○小濱
分科員 消防庁の
調査結果について大臣から閣議で御発表があったようでございます。その内容はもう御存じのとおりであります。詳しくは申し上げませんが、あそこには無数の石油タンク、高圧ガスタンク、それから塩素タンク、こういうものがあるわけですが、不等沈下の著しいタンクが、
都道府県別に見ると、神奈川県で三十二、それから岡山で十四、大阪十一、兵庫、千葉各十基、こういうふうになっています。あの京浜重工業地帯の何千本かある油タンクが非常にいろいろな心配の種を生んでいるという、そういう実態
調査の上から、あそこに一揺れM六というような強震のものが来た場合にはどういう結果になるのか。これは、御存じのように、防油堤ですか、これも非常に
亀裂ができて不備なものが多かった。それから、防災遮断帯というようなものはないわけであります。川崎方面ではいま百メーターぐらいのものをつくろうという計画は持っておるようですが、財政困難のためになかなか実現ができない、こう言っております。特に、御存じのように川崎の沖には五つの埋め立てされた島がございます。その島には無数の石油タンクが林立している。ここと陸上との交通は一本の橋だけなんですね。私は地元ですからよくわかっているわけです。ところが、あの橋に、さて
地震が来て故障が起きますと、島の人たちはどうなるのであろうか、この問題。それから、調べてみますと、川崎港には大小合わせて二千隻からの船があるのであります。私も船乗りですからわかるのですが、海面火災のときには酸素の
関係でエンジンがストップするわけです。救災に行こうとしても、海面火災の場合にはその火の海をかき分けながら進んでまいりますけれ
ども、酸素の
関係でエンジンがストップしたならば、その船はどういう結果になるのですか。人力にもこれはもう限度があります。その結果はもう明白であります。こういうことからも何とかしてタンクの事故を防いでいかなくちゃならない。水島では一本の油タンクでもあれだけの
被害が出るわけです。五百トン以上のタンクがこの京浜重工業地帯には五千本以上と言われる。そこには塩素タンクが、私の前に調べた記録では約十本ぐらいでしたけれ
ども、いまもっとあるでしょう。高圧ガスタンク。これは想定してください、どういう結果になるか。こういうことから緊急に
対策を講じなくちゃならない、こう思うわけです。大臣、まあそういうことはないと思いますけれ
ども、責任を逃れるようなそういう答弁であってはならないわけです。これは先ほどお話がありましたように、とうとい人命にかかわる問題でもありますし、多くのそういう死傷者を想定して、どうしても
対策を講じなくちゃならない。その緊急性にかんがみまして私は御質問しているわけですから、何かいい方法はないか、こういうふうに思うわけですが、私の方から一つ提案をしてみます。
立法化することが一番いいんですね、本当は。ところが、これには、確実だけれ
ども時間がかかるわけです。そこで、取り急ぎ何か緊急五カ年計画というようなものをつくりまして、大幅な国庫
補助をするとか、
地方交付税で見ていくとか、緊急
対策を強力に講ずることが急務だと思うのですが、その内容について少しお話をしてみますと、コンビナート周辺地域の
防災対策緊急措置法案という趣旨の法案をつくるべきではないのか。その内容について五つばかり挙げてみました。
国土庁長官がコンビナート周辺
市町村を
指定する。二つ目には、周辺
市町村及び県は、コンビナート周辺地域の防災緊急五カ年計画を樹立する。三に、防災緊急五カ年計画
事業に対しては国が大幅な国庫
補助制度を設ける。第四には、企業に対してもこれは応分の負担を求める。第五には、
地方団体の地元負担に対しては、交付税及び
地方債で十分な財源措置を講ずる。
立法化がこれは確実で一番いいんだけれ
ども、先ほど申し上げましたように、時間がかかるので、こういうことで大臣のほうで取り急いで研究をしていただいて、とにかく緊急
対策として何かできないだろうか、こういうように考えて、私
どももこういうものをつくってみたわけでございます。時間もございませんが、ひとつ大臣の御見解あるいは決意を聞かしていただきたいと思います。