○安
嶋説明員 生徒の発達
段階に応じたという言葉の
意味でございますが、
教育心理学その他の学説によりますと、三つの
段階に分けて考えることができるわけであります。
第一に知的発達につきましては、思考あるいは言語能力、知覚等につきまして、十五歳から十八歳の間はほぼ成人並みの理論的な構成ができ得る
段階に達するというふうにいわれております。
次に情緒的な反応、興味、道徳性、社会性あるいは自己についての
考え方、そういったものをひっくるめて情緒社会性と学問的に言っておるようでありますが、そういった面につきましてはほぼ成年期の反応に達しまして、道徳的にも自律的な判断が可能になるような
段階であるといわれております。
それから身体運動機能の面につきましても、ほぼ成人に近い
段階に達するということでございまして、十五歳ないし十八歳の心身発達の
段階といたしましてはそうした
段階にあるわけでございまして、それに対応した
教育を行うことが高等
学校教育の目的である、こういうふうに考えておるわけでございます。
次に、専門
教育という内容でございますが、量的に申しますと御承知のとおり農、工、商、水産、家庭等のいわゆる職業
教育が中心でございますが、このほかに英語科でございますとか理数科、体育科、芸術科、そういった科もこの専門
教育の中に含めて考えておるわけでございます。
現実にそういう課程も、非常に多いというわけではございませんが、
設置されておるような
状況であります。
それで、
高校三年でこうした面の
教育について十分なことができるかということになりますと、これは判断の問題でもございますが、私
どもといたしましては、基礎的な専門知識あるいは技能はある
程度この
段階において
教育することができるというふうに考えておるわけでございます。こうした
教育は御承知のとおりきわめて重要な
教育でございまして、したがいましてやはりそういう
教育は正規の
学校教育制度の中において用意をするということが適当であろうと思います。しかし、かと申しまして、その正規の
学校教育制度の外にありますこうした
教育を軽視するということではもちろんないわけでございまして、職業訓練施設でございますとかあるいは各種
学校、先般の法改正によりまして専修
学校制度というものが設けられたわけでございますが、そうした
高等学校以外の
教育施設における専門的な
教育につきましても技能連携というような形で位置づけが与えられておるわけでございます。そういうものを認めないということではないわけでございます。そうした技能連携等についての
制度の拡充につきましては、今後ともさらに検討してまいりたいというふうに考えております。