○鈴切
委員 緊急質問としての問題を終えまして、いよいよ核兵器の問題になります。
核兵器の問題につきましては、今日まで公明党かどのような調査をしてきたか、そのことについて少し御説明を申し上げた方がよいのではないか、そのように判断をいたしまして、公明党の調査を含めて、今日まで取り組んできた概要を一応申し上げたい、こう思います。
御存じのとおり、核兵器の
日本持ち込みの疑惑というものは、もうすでに
国会においても何回か取り上げられてきた問題でありまして、核兵器の
日本持ち込みについての
国民の疑惑については、すでに久しい問題であります。特にラロック証言以来、
日本への米軍の核の持ち込み問題は、さらに
国民に大きなショックとぬぐい切れない疑惑を生んでおり、今日もなお解消されていない問題でもあります。さきに臨時
国会でも核問題は十分解明されずに、結果的には
政府は、日米安保体制下で米側を信頼するという説明に終始し、
アメリカに対して一向に疑惑解明の努力をしてこられなかったという問題もありました。こういう
政府の態度に対しまして、
国民の大方の
方々は、大変に不安と不信を抱いている現状であります。
私ども公明党は、核兵器の
日本持ち込みの疑惑を何とか解明しなくはならないと、昨年の十月に安保・核プロジェクトチームを編成いたしました。そこで私ども安保・核プロジェクトチームは、これを解明するための基本的な方針として、五つの異なる方法によってこれを裏づけをすることを決めました。
一つは情況証拠でありますけれども、まず、核装備可能な艦船及び航空機が
日本に入っているかという問題でありました。これにつきましては、すでに御
承知のとおり、ミッドウェー攻撃型空母の
日本母港化と、第七艦隊旗艦オクラホマシティーを初めとする巡洋艦及びフリゲート艦、そしてまた例のファントムあるいはイントルーダー、コルセア等の航空機、及び問題になったP3オライオン等も核を搭載できるということは、もう明らかに
日本に核が持ち込まれる状況と条件というものを十分に果たしているというふうに私どもは思っておりました。
第二の問題は、やはり証言の問題でございました。すでに、元海軍少将で軍事専門家のラロック氏初め、乗組員、基地の司令官、そして基地の
従業員等から多くの証言を得ております。
第三番目には、現物を写真に撮るということについては、基地の状況を裏づけをするということでない限りは、証拠にならないということのむずかしさがありましたけれども、またそれに対しては、核とか非核とかいう両用があるために、どうしてもこれを裏づけるということはむずかしい問題であるということも、調査の結果わかりました。
そこで、これら三つの証拠については、
国会において今日までずいぶん取り上げられてきた問題ではありますけれども、これに対して
政府は、
アメリカを信用するということと、もう
一つは、事前協議がなされていないから核は持ち込んでいない、これに終始をしてきたわけであります。こういうような
状態ではとても核の問題というものは解明できないということを、私ども公明党は調査団として考えまして、次に、二つの問題からこれを解明しようという努力をいたしました。
それは、
一つは、この間も
矢野質問で明らかになりましたとおり、少なくとも書類上の証拠、積み荷記録、送り状、貨物の保管
計画書等の現物を
政府にお見せして、そしてこういうものが入ったのではないかということをやはり証拠とする以外にない、こういうふうな問題の提起の仕方をいたしました。
第五番目には、御存じのとおり、その証拠なるものがやはり公式文書に照らしてどうであるかという問題については、公式文書というものの裏づけも必要であろうかということから、私どもはその第五番目の証拠固めとして、実は考えてまいりました。この件につきましては、わが党は、
昭和四十三年、米軍基地の総点検をしたのを契機にいたしまして、今日まで調査活動を続けておりますが、その間入手した
昭和四十三年以前の資料及びその後の資料が実はたくさんございます。で、その資料をもとにして、昨年十月から分析と調査活動を続けてきました。その結果、先日の
矢野書記長の、ウォーヘッドMK101イコール核爆雷が横須賀田浦に持ち込まれ、さらに岩国の米海兵隊に運ばれていた事実を、公式文書書式による国防省の貨物保管
計画書と、荷積み点検に使用するカーゴリストによって明らかにしてまいりました。この問題は、
政府によってさらに究明をしていくことを約束されましたので、その調査結果の報告をまって、さらに私どもは追及をしてまいりたいと思っておりますが、私は、今日また別の角度から、やはり具体的な証拠をもって、核兵器の
日本持ち込み問題を取り上げていきたいと思っております。
その前に、まず私は、やはり事前協議の問題についてお伺いをしていかなければならないのではないかと思いますので、事前協議の問題についてお伺いをいたします。
日米安保
条約は、
日本の施設、区域に入る米軍の軍艦及び艦船については
日本に報告する
義務がないと、外務省は常々答弁をいたしております。辛うじて、原子力推進の潜水艦は、二十四時間前に
アメリカから
日本の国に通告を受けるということになっておりますけれども、その他の艦船については、何ら通告を受けていないと思います。
そこで、日米安保
条約に基づく施設、区域に出入りする艦船については、外務省あるいは海上保安庁、運輸省の港湾を管理する主管庁として、もちろん運輸省の方は各都道府県等がその管理に当たっておりますけれども、その主管庁として、何らかの報告を受けているかどうか。または、米軍の艦船についてはチェックすることができないのでわからないのか、あるいは公表できないのか、どちらかと私思うのでありますけれども、その点について、それぞれの主管庁から御答弁を願いたいと思います。