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横山委員 そこで私は、今後いかにあるべきかということなんであります。
法務大臣のおっしゃるように、
留置場を
代用監獄といったところで、そんなにどえらい悪いものばかりではありません。まあ割合に設備の整ったものもあるんですね。そういう設備の整ったものを暫定的に拘置支所にする。明白に
法務大臣の
所管下に移す。そして身柄をそこへ収容し、次第に別に建物をつくっていく。順次そうして
代用監獄をなくしていく。
代用監獄がいつまでもあるのが不思議なんで、拘置支所をつくっていってそこに収容して、新しい時代における
被疑者の人権問題について適正な措置をとるということが私は適当だと思うのです。
きょういきなりこの
代用監獄の問題について、基本的に私は
法務省の姿勢を正したいと思っているんですが、ああそうですかと一言でおっしゃるような
立場でもないでしょうから、また改めて機会を別にいたしますけれ
ども、基本的には、今日の
代用監獄のあり方について、いままであなた方が、おれらの知ったことじゃない、あれは
警察の問題だというようなことであると、そういうことがいけないと私は言っているのです。いけなければいけないで、どうするべきであるかということを法制的、
法律的に考えるべきであって、
警察官の中にいいやつと悪いやつがおるという問題ではないということが私の
意見であります。
そこで今度は
監獄法ですが、
監獄法の
改正が叫ばれてから幾久しいものがあります。まことに、私ももう長年法務
委員をやっておるわけでありますけれ
ども、
監獄法についてはずいぶん論議が行われてまいりました。
昭和二十四年、殖田国務大臣「お話の通りでありまして、
監獄法が旧態依然として残っておりますことは遺憾でありまして、これを
改正する考えは以前からあったのでありますが、なかなかむずかしいとみえまして、一向成案が得られないで今日に至っておりますので、急速に
改正をいたしたいと考えて、研究中であります。
改正をいたします際に、この名前も改めるようになるであろうと思っております。」
昭和四十五年五月六日、内閣
委員会、小林国務大臣「私は、実はうかつにして、就任後しばらくたってから
監獄法というものがあることを知って、まことに驚嘆をいたしました。」驚くやつがどうかと思いますけれ
どもね。「いま
監獄というものはありません。全部
刑務所になっておる。
組織規程なり設置法ではみんなそうなっておるのに、まだ
監獄法が直らない。これは、
法務省の非常な醜態、怠慢だと思うのです。」就任早々だといろいろなことが言えるんですね。「したがって、かようなものが、憲法制定後、明治四十一年のものがいまだにそのままあって、そうして、刑務行政というものが、めちゃくちゃとは申しませんが、みんな矯正
局長の通牒などでもってこう薬ばりをしてどうやら過ごしておる。したがって、今回のような
事件が起きるのも、やはりこういうところにも遠因がある、私はこういうふうに思っておる。まことにこれは心外なことでありますから、とにかく
監獄法というとんでもない
法律があるということで私は直ちに事務当局に
命令をいたしまして、次の
国会には必ず
提出をいたすように、こういうことで、いま準備を進めております。」
これは
昭和四十五年、ことしは
昭和五十年ですね。大臣もいまこれからごあいさつをされると思うんですが、まさかこんなごあいさつはなさるまいと思うんです。「
監獄法というものがあることを知ってまことに驚嘆をいたした」こんなことを言うのは長年国
会議員をやっておってどうかと思うんですが、小林国務大臣が「直ちに事務当局に
命令をいたしまして、次の
国会には必ず
提出をいたすように」という約束をされたのでありますが、
監獄法の
改正についていまどういう作業が行なわれておるか、ひとつまず事務当局から御
説明をお願いします。