○小沢貞孝君 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま
説明のありました
郵便法の一部
改正について、各党で
質問のなかった点について、
総理に二、三件、
郵政大臣に三、四件
質問をいたしたいと思います。
まず最初に、
総理に
質問をいたしたいが、お年玉
はがきを廃止したらどうだろうか、これが第一点であります。
虚礼を廃止せよということで、本院も長年申し合わせをしてまいりました。なかなか実行できないわけであります。
総理や副
総理が言われるように、これからは省資源
時代、夢よもう一度という
時代は去った、浪費は節約しなければならない
時代である、こういうように本院において再三言明されております。
そういう
時代を背景に、またこの
事業をやるためには、郵政省においては、アルバイトを雇ったり、大変な
人件費その他をかけているわけであります。
政府が宣伝をして、こういう浪費を勧める必要は毛頭ないではないか、こういうように
考えますので、まず、年賀
はがきを廃止せよ、こういうように
提案をいたしたいと思います。
総理の明確な御答弁をいただきたいと思います。(
拍手)
やはり同じような理由によって、これもほとんど大部分は虚礼になっておりますが、電報制度を廃止せよ、こう
考えます。
昭和四十九
年度の補正を含めて、電電公社の予算を拝見いたしました。
昭和四十九
年度の電電公社の
赤字は一千四百九十九億、こういう額になろうとしております。ところが、電報を扱っておるために
赤字になっている額が一千二十億であります。千四百億の中の一千二十億というものは、電報のための
赤字であります。
ところが、この電報は、だんだん電話の発達、有線放送電話の普及、こういうことによって、
利用価値がなくなってきておるわけであります。「チチシス」という、この緊急の電報はいまや約三%、こういうように、緊急度はそれほど落っこっておるわけであります。あとは「コンレイオメデトウ」、お葬式のときの弔電、こういうものが大部分であるわけです。
今度電電公社の
料金改定の中で、電報
料金も
改定したいというような
原案が出ました。これは撤回されて、来
年度以降になろうかと思いますが、その中において電報も二倍、三倍、四倍に上げたい、こういうことであります。電報の
収支率、
収入と支出の割合は、現状においては約七百倍、来
年度の予定においては八百倍、
昭和五十
年度においては、百円の
収入について一千百円、一一〇〇%という
収支率だというように言われておるわけであります。
しかもこれに従事する者が、電電公社及び郵政省の
職員合わせて二万九千何がし、約三万名の者がこれに従事しておるわけです。しかし、わずかに緊急性のある三%のためにどうしてもこの制度を残すというならば、私は夜間における
配達もやらなければならないと思いますが、電電公社の
原案によると、
合理化のために、夜間の
配達はやめます。夜間の
配達はやめるというようなことになれば、この必要性はないわけであります。
そして来年、再来年と、これはほとんど用がなくなる制度ではないか、こういうように
考えますので、一つは
赤字を解消するために、一つは虚礼を廃止するために、郵政、電電
事業の
合理化のために、そしてまた、こういうこともあるわけであります。自民党の中で選挙制度を
改正をしたい、こういうようなことがありました。新聞で拝見したところによると、「カイサンタノム」という電報はやめようじゃないか、こういうことが出ておりました。そういう電報も打つ必要がなくなるわけであります。
したがって、これは
総理、この機会に、無用の長物である電報制度を廃止すべきである、こういうように
考えます。明確な御答弁をいただきたいと思います。(
拍手)
さて、一月二十八日の本
会議におきまして、わが党の春日
委員長がこういう
提案をしたわけであります。三公社五現業等を初め、
政府関係の
公共企業体はなかなか生産性が上がらない、こういうようなことがあるので、たとえば公営
企業体
近代化審議会(仮称)、こういうようなものを
設置して、そこで広く高い立場から
経営の
合理化を提記して、そういう
経営の
合理化ができたようなものについて
値上げを認めていくような制度をつくらなければならない、こういう
提案をいたしたわけであります。
そのときの
総理の答弁は、こうでありました。いろいろの
審議会がありますから、お説はごもっともだが、そういうところで十分洗い直せられるではなかろうか、もしそれがだめなら、お説のような建設的な意見を採用していきましょう、簡単に言えば、そういう
総理の答弁のようでありました。
三公社五現業等をめぐって、
審議会がたくさんあるわけであります。いま田中議員の御指摘もありましたように、郵政には
郵政審議会、電電には
日本電信電話公社経営委員会、あるいは運輸
審議会、鉄道建設
審議会、林野
関係には林政
審議会、専売
関係には専売
事業審議会、こういうもろもろの
審議会があるわけであります。だがしかし、私は、極論を申し上げるならば、こういう各省別にあるような
審議会は、どうも各省の言うなりになっておるわけであって、大所高所から
経営の
近代化、
合理化を図っていく、こういう役目を果たしておらなかったのが実態ではなかろうか、こういうように
考えるわけであります。
具体的な例を二、三申し上げて、この例については
郵政大臣から御答弁をいただきながら、かくのごとく各省は
合理化をやっておらないということを、
総理、よく
考えていただいて、わが党の提起したこの
経営近代化審議会、ぜひ
設置をしていただきたいと思います。
まず第一に、一つ例を申し上げます。
昭和四十一年の九月二十六日に簡易生命保険
郵便年金
事業に関する行政監察結果に基づく勧告、いまから約十年前であります。ごく大ざっぱに読んでみます。戦後、インフレと資金運用の制約から不振を続け、すでに年金としての経済的価値を喪失した年金制度、こういうものについては、小額のものはみんな返してしまい、また、本制度の継続そのものについても抜本的に検討する要がある。
郵便年金制度という制度そのものについては、抜本的に検討をしなさい、こういう勧告が
昭和四十一年九月ですから、いまから約十年前であります。
私が調べたところによると、いまから四、五年前に、昔の年金、年金額一円三十銭、年にもらう額であります。一円三十銭みたいなものを整理しようとしたのだけれども、希望者がなくてまだ残っておるもの、年に一円三十銭をもらうものがまだ二万二千件残っているわけであります。この制度のために残っている量はどのくらいあるかというと、十八万一千二百三件この郵政省の年金に入っているわけであります。その年金が、自分で掛けて、年にもらう額の総平均が幾らかというと、二万四百十二円であります。無拠出老齢年金でさえも、来
年度は一万二千円。この間国会における答弁を聞いていると、来年からは二万円に、年額で言うなら二十四万であります。そういう
時代にまだ、自分が一生懸命で掛けて、年に二万四百十二円しかもらわないような年金制度が残っておる、こういうことであります。
役人というものは、決して自分のなわ張りを減らそうとはしないわけであります。十年前の行管の勧告をいまだに実施しないわけであります。だから、私たちは、大所高所から
経営の
近代化の
審議会をつくれ、こういうように提起しているわけであります。
郵政大臣に、この年金制度はいつからやめるか、明確な答弁をいただきたいと思います。(
拍手)
その中に、やはり勧告が出ましたが、過去の簡易生命保険を整理しなさい、こういうことが出されました。私は、文書
質問によって出しましたが、
昭和二十四年五月以前の簡易生命保険の平均が、月に掛ける額が四円七十銭。これを私は
委員会で、こういう不合理なことをなぜやっているか、こう言ったら、郵政省の役人は答弁いたしました。いまはそれをうんと
合理化いたしまして、年に一遍ずつ集金するようにいたしました、こう言っているわけであります。四円七十銭のものを十二カ分集金しても、それは五十円であります。郵政省の
職員は一分間二十円であります。一日じゃありません。一分間二十円の
職員が、月に四円七十銭の生命保険を集金をして歩いて、そして、死んだり、満期のときに幾ら返すかというと、たって九百八十円であります。いまじゃバス代にも、電車賃にもなりません。これを整理しろと言ったら、さすがに、これは来年から三年計画で整理をしましょうと、こういうわけでありますけれども、そのあとが問題であります。
昭和二十四年以降のものについても、一万円の保険、死んだり満期のときであります。一万円の保険、二万円のもの、三万円のもの、五万円以下のものが、郵政省の簡易保険局の中にまだ五百万件近くあるわけであります。死んだときに、満期のときに二万円、三万円の保険は、いまや何らの価値がないわけであります。だから、こういうものを整理しろと言ったところが、機械化がだんだん進んでまいりましたので、そのものについては整理いたしません、こういう答弁でありました。
総理、こういうように、行政管理庁の勧告に基づく結果さえ、なかなか官僚の抵抗にあって実施できないわけであります。
昭和二十五年以降の小額の簡易生命保険を整理する意思があるか、
郵政大臣に明確に御答弁をいただきたいと思います。その際に、十分過去における
物価の値上がり等を考慮して、目減り、一時的配当金、こういうものを十分つけて解約すべきは当然であります。それもあわせて御答弁いただきたいと思います。
次に、今度は為替貯金
事業に関する行政監察結果に基づく勧告、こういうのが
昭和四十二年九月、約八年前に出されました。
これも中身を申し上げると時間がありませんので申し上げませんが、貯金為替
事業については、戦時中にどこへ疎開した、ここへ疎開したということで、地方貯金局が全国に二十八あるわけであります。函館においてはたった二百人以下の地方貯金局もあって、東北には各県別にあるわけです。中国地方においても各県別にある。四国には一カ所しかない。こういうような状態で、函館の人員は二百名以下であります。東京においては三千名近いわけであります。こういうものを、だんだん事務機械化ができたから機械化によって、全国を二ブロックか三ブロックか数ブロックに分けて整理統合をして、人的な配置転換その他を十分合理的に
考えること、機械化によってメリットを出すこと、この勧告の
説明の中には、少なくとも四割は人員が節減できるであろう、こういうように勧告されておるわけでありますが、これについて、郵政省はいまだ何もしょうとはしていないわけであります。しょうとしていないどころか、この間甲府において機械化ができたので、二十一名、十六名、三十八名余剰人員ができました。こういうことになったならば、何をしようとしているかと言えば、東京の貯金局からわざわざ甲府に事務量を移して、そこの過員をそのままにしておこう。徳島の貯金局においては二十何名の過員ができました。そうしたら、大阪からわざわざ海を越えて、恩給
事業その他を徳島まで持っていってやらせて、そうして過員はそのままにしておこう、こういうことさえやっていますから、まさに行政管理庁の勧告とは逆であるわけであります。
いろいろ例を申し上げたい点がありますが、時間が参りましたので、
総理に最後に申し上げますが、こういうように、各省別に
審議会があったのでは、
合理化、
近代化というものは進んでいかない。これは国鉄においても専売においてもそうであります。(
拍手)
したがって、私は、大所高所から民間人を十分採用して、小坂徳三郎さんの本によれば、役人というものは、休まず、働かず、遅刻せず、こういう役人だ、こう言っているわけですから、それを大いに鞭撻して、生産性向上、
合理化、こういうことをやった後に
料金の
値上げというならば、われわれも納得するわけであります。そういう努力なしに
料金値上げについては、われわれは絶対反対であります。
最後に、
総理からその点を御答弁いただいて、私の
質問を終わります。(
拍手)