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加藤(清政)
委員 この統計審議会は行政
管理庁の所管事項であるという御答弁がいまありましたが、統計
局長がいらしておりますから、何といっても統計審議会の中に消費者代表が入らないというのは実際おかしい形でありますので、ひとつ何としても消費者代表を入れるように、それで初めて消費者
物価指数の基準時点を変更するための審議会になると思うわけですから、その点は十分御
相談していただいて、後刻行政
管理庁の方にも
お話ししていただいて、文書で結構ですから御答弁をお願いしたい、そのようにお願いします。
それからもう
一つは、
日本学術
会議の方で改定年次に当たっての
意見が出されておったわけでありますけれ
ども、この
意見を尊重したのかしないのかということで御質問いたしましたが、その御答弁がなかったので、答弁はなくても結構ですが、しかし、学術
会議が改定年次に当たってのこういう貴重なる
意見を出しておった場合には、当然その
意見を十分尊重すべきであると
考えられるわけでありますので、ひとつそのことについても、後で文書で御回答願いたいと思います。
それから、消費者
物価指数の全資料が大体出ておるということでありますけれ
ども、統計法による秘密の
保護というたてまえもありましょうが、しかし、社会通念上から言って、このくらいのことは
国民の納得と理解と協力を得るために出すべきである。こういうものはやはり進んで出すようにしていただきたい。そういう慣行を開いていくことによって、統計行政は
国民から信頼されると思うわけでありますから、そういう点はひとつお
考え願いたいと思います。
次に、異常に上がっております豚肉について御質問したいと思います。もう一時間ぐらい時間があればゆっくりできるのですが、もうすでにあと十分しかございませんので、一括してやります。
豚肉は、畜産物の価格安定等に関する法律によって指定食肉に指定されているわけですね。この法律は、豚肉については価格変動の幅をできるだけ縮小して、異常変動を防止することによって、養豚経営者や消費者に与える悪影響を緩和する方向に持っていくのが目的であると
承知しております。そのために、畜産振興事業団の市場介入による豚肉供給量の調節という手段がとられております。その需給操作の目標として安定基準価格及び安定上位価格という安定価格帯を定めて、卸売価格がこの範囲内に落ちつくように、畜産振興事業団による買い入れ及び売り渡しが行われるようになっております。本年度は安定基準価格が五百五十六円、安定上位価格が六百八十円と決められております。
卸売価格が安定基準価格以下に下がった場合には、畜産振興事業団が無制限に買い入れをするために、卸売価格は安定基準価格以下になることはなく、養豚経営者は所得を保障されておるわけです。一方、卸売価格が安定上位価格を超えた場合には、たまたま畜産振興事業団が備蓄したものがあれば放出することになっておりまして、卸売相場を冷却するということになっておりますが、ここ数年のように備蓄されていなければ、卸売価格が安定上位価格を突破しても、畜産振興事業団は市場に介入することはできず、ただただ傍観しておるということになるわけであります。
このように、この法律自体は生産者
保護のためにあるものであって、少しも消費者の
保護を
考えていないわけであります。卸売価格が安くなった場合には、事業団の買い上げによって安定基準価格以下には下がりませんが、その逆に高くなった場合には、どこまでも高くなり、どちらにしても消費者は常に
被害を受けることになるわけでありますので、価格安定、消費者の
保護という観点からどのように対応していくかということを、まず第一点にお尋ねしたいと思います。
続いて第二点として、現在も、豚肉の卸売価格は非常に高くなっております。本年四月一日に新しい安定価格帯が決まって、安定基準価格が五百五十六円、安定上位価格が六百八十円と告示されましたが、東京都の中央卸売市場の食肉市場の卸売価格は、四月一日が六百七十四円、四月二日が六百八十九円で、安定上位価格をすでに一日で上回っておるという現状であります。
農林省統計情報部が五月三十日に
公表した食肉流通統計によりますと、四月の平均価格は六百七十七円でありまして、何とか安定価格帯内には入っておりましたが、安定上位価格との差はたった三円であります。昨年四月の平均は五百四十円ですから、対前年同月比では百三十七円も高くなっております。つまり、一年間で二五%もの値上がりをしておるわけであります。
東京市場での卸売価格は、五月には連日のように安定価格帯を上回っておりまして、特に五月二十四日以降は急騰して、七百円台の高水準で推移していました。六月に入ってからはいよいよ拍車がかかって、前半は七百五十円前後でありましたが、後半に入ってからはますます暴騰して、六月十六日には七百五十七円、十七日には七百九十九円、十八日には七百八十円、十九日には七百九十七円、二十日には七百九十二円、二十一日には七百九十八円と、連日のように高値を続けて、六月二十三日には八百十二円と、同市場でも例を見ない八百円台の高値になって、都民をあっと言わせたという
状態であります。つまり、豚肉の卸売価格は安定価格帯の上限を百十九円も上回っているわけでありまして、この卸売価格の高騰は、東京だけでなく、大阪など各地の市場でも同様の傾向を示しております。
これだけ豚肉の卸売価格が安定上位価格を大幅に上回っているにもかかわらず、備蓄したものがないために畜産振興事業団からの放出もなく、卸売価格は天井知らずに高騰しております。この卸売価格の高騰は、当然小売価格にも影響が出てまいりました。つまり、消費者は非常に高い豚肉を毎日買わされているということであります。
現在のように
物価が重要視されているときに、このような
状態に対して、
政府、農林省は、六月十九日の関税の減免
措置の発令まで何ら手を打たなかったが、一体どういうことで手をこまねいておったのか、その理由と対応策についてお尋ねしたいと思います。
続いて、
政府は六月十九日に、六月十九日から八月三十一日までの通関分の輸入豚肉については関税の減免
措置を発令いたしましたが、現在は海外の相場が高く、輸出国であるカナダとかアメリカなどの輸出余力も乏しくて、輸入はほとんどされないということを聞いておりますが、農林省はこれによって豚肉はどのくらい輸入されると
考えておりますか、第三点としてお伺いします。
また、本年の三月に実施した関税の減免
措置では、卸売価格に何の影響もありませんが、今回の減免
措置で卸売価格は下がると思っておりますか、その見通しについて、第四点としてお尋ねしたいと思います。
六月以降の全国の肉豚の出荷頭数も、農林省畜産局の五月三十一日の発表によりますと、前年に比較して減る見込みでありますが、豚はこれから需要期に入りますので、今後も卸売価格は高値で推移し、それに伴って小売価格も上昇することでありましょう。これは小売価格だけにとどまらず、豚肉を原料とするハム、ソーセージにまでその影響を及ぼすと思いますが、第五点としてその点をお尋ねしたいと思います。
最後に、いまの農林省の行政はすべて生産者優先で、消費者のことは
考えていないように、いままでずっと質問したなかで思われるわけでありますが、豚肉にしても、また牛肉にしても、卸売価格が高騰すれば、それに伴って小売価格も上昇する。小売価格が高くなれば、消費者はそれを買わなくなる。消費者が敬遠すれば、需要は停滞して卸売価格は下がるというパターンの繰り返しが続いていますが、これでは常に消費者だけが
被害をこうむり、消費者だけが不安を醸し出すということになるわけでありまして、農林省は消費者
物価についてどのような
対策を
考えておられるか。特に本年四月の対前月比の
物価上昇率が二・五という異常ぶりを示したわけですが、その主な原因は、季節的な野菜の問題、果物の問題、あるいは畜産の問題、これが
物価を非常に押し上げておるという状況にかんがみて、これらに対しての対応策について、第六点としてお尋ねしたいと思います。