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金子(満)
委員 さらに、この日の同じ
委員会で、諫山
委員が、農業政策研究会という問題に触れました。これはなかなかえたいの知れない
団体であります。この農業政策研究会、農政研から——これは自治省に届け出てある政治
団体です。ですから住所もみんなあるわけですね。ここから百八十名の候補者に、
昭和四十七年の総選挙の際に、合計九千四百七十万円の選挙資金が寄付されている、こういう指摘をいたしました。このことについて、岡安
局長は次のように答えているわけです。東京大手町の農協ビル内に事務所を置いていることになっており、専任の——これはわれわれが指摘したわけです。机も電話もないということを言ったのに、農協の親睦
団体ぐらいしかわからない、しかし、
調査はむずかしいけれども努力して一みる。これはそんなにむずかしくないのです。とにかく百八十人もに資金を出しているわけです。事務所もあるのだし、人の名前もあるのですから、それは聞けばすぐわかるのですが、この
団体がどうか、これが
一つですね。
その農政研に、今度はもう
一つトンネル
団体がある。これは私も聞いたことがなかったのですが、全国農業協同組合協議会というのがあるのです。この協議会というのは、これも全くえたいが知れない。そこから全部農政研にお金が行って、農政研はお金を払っておる、こういう関係になります。農政研の方は、私どもの調べた範囲では、
昭和三十五年にできたらしいということはわかります。
昭和三十五年から
昭和四十八年までの間に、仕事を一回だけやっているのです。これが四十七年の下半期だけなんです。ほかは収支ゼロ、収支ゼロ、何もないのです。このときだけが収入が九千五百六十万円、支出が九千四百七十万円、わずかに、事務費か何か知りませんけれども、それだけしか仕事がない。これは大変なことになると私は思う。この
団体を、親睦
団体であるかどうか、そんなぐらいのことしかわからないけれども、
調査するというのですから、親睦
団体ぐらいのところまでわかっているということだと思うのですね。これは
三木総理、あなたの清潔度を試すのに、ぜひやらなければいけないことになります。
〔
金子(満)
委員、書類を示す〕
これは、このえたいの知れない農政研究会から、自民党だけをここへ書きました、とにかくずらっと有名な人がいるわけです。閣僚の中でも、
三木さん、
福田さん、稻葉さん、大平さん、安倍さん、長谷川さん、仮谷さん、小沢、佐々木、井出、松澤さん、みんな入っているのです。これは全部そこから金が出たことになっている。これは届け出た方がここへやったということですから、もらったかどうかは別ですよ。そうして、もらった側は今度は選管に届け出をするわけです。そこで届け出のある人が、稻葉さん、大平さん、安倍さん、小沢さん、佐々木さん、松澤さん、これはあり、ほかは申告なし、これは正直度かどうか、私はわかりません。とにかく出した方はここに届け出がしてある。受けた方は、ある、なしという形にはなっています。
私は、このことが本当かどうかということを聞いているのじゃない、こういうことが大きくなってきているのですから、これは
内容を明らかにしていかなければとんでもないことになるだろう、そのことを考えるのです。これはもう農業
団体の中ではうわさにうわさを生むのです。大変なことです、もしこういうことが本当であれば。いいですか、届けの
団体が農政研、任意
団体が協議会、ここにどこからかお金が入ってくるのです。届け出するためには、出した方と入った方を届け出しなければならない。ところが、入った方は農業協同組合協議会、協議会は任意
団体ですから、届け出の義務も何もないことになっている。こういうように考えてくると、私は、二段式擬装による悪質な公職選挙法
違反の疑いがある、疑惑を持たざるを得ない。これはうんと単純なことです。少しもむずかしくない。
場所も人もいるのですから、どこから出ましたと聞けば、それで片がつくのです。そして、
昭和四十五年から最近まで一回しか仕事をやっていないのですから、もしその金が全農とか中央会から出ていたということであれば、事態はきわめて重大だ。これは明らかに公職選挙法百九十九条二項の
違反に問われ、さらにこれが悪質な擬装だということになります。こういうことは、もう違法性の疑惑というのは非常に大きいのですから、自治省は直接選挙の業務を担当するところであり、農林省は自分の管轄下の中で起きた
一つのことではあるわけですから、努力してみるじゃなくて、これこそ解明しなければならぬと思うのです。そして閣僚の名前がこんなに出ているのですから、これは
三木さん、本当に清潔ということを言うのでしたら、これは
総理、先頭に立ってこういうものは明らかにする、こういう点をやってもらいたいと思うのですが、いかがですか。