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中路分科員 いま部分的に手に入れているというお話でしたが、私は、先日
施設庁の皆さんに、アメリカはアメリカの方の基準でやっているというお話だから、その基準は
施設庁でお持ちですかと言ったら、手元にないと言うのですね。アメリカの方は、アメリカの基準でやっていると言いながら、その基準はどういう基準でやっているのかということを
施設庁自身が持っていない。弾薬の保安についての基準は持っておられても、私も一度見せていただきましたけれども、こういうタンク類の危険物については、アメリカがやっているだろうというその基準についても、まあ近く手に入るというお話ですけれども、先日、私が要請したときには、まだ
施設庁も持っていない。これではどういうふうにやられているのか自身も
状況がわからないのではないかというふうに私は思うのです。
時間も短いですから、私はこの問題については詳しく論議をしませんが、たとえば一例だけ挙げますと、西ドイツのを調べてみましたが、西ドイツにあります
地位協定と同じボン協定あるいはこれに関連したドイツ連邦共和国に駐留する外国軍隊に関して北大西洋条約当事国間の軍隊の地位に関する協定を補足する協定というのがありますが、これを見ますと、この協定の第二条で、受け入れ国の法規をその軍隊が守る義務がある。義務づけをしておるわけですね。「また、このため必要な措置を執ることは、派遣国の義務である。」ということを第二条にうたっていますし、またこの条文の中では「ドイツの代表者及びその指名する専門家に対し、ドイツの利益を保護するために必要とするすべての合理的な援助(
施設への立入りを含む。)を与えるものとする。」ということも明記されておる。いわゆるその国が、日本で言えば消防庁なりあるいは
関係の自治体が必要によって立ち入りの調査をするということも条文の中で明記をしている。また、その国の条文を守らなければいけないということを義務づけている。これがボン協定の中でもうたわれているわけです。
日本の場合に、
地位協定十六条で「日本国において、日本国の法令を尊重し」という尊重の
規定があるわけです。三条で「
施設及び区域における作業は、公共の安全に妥当な考慮を払って行なわなければならない。」という条文があるだけですから、私はこれを見比べても、いまの
地位協定が、いわば非常に屈辱的なものだということも言えるのじゃないかと思う。いまこの問題で私は論議するつもりはありませんけれども、
施設庁自身がアメリカの基準でやっていると言いながら、その基準も、いままで十分自分たちも見ていない、知らないという
状態なわけです。
たとえば、アメリカの基準でやっていると言われている例でそういうふうにやってないという例を、私、一つだけ昨日見てきたのでお話ししますと、鶴見の貯油
施設ですね。消防法に基づいた技術基準の告示というのが昨年五月消防庁から出ています。これはタンク等の危険物の移送
基地、こういう貯油
施設ですね、この敷地の境界部分を土盛りで〇・五メートル以上高くする、巻くというのが消防法に基づいた基準として告示で出されているわけですが、たとえば鶴見の貯油
施設へ行きますと、全くないですね。鉄条網みたいなばら線だけが張ってあるということで、この民家に全く接触しているアメリカの貯油
施設も、そういうこともやられていない、境界線はバリケードだけですから。これは私は昨日見てきたわけですが、こういう
現状にあるわけです。
だから、ここで横須賀の横山市長も、それから神奈川県の県知事も、神奈川県は二月一日に県知事名で、「県内所在の
米軍施設における危険物
施設の再点検の実施並びに防災対策の強化等について」という要請を
施設庁長官あるいは外務大臣等を通じて要請をしています。また横須賀の市長も、「吾妻島を
中心とした
米軍タンクの点検についての要請」というのを県を通じてやっているわけですけれども、県の当局に聞きますと、この点についてまだ明確な回答をいただいていないということでありますが、全国のこういうタンク、貯油
施設について、消防庁が総点検をやっているわけです。
また先日、第四
分科会でこの貯油
施設のタンクを含めたコンビナートの問題について、私、
質問しました際に、河本通産大臣が、全国のコンビナートは、各省別にいま
所管がばらばらになっています、通産だとか海上保安庁、消防庁と。これら
関係省庁が協議をして一元化した総点検を実施するということを約束をされました。こういう中で、
米軍の
施設だけが抜けてしまうということになって、
状況もわからないということであれば、防災対策も立たないわけですから、まず第一に、私は
現状がどうなのかということは、周辺の自治体からも要請が出ているわけですから、
米軍を通じて、あるいは日米の協議を通じて、この全国の
米軍貯油
施設、タンクについて、危険物の
施設について、
日本側も含めて、一度点検をするということをぜひ
実現をしていただきたい、これが第一点の要請なわけですが、
施設庁長官あるいは大臣から
お答えを願いたい。