○横山
委員 本件は
結論として、私が取り上げた効果、つまり読売の記事に対して
政府側に答弁の場を与えよう、そしてその読者に判断を少なくとも与えようと思ったことが十分効果を示しません。それは、いまの仮釈放の問題やいろんなことは別として、要するにアリバイ問題なんであります。罪を着て無事の者が罰せられておるかどうかという重大な問題につきまして、十分な答弁がなかったことは大変残念でございます。しかし、私が取り上げたその気持ちを十分
関係者おくみ取り願って、善処を願いたいと存じます。
最後に、先ほど
稲葉委員が取り上げました金融の問題について、これは一切抜きにして
法務大臣の御意見を伺いたいと思うのです。
先ほど私も少し聞いておりましたが、要するに
稲葉委員と
政府側委員とのやり合いは、いまの
最高裁判決等をもってそのまま行えば貸金業者はみんなつぶれてしまうとか、実行不可能だとかいうような、ちょっと感覚が違うかもしれませんが、そんなような話であったように思います。私は確かにそうだと思う。しかし、いまここに全国で十二万三千七百くらいですか、業者がおるわけですね。十二万という貸金業者がおるということは、
国民金融公庫でも信用組合でも相互銀行でも片づかない、いいとか悪いとかいうことを別にして、そういう庶民金融というものが経済
社会にある一定の役割りをしておる。それはいい場合と悪い場合と両方あるのですよ。そしていまわれわれが目について仕方がないのはその悪い部面ですね。そのいいとか悪いとかを抜きにして、現在の経済
社会に一定の役割りを果たしておるそういう庶民金融なり手形割引業者なり貸金業者がおって、特に最近その悪い面が目についておるわけですね。警察が一生懸命に悪質暴力金融を追い回す。新聞がこの間うちも、毎日が「サラ金をつく」という、サラリーマン金融ですね、特集をやっておる。そういうような今日の経済
社会の中で、目について非常に
社会悪を造成しておるこの問題について政府は一体何をしておるのか。警察は、表へ出た、訴えが出た、それで初めて取り締まる。けれ
ども、高利を借りて、暴力金融やあるいは手形割引の悪質業者につかまったが最後、警察に持っていくことができないのですよ。おわかりだと思うのですが、警察に持っていくまでにもう勝負はついてしまうのですから。しかしながら警察は自分の部面を持って、表へ、氷山の一角で飛び出たものをやるということなんです。大蔵省どうかというと、大蔵省はいやがっている。こんなものは私のところのベースじゃない。地方自治体はどうか。地方自治体もそんなもの、ほとんど担当者がおりやしません。十二万数千の貸金業者がおって、そして一定の経済
社会で役割りをしておって、そのごく一部が大変悪いことをする。最近毎日毎日、新聞に出てくるようですね。そういうものについて、警察はそれだけの部面でやって、いま
行政指導が皆無であるということなんです。
だから、私の言わんとするところは、いま
法律があって、この庶民金融業協会を組織する貸金業の自主規制助長法というものが現にあるわけです。私もその
法律を立案をして、超党派でつくった一人なんですが、ただ名称使用だけであって、この貸金業という名称を使用しなさい、庶民金融業協会の看板だけは許す、ほかの人は使っていかぬぞということだけなんです。それでもやはり、悪いやつはその中に入れぬのですから、その看板のあるところならまだいいということなんですね。看板のないところへは行くなよという指導を、まあほんの一足だけ前へ進んでおるわけです。これは全般的な
行政指導として、一体大蔵省の所管なりや、
法務省の所管なりや、自治省の所管なりや、警察の所管なりや。いまどこも本気になってめんどうを見ておらぬのです。十二万数千ある貸金業者、それによって起こっておる一部の悪質な状況、それが表へ出たら警察が引っ張るけれ
ども、いい方に持っていく
行政指導はみんないやがって何にもやらぬのですよ。不景気になれば中小企業は倒産します。倒産のときには、不渡りあるいは高利金融、暴力金融、何かで必ず
一つ二つ関連をしておるのがわれわれの市井で知っておる状況なんです。ですから私の言いたいことは、少なくとも
法務省、大蔵省あるいは警察庁、そういうところで、一体この
行政指導はいかにあるべきかということを相談しなければいかぬのじゃないか。さっき
稲葉委員とあなた方との質疑応答を聞いておって、ちっとも答えが出なかったという私は感じなんです。政治として一体これをどうするかということについて答えが出なかった。その答えを政治的に
行政の面で出してもらわなければいかぬのじゃないかというのが私の意見なんであります。
ある人にそう言ったら、そんなものはなくなればいい、
国民金融公庫と信用組合と相互銀行を育成指導して、そういうものは自然になくなっていけばいい、こういう意見を言う人がありました。私は、経済の実態を知らざるもはなはだしい、いまのこの状況で何で十二万五千もそういう業者があるかということを、その経済の実態というものを知らずしてそんな議論は全く非現実的な政治論だ、経済論だと思うのです。そのいまあるもの、そしてそれをうまく
行政的に指導するということと全く違うんだと思うのです。これはちょっと抽象的ですけれ
ども、私の言わんとすることは
大臣おわかりでございましょう。これは、
法務大臣にこの
行政指導をしてくれと言ったってそれは無理なんで、
法務大臣の方は、悪い業者は徹底的に処分するという面を担当してもらいます。もらいますけれ
ども、それだけでは済まぬということなんですね。それが表に出てくるなんということはそんなにありはしませんよ。裏にある問題、そういう十二万五千の中で悪いやつは徹底的に処分をして、いいやつとは言いませんが、少なくとも、
国民金融公庫よりは金利が高いかもしれぬ、信用組合よりは金利が高いかもしれぬ、それはコストが高ければある
程度やむを得ぬですよ、けれ
ども、少しは高いけれ
どもそれが経済
社会の中で
一つの実際の動きをしておる、そういう層と、悪い、暴力金融や悪質金融とを区分をする、いまのこの貸金業の自主規制助長の
法律の運用をもっと強めてやっていく必要があるのではないか。それを閣僚として、あなたは自分のところは刑事局や警察を督励するばかりが能じゃない、それは自分は担当するけれ
ども、それだけではこれは解決しませんよということを
——この「サラ金をつく」これを読むと、ほんとにサラリーマンの中でどのくらいサラ金が浸透しておるか知れませんよ、あるいは中小企業の不渡り倒産の中でどのくらいこの金が動いているか知れませんよ。そういう面を閣僚として骨を折ってもらいたいと思うのですが、どうですか。