用年数到達前に撤去されたものが電話機について五六%、木柱について五二%とあるのですが、それはわかるのです、そのとおりだと思うのですが、耐用年数到達前に撤去されたものは、たとえば引っ越しをした、そこでは電話機が要らなくなったということになれば、これは撤去になると思うのですね。私はその撤去したというんじゃなくて、もう電話機を廃品で処理してしまったということで実はデータが欲しかったのですが、ここではそういう形になっているのですね。そこで、この耐用年数到達前に撤去された五六%というものの中で、その電話機が再度どこかへ使われるということはないのかどうか、これはもう耐用年数が九年あるものを五年目に引っ越しした、そしたらその家から戻してくる、十分使える電話機だというのを、電電公社はさっき私が申し上げた物を大事にするという考え方に立てば、まさか使えるものを廃棄処分にすることはないでしょうから、その次どこかでお使いになるのだろうと思うのですが、そこはどうか、ちょっとお答えをいただきたいのです。
  195. 三宅正男

    ○三宅説明員 先生お話しのとおりに、撤去いたしました電話機は整理品というので一たん整理をいたしまして、そして修理をすべきものは修理をした上で再用いたしております。
  196. 堀昌雄

    ○堀分科員 ですから、私が期待をした計数か実はここへ出ていない。私が期待したのは要するに廃棄処分にする、もちろん残存価額というのは多少残るでしょうけれども、一体廃棄処分にするという場合の実際の使用期間というものは一体どういうことなんだろうか、こう考えてみますと、どうも電話機というのが実際は九年だけれどももっと使えるんじゃないだろうかなという気がしているんですね。  そこで、ここで耐用年数経過後二、三年に撤去されたもの、耐用年数経過後四、五年目に撤去されたもの、六年以上で撤去されたもの、みな撤去になっているんですけれども、そういうかっこうで撤去されたものが二〇%ある、こうなるのですが、大体耐用年数に対して六年というのは十五年後でも五%ぐらいは使っているということで、これは使用のあり方によりましょうから均一にいかないと思うのですが、いまの電話機というものを一般的に見て正常な状態で使ったとしたら一体何年ぐらい実際に使えるのでしょうか。大体計算の話はこれでは無理ですから、皆さんはどういう考え方で電話機を設計し、発注をしておられるのか。耐用年数九年というのは一つの目安として結構ですけれども、何年ぐらい使えるものなのか、ちょっとお答えいただきたい。
  197. 山本孝

    山本説明員 ただいまの電話機につきましては、ちょっと資料がございませんけれども先生御指摘のとおり物理的寿命はもうちょっとございます。ただ、その使用の場所の条件でありますとか、使用頻度でありますとか、これによって変わってくるのと、それから現在宅内機の問題でありますとか、木柱のようなものにつきましてはもっと外部要因が大きゅうございますので、かなり短くはなっておりますけれども、そこの資料でもおわかりになりますように、木柱につきましても相当長いものがあり、電話機につきましても長いものがございます。
  198. 堀昌雄

    ○堀分科員 これは大蔵省も含めて考えていただきたいのですけれども、現在電電公社は定率法の償却を行っておられます。わが国の一般的な企業で見ますと非常に定率法が多いのですが、定率法の理由の中に、「日本では昭和の初めから特定の有形固定資産一建物および構築物などを除く一について税法が定率法の適用を認めたから、この部面から広く実用された。とくに昭和二十六年の「耐用年数等に関する省令」によって、無形固定資産以外の償却を要する固定資産の全部について定率法が認められたから、いわば税務償却としては定率法が原則的な償却方法となり、定額法はわずかに無形固定資産について利用されるに過ぎない。」という形で、減価償却が日本の場合税法との関係では企業では定率法が完全な主流になった、こうなっておるわけですね。  私も、技術革新がどんどん進んで高度成長の時期には、取りかえも速やかに行われるだろうし、いろいろなものの陳腐化が進みますから、定率法の採用はある程度やむを得なかった、こういうふうに思うのですけれども、私がさっき申し上げるように、要するに物を大事に使ってできるだけ修繕をしながらまだ使っていこうという情勢になってきたら、定率法で早く償却をしてそういう陳腐化に備えようというよりも、実は定額法で直線的な処理をしていくことの方が今後の日本経済のあり方に似合っている。公社の場合税金の問題はありませんからその方が望ましいのではないだろうか。実はアメリカは非常に定額法、直線法が多いようですね。この発想はどこにあるかというと、アメリカの場合の投資というのは、これまでは内部留保が主体であって、借り入れをもって投資をしょうなんてことになっていないわけですね。だから、投資スピードというのは実に緩いわけですから、どんどんどんどん償却を前へ持っていく必要がないということでアメリカが直線法になるというのはそういう投資態度にある。日本の場合も、これからはこれまでのような借入金借入金最も象徴的なものは電電公社だろうと思うのですが、借入金依存でどんどん設備投資をやっていこうというようなことは、これからは国際競争力との関係から見ても考え直さなければならぬ時代が来ている。自己資本をふやし、内部留保の範囲を余り超えないようなかっこうで、要するに健全な投資を行い、その健全な投資は、要するにさっき申し上げたように、十分効率的に使用されていくということが、日本企業にとっても求められる非常に重要な課題だと考えておるわけですね。ですから、そういう観点で見ますと、まずとりあえず電電公社の償却法の中で建物のようなもの、これはいま建てておられるものはすべて鉄筋コンクリートの大変りっぱな建物ですね。これらについて定率法を採用して、早期にこっち側に要するに償却を多くするということは、これまでの投資をどんどんふやすという時期は必要だったと思うのですが、大体五十二年で投資の山が来て電話は大体充足される、それからの投資は緩やかな投資になるという時期に、建物まで定率法で前へ償却をずらして収支差額が大きく出る、収支差額が大きく出るから赤字だから値上げをしなければなりません、こういうかっこうになるのも問題があるし、要するに償却問題というのは電電公社事業収支の問題としても問題があるし、同時に償却のあり方としても問題があるので、ここらでひとつ日本経済の転換期に当たって、まず少なくとも建物のようなもの、当然これは定額で処理していいようなものは定額に戻して、私も一挙に電信通信機械を全部やれなんて言いません、だから、そういうものはそういうものとしながらも、実態に応じた減価償却のあり方をこの際電電公社はとるべきである、こう考えるわけでありますが、最初に総裁の御意見がありましょうから……。
  199. 米澤滋

    ○米澤説明員 詳しくは担当の総務理事から答えさせますが、まず技術革新の問題につきまして、私たちは技術革新は、ただ技術が新しいからといって使うのではなくて、それがやはり経営の上で、いわゆるオペレーティングコスト、メンテナンスコストがミニマムになる、最小になるということで技術革新を採用しております。ただいま堀委員の御指摘のように、そういう意味におきまして線路とか機械とかというものはこれからもまだどんどん技術革新が出てまいります。したがって、これはあくまで定率法でいくべきじゃないか。ただしかし建物、これもいままではよく自動改式というものが非常にありまして、地方の建物を全部取っ払うというようなことがございました。しかし、これからは確かに安定成長のような時代に入りますので、建物のようなものとかあるいは工作物のようなものにつきましては少し検討さしていただきたい。いま直ちに私、定額にするとは申し上げられませんが、公社の中で検討さしていただきたい、こういうふうに思います。
  200. 堀昌雄

    ○堀分科員 結構です。私、何もここで言質をちょうだいする気はありませんが、やはりこれは重要な、公社の収支にも関係をするし、同時に投資の関係としても非常に重要な問題ですから、十分ひとつ実態に即するように、私は何も実態を無視して機械的にやれと言っているのじゃないのです。ただ、いま申し上げたような建物や工作物のようなものは、これからは建てたものをやはり有効に使うべきだし、大体もう建つものはこれから長く使ってもらわなければ困るようなものが建っていると思うのですよ。これまでは過渡期のいろいろな問題があったと思いますが、もうそういう段階に入ってきていると思うので、これらについてひとつ減価償却を十分考えていただきたいと思います。  そこで、あわせてさっきの投資の問題にちょっと触れておきたいのですけれども、私はもう少しこの投資を検討する余地があるのではないか。ということは、いかにも実は電電公社借入金が大きくなってきまして、もう外部負債、大変だと思うのですね。これはきょう理財局入ってもらってないからあれですけれども、ちょっとその問題についても、借入金をやれということでなきゃできませんからいいのですが、昨年は、要するに四十九年度は財政投融資三百三十億、それから特別債借入金三千二百八十億ということで、これが合計三千六百億の中の三百三十億というのが財投だったのが、ことしは料金値上げを見送った結果、借入金が五千八百五十九億円にもふえておるのに、財投はわずか三百八十億、五十億しかふえてない。まあ電電公社というのは完全独占で力があると大蔵省が見ているのかもしれませんが、これはやはり三千二百八十億のときに三百三十億財投で見ているのなら、比例計算ぐらいの処置は財投で見てやるべきじゃないか。これは主計局じゃなしに理財局ですから、あなたに答弁を求めるわけじゃないけれども、どうも大蔵省は電電公社少し力があると思って、かなりつれない処置をしておるなという気がするのですが、あなた何か意見があったら……
  201. 佐藤徹

    ○佐藤説明員 直接の担当ではございませんけれども、私も予算編成の過程で理財局とも相談しましたので一言お答えいたしますと、決して電電につれなくしているわけではございませんで、本年度確かに借入金が非常にふえております。ふえておりますが、幸い外債市場の好転というような事情もございまして、一般会計予算総則の方の外債の保証枠を非常にふやしております。その中には電電も一つの予定として入っておりますし、そういった面あるいは、それから短期の借入金の面で、財投の計画書には載っておりませんけれども、短期でございますから、電電公社の資金繰りに不自由を来さないようにある程度の用意をする、そういった面で電電公社に対しても借入金の総枠が増大するのに見合った配慮はいたしておるようでございます。
  202. 堀昌雄

    ○堀分科員 私も、理財局呼んで話を聞いてませんから、いまのようなことはわかりませんけれども、やはりこれは、余りこの借入金がふえるということにも問題があるし、できるだけそういう借入金については財政資金をもって充てる方が国の機関としては筋ではないか、こう思いますので、これはひとつ理財局にそういう点をあなたの方からも伝えておいていただきたいと思うのであります。  そこで、しかし何にしても、どうも投資が大きいので、こういうふうなことにすれば投資がこのぐらいになるというのをちょっと申し上げておきたいのですけれども、まず建設工程を少し抜本的に修正いたしまして、加入電話というのは、これは三百万なんですが、もしふやせるとすればこれは国民のために非常に重要なことですから、まあ三百二十万くらいにしたらどうか。しかし、さっきから申し上げたビル電話、ビジネスホン、ホームテレホン、プッシュホン、こういうのはいずれも私は順位が低い、不要不急ではないかと、こう思いますので、ビル電話はひとつまあ三万くらい、ビジネスホン十五万、ホームテレホン五万、プッシュホンを二十万というようにすれば、かなり実は投資額が節約されるのではないか。この原案、予算案では電電局の建設も千百二十九局とありますが、これも総需要抑制の問題もありますからまあ五百十局ぐらいにひとつ抑え、同軸ケーブルを六十七を四十に、マイクロウエーブ百四十七を六十に、まあデータ通信についても販売在庫を五、科学技術計算を二、その他を十八くらいにして、特定通信回線も九千回線とあるのを三千五百くらいに、公衆通信回線も一千くらいに、あと地域集団電話の一般加入電話への変更を一万くらいということにすると、建設資金というのは一兆一千億くらいにおさまるのじゃないだろうか。まあ基礎工程は余りさわると、これは電話の方に後ではね返るので、大蔵省の査定がさっきちょっと申し上げたように一兆二千五百四十億ということだったようですが、私はやはりこの際、こういう不要不急のものはできるだけ少しずらすということにして投資額を減らすことが、公社経営全体として必要以上の借入金を減らすことになる。いまこの予算で見ると、公社の利子支払いは二千八百四十二億円ですね。大変な利子支払いになっておるわけですから、経営の健全化という意味では、この新しいいまの時代には適度な投資態度が必要だと思うのですが、それについていかがか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
  203. 輿寛次郎

    輿説明員 お答えいたします。  われわれの五十年度予算、確かに御指摘のとおり大蔵省の査定を受けまして一兆三千百七十億でございますが、これ自体はかなり実は詰めに詰めた予算でございまして、先ほど基礎投資のお話もございましたが、たとえば電話局建設とか同軸ケーブルあるいはマイクロウェーブといったものはいずれも将来の市外回線あるいは開通に必要なものでございまして、どうしても手が抜けないと考えております。そういったことを含めまして、われわれといたしましても極力総需要抑制という線にも沿いましてやりくりをした結果がこの数字でございまして、率直に申しまして、これではまだ基礎投資としては十分ではございませんが、何とかやりくりをして五カ年計画の最大の目標であります五十二年末に積滞を解消する、こういった方向を進めていきたいと、こう考えております。  なお、ついでに申し上げますと、農山漁村対策などはどうしてもやはりこれは切れませんので、地域集団電話の開通でありますとか、あるいは一般家庭のものはぜひやりたいと、こう考えておる次第でございます。
  204. 堀昌雄

    ○堀分科員 最後に郵政大臣、実は私が昭和四十七年の十月の本会議で田中総理のときに取り上げました寝た切り老人その他に対する福祉電話でございますけれども電電公社でも大変努力をされて新しい電話機を開発していただいて、私は大変その点、電電公社努力を多とするものであります。ただ、ちょっと気になりますのは、大変いいものを開発していただいたのですけれども、この中のシルバーホン「あんしん」というのは月額使用料三千五百円、あとのものは百七十円とか二百円とかですからそんなにないのですけれども、大変いいものをつくっていただいたけれども、負担がかかるという問題が出ているわけですね。その負担は、御承知のように国と地方自治体が負担をしておるわけですね。私は最初に、福祉電話については電電公社も少し負担をしたらどうかということで問題提起したのですけれども、いろいろな問題で、国と自治体でやってもらうということにいまなっているのですが、こういう電電公社が独自で開発をされた新しい、老人福祉のための電話のようなものは、せめてこの程度はひとつ電電公社が見てもいいのじゃないかなと、こういう感じがするわけです。これは法律的に、公衆電気通信法の七十条で、「公社は、郵政大臣の認可を受けて定める基準に従い、左の公衆電気通信役務の料金を減免することができる。」ということで、一から七項まであるのですが、ひとつ郵政大臣、これ、わずかな金額ですから、公社の丘十年度の収入合計二兆一千億ですね、この大きな機関が、わずかな個数の電話の料金までどうしても取るのだというのは、福祉へ向かっている時期にどうも適切でないように思いますので、ひとつこれは郵政大臣の方で御検討願って、公衆電気通信法第七十条に一項を設けていただいて、老人福祉電話のいまの機械の貸与部分については減免することができるというふうな処置を、ぜひとっていただきたいと思うのですが、郵政大臣いかがでございましょうか。
  205. 村上勇

    村上国務大臣 老人福祉電話につきましては、昭和四十七年の秋、堀委員の貴重な御示唆をいただきまして以来、郵政省で老人実態調査を実施する一方、厚生省では市町村に対する国庫補助を増額するなどして、その普及に務めているところであります。四十九年九月末現在の老人福祉電話の設置数は約千四百台、五十年三月末には約四千七百台となる見込みでありまして、これに市町村独自の施策によるものなどを加えますと、五十年三月末までで約一万台に達するものと見込まれます。また、現在御審議をいただいている五十年度予算案には、厚生省の補助金として約八千四百万円、これは五千台分であります。これを計上いたしまして一層の普及を図ることとしている次第であります。なお、老人福祉用の特殊な電話機につきましては、先ごろ電電公社開発を終わり、目下その料金等を検討しているものと聞いております。
  206. 堀昌雄

    ○堀分科員 そこで、その料金を検討しているのはいいのですけれども、しかしそれも国と自治体で持てというのも、まあそれは、こういう時期ですから大きな額を電電公社に負担させようと私は思わないのですよ。しかし、このくらいは、福祉時代だから、ひとつ七十条を改定してもらったら減免料金になって、そのくらいの負担くらい現在の全体の収入から見て大したことはないと思いますので、それを含めてひとつ郵政大臣の方で、法律ですから電電公社はどうにもなりませんから、郵政省の法律ですからびとつ御検討いただきたいということをちょっと申し上げておきたいのです。
  207. 遠藤正介

    遠藤説明員 あの老人の福祉電話については、実は公社の方から準備するということになっておるのでございます。それで、条件さえ整えばそういうことでございますが、堀先生前々からこの点は非常に御理解が深くて、公社は独立採算だという基本線は一応御理解いただいて御援助もいただいているので、この問題だけじゃなくて、公社がいろんな福祉にみんなそういうぐあいになっていきますと、将来のこともあります、いままではそういうことを考えておりましたが、確かに、やはりこれもマスプロになりますまでは値段が下がらないわけでございますから、そういう意味で、ある時期を限って、ある条件を限って料金の減免方法を公社で検討させていただいて、こちらの方かち郵政省の方に御相談させていただきたいと思います。
  208. 堀昌雄

    ○堀分科員 私も、独立採算の原則を崩すような気持ちがあるわけじゃないのです。しかし、この福祉時代ですから、電電公社もこれ一つはやっていますというぐらいのことがあっていいんじゃないかと、フェーバーは全部企業や警察や消防だけですというのは、どうもちょっとこの時期に適切でないので、私は、電電公社が国民向けにPRできるいい材料を提供したいということで提案しているんですから、ぜひ検討してもらいたいと思います。  終わります。
  209. 内海英男

    内海(英)主査代理 これにて堀昌雄君の質疑は終了いたしました。  次に、井上普方君。
  210. 井上普方

    井上(普)分科員 せっかくお座りでございますので、まず電電公社の方から始めましょう。  電電公社さんのいまの経営が非常に苦しいということが、いま堀先生質問で私も大体わかったような気分なんですが、私は建設委員をやっておりまして、方々から苦情を聞くのです。その苦情といいますのは、どうも道路を掘り返すことが電電公社が非常に多い。事実そのとおりで、私が経験いたしております道路にいたしましても、もうここ十年来、五、六回も、道路を切って掘り返しておる。一体電電公社さんは何をやっているんだろう、これほど技術がしっかりしておる電電公社さんが、あるいはまた科学の最先端を行っておる電電公社さんが、どういうわけでああいうようなことをやるんだろうかと、私自身が非常に不思議に思っておるのであります。これは河野建設大臣当時から、一本化しろと、掘り返すことまかりならぬと言われて、もう十四、五年になりましょう。依然として続いておる。これは一体どこに原因があるのですか、この点ひとつお伺いしたいのですがね。
  211. 三宅正男

    ○三宅説明員 電話の線を、大体都市におきましては地下へ埋めております。したがいまして、この工事に際しまして、新設の場合以外にも、障害の修理というような面でやむを得ず道路を掘らなければならなくなるといったような面もあるかと思います。大体私ども、地下に工事をいたします場合には、将来の電話需要予測をいたしまして、大体どれぐらいの線路が将来必要であろうか、これに見合うだけの管路ないし洞道を地下に設備するという形でやってきておりますので、確かに、そのとおりに完全にできておれば、一度掘りますれば次には掘らなくていいということになるわけでございます。ただ、これは多少言いわけがましくございますが、過去におきまして、私ども将来の電話需要というものの予測に非常に困難を感じておった時代がございます。電話が非常にまだ普及しておりません時代でございますので……
  212. 井上普方

    井上(普)分科員 何年ごろですか、はっきり具体的におっしゃっていただきたい。
  213. 三宅正男

    ○三宅説明員 電話をどんどんつけ出しましたのが、第一次五カ年計画を始めました二十八年ごろからでございます。それからあと十年くらいあるいは十数年だと思いますが、私どもの考えております以上に需要がどんどん出てくるということのために、一たん地下に設備いたしました管路が足りなくなるというようなことがしばしば、確かに出たことがございます。この点は、道路を相当、数年おきにというような形に結果としてなったことがございまして、これは、はなはだ申しわけないと思っております。最近は将来需要というものも、大体どれぐらいの階層まで電話を必要とされるか、あるいはさらに、むしろ最近では、どういうふうに都市が発展していくか、あるエリアがどういうふうに状況が変っていくか、こういったようなことを予測しながら線路の地下設備をつくるということをやっております。したがいまして、最近では余り繰り返して掘るというようなことはそう数多くないと存じておりますけれども、もしございましたとすれば、やはり何かの事情で先の需要予測というものが間違った場合、私どもの予想以上にはるかに大きな需要が出てきた場合ではないかと思います。  なお、大都市におきましては、特にここ三、四年来洞道に力を入れまして、私どもの専用洞道もございます。あるいは建設省その他と御相談をいたしました上の、他の電力、水道、ガス等の共同溝もたくさん計画しております。特に大都市等では、地震に対する対策等も考えまして洞道をできるだけ多くしたいということで現在工事を進めております。最近の総需要抑制、あるいはいろいろ工事資材の値上がりで若干工事のスピードが落ちてはおりますけれども、これをいたしますと、一回掘ったところは絶対といっていいくらい掘らなくて済むという形になりますので、できるだけそういう努力をいたしております。
  214. 井上普方

    井上(普)分科員 大都市につきましては、私は大体——しかし、それにしましても、麻布十番付近の国道一号線ですか、あれはひどいものでしたよ。これはおととしまでに大体完成したようですけれども、ひどいもので、掘り返すこと、そうですな、四、五年の間に四回ぐらい掘っておるはずです。四、五年の間に四回ぐらい掘っておる。掘り返すには何らかの事情がございましてとおっしゃいますけれども、それは何か理由がなければ掘り返さぬのはあたりまえの話です。これはどうも言いわけにならないと思うのです。それから都市が発展する予測を十分に立てられなかったとおっしゃいますけれども、これは私どうも納得ができない理由の一つに数えられます。  しかしながら、いずれにしましても、ともかく掘り返すのはどこが掘り返しているのかと見ますと、電電公社さんのマークがついておる。これは大臣、あなたもお気づきだろうと思うのですね。特に大臣の御商売柄、特にこんなことにつきましてはよくおわかりだろうと思うのです。ここで私は、掘り返して非常に国民に迷惑をかけておる、この点は電電公社さんも素直に認めていただいて、工事にかからなければならないと思うのです。私、業者の方に聞いてみますと、電電公社の下請をやるというのは非常にむずかしいらしいですね、入札に参加するのは。特定のもの、私らのところですと五、六社でとにかくたらい回ししておるような傾向がある。したがって、独占事業の下請を独占的に業者がやりおるからサービスが悪くなってきているんじゃないかというきらいがあるのであります。総裁、おたくの建設の下請はどんな基準でやっているのですか。同じ業者ばかりがともかくたらい回ししておるような傾向がありませんか。一般公共入札、競争入札をやらしておらぬのじゃないですか。指名業者ばかりでたらい回しておるという傾向はありませんか。
  215. 三宅正男

    ○三宅説明員 私どもの線路の工事の場合に、電気通信線路という特殊性から、やはりそれに対応した技術を持っている業者を選ばなければならないということがございまして、工事の参加に対しましてはいろいろ工事力、工事能力あるいは技術力といったような面の資格を審査いたしまして認定をいたしております。その認定工事業者に工事を請け負わせる、競争入札でやっております。
  216. 井上普方

    井上(普)分科員 その指名に問題がある。あなたの方はそれはいかにも技術の先端を行くのでむずかしいとおっしゃるけれども、これに政治力が加わっていませんか。私らの方では盛んにそれがささやかれておる。ないとおっしゃるんなら私材料を出しますよ。私はこんなことを申したくないんだけれども、実際もう少しやはり公正に入札をやっていただきたい。入札に加わるものを考えていただきたい。でなければ、どうも特定の業者ばかりが入札に加わっておるがゆえに、あの道路の掘り返すのも、これも特定になってきておる。したがってなれてしまって横着になってきた。道路を使わしてもらっているんだという意識がなくなっておるんじゃないのと違うか。これはあなた感じませんか。私はそのとおりと思う。大臣、あなたもそう思われると思うのですよ。これは一般の国民がそう思う。私は再三こういう苦情を聞くんです。この点を改めるにはどういうような処置をあなた方が考えていただくのか。業者はともかく国民に対するサービスを、道路を使わしていただいているんだから——道路というのは車あるいは人間が通るようにつくってあるんですよ。その下をわざわざ電電公社という公共施設のために使わしてもらっているんですよ。そういう立場に立ってあの工事が行われておるか。そういう謙虚な気持ちで道路を掘り返すということが業者まで末端にしみ渡っておるかと言えば、私はどうもそうじゃない。これはもうなれか何かいたしまして、ひどいものですよ。これは総裁あなた自身も御経験になったと思う。どうですか。
  217. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  確かにいま井上分科員の御指摘のように、ある道路を私も実は見た場合もございます。たとえば十二月の終わりごろ、ちょうどもう暮れになるときに店屋の前をずっと道路を掘っていて、一体何でいまごろやるんだと、私も公社の中でしかったこともあるんですが、確かにそういう点につきましては十分注意しなければならぬと思います。  それから業者の認定の問題でございますが、電電公社としては決して閉鎖させておるつもりではございません。そういう資格があればどなたでも入っていただく。ただ、技術自身は非常にむずかしいものですから、何といいますか技術レベルが非常に高い。ですから、高いものですから、やはり資格審査を経なければならない。それからもう一つは、一番問題なのは技術者がいないということなんです。ただ人夫を集めてきたというわけにはいかないのでございまして、技術レベルが高くないと困る。それで、電電公社としては、全国三千万の電話を結合している。そのためには、たとえば電話の接点でも何千万という接点がございます。一カ所が悪くなると、今度はそれが全体に影響する。したがって、私たちは世界最高の技術をつくり上げたわけなんです。これは四十年かかってつくり上げたわけでございますが、その点は十分御承知いただきまして、決して閉鎖社会ではない、資格があればどんどん入っていただくというふうに考えております。
  218. 井上普方

    井上(普)分科員 ともかくその道路の問題につきましては、総裁はお認めになっていただいておると思いますので、ひとつこの点の具体的な——使わしてもらっているんだという考え方、通行人に対して迷惑をかけているんだという意識を末端にまでどのように及ぼすかということが私は問題だろうと思うのです。私の方に国道三十二号線というのがある。これは大体一年おきに掘り返していますよ。先ほど総務理事ですかお答えになりましたが、調べてごらんなさい。これはひどいもんでして、一番需要がひどいのが二十八年から三十八年までなんておっしゃいますけれども、私が東京へ来るようになって折々そこを走りますが、年に十回や二十回走ります。いつもともかく囲いが立っている。あれ、また電電公社が道路を切っているのかな……。この間も建設省の方へ、おい、あんなに穴をあけたら道路はやわくなるんじゃないかと言って私は聞いたところが、いや、そうでもなさそうですと言うんで私も一安心はしました。しましたけれども、ともかく通行人はたまったもんじゃない。それはそれこそいろいろ事情がありましょう。事情がありましょうが、いろいろあるんだけれども、このいろいろな事情というものは極力圧縮できるはずです、注意さえすれば。すなわち私はきょうおたくの連絡員に電話回線需要予測はどうなっているかということを実はお伺いをするようになっておるのですけれども。  それじゃ申しますと、この点において最新の技術、最新の電子計算機を備えておる電電公社においてはどうもこの点が抜かっておったのじゃなかろうかと私には思われるのであります。これは障害のためだ。それはそういう障害もありましょう。故障が起こったために私は直しておるのだと思うのです。しかしそれにしてもえらい回数が多過ぎるじゃないですかと私は言いたいのです。ここにともかく電電公社さんは、道路を使うのに国民に迷惑をかけるのだ、道路の本来の目的はこの上を自動車が走り人間が歩くのだ、その道路を使わしていただいているのだという意識がないからじゃないかと私は思います。総裁どういうような処置をとって末端にまでそれを徹底させますか。
  219. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  ただいま確かに井上委員の御指摘のように、道路というのは国民が実際そこの上を歩いたりあるいは車が通ったりするものでございますので、その御意見につきましてはそれを私の方の機関を通じまして、たとえば通信局長会議をやるとか、あるいはさらにそれを末端まで徹底さす、あるいは工事業界に対してそれを指示する、その具体的方法はこれから考えますけれども、御趣旨を十分考えまして処理いたします。
  220. 井上普方

    井上(普)分科員 ぜひともこれはやっていただきたいと思います。  それからもう一つ、都市発展の予測ができなかった。こういうお話で、この点につきましても私はたとえば多摩ニュータウンのごときは、これは御承知のように昭和三十八年から建設し始めていままだできてないのですよ。まことに住宅公団あるいは東京都も不届き至極だと思うのです。ですが、こういうようなことを考えますと都市発展の予測というものが、それは大都市にこれほど人口が集中することが予測できなかったという理由はありましょう。しかしながらこれは決してそうではないので、市街化あるいは都市化の状況をどのように反映させていくかということが非常に重要なんで、この点はある程度私は予測ができるのじゃなかろうかと思います。これもやはりその点に電電公社さんの抜かりがあったのじゃなかろうか、私は抜かりがあったと思います。あれだけ優秀な頭を持っておる人が最新の電子技術を駆使しておるので、あなた方に手落ちがあるということは私ら考えられない。どこか抜けたところがあったのじゃなかろうか、あるいはまた各省との間の連絡が密でなかったのじゃなかろうかと私は思います。したがいまして、こういうような点につきましてさらに一段の御努力をひとつお願いして、国民に迷惑がかからぬようにしていただきたいと思うのであります。電電公社さんにつきましてはそれくらいにしておきましょう。  続きまして郵政関係についてちょっとお伺いしたいのですが、実は大臣、こういうことがあった。  私、ロンドンの友人から荷物を送ったという通知が来たんです。そうしましたところが、幾らしても荷物が私のところに届かない。それで問い合わせました。問い合わせますと、いや港区赤坂二丁目衆議院宿舎内ということであなたに送りました、こういう話。そうかいなというので、それより前にも実は郵便局に問い合わせしました。二カ月たっても届かない。局長さんに電話しました。そうしましたところが、おっしゃるのに、港区赤坂二丁目衆議院宿舎では荷物が届いておりません。届かないのですよ。どこかすみっこへほうり込んであった。局長さんは私が国会議員だというので一生懸命探したのでしょう、郵便局の方は。そうしますとすみっこにほうってあった。そうして理由はなぜ届かなかったのだと言いますと、一つには番地が書いてない。番地が書いてなかった、もう一つは配達したその配達人が実はアルバイトであった、こういうことなんですね。アルバイトの連中が、番地が書いてないものだからこいつすっ飛ばせということで、どうもすみっこへほうり込んであった。こういうことを実は私は経験いたしたのであります。  そこで、アルバイトを郵政省ではたくさん使われておるようです。忙しくなったらやられるようで、それが事故をたくさん起こしておる。私の例も、これまたその事故の例でしょう。そういう場合に一体どなたが責任をとるのです。この点ひとつお伺いすると同時に、どんな処分をいままでやられてきたのか、その点をお伺いしたいのです。
  221. 永末浩

    ○永末政府委員 アルバイトによる郵便物の事故でございますが、私たち日ごろから採用時訓練等に意を用いているところでございますが、不幸にしてそういったケースがあるわけでございます。責任の問題でございますが、アルバイトにつきましては何分少年事件でございますので、家庭裁判所の方に事件を送付いたしております。大体保護処分に付せられないというようなのが普通のケースでございます。それから監督者に対する責任でございますが、いろいろ今後十分に意を用いて、再現しないように十分に注意をいたしております。
  222. 村上勇

    村上国務大臣 いずれにいたしましても、たとえアルバイトであろうと何であろうと、国民に奉仕する精神を忘れている、その点については、まことにこれは先生だからお許しを願えるのでしょうが、私はだれにしてもこれはもう本当に相済まぬことだと深くおわびいたします。要するに、その者を後でどうしたこうしたというその者の処分によってこの問題が解決するものじゃない、要は結局アルバイトであろうがあるいはそうでなかろうが、これを十分訓練、訓育して、そういう不都合のないようにすることが、われわれ上におる者の役目である、かように思っております。
  223. 井上普方

    井上(普)分科員 大臣、それじゃ、いまの処分の仕方、あなた、正しいと思いますか。郵政省はアルバイトをしておった人間を保護観察所というような、そんなところへ送った、それで上長については厳重注意をしておるのだ、こういうことぐらいなんですよね。雇った者にはやはり責任があると思う。これがおろそかになっておるから、こういうあなたのおっしゃるような訓育も十分にできていないんじゃございませんか。私は、雇った人、これがもう少し責任を明確にして、そして厳重な処分をなさるべきだと思います。現在の法律から言えば、それはアルバイトの人たちが処罰される筋にはなっています。しかしながらこういうような公共的なもので、しかも被害が出てきたというときには、雇った者——正規の職員じゃないのですからね、これは。正規の職員でありましたらそれは処分せられるのは当然だと私は思う。それだけで済むかもしれません。しかし臨時職員ですから、アルバイトですから、これは雇った者の責任というものを明確にしなければならぬ。大臣、いかがでございますか。
  224. 村上勇

    村上国務大臣 お説のとおりでございます。少なくとも採用する際に十分心すべきことでありますし、また採用した後にもその訓育を十分にしてそういうことのないように教育すべきだ、かように思います。しかしいずれにいたしましてもそういう間違いの起きましたこと、これはどうも遺憾なことだ、かように私は思っております。
  225. 井上普方

    井上(普)分科員 私は全逓の闘争があった場合に、大量に無差別に雇っておるような気がしてならないのであります。これは大臣にもう少し考えていただきたい。それと同時に一つ資料要求しておきますが、過去一年間にアルバイトで事故を起こした人たちは一体どれくらいあったのか、そしてそのときに監督者に対してどのような処分が行われたか、一覧表をお見せ願いたいと思います。これは大臣、資料を出していただけますね。
  226. 村上勇

    村上国務大臣 はい。
  227. 井上普方

    井上(普)分科員 大臣も恐らくその資料を見ますと、いかに上に対しましては軽くやられておるかということがわかるのじゃなかろうかと思います。ここにそのような緩みが出てきておるんじゃないか、このように思いますので、ひとつ十分なる御注意をお願いをいたしたいと思うのであります。  それから、これはなかなかこういう席で大臣質問する人は少ないと思いますが、私はあえてお伺いしたいのです。  民間放送のテレビ番組ですが、NHKはまたNHKの場がありますので、私は質問しますが、番組審議会とか審査会とかなんとかいうのがあるのですな。その連中は一体どんな人がなっているのですか。——おいででないならまた改めてやりますが、私は、やかましく言う何やら婦人の会とはわけが違うのです。違いますが、余りにも俗悪といいますか、ひどい番組が横行しておるように思います。したがって、先般も民間放送で警視庁の手入れがあったのを御存じでしょう。新聞にちょっと出ましたね。あれらに対して大臣はどうお考えになりますか。
  228. 村上勇

    村上国務大臣 お差し支えなければちょっと具体的に話していただきたいのですが。私、どうもちょっと……。
  229. 井上普方

    井上(普)分科員 そうですか。それじゃ大臣、この点につきましてはひとつお調べになって、そしてどういう処置が行われたか、あるいはまた、これは実に微妙なところがあります。一つは言論の国家統制の危険もある。非常に恐ろしい面が一面ありますので、これはなかなか取り上げられない面があります。しかしながら見るに見かねるようなテレビ番組もあります。事実私はあると思う。国民に放送されているので、私自身が見てこれはどうかなと思うのがある。私はマスコミを恐れちゃいけないと思うので、あえて申し上げる。あります。これらに対する番組審議会とか審査会とかなんとかいうのがあるのですな。この連中は一体何をやっているんだろうという気が私はするのです。このメンバーとこの選出の方法、それからこれは民間団体でやっているのじゃないかとは思いますが、ちょっと考えていただかなければ、余りにも売らんかなであります。この点、大臣の御所見と今後の御方針を承りたいと思うのです。
  230. 村上勇

    村上国務大臣 これは理論的に法的によく精通している電波監理局長が答えるのが本当だと思います。ただ、常識的に申しますならば、私も最近のテレビ番組についてどうも親子で一緒に見ておれないようなものもあります。しかし、どこまでがその区切りか、その区切りを私どものような頭ではどこへピリオドを打ってよいかわかりません。そういう番組だけでなくて、また今度別な角度の行き過ぎ、私らから考えると行き過ぎだと思うこと、それに対してもし注意でもするようなことがありますと、今度その反対の方面から、これは言論の抑圧であるというようなことで、最近のこういう種類のものの行き過ぎについて、この間も某有力者からずいぶん強い抗議が来ましたけれども郵政省としてはこれに対して特別な方法がないのじゃないか、こう思っております。
  231. 井上普方

    井上(普)分科員 私はこれはあえて申し上げますのは、片一方強くいきますと言論統制の可能性がある。しかしながら片方考えますと、野放しにしますと、あれじゃいかぬじゃないかと言って国民の世論は全体主義的な方向にひっくり返らないとも限らないと私は思うのであります。したがって、要は中庸を得てもらわなければいかぬ。しかしこれをお投所がやるというところにまた問題がある。したがって、これらの問題について民間の協会なり何なりその人たちが、いわゆる良識をもってやっていただかなければならぬ。しかしながらここで考えられるのは、われわれの感覚と若い諸君の感覚とは大きなずれがあることも認めなければならない。大臣の有力者と言われる方も恐らくお年寄りだろうと思うし、お年寄りの考え方とまた若い人たちの考え方とは違うのです。しかし、いずれにいたしましても電波は公共のものである。民間放送といえども電波は公共のものである。この意識に徹していただかぬ限りは、私が先ほど申しました二つの恐ろしい面が出てくる可能性がある。この点ひとつ大臣、御研究になっていただいて、あなたが直接適切な措置をとりなさいということは私は申しません。しかしながら売らんかなの商売主義、これに対しましての処置はとっていただかなければいけないのじゃないだろうか。というのは、民間有識者が立ち上がっていただくような運動といいますか、声を大きくさせるような方法を講じていただきたいことを私は申し上げまして、質問を終わります。
  232. 内海英男

    内海(英)主査代理 これにて井上普方君の質疑は終了いたしました。  次に、和田貞夫君。
  233. 和田貞夫

    和田(貞)分科員 大臣、これから話しますところをひとつ聞いておいていただいて、御判断をいただきたいと思うのです。  郵政のお役人さんはかた苦しくてなかなか融通性がないわけですが、特に郵政省の場合に労務管理が他の各省庁と比べましたならばうまくいっておらないように思うわけですが、そういうことはやはり一にかかってお互いに職員をかばい合いをする、そういう管理者の姿勢というものがないところから起こっておると思うのですが、私がこれから質問をいたしたいと思います調整手当の問題についても、同じことが言えるんじゃないか。実は私、昨年のこの議会で大阪の例をとりまして、調整手当が支給されておる局とそうでない局と例を挙げまして、きわめて不合理であるということを申し上げたわけです。その後、郵政省といたしましては、関係労働組合と協議の上でということでございますが、一部は調整手当を支給する措置を講ぜられましたが、私の指摘いたしましたことがいまだに、余り理解をされないのか、改正をする意思がないわけです。  私が去年申し上げたのは、和泉市に三林局というのがあるわけです。この三林局というのは和泉市内でございまして、ちょうど同じような条件の地域というのが隣の岸和田市、貝塚市、具体的に申し上げますと、貝塚市の水間局、岸和田市の内畑局というのがある。それとこの和泉市の三林局というのを比べましたならば、地域的な条件というものは全く何ら変わるところがない。前大臣の原田さんも大阪の出身でありますから、そのことは十分認めておられたわけです。しかし三林局が昨年の官署指定に漏れたということは、貝塚の場合、岸和田の場合は以前から岸和田市であった、和泉市の私の言っておるところは、貝塚市、岸和田市の市域以降に、合併によってその市域が形成されたんだと、不合理は認められながらもそのことを改正するという意思がないわけです。私はそのことで、実は国土庁の所管の土地鑑定委員会が昨年の五月一日に公示をいたしました地価公示法に基づく標準地の各単位面積に当たっての正常価格というのが出ておりますので、私はそれを見てまいりました。そうすると、ここでは一平方メートル当たりの価格が公示されておるのですが、いま私が申し上げておるように、水間局のその付近では、昭和四十八年で平米当たり二万二千八百円、四十九年で三万三百円、申し上げました岸和田の内畑局では、その付近地が四十八年で大体二万四千五百円、四十九年で三万二千八百円。そして私が申し上げております三林局の付近地が、四十八年で二万四千三百円、四十九年で一二万一千五百円、こういうことになっておるわけでありまして、いま申し上げましたこの三つの局を比較いたしましても、まず物価の基礎となる地価、これは法に基づきまして土地鑑定委員会が公示をした内容です。そのことを比較いたしましても、私が申し上げましたように、これはもう改正せなければならない。こういう条件に置かれておるにもかかわらず、昨年の私のせっかくの強い要望にもかかわりませず、それができなかったというわけであります。このことにつきまして、弁解がましい答弁ではなくて、現実の問題として例を挙げて私は申し上げておるわけですが、なおそれに固執されて改正する意思がないのかどうか、時間の関係もありますから、明確に簡単に御答弁をお願いいたしたいと思います。
  234. 神山文男

    ○神山政府委員 お答えいたします。  昨年の当委員会において、前人事局長からも検討中であるという御回答を申し上げてありましたが、昨年の改定には、残念ながら、その三林局ですか、まだ地況の発展が格を上げるに至らないということで、そのままになったということでございます。  それで調整手当でございますが、大都市周辺の発展地あるいは一般職給与との格差等を勘案しながら、区分の調整を要する地域について検討を重ねておるわけでありますけれども、昨年、百二十三の郵便局の支給区分を引き上げたわけでありますけれども、三林局はまだこれに至らないということでまいっておりまして、現在もなお、その当時とそう発展の度合いが変わっていないということでございますので、ただいまのところは、この見分け方でまいりたいと考えております。
  235. 和田貞夫

    和田(貞)分科員 調整手当は、いまあなたが言うように、市街地側の発展によって調整手当をつけたりつけなかったりするのですか。それが調整手当ですか。調整手当というのは、あなたの方は、人事院が給与法でうたわれた内容に基づいて指定した地域の国家公務員法に適用される職員に調整手当を支給することになっておるから、郵政の現場職員にも調整手当を公務員の給与の均衡からつけるのでしょう。調整手当というのは、「民間における賃金、物価及び生計費が特に高い地域で人事院規則で定めるものに在勤する職員に支給する。」と書いてあるじゃないか。市街地の発展したところはつけて、市街地の発展しないところはつけないと、どこに書いてあるのですか。そんな手当じゃないですよ。これは市街地手当じゃないですよ。だから私は具体的に土地の価格の表示をして、いま例を挙げたじゃないですか。それなのに、なおそういう考え方を固執されるのですか。どうですか。市街地は関係ないじゃないですか。
  236. 神山文男

    ○神山政府委員 大都市地域について、先生おっしゃるように生計費その他物価、そういうことから調整手当ができているものとございますが、一応基準といたしまして何をとるかということは、非常にむずかしいわけでございますが、そういう高いところをどうやって区切っていくかということで、目安として市街化の著しい地域、大都市の周辺地の市街化の著しい地域あるいは人事院で指定している地域との格差も考えまして、これは労働組合ともちろん交渉して決めるわけでございますが、そういうことでやってまいっております。
  237. 和田貞夫

    和田(貞)分科員 市街地に関係ないじゃないか。ここに「物価及び生計費」と書いてあるじゃないか。市街化したところの物価、生計費が安いところは調整手当をつけてない。法律に基づいて手当を支給しなさいよ。それがために人事院では地域を指定しておるわけでしょう。その地域を指定しておる範疇ですよ。だから、そこには国家公務員の職場がなくても、地方公務員の職場として市役所の出張所があり学校があるでしょう、小中学校が。公務員の均衡が損なわれるじゃないですか。人事院が規則で決めた地域外であれば、私はとやかく言いませんよ。調整手当というのは、その地域に近接する地域であっても、人事院が定める地域以外であっても、その地域に近接する地域に在勤する職員については、物価、生計費がほぼそれに準ずるということであれば、官署指定をやって、その調整手当を支給してもよい、こういうことになっておるんですよ。私は前段を言うておるのです。人事院がちゃんと規則によって地域を指定しておるのです。その中におるあなたの方の局の職員が調整手当を支給されておらない。その事例を挙げて、それと同じような、むしろそこよりも物価の安いところでも調整手当を支給しておるところがあるのだから、調整手当を支給しなさい、こういうふうに私が言うておるのです。わからぬのですか。
  238. 神山文男

    ○神山政府委員 言葉が足りませんで申しわけありません。  調整手当は、おっしゃるように物価水準、生計費が高いというような地域に対して支給されるというものでございますが、それで私、市街化した地域と言いましたが、われわれの方で要素としているものは、人口密度あるいは物価、生計費、そういう資料ももとにしまして地域を決定してまいっておるわけであります。人事院の方は行政区画ごとに決めておりますが、新しい市が合併してできるというような実態が非常にふえてまいりまして……(和田(貞)分科員「そういうことじゃない。現在の時点を言うておる」と呼ぶ)郵便局は山間地まで点在しておりますので、行政区画だけで決めるということも実態に必ずしも合わないであろうということで、その行政区画の中でもそういったいろいろな要素で手当の支給区分を変えておるということでございます。その点、若干人事院の方式と変わっております。
  239. 和田貞夫

    和田(貞)分科員 私は過去の歴史を報告してくれと言うておらぬ。そうであっても、現在地価が、先ほど具体例を挙げておるでしょう、わからぬですか。やろうと思う気がないから、何とかやめておこう、やめておこうというから、やらないような理屈ばかり並べておるのじゃないですか。いま支給されておる局の地域よりも、地価が高いという例を挙げておるじゃないですか。  そこの一職員が手紙を送ってきた。ちょっとその中、二、三、読みますと、同じ和泉市の府中というところがある。そこに和泉局というのがある。そこが〇・八の調整手当を支給されておる。その地域ではもう市街化しておるからたくさんのマーケットが並んでおります。だから、マーケット間で競争して、生活必需品、一般商品を格安に求めることができる、けれども、私たちの局の付近は店舗が少ないために競争もないから、かえって生活必需品が高いということを訴えておる。その付近の者が安い品物を買いに行くためには、二百四十円のバス代を払って買い求めに行かなければならぬ。むしろ生活費が高くつく。こういう訴えが一職員から来ておるんだ。きょう持ってくるのを忘れたのですが、私はきょう大阪へ帰りますから後ほどあなたの方へ届けますが、同じマーケットが、俗に言うチラシを新聞折り込みで入れておるのです。その価格を見てもこの訴えのとおりです。裏づけをしております。府中の付近でまかれるチラシの値段よりも、この三林局の付近の地域でまかれるマーケットのチラシの値段の方が高いのですよ、地価だけじゃなくて。地価というのは物価の上昇に大体スライドするんだ。だから、かつて地価の騰貴ということをやかましく言うたゆえんがそこにあるのじゃないですか。過去の歴史を物語って決めるのじゃなくて、前向きの姿勢になって、やろうと思えば、私はいま具体例を挙げたわけでありますから、この具体例によって、ちゃんと改正しようと思ったら改正できるじゃないですか。  それだけじゃないですよ。たとえばいまもう無指定地域になっておる泉南局あるいは樽井、田尻、尾崎、淡輪局というような、大阪の市域から離れておりますがむしろ和歌山の市域に隣接しておる、そういう地域では、たとえば淡輪局の所在するところの地価というのは、いま私が申し上げましたような地価よりもまだ高くて、平米当たり六万五千円しておる。     〔内海(英)主査代理退席、主査着席〕 あるいは泉南局の地域の地価というのは、昨年の五月一日で十万一千円もしておる。大阪市域から離れておりますが、和歌山から近いのです。こういうような事例というものを具体的にあなたの方で調査されて、そして職員の身になって調整手当をできるだけ支給する範囲を広げていってやって、優遇措置を講じてやろうというような、そういう温かい、あなた方の思いやりある行政というのが望ましいわけですが、そういう考え方は毛頭ないじゃないですか。どうですか、大臣。こういうことなんです。
  240. 村上勇

    村上国務大臣 大阪出身の原田君がちょうど郵政大臣のときですね、原田大臣も相当これは努力して、この調整手当を出すために努力したものと私は思います。また、先生のような有力な方がおられて、いろいろ具体的なものを挙げて要求したにもかかわらず、これが改善ができなかったということについては、私も寡聞にしていまここでこれはどういう原因だということをはっきりお答えすることはできませんが、これはもう私どもは、やはり郵政省の従業員は皆同様でありますので、少なくともそういうような理論的にすっきりした形で取れるものは取って差し上げなければいけない、こういう見地から、前向きで私もいろいろ人事局長や、それからこの方の関係している方面と相談して、そうして前向きに積極的に検討してみますから、しばらくひとつ御猶予ください。
  241. 和田貞夫

    和田(貞)分科員 私は一例を挙げただけでね、大臣。私はひとつその資料を欲しいのですが、人事院規則で定められた地域であるにもかかわらず、その中に存在する郵政関係郵便局で、官署指定をやっておらないために調整手当を支給されておらない局というのは、一体どれぐらいあるかということを一回調べてもらって、私の手元へ資料を下さい。私は一例を申し上げたので、大臣、たくさんあるのですよ。他の公務員の場合は同じように調整手当は支給されておる。調整手当は一応本俸の性格のものだ。退職金には関係なくても、毎年毎年の年末手当や夏期手当に関係するのですよ。その月その月の手取りだけに関係するのじゃないのです。温かい気持ちになってやってもらわないといかぬと思う。そういうような考え方を私は持ってもらいたいと思うのですが、そういうところがややもすると郵政局の方に抜けておるために、たとえば近畿郵政局の労務管理について私はとやかく言いたくなるのです。  時間もありませんが、たとえば、大臣ひとつ聞いておってください。昨年の春闘で全逓の大阪南支部、大阪西支部、箕面支部、茨木支部、河南支部、堺支部、こういうところで免職その他の停職から減給からたくさん処分者を出しておるのです。これはストライキによって画一的にあなたの方が処分された事例じゃないのです、私の言っているのは。それぞれ一つの理由がある。たとえば大阪南支部の管内では、郵労の組合員と全逓の組合員とが話し合いをしておるのにもかかわらず、郵労の組合員がその約束を守らなかったためのトラブルである。あるいは箕面局の場合は、これに全逓の組合活動をやる中で、これも郵労の組合員とのいろいろトラブルの中で、これは現認者なしに告訴、告発されておる。あるいは茨木局の場合は、これは茨木局の局長と全逓の組合員が約束しておる事項があるにもかかわらず、局長がその約束を破っておるのです。局長がその約束を破ったために起こったトラブルにもかかわらず、約束を破った局長に対しては処分がない。むしろ栄転しておる。これは労使で話し合いをつけておったのを当局の方が一方的にその方針を破っておる。これは労働運動と無関係の問題なんですよ。全く当局の手落ちなんです。当局がやると言ったことをやらなかった、それが原因になってトラブルが起こっておる。そういうトラブルに対しまして、当局に対しましては処分なし、全逓側に対してだけは処分をする、こういう一方的なやり方、あるいは堺の局の場合は、たまたまその全逓の組合員が翌日早出であるために、勤務が済んでから少しお酒を飲み過ぎた、局で泊まることによってあすの早出が十分できるということで泊めてくれ、いや、規定によって泊められないということのトラブルが起こったわけですが、明くる日に、ゆうべは非常に済まなんだということで本人が謝っておるにもかかわらず告訴しておる。こういうような事実がたくさんあるわけですが、こういう二、三の例をとってみましても、近畿であらわれたような当局側の管理姿勢というもの、労務管理の姿勢というものは、いま調整手当をつけるつけないということでも、温かくいくお気持ちでつけてやろうというような気持ちよりも、何とかつけぬようにというような気持ちにつながっておるのだ。やはり組合は組合としての立場、管理職は管理職としての立場があるが、そのことは度外視しても、やはりそれぞれの職場の中で人間関係をつくり上げていくというのが大切なんです。そのことが大事なんだ。それが近畿の労務管理にも抜けておるのです。調整手当一つを見ても、そういう温かい気持ちというものがない。温かい思いやりがない。そういうところが抜けているということを私は指摘するわけですが、大臣の方でいま、検討されるということは言われたわけでありますが、そういうようなつもりになって、人事局長、あなたはいつまでもそうえこじにならぬで、ひとつ大臣の指示によって踏み切るという考え方はないですか。
  242. 神山文男

    ○神山政府委員 ただいま大阪の労務管理についてお話がありました。先生のおっしゃるようにやはり労使関係、これは両方の意思の疎通がよくいって両方がお互いの立場を理解し合って、正常な安定した関係をつくるということが非常に大切だと思いまして、私たちもそういう気持ちで郵便局の管理者をそういうふうに指導してまいりたいと存じます。  それから、いまの調整手当でございますが、先生のおっしゃるような点もきょう指摘されておりますので、そういうことも含めましてよく検討はしてみたいと思っております。
  243. 和田貞夫

    和田(貞)分科員 もう一つつけ加えて言っておきましょう。  先ほど地価の問題、物価の問題を具体的に言った。もう一つあなた方の方で変えてもらう条件として、厚生省が昨年の六月、いわゆる生活保護基準を引き上げるに当たって、いままで堺市が甲地であって、お隣の岸和田市が甲地であって、まん中にはさまれた和泉市が乙地であった。けれども、物価というものをながめてみたら堺と和泉、岸和田と和泉、そう差異がないということで厚生省が昨年の六月から生活保護世帯に対する保護費の支給に当たって甲地に改定しているのです。三林郵便局あるいはそれよりも奥にある南松尾の郵便局あるいは横山の郵便局、内田の郵便局、そういうようなところまでも含んで和泉市全域にわたって生活保護費を甲地として改定して支給する、こういうふうに厚生省の方はやっているわけなんです。一にかかってあなた方の努力以外にないと思うのです。郵政省がいつまでもそういうようなこだわりをするのでなく、私がいま申し上げましたようにやはり大きな気持ちになって、ひとつ思いやりの気持ちを生かしていただいて、他の関係者が支給されておるものであれば郵政省もひとつ積極的に支給するというようにしてやらねばいかぬじゃないかという気持ちに私はなっていただきたいと思うわけでありますが、しつこいようでございますが、もう一度最後に大臣の方からその考え方を述べてもらいたい。
  244. 村上勇

    村上国務大臣 十分前向きで検討します。いま先生は地価の問題とかいろいろ話がありましたが、私はそういうようなことは別に重要視していないわけです。一つの人事院なりどこなりの規格がある。その規格に合っていくようにこちらもデータを出して、調整手当を出してやりたいという気持ちで交渉していくところに——地価とか、もちろん現地の物価というものは大事でありますけれども、それよりなお大事なことは、その規格に合うような交渉をしてやるということが大事だと思いますので、前向きで検討しますから、どうぞ御了承願います。
  245. 和田貞夫

    和田(貞)分科員 善処方を要望いたしまして質問を終わります。
  246. 谷垣專一

    谷垣主査 これにて和田貞夫君の質疑は終了いたしました。  次に、東中光雄君。
  247. 東中光雄

    東中分科員 昨年、大阪の東郵便局で相前後して二人自殺されるというふうな事件が起こりました。解放研というのが職場につくられて、同和問題をめぐって昨年五月二十六日に一職員が首つり自殺を遂げた。続いて、それに関連して六月四日に、次長が勤務時間中に庁舎から飛びおり自殺をされるというような異常な事態が起こったわけでありますが、それに関連してお聞きしたいのです。  いわゆる解放研、部落解放研究会というのは郵政省の職場に一体どれくらいあるのですか、まずそれをお伺いしたいと思います。
  248. 高仲優

    ○高仲政府委員 大阪府内の郵便局における解放研の数についてのお尋ねでございますが、二十三という報告を受けております。
  249. 東中光雄

    東中分科員 大阪以外にもあるのですか。
  250. 高仲優

    ○高仲政府委員 大阪以外にも兵庫県下に若干、京都府下に若干ございます。
  251. 東中光雄

    東中分科員 この解放研というのは公的な団体なんですか、私的な団体なんですか。
  252. 高仲優

    ○高仲政府委員 部落解放研究会は郵政の職員が集まって結成いたしました任意の団体でございまして、同和問題を学習、研究し、その理解と認識を深めることを目的としているものと理解いたしております。
  253. 東中光雄

    東中分科員 部落解放研究会、いわゆる解放研というのは郵政だけにあるわけじゃありません。だから、郵政の職員がということを言われましたけれども、それは前提を間違えている。あっちこっちにありますから。小学校にもあるし、子供でつくっているのもあるし、いろいろあるわけです。  私がお聞きしたいのは、このいわゆる解放研なるものは、解放研をつくるかつくらないかは自由だ、そこへ入るか入らないかも自由だ、入っておっても、出るのは自由だ、そういう性質の、いわゆる結社の自由に基づいてつくられた任意の結社である、性格的に言えばそういうものだと思うのですが、そうじゃないですか。
  254. 高仲優

    ○高仲政府委員 私、先ほど郵便局における解放研について申し上げましたが、先ほど申し上げましたとおり、郵便局の職員によってつくられた任意の団体であると思考いたしております。
  255. 東中光雄

    東中分科員 任意の団体である以上は、私が申し上げたとおりだと思うのですが、そうすると、郵便局の職員によってつくられた任意の団体というのは、そのほかたとえば剣道をやるための集まり、これは郵政省関係で全国大会などもやられているわけです。そういったサークル、研究会というのは、それぞれの問題についての研究会というのは当然あり得るわけですが、そういう郵政省の職員によってつくられる任意の団体といま言われた、そういう団体の種類は郵政省の中にどれくらいありますか。
  256. 高仲優

    ○高仲政府委員 正確には私存じませんが、先生がただいまおっしゃいましたとおり、任意の団体としては、各種同好団体等、それぞれ多数あるものと思います。
  257. 東中光雄

    東中分科員 憲法上の結社の自由のたてまえからいって、任意の団体は官から特別の扱いを受けるということはないはずなんです。介入をしてもいけない。特別に国の機関か介入したり——これは積極的な意味の介入、あるいは侵害的な意味の介入、あるいは育成的な特別な援助をやるというふうな意味での介入というものもあってはならぬと思うのですけれども、解放研については、たとえば大阪中郵の場合で言いますと、ずいぶん広い事務所を貸しておられます。一スパンというふうに言われておるようでありますが、三十五平米くらいの事務所を貸しておられる。ここへ写真を持ってまいりましたが、玄関のすぐ上の二階です。大阪中郵は御承知のように、大阪の中央駅をおりたすぐ右側のいわば大阪市の玄関口ですが、その玄関口にある中郵の玄関口の二階に陣取っているのが外から見てもよく見えるわけです。狭山差別裁判反対云々と書いたのがある。ここにはクーラーが二基据えつけてあるわけですね。中郵の中で一つの、一スパンというんですか、そこに二基もクーラーを据えつけておるというこの豪華な事務所というのは、執務中のところを含め、あるいは休憩所あるいはその他の事務所、事務室ひっくるめてないわけです。しかもソファーを置いて、卓上ライターを置いて、りっぱなものが置かれているのですが、そういう便益を特別にこの解放研に与えておられるのはなぜなのか。そういうことをされる法律上の根拠があるのかないのか、任意団体ですから。それをお伺いしたい。
  258. 高仲優

    ○高仲政府委員 同和問題の解決には、同和問題に関する理解と認識とを深めることが非常に重要であると考えております。部落解放研究会につきましても、目的とするところは同和問題の解決ということであると考えておる次第でございまして、そうした点から、業務運行に支障のないということで、その大阪中央郵便局において庁舎の一部を使用させておるものと考えております。  なお、クーラーの点につきましては、私実は初めてここでお伺いいたした次第でございます。
  259. 東中光雄

    東中分科員 ここに写真があるから見ておいてください。これは玄関のずっと外から撮った写真で、クーラーがちゃんと載ってますから。  いずれにしましても、部落解放、いわゆる未解放部落の解放ということを目指しておる団体だから特別の利便を与えている、こういうふうにいま答弁されたわけですが、未解放部落の解放を目指している団体であればどこでも、どういう団体でも事務所を貸すということになるんですか。
  260. 高仲優

    ○高仲政府委員 郵政省といたしましては、同和対策を推進するに当たりましては、同和対策審議会答申、同和対策特別措置法それから同和対策長期計画の趣旨にのっとってこれを行っておる次第でございます。同和対策審議会答申の前文にございますように、その早急な解決こそ国の責務であるということがうたわれておりますし、また長期計画におきましても、同和問題の速やかな解決を図ることは国及び地方公共団体の責務であるということがうたわれております。この趣旨にのっとってやっておるものと理解いたしております。
  261. 東中光雄

    東中分科員 同対審答申なり同特法にそういう趣旨のことが書いてある、私たちもそのとおりだと思います。問題は、解放研という具体的な結社、具体的な集団、大阪中郵で言えば、全職員から言えば一握りと言いますか、ほんの少しの人たちがつくっている集団を援助することが、部落解放あるいは同特法等によれば要するに部落をなくしていく、同和地区をなくしていくということに役立つのか役立たぬのかというふうなことを郵政省が第一、判断する立場におるのかどうか。私たちは、この解放研なるものは部落解放、未解放部落を解放していくという点では大きな支障になっているだけじゃなくて、むしろずいぶん差別を助長している、そういう団体だと思っています。評価はいろいろあるでしょう。しかし、そういう部落解放ということを言うておるだけで、ほかの団体は別で、この団体だけは特別に扱っている。こういう扱い方というのは、これは郵政大臣、大所高所から見られてどうお思いですか。そういう特定の結社に対して、同じ目的を持っている団体もたくさんあり得るわけです。あるいは体育を発展さすための職員の団体もあるのに、この団体にだけ特別にそういう便宜を与えるということ、そういう差別的な扱いをやるのは郵政省としては考えなければいかぬ問題じゃないか、こう思うのですが、大臣いかがですか。
  262. 村上勇

    村上国務大臣 いま東中委員の御質問でそういうことになっているということを初めて承知したので、そこへそうなる経過あるいはいきさつというようなことについて私承知しておりませんので、いまこの段階で的確なお返事はできませんが、同和問題の解決には同和問題に関する正しい理解と認識を深めることが重要であり、このために郵政省におきましても教育啓蒙を積極的に推進しているところであります。したがって、郵政省の同和対策を推進するに当たりましては、部落解放研究会が同和問題の正しい理解と認識を深めるのにふさわしい存在であると認められる限り、業務運行との調和が図られ、庁舎管理及び庁舎内の秩序維持に支障がないかを総合的に考慮して、庁舎の一部の使用を認めているものであろう、こう思っております。
  263. 東中光雄

    東中分科員 非常に抽象的なことをおっしゃるわけですが、部落解放のために役立つかどうか、私たちは先ほど言ったように、役立つどころかむしろ阻害しているというふうに考えています。その実態については大臣は知らぬとおっしゃるのですが、私たちの方はよく知っているのです。知っている者が言うておるのですから、その点については少なくとも実態を調べて検討するということにならなければいかぬじゃないか、こう思います。  一つの例を申し上げますと、大阪中央郵便局が発行しておる「大阪中郵」「同和問題特集号」という機関紙のようなものが出ています。「大阪中郵」というのが題字になっているわけです。この中によりますと「一連の差別落書について」という記事があります。「昭和四十七年五月三十一日、地階便所 四十七年六月九日、六号エレベーター 四十七年八月二十九日、三階便所入口 四十七年九月十二日、地階便所入口 四十八年一月四日、解放研一階掲示板 これら、一連の落書が絶えず、特に差別用語を使い、個人を中傷誹謗した悪質な落書を見るにおよんでは、同和教育が不徹底であったこと、これは基本的人権にかかわる問題であるので厳につつしむべきであり、」云々と書いてあるのですが、古い四十七年代のことでありますけれども、この機関紙は四十九年、去年の六月に出されておるわけです。  ところで、この落書き事件というのが起こったときは大阪中郵はどういう状態にあったのか。解放研ができて間なしです。そして、解放研のメンバーが地階に落書きがあったということを言い出す。一般職員はそういう落書きは見ていない。管理者に詰め寄る。そうしたら管理者がすぐに出かけていって、解放研の諸君と管理者二人、会計課の課長代理、厚生課の労務担当官、これが解放研のメンバーと一緒になって、白昼携帯用の大型の懐中電灯を持って地下の便所という便所、それからエレベーターの中、廊下、事務室、休憩室、ずっと執務時間中に回っているのです。落書きがあるかないか、これは一日がかりで回った。そういう事件が起こったときに、これは四十七年の九月十二日のときでありますけれども、それから後半月間ぐらいは各課の副課長が一時間置きぐらいに自分の課に接近している便所のドアをときどきあけに行って、落書きがあるかないかを見に回る、こういう異常な状態が続いているのですね。一般職員はどう見ているか。解放研は職場を離れて一緒について回っているわけですから、明白にデモンストレーションですよ。だれが一体こういう落書きをしたのか、だれにもわからないわけです。解放研ができて間なしに落書きが出た。どういう字でだれが書いたのかということは全然追及もされていない。これで一体職場の秩序というのが守れるのかどうか。本来の郵政事務があるわけでしょう。ところが、同対審あるいは同特法があるからといってそういうところへ管理者が引っ張り回されている。そういう引っ張り回している中心になっているのが解放研なんです。そして、それに当局が事務所を貸している、こういう異常な事態ですね。私もこの話を聞いて、たくさんの人から聞きました、余りにも異常だから。しかし、それがそのとおりだと言うのです。大阪のど真ん中の中央郵便局で、国家公務員が、管理者が、こういうことで走り回っている。現在もなお夜間の見回りのときはちゃんと落書きの有無を確かめに一々便所を回るのだそうです。そして、落書きがあったとかなかったとかいう報告をするという制度がとられておる。これが一体部落解放とどんな関係があるのか。推測でありますけれども、だれが書いたのかわからぬわけですから、そういうデモンストレーションをやることによって利益を得る人が書いたんではないかというふうな推測さえ成り立ちます。一般職員の中には、あの連中が自分で書いて自分で暴れているんだ、マッチポンプだというふうに言うている人もいます。こういう事態が一体許されておっていいのかどうか、この点どうお考えですか。
  264. 高仲優

    ○高仲政府委員 先生の言われました大阪中央郵便局において差別的な落書きを書くという事実があったということは承知いたしております。また、そうした事態に対して局の管理者が非常に神経質になっておったということも私聞いております。  そこでまず、そうした差別的な落書きを書くということが一体いいことか悪いことかとなりますと、私はこれは当然悪いことだと考えております。これは同対審答申の「第一部 同和問題の認識」にもございますけれども、部落差別というものは分類すると心理的差別と実態的差別に分かれるが、心理的差別は言語や文字等を媒介として顕在化する。こうした点から見ました場合、やはり差別をあらわすような落書きが書かれるということは決してよろしいことではないと考えております。しかしながら、先生が後段おっしゃいましたようにそれから先の推測というものは私どもいたしておりません。
  265. 東中光雄

    東中分科員 問題はそこなんですよ。解放研ができて間なしにそういう事態が起こった。それまでの長い歴史の中でそういうことが起こったことはないのです。三十年勤めていた人に聞きました。解放研ができてからこういうのがいっぱい起こってくるんだ、いままで全然なかったと言っていますよ。もうある程度進んだ職制の人ですが、もう全く大変な事態になっていると言っています。いわばそういう条件の中で解放研に対して援助をされている。推測はしていませんと言いますけれども、重要な問題でしょう。まさにそういう差別のことをわざわざ書くというのは重要な問題ですよ。そういう重要な問題が挑発としてやられているとしたら、これはもう大変なことでしょう。その挑発としてやっているかもしれない、一般にはそういうふうな推測さえされているということについて、それについては立ち入りませんと言ってその団体に対する援助をしている。  近ごろの青年諸君は、未解放部落というものがあるのかないのか知らない人だってたくさん郵便局の中に勤めております。そういう人たちが、この解放研ができていろいろ落書きがあって、どんな落書きかわからぬわけですね。あったあったと言って大騒ぎをしている。これはもう全くのナンセンスな状態です。だから、こういうふうな消しに歩く行為ですね、あるいはありはせぬかと思って課長が見に行く行為、これは一体郵政省の公務ですか。国家公務員なんですからね、国家公務員として職務行為として便所に落書きがあるかないかということを見て回るのか。全く情けない話じゃないですか。それは一体大臣、そういうのが正常な状態だとお思いですか。首を横に振っておられますけれども、だれが考えたってもう全く異常な事態ですよ。そういうのに職制が一々駆り出される、見にいかなければいけない。そして、公務の時間中に、外形上は公務になるわけですね、そういうことをやらざるを得ぬような要求をしているのは一体だれなのか、この解放研じゃないですか。その解放研の要求にいわば当局側が屈服をして、そしてそういう普通人の普通の正常な頭で考えたら漫画にもならぬようなことがやられている。大臣、そういう点について、これは何かの処置をとらなければいかぬというふうにお思いになりませんか。
  266. 高仲優

    ○高仲政府委員 先ほど申し上げましたように、差別的な言辞を吐くとか、あるいは差別的な落書きがあるということは、これは同和審議会答申の趣旨にかんがみましても絶対あってはならないことであると考えております。  また、同対審答申にございますように、同和問題の早急な解決は国の責務であるということがうたわれておりますし、この同対審答申を受けて同和対策長期計画におきましては、同和対策の早急な解決を図ることが国の責務であり国民的課題であるということが言われております関係上、差別的な落書き等がないように努めておるものと考えております。
  267. 東中光雄

    東中分科員 大臣、中央郵便局の職制が一時間置きに自分の課の関係のある便所のとびらをあけて一々見て回るというようなことが、郵政職員のしかも管理者の正常な国家公務員としての行為なのか、その点についてどうお思いになるかということを聞いているのですよ。それも正常な国家公務員としての行為なんだというふうにお考えですか。大臣の御所見をお伺いしているわけです。
  268. 村上勇

    村上国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、私は実は本当に寡聞にして全然知らないんです。知らないことをどうだこうだと言うことは不都合だと思いますので、官房長に答えてもらっているのですけれども、とにかく本当に何にも、そういう事態、オフィスを借りているとかあるいはトイレの中までも云々というようなことを一言も聞いてもいないのです。いまあなたからこうだと言われるのは、なるほどそういうことならこれはどうも私は納得のできないことだな、こう考えるだけでありまして、いまここで白い黒いのはっきりしたことを私に言えと言っても、やはりそうなれば責任者を呼んで詳細に一方から聞いた上でそしてお答えする以外にないと思います。どうかひとつ……。
  269. 東中光雄

    東中分科員 もしそういう事態があるとすれば納得のいかぬことだ、だから責任者を呼んで調べてみるということでございますね。
  270. 村上勇

    村上国務大臣 納得のいくような責任者のあれがあれば別です。しかし、いまの先生の御意見のようであれば、どうも私には納得がいきにくいところがあります。けれども……(東中分科員「調べてくださいよ」と呼ぶ)郵政局長を呼んで、そうしていろいろ私もよく勉強してみたい、こう思っております。
  271. 東中光雄

    東中分科員 では、それはひとつぜひ調べていただきたいと思います。  時間が余りありませんので急いで申し上げますが、この解放研の会長あるいは役員というのがいるわけですが、たとえば中央郵便局の解放研の会長福原八郎という人です。この人は第一集配課の課員です。昭和四十六年の夏に中郵に就職した人です。そんなに長い職歴の人ではありません。この人は集配課の課員であるけれども、配達区域の指定が一切やられていない。ずっと出勤してこない。職場にあらわれたのは昨年のいわゆる年末繁忙期のときに週一回ぐらい制服を着てぽっと職場へあらわれてどこかへ消えていく、それ以来あらわれたことがない。昨年は三カ月間くらいは出勤簿に判を押したこともないのです。ことしになって、私調べてもらったのですが、ことしの初めから新しい出勤簿になっている、一回も判を押してない。出勤とも欠勤とも遅刻とも何にも判を押してない。こういう事態がまかり通っている。職場へ一切来ないわけです。そして、給料をもらっているのです。もらっているだけじゃなくて、ほかの郵便局へ同和関係だということで講師で行く。そして、そこで一時間三千円ですか、ほかの郵便局で講師料、謝礼をもらっている。一時間を超すと二時間になるので六千円もらって帰ってくる、こういう事態になっているのですね。集配課の郵便外務手帳という従業員がみんな持っているものを見たら、「職員は、定刻までに出勤しなければならない。職員は、出勤後直ちに郵政省職員勤務管理規程の定めるところにより、自ら出勤簿に押印しなければならない。」というふうに書いてある。処理の仕方も、たとえば「出勤、欠勤、遅刻、中退、出張、年次休暇、病気休暇、特別休暇、専従休暇、組合休暇、休職、停職」等と書いてある。ところが、これは何にも書いてない。何にもなしに職場へ来ない、これを職務解除だというふうに官側は言っていますね。こういうことが一体許されていいのかどうか。この人だけでありません。ほかにも数人、適宜抜けていく人がいる。こういう事態についてどうお考えですか。
  272. 高仲優

    ○高仲政府委員 前段の福原委員長の出勤簿の件でございますが、まことに申しわけない次第でございますが、私、御指摘の点についてはただいま承知いたしておりません。早速調べたいと考えております。
  273. 東中光雄

    東中分科員 あったらどうなんですか。そういう事態があるのですけれども、あったらどうしますか。
  274. 高仲優

    ○高仲政府委員 そうした点があったといたしますれば、近畿郵政局関係当事者にその事情等をよく調べてみてしかるべきだと考えております。
  275. 東中光雄

    東中分科員 調べてどうするのですか。
  276. 高仲優

    ○高仲政府委員 調べた結果によりまして、しかるべき処置をすべきものであろうと考えております。
  277. 東中光雄

    東中分科員 処置をするというのは、明白に服務規程等に違反しているわけですから、そういう面での処置をするということですね。
  278. 高仲優

    ○高仲政府委員 職務につくべきものであれば当然職務に従事させるべきものと考えております。
  279. 東中光雄

    東中分科員 あなた何を言っているのですか。職務につくべきものだったらつくのは、これはあたりまえのことなんで、過去のことについてどうするか、そういう事態が、これは私は出勤簿まで確認してきた。これは集配員の担当区域が指定されてなかったら、そもそも初めから集配の課におりながら集配業務につかないという体制をとっているわけですから、そういうことが許されておっていいのかどうかということですよ。  この手帳によりますと、こういうことが書いてありますね。「服務の根本基準 職員は、郵政事業の使命を認識し、国民全体の奉仕者として勤務し、職務の遂行にあたっては全力をあげてこれに専念しなければならない。」あたりまえのことを書いてあるのですけれども、このあたりまえのことがまるっきりじゅうりんされているわけじゃないですか。まさに解放研というのは特権的なそういう立場で職場を練り歩いておるということになっておる。  それは中郵だけじゃありません。東郵更局の場合で言えば、やはり解放研わずか二十五名ぐらいの組織でありますが、中谷源司という人が、これも普通郵便課員です。これは解放研メンバーもそうでありますが、やはり全く仕事にはついてないという事態になっておる。これについてはどうですか。
  280. 高仲優

    ○高仲政府委員 ただいま御指摘の点にしましても、申しわけございませんが、私ただいま承知いたしておりません。
  281. 東中光雄

    東中分科員 調べて当然処置すべきでありますが、この点について言えば、昭和四十九年十二月九日、東郵便局の庶務課長名で「職員のみなさんへ 確認会についてのお知らせ」というビラが全職員に配られておる。この写しを事前にお渡しして検討してもらうようにということを言ってありますが、その一番末尾を見ますと「勤務解除する場合等の後補充措置」ということが書いてあって、解放研の諸君がいわゆる勤務解除というものをされたら、その後埋めをするために告一職員あるいは職員の超勤、可能な場合には非常勤職員を雇用する、できるだけ超勤はさせないようにするというようなことを局側の具体策として、この局側が出した文書に書いてある。解放研にそれを約束したと書いてある。実際に私が先ほど言ったように、まるっきり仕事をしない中谷源司というような人もおる。そのほかにも適宜何かの集会だと言って出ていくというのが放置されておる。  一体、職務解除というのは郵政省の職務規程の中に法律上の根拠があるのかないのか、まずその点を聞きましょう。
  282. 神山文男

    ○神山政府委員 勤務解除の法的根拠でございますが、職員の国家公務員法による職務専念義務、これを免除する場合としては、年次休暇とかあるいは病気休暇、特別休暇などのように制度的なものもございますが、そのほか社会通念に従って業務に特段の支障がないと認める範囲で個別的な取り扱いを認めるというものもあるわけでございます。
  283. 東中光雄

    東中分科員 解放研の幹部が自分の任意団体の仕事をやるために勝手に歩き回る、あるいは他の郵便局へ行って講師をして、そこで謝礼をもらってくるというふうなことをやるために本来の勤めておる職場で職務解除するというふうなことが法的根拠があるのかないのかと、こう聞いておるのです。
  284. 高仲優

    ○高仲政府委員 まず、第二の点でございますが、福原氏ほかが大阪府内の他の郵便局に回って講師としての謝礼を受け取っておるというお話でございますが、私、その点は全く聞いたことがございません。  また、勤務のあり方というものは先ほど人事局長から申し上げたとおりでございますが、勤務につかないという場合を想定いたしますと、解放研というものが同和問題の解決のために役立つということにおいて、そういう必要があるときにやっておるものと考えております。  規程上の問題につきましては人事局長から答弁いたします。
  285. 神山文男

    ○神山政府委員 ただいま申し上げましたように、勤務免除は制度的なものと、それから社会通念上あるいは職務に非常に密接な関係があるような場合、所属長が認めるというものがございます。
  286. 東中光雄

    東中分科員 あなたは何を言っているんですか。社会通念上、特定の団体の役員だからといってしかもそれはいろいろな問題を起こしているそういう解放研の団体の役員を、何をやってるかわからぬけれども、とにかく職務を免除してしまうというようなことをする法律上の根拠があるか。法律上の根拠あるいは郵政省の規程上の根拠があるんだったらその根拠を、何という規程の何条だ、ないんだったらないとはっきり答えてください。
  287. 神山文男

    ○神山政府委員 この専念義務免除の判断につきましては、これは職員の服務の統督という権限の中に入っておると解釈しているわけでありまして、郵政省職務規程の第二条によりますと「郵政省の内部部局、地方支分部局及び附属機関の長は、その機関の事務を統括し、所属職員の服務を統督し、事務の能率的な遂行を図るものとする。」というふうに職員の服務の統督という権限が各機関の長に委任されております。その中で勤務を免除するという場合があるものと一般的に解釈されているわけでありまして、それはどういう場合かというのは、先ほど申し上げたような社会通念上、どうしても時間が必要であるというようなことで、業務に特段の支障がないという場合、あるいはその他業務に非常に密接に関係のあるような場合について所属長が判断するということになろうかと存じます。
  288. 東中光雄

    東中分科員 あなたはことさらに問題を回避している。これはあなた全国民が見ているわけですよ。郵政省というのは何たることだということになりますよ。組合の専従休暇にしたって、いわゆる特別休暇にしたって、全部規定があるでしょう、あるいは協約上の根拠がある、協約は法的な根拠を持つという法律的な規定がある。解放研という任意団体の役員であるからといって、そういうことがほっておかれてそれこそたまるものですか。  これについての研修会がやられてる。大阪天王寺局であります。二月の十二日と十三日に研修会がやられた。解放同盟大阪府連の水口幸一というのが研修会の講師で来てる。これは全部で二百二十名ぐらいの職員数でありますが、二日に分かれてやって、第一日目に百数十人、第二日目に百名ぐらい集まっている。単に職員だけじゃなくて、管内の特定郵便局局長も集めてる。このいわゆる同和研修会については午後三時から四時四十九分までやられた。ところが、集配課長は集配業務に出ていく職員に対して、三時までに全部帰ってくれ、郵便物が残っておっても帰ってくれ、勤務時間外に及ぶ部分  この勤務時間は三時四十九分で終わるわけですね。勤務時間が終わった後の分は超過勤務になる、どうしても差し支えが、特別の用事があればやむを得ないけれども、できるだけ出てくれ、二日のうちどっちかは出るようにという指示をしている。郵便物をほうっておいて、そしていわゆる同和研修に帰ってくる。郵政省の職員というのは、決まっておるあの所掌事務を見てごらんなさい、郵便物のこと、郵便事業、これが中心でしょう。いま値上げが要求されておって問題になっている。それを集めなくてもいいから同和研修に行けということを言って、そして現に超過勤務を払っている。京都の東山郵便局で行われた一月二十三日午後三時から五時まで、これも同じことです。これについては研修会に解同朝田派の京都府連の駒井昭雄という人が出てきている。謝礼金六千円払ったということを郵便局長も認めている。この研修会に全職員が出ているわけですが、出れなかった人は、テープをまた後で聞かしているわけですね、補習と称して。しかもそのテープを聞く時間が勤務時間外になったら、その人には超過勤務を払っておるんです。テープを聞くために超過勤務を払ったのが郵便関係で十一人、集配関係で十五人、合計二十六人います。こういうことになっている。しかも、その内容が、これはわが党の梅田議員が直接調査に行った結果でありますが、郵便局長は政党批判にわたるようなことのないよう申し入れておいたのでありますが、講演の中で政党問題が出たのでまずいなあと思いましたと、こう言っているんです。実際の内容は、兵庫県八鹿高校事件について共産党を攻撃するような発言を講師はしている。その話を聞くことが職務行為になっているんですね。超過勤務を払うというのは職務行為でしょう。郵政大臣は、全く心外だというような顔をして首を横に振られておりますけれども、実際こういう事態が起こっているんですよ。一体こういう処置について郵政当局はどう思っているのか。これでいいと思っているのか、こういう事態は変えなければいかぬと思っているのか、どっちなんですか。
  289. 高仲優

    ○高仲政府委員 まず、天王寺の局につきまして、集配業務が終わらなくてもよいから帰ってこいということを指示したというお話でございますが、私その御指摘の点については承知いたしておりません。郵便局といたしましては、当然集配業務は集配業務として正当に執行すべきものと考えております。  東山局の件につきまして、政党を誹謗する発言があったという御指摘でございますが、この点につきましても、私、政党に誹謗を加えたという事実は承知いたしておりません。  また、研修に対して超勤を払っておるという御指摘でございますが、同和問題の早急な解決が国の責務であるという点にかんがみまして、同和の研修に対しては、時間外にわたる場合超勤を支給したということと考えておりますが、別段私、政党を誹謗するために超勤を払ったという事実は聞いておりません。
  290. 東中光雄

    東中分科員 あなたは聞いていないと言う。ぼくらの方は、このことについて聞くからちゃんと事実は調べておきなさい、こう言うてある。ことさらに隠しているんじゃないですか。直接行って梅田議員は局長からその話を聞いてきているんです。私は、局長は共産党誹謗の演説をやったというふうに言うたとは先ほど申し上げなかった。さすがに局長、非常に政治的で、政治にわたってもらったら困ると言ったけれども、政治にわたったので困ったなあと思った、こう言っているんです。困ったと思ったことだったらやめておけばいいものを、それをまたテープを聞かす、そしてそれについて超勤を払う、これはもう郵政局の職場というのは、あなたのような姿勢でおる限り、むちゃくちゃになりますよ。郵政事業というのは、さっき書いてあったように国民の全体の奉仕者としてやらなければいかぬことなんだ、国家公務員なんでしょう。それが同対審答申に早急に解決しなければいかぬ問題だと書いてあるからといって、そんなことがやられておっていいのですか。憲法を見てごらんなさい。憲法はすべての公務員は憲法擁護の義務を負うとはっきり書いてある。しかし、それについて研修をやったことがありますか。憲法上の要請ですよ。そういうことはやったことはない、しかし同和についてだけこういうことをやる。私は、全く郵政省のいまの態度というのは、まさに一市民団体に、部落解放同盟朝田派が指導するということになっておる解放研についてだけ全く屈服をしている、こういうかっこうになっておると思うのです。  もう時間がありませんのでもう一点聞きますけれども郵政省の職場で確認会というのが何回かやられている。この前指摘を受けました。先ほど申し上げた昭和四十九年十二月九日付の「職員のみなさんへ」というこの文書を見ますと、四つの事件が起こった、こう書いてある。そして、それについて確認会が四回やられたことになっておる。解放研から確認会の申し入れがある。確認会をやるという場合に、官側が、管理職側が確認会に応じるのは、これは公務ですか、公務でないんですか。
  291. 高仲優

    ○高仲政府委員 もともと差別的な発言等、差別事象が起こるということは、当答申の線から考えまして不都合なことでございます。そうした事態があると思われる場合において、その事実の有無を検証するということは、私は同対審答申、同対法の精神に沿っておるものと考えております。
  292. 東中光雄

    東中分科員 確認会は同対審答申の線に沿っておる、そう思っておる、そんなことを思うのは勝手ですけれども、国家公務員として、国家の機関として、公務として出席していくというようなことが一体あるのかないのか、許されるのかどうか、しかも差別があったと思うということ、そういう場合にはということをあなたは言われたけれども、この郵便局庶務課長が出している文書によると、こう書いてあります。事件として挙げられている四つの事件の第一は「普通郵便課の業務研究会の席上、人事交流の問題で一職員から「普通課から郵便他課への希望者は多くいるが、郵便他課から普通課へ希望している職員がいますか。」との質問に対し、同課課長が「では、集配課に希望される者はいますか。」と問い返したのに対し、「いきたくないわ。」と声がでた。」これが一つの事件なんですね。去年の九月十一日。これが差別事件だとして、確認会で事実点検をして、この事実を確認したというのです。そして、それに対して官側が自己批判書を出しているというのです。  二番目に挙げているのはどうか。「九月十八日普通郵便課の同和問題研修会の席上、職員からの「普通課には差別はないか。」との質問に、同課課長が「当課には差別はありません。」と発言した。」この発言をしたことが事件だというのです。何が事件か、さっぱりわからぬです。しかし、それが事件として確認会へ引っ張り出されてこの事実確認をやられた。そして、自己批判書を書いたと書いてあるのです。  三番目。「十月十一日 普通郵便課において、担務指定変更についての職員の申し出に対し、同課計画主事が「解放研の出張や、勤務解除があるので仕事は一向に楽にならない。」と発言した。」こう書いてある。これがまた事件です。差別事件です。当局側は自己批判書を書いているんです。  さらに四番目。「十月十八日 確認会の開催についての打合せの際、庶務課長が「徹夜の確認会は困る。」という意味の発言をした。」これがまた差別事件だと言って、確認会の対象になっています。官側が自己批判書を書いたところに書いてある。  そしてどういう評価をしているのかといえば、第一回目の、最初に申し上げた「集配課に希望される者はいますか。」「いやだわ。」と言った、これは「下を見て暮らせ」の思想だ、だからそれは差別につながるんだ、だから自己批判書を出すんだ、だから研修を次のようにやりますと言って、研修書を書かされている。言語道断じゃないですか。なぜこれが差別なんでしょうか。解放研へ職務解除で人を連れられていく。仕事につかない。仕事が楽にならないと計画主事として言うのはむしろあたりまえですよ。ところが、それが差別だというのであります。それについてはこういうことを当局側が認めさせられている。この「事実確認と、その分析を行い、その発言は、仕事が楽にならないのは解放研のせいではなく、本来上司である課長に向けるべきものであり、人員不足を、解放研へ責任転嫁した、逆差別発言であり、解放運動に誤解を生ぜしめた差別発言であることが確認され、」——当局側が確認しているんですよ。「また、差別をなくし、職場を明るくするための具体策を作成することを確認された。」こういう事態というのは、私たちは常識で考えられぬことを実際にやられて、しかも当局側がそれを認めて、そしてこの文書にそれを書いて全職員に配っているんです。そういうことをやるための確認会を徹夜でやっているんです。それが一体公務だというのかと言うのです。あなたは、同対審答申の線から言ったら差別をなくしていくために必要なんだと——本当にそう思うていますか。そういうことをやった結果が、自己批判書を提出して、そしてその自己批判書を書き直しをやらされる。最後には、具体的な施策をやらなきゃいけない、こういうことを追及されて、研修会で、管理職の研修を年四回やります、役職者研修は年五回やります、副窓口担当者研修は年十二回やります、職員研修は年四回やります、アルバイトを雇っても雇ったアルバイトにまず研修をやります、こういうことまで約束させているんですね。そして、啓蒙施策をとると言って、ここに書いてある、ナンセンスと思うのがあるのですが、「俸給袋に同和問題に関する標語を表示する。」という約束をさせられて、やっている。さらに、「同和関係の放送があるときは、全職員に周知する。」という約束をさせられている。そうしたら、いま私の手元にありますけれども、職員に告ぐ、と同じで「お知らせ 同和問題についての理解を一層深めるための、テレビ番組が放映されます。ぜひご覧ください。」なんとかという映画、放送日いつ、何チャンネル、次は関西テレビ八チャンネル、十二月七日、ドキュメントが放送される。これまた一々書いて全員に配っているのですね。これが一体郵政業務なのか、これが郵政省のやる、国家公務員のやる管理行為なのか。そして、そこでは職務免除、職務解除というものを認めさせられている。  大臣、これはいま私がまとめたのじゃなくて、庶務課長がまとめて全職員に配っている。だから、こういうことでいいのだというふうにしているんですね。これはゆゆしい問題だと思うのですよ。もう国家機構の末端、郵政業務をやっている役所が麻痺状態になっているじゃないですか。こういうことについて、実情を調べ、適当な、早急な措置をとらなければならぬと思うのでありますが、郵政大臣の御所見を聞いて、時間が来ておりますので、質問を終わります。
  293. 村上勇

    村上国務大臣 大変微に入り細にわたっていろいろお聞かせいただいて、ありがとうございました。  私は、ほとんどが初耳でありますので、郵政省としても責任者がおることですから、よく承って、十分承知した上で態度を決めていきたい、かように思っております。
  294. 東中光雄

    東中分科員 終わります。
  295. 谷垣專一

    谷垣主査 これにて東中光雄君の質疑は終了いたしました。  次に、阿部昭吾君。
  296. 阿部昭吾

    阿部(昭)分科員 簡単にお尋ねをしたいと思います。  電波行政を担当していらっしゃる郵政省当局に伺いたいのでありますが、新しい建造物などが建つ、そういたしますと、電波障害でテレビがよう見えないというような状況が起こります。私ども、この場合に、いまの公害関係の法律的な土台であります加害者負担の原則というものが、いまの電波障害のような場合でも貫かれなければならぬのではないか、こう思うのでありますが、これはどうでしょう。
  297. 石川晃夫

    石川(晃)政府委員 お答えいたします。  先生御指摘のように、現在都市におきましては、高層建築物がふえてまいりましたために、いろいろテレビジョンの受信におきまして障害が生じております。  これにつきまして、当省といたしましても原因者責任というたてまえをとりまして、現在そのようなことで指導を行っております。
  298. 阿部昭吾

    阿部(昭)分科員 それから、電波障害でテレビがよう見えぬようになった。この場合に、NHKの受信料というものを、見えなかったテレビに対して払う義務があるのかどうか。
  299. 石川晃夫

    石川(晃)政府委員 現行の制度におきましては、NHKの電波が受かるような受信設備を持っておるものについては、受信者とNHKとの間で受信契約を結んで、そして受信料を払うというたてまえになっております。したがいまして、ただいま御指摘のようなことにつきましても、やはり現在、現行法上では払っていただく、こういうたてまえになっております。
  300. 阿部昭吾

    阿部(昭)分科員 見えないテレビに受信料を払わなければならぬというのは不合理じゃありませんか。
  301. 石川晃夫

    石川(晃)政府委員 NHKの業務といたしまして、全国あまねく電波を受信できるようにということで、非常に施策を講じながら発射しているわけでございます。したがいまして、都市におきましてただいま御指摘のように受からない地域ができてきたというのは、これは先ほど御説明いたしましたように、最近の高層建築物というもののためにそういう受信障害が出てきたわけでございます。したがいまして、これにつきましては何とかその障害を克服いたしまして、そうしてやはり皆さんに見ていただくというたてまえでございますので、その対策について関係者が寄り寄りいろいろ努力して、一刻も早く見えるようにということで仕事を進めているわけであります。
  302. 阿部昭吾

    阿部(昭)分科員 私が申し上げますのは、民間の高層建築が建った、そのために電波障害が起こった、テレビが見えぬようになった、この場合いろいろなトラブルになるわけであります。そうではなくて、国なり公共団体が建設をする高層建造物のために電波障害が起こっておる。きょうは具体的には、私は申し上げることを差し控えますけれども、ぜひひとつ、電波行政を担当されておられる郵政当局として具体的なあり方を鮮明にする御努力を願いたい、こう思うのでありますが、たとえば政府関係のある建物を建てた、その周りに明らかにその建造物のために電波障害が起こった、そうすると政府の建物でありますから大蔵省が乗り込んでいってその電波障害に対するいろいろな施策についての協議を持つ。この場合に、たとえば集中アンテナを立てる、そこから今度幹線のケーブルというか何かをその障害地域全般に引いていって、そして電波障害というものを解消することをやるわけでありますが、どうもそのやり方を見ますると、冒頭に御答弁のございました原因者負担の原則を貫くというやり方にはならずに、あなた方もある種の負担を持ちなさい、こういうやり方で、つまりその建造物が国の施設でありますから、したがって大蔵省が乗り込んでいった場合でさえも、被害をこうむった、電波障害で困っておる方々に対して、一定の負担を持ちなさいという形でのやりとりになっておるのであります。  私は、どうもそれはおかしい、いま御答弁がございましたように、原因者負担の原則というものから言えば、やはり建物をおっ建てたために電波障害が起こっておるならば、おっ建ててその障害を起こした側が負担をする、国の場合でさえもかくのごとくでありますから、民間の場合はもっともっといろいろなトラブルが起こるのであります。郵政御当局はNHKや何かともいろいろやり、また自治体や何かとも協議をしながら、難視聴地域に対してこれを解消するためのいろいろな努力をされておることは、私は承知をしております。しかし、いまのように高層建築等が建ちますと、その周辺にテレビがよう映らぬ、見えぬというところがたくさん出てくる。この場合、起こっておるトラブルの解消についてもやはり一定の原則というものがなければならない。その原則は、いま御答弁がございました原因者負担の原則だ、こう私は思うのであります。その原則が、国が責任を持たねばならない国の施設等の場合でも、必ずしも守られておらないという事例を、私、幾つか承知をしておるのであります。これはひとつ、電波行政を担当されておられる郵政御当局において、やはり原因者負担の原則に立った行政のあり方を整備をしてもらいたい、確立をしてほしいということを申し上げたいのであります。  それから、NHKは、テレビが映らぬ場合でも契約に基づいて金を取るんだ、こう言うのでありますけれども、これはちょっとおかしいのじゃないでしょうか。映らぬ期間に映らぬテレビの受信料を払わなければならぬというのは、どうも合理的じゃない御答弁じゃないかという気がするのですけれども
  303. 石川晃夫

    石川(晃)政府委員 ただいまの映らない場合という中で、放送のサービスエリア外というのは、これは当然受信料を払わなくても結構でございます。ただ、われわれといたしまして放送局を免許する場合に、これだけの範囲はテレビならテレビが受信できるはずである、またできるように電波を発射しなさいということで免許した放送局があるわけでございまして、ただいま御指摘のように、サービスエリア内に入っている場合は普通は受かるわけでございます。ただ、建物とかそういうものによって受からない、それは受からない程度によるわけでございまして、全然受からない場合は無理だと思いますが、しかしわれわれの考え方からしますと、やはり電波の届いているところで受からないというのは何らかの手段によって受かるようにできるはずであるということで、先ほど御説明いたしましたように、いろんな施策を講じながら、それが受信できるようにやっているわけでございます。その受け方といたしまして、先ほど先生御指摘がありましたように、共聴設備なりそういうようなアンテナの改造なり、こういうことによりまして受かるようにわれわれ努力さしておるわけでございます。
  304. 阿部昭吾

    阿部(昭)分科員 実は国の建造物を建設をした、電波障害が起こった、見えない、そしてだんだん話し合いになっていきましたところ、電波障害を実際にこうむっておるのはどの範囲であるのかということの確認を双方でやろう、その確認は専門家のNHKにやってもらおうじゃないかと、こうなったのです。そうすると、NHKの方では、あなたのテレビはどうも少々おんぼろだぞという話になって、電波障害のせいじゃないという判定をNHKが至るところでやったのであります。ところが、どうもNHKはおかしいというので電気屋さんを呼びましたところ、電気屋さんはそこヘテレビを売り込んでおりますから、そんなはずはない、私のところで売り込んでおるテレビはちゃんとりっぱなものなんだ。したがって、見えないのはNHKが言うのとはわけが違うのであって、あの建造物が建ったための電波障害であることは間違いないということになって、そこの地域住民の皆さんが、NHKの受信料は、映らぬのですから払わぬようにしょう。払わぬようにしようということになったら、今度NHKががらり態度が変わって、やはり電波障害ですということになったというのであります。  そこで、一年もずっとテレビが見えないということで、ほとんどNHKが見えないというのでありますから、その場合にNHKの受信料を払わなければならぬというのはどう考えても、制度がどのようにあろうと私はやはり合理的じゃないと思うのですよ。払うのがあたりまえ、見えないテレビに銭を払えというのは、制度的にどのようにあろうともぼくはやはりちょっと筋が通らぬと思うのです。だから、必ず見えるようにするためにやはりいろいろなことをやらなければならぬ責任があると思う。その責任がちゃんと守られていませんから、責任を果たされておらぬからテレビが映らぬという状況が起こっておる。したがって、建造物や何か建ってテレビが映らぬようになったというならば、本来映るべきテレビが映らぬようになったというならば、建造物を建てた側が解消されるまでの期間の受信料を払うとか、何かそういうような契約条項に変えていかぬといけないんじゃないかという気がするのですが、どうでしょう。
  305. 石川晃夫

    石川(晃)政府委員 ただいま先生御指摘の件でございますが、私たち先生お話を聞いておりましても、NHKの側で当初そういうようなことを言った、さらに努力したら何とかできる、非常におかしいと思っておりますが、多分話に行き違いがあったんではなかろうかというふうに存じておるわけでございます。  そのような都市障害におきましては、われわれといたしましても、NHK、それから地元の住民の方、建造物をつくられた方、こういう方で集まって相談していただくというようなかっこうで現在その解消に努めているわけでございます。  ただ、ただいま先生御指摘のような件がだんだんふえてまいりますので、われわれといたしましては四十八年の六月に省内にテレビジョン難視聴対策の調査会を設置いたしまして、そこでいろいろ都市難視の問題、辺地難視も含むわけでございますが、そういう難視聴の問題と現在取り組んでいるわけでございます。十九名の学識経験者に集まっていただいて検討していただいているわけでございます。  そこで、ただいま先生御指摘がございましたような都市難視におきましては、建築物をつくった人がどれだけの責任を負うべきであるか、あるいは住民の側でどうあるべきか、放送事業者の方でどうあるべきか、公共団体の方はどうあるべきか、こういう点について現在いろいろ調査を進めていただいているわけでございます。近く答申を出していただきたいということで、この調査会自体も年度末を目途といたしまして現在鋭意作業をやっているという状況でございます。
  306. 阿部昭吾

    阿部(昭)分科員 私は、当分科会の副主査でありますから簡潔に終わりたい、こう思っておるのでありますが、忠告、御希望申し上げたいのは、いま至るところにトラブルがある。その場合に、いままでそこに無事平穏、公然とりっぱな映像を見ておった皆さんが、その周りに何びとの手による物にせよ新たなる建造物が建った。その中では、いまの難視聴の問題もあれば日照権の問題もあればいろんな問題があると思うのです。思うのですが、特に電波行政の関係で問題になりますこの難視聴の問題については、やはり最初に局長さんが答弁されました原因者負担というこの原則を崩すようなことになっちゃいけない。そうなりますと、私は、やはりいつでも弱い者いじめというか、社会的不公正というものが是正されないということになるんじゃないかと思いまするので、冒頭御答弁のございました原因者負担の原則というものを、いまの対策委員会か何かでNHKはどうあるべきか、あるいは行政はどうあるべきか、住民はどうあるべきかという場合の原則は、最初御答弁あったような方針をひとつ貫いていただきたい。このことを強く希望申し上げ、所信をもう一度伺って私の質問を終わります。
  307. 村上勇

    村上国務大臣 お答えいたします。  電波は放送局のものでもなければ、その事業家のものでもない。電波は国民のものである、地域住民のものである。見せてもらうんでなくて、見てやるんだ、見る権利があるんだというような観点から考えますと、先生御指摘のように、その電波を見れないようにさえぎっているものに対する……やはりこれが見れるようにするためには原因者負担ということ、何といってもこれによる以外にないと思います。まず、そこに重点を置いて、難視聴解消の調査会でそういうような結論を出してもらって御指摘の問題を解決するように努力いたします。
  308. 阿部昭吾

    阿部(昭)分科員 以上で終わります。
  309. 谷垣專一

    谷垣主査 これにて阿部昭吾君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、昭和五十年度一般会計予算及び特別会計予算郵政省所管並びに昭和五十年度政府関係機関予算日本電信電話公社関係に関する質疑は終了いたしました。  これにて本分科会における質疑は全部終了いたしました。     —————————————
  310. 谷垣專一

    谷垣主査 この際、お諮りいたします。  昭和五十年度一般会計予算中国土庁所管、運輸省所管、郵政省所管び建設省所管並びに昭和五十年度特別会計予算運輸省所管、郵政省所管び建設省所管並びに昭和五十年度政府関係機関予算中日本国有鉄道及び日本電信電話公社関係に対する討論採決は、先例によりまして予算委員会に譲ることといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  311. 谷垣專一

    谷垣主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  これにて本分科会の議事は全部終了いたしました。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。  分科員各位の格段の御協力によりまして、本分科会の議事が終了することができましたことを厚く御礼申し上げます。  これにて散会いたします。     午後五時九分散会