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田中説明員 海難
事故の場合の保険の種類でございますけれども、これはおっしゃいましたように、船体初めいろいろ種類がございます。船体保険につきましては、
船舶所有者が掛けるもの、これが最も一般的なものでございますが、そのほか特別なものとしましては造船所が掛けるもの、その他もあるわけでございます。それから積み荷につきましては貨物保険というのがございまして、これは荷主が自分の
損害を担保するために掛けるもの、それから運送業者が
賠償責任を担保するために掛けるものがあるわけでございます。そのほか利益、費用の保険といたしまして、これも
船舶に
関係するわけでございますが、たとえば、
船舶事故がありますとその期間中、船がかせげないということで
船舶不稼動損失保険というものがございますし、また、
船舶を利用した者が掛ける保険といたしまして希望利益保険、これは商社であるとか仲介業者あるいは
船舶傭船者などが
船舶自体の輸出入売買を行う場合、
事故が起きてしまったら希望利益が損するということでそれに関する保険。それから
事故の場合の回航費の保険というようなものもございます。それから
船舶乗組員につきましては労働災害使用者
賠償責任保険というものがございますし、または
船舶乗組員
団体傷害保険というものもあるわけでございます。先ほど御指摘のございました関釜フェリーなどで船客傷害
賠償責任保険というものがございまして、それにつきましては、船客の身体傷害につきまして旅客船事業者の負担する
賠償責任を担保するわけでございます。
実際の保険のつけ方といたしましては、大きな
船舶といたしましてはほとんど全部船体保険がついておりますので、海難
事故の場合は保険によってほとんどてん補されることになるかと思います。そのほか、先ほど先生が例に挙げられました船客の場合につきましても、これは業として運送する者は、
日本旅客船協会というところがありまして、そこが
団体契約という形で船客傷害
賠償責任保険に入っておりますので、船客に対する
賠償責任もその保険でカバーし得る、このような体制になっております。