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金子参考人 日本再生資源事業協同組合連合会の
会長でございます
金子でございます。
日本再生資源事業協同組合連合会というのはどういう
組織であるかというふうなことから御
説明を申し上げたいと思います。
一般に
関東地区におきましては
立て場というのがございます。これも
関西では
ヨセヤと言っているのですけれども、
再生資源、要するに廃品の中から再
利用できる
資源というものを
回収する
業者で
組織をされておりまして、北は
北海道から
九州まで、十
ブロックに
ブロック制度を設けまして、
連合会の運営を図っておるものでございます。
この
会員につきましては、現在のところは五千二百名というところがわれわれの正式の
会員でございます。ただ、このほかに、
正式会員以外の未
組織の
業者が約同数以上あるだろうという推定をされておるわけでございます。
われわれの業態というものはどういうものかと申しますと、いま話題に出ておりますところの
故紙、
新聞紙あるいは段ボールあるいは雑誌、こういう
故紙を集めるのと同時に、
鉄くず、ガラス、びん、あるいは非鉄金属、こういう雑多なものを取り扱っておりまして、主として
家庭から発生するところの
再生利用できるものを集めておるのがわれわれの
業界でございます。
内容を申し上げますと、五千二百店舗、あるいはまた未
組織のそれ以上の、約一万から一万二、三千おるこの店舗の中で、通常四、五名の
買い出し人というのがございます。あるいはまた、一ころ大分話題になりましたちり紙交換というふうなものを全部網羅いたしておるわけでございまして、大体これの数は、五名から、あるいは多いところで十数名というようなところもございます。都市におきましては、扱い数量では
故紙関係が大体七〇%、それから鉄スクラップ関係が大体二〇%、その他がぴんとか、あるいはぼろとか、あるいはガラスの割れたものとかというふうなもので約一〇%、こういう営業形態でございますが、都市を離れて地方に行きますと、これが若干比重が変わってまいりまして、鉄スクラップ関係の方が多いというふうなところもございます。
その扱っておる数量でございますけれども、
家庭から排出されるものは大体一〇〇%われわれの
回収機構の中で
回収をしております。その扱ったものが、
故紙の場合で言うならば全原連の方々の名前を通して
メーカーさんに入る、あるいは鉄のスクラップの場合もやはり同じことで、
問屋さんを通して
メーカーさんに納めておるというのがわれわれの業態でございます。
そこで、私どもがいま最も問題としておることは、ただいま申し上げましたようにちり紙交換、あるいはまた
買い出し人、こういう制度で各
家庭を回り、あるいはまた小さい各工場を回って集めてくるわけでございますけれども、本当の
労働集約型の
企業でございます。しかも
企業そのものが非常に零細でございます。一つのお店では大体主入が一生懸命働き、あるいはまた奥さんも手伝う、そういう中で、十数名いまいる
買い出し人であっても、一日に持ってくる量というものは微々たる数量が集まっておるというふうな形で、非常に雰細
企業でございます。
いま私どもが
業界として
問題点として取り上げておりますのは、こういう零細
企業であるがために現代の
企業としての適格性に非常に欠けておるというふうなことは、これはもうみずから認めざるを得ない
状況でございます。しかし、なぜこういう零細
企業で一歩前に進めないかというふうな問題を究明してまいりますと、これはただわれわれが零細である、小さいということばかりではなく、その大半の責任といいますか、原因と申すものは、経済的側面から見たところの
流通過程のあり方に問題がある。
その顕著な例は、昨年まで続いておりました、扱い品目の中でも大きなウエートを占める
鉄くずでございますが、
鉄くずの
合理化カルテルというふうなものが十九年続いておりました。
価格面では不当に抑圧をされ、一般物価の騰勢にもかかわらず、
昭和三十八年から四十八年までの
平均価格が一万六千七百円。
集荷するコスト、運搬賃、こういったものから考えても、実情を無視したような低
価格に抑えられておったというところにも問題があるわけでございます。
また、
故紙の問題につきましては、単価の不安定というふうな問題が絶えずあるわけでございます。これはもちろん需給のバランスの中でこういう
価格の安定ということが望めないという問題もあろうとは思いますけれども、その
価格の不安定以上に、ある時期には買いどめ、ある時期には出荷の制限、あるときにはもう、ごみとして燃した方がいいのじゃないか、破棄した方がいいのじゃないかというふうな
状態まで追い込まれてきた、そういう繰り返しを続けておったがために、大きな
設備の
投資とかあるいは拡充というふうなことがわれわれ
業界にはなかなかできなかったというところにも、非常に大きな問題があるわけでございます。
今日ただいまでも、いま皆さんからるる御
説明をいただきましたように、私ども
業界としていま
故紙を
問屋さんに買っていただいておる単価は、都市周辺で
新聞それから段ボールは大体七円でございます。雑誌類に至っては二円から三円、一トンで二千円から三千円ということでございます。いま各地方都市のゴミの清掃費というものが、大体一万円から一万一千円と言われております。その中で、われわれの扱っておる
故紙に至っては、ある地方によっては六千円であり、東京あるいはこういった都会地でも七千円、雑誌類に至っては二千円とか三千円。したがいまして、これを買う値段になりますと今度は五千円、あるいは雑誌では、ただもらって、そこへ置いておきなさいと言わざるを得ないというのがいまの
状況でございます。こういうところまで追い込まれてみますと、
業界として零細
企業を大きく伸展させようということが非常に困難になる。
しかもまた、昨年の五月、いまごろの時点では、
新聞紙あるいは段ボール等が五十五円から六十円近くまでなったわけでございます。こういう事態にわれわれとしましては、山高ければ谷深し、これではいけない、いまの
日本の
再生資源業界というものはこれではいけないという考えの中でおったときに、たまたま通産省から指導
価格が出てまいりました。十五円下げて、四十五円が通産省の指導
価格であるがために、この四十五円まで下げなさい、こういうふうなことで、率先をして賛成してこれは実行してまいったわけでございますけれども、その反面、この高騰の時点で通産省の指導
価格が出てまいりましたけれども、今日現在、ごみの半分値段だというふうな時点のときになって、ではこの最低の保証
価格というものがしてもらえたかというと、これは一切なっていない。したがいまして、こういうところにも、要望としてまた後で
お願いをいたしますけれども、われわれの
業界としては零細
企業という域をなかなか出られない。
そこで、私ども
日本再生資源事業協同
組合の下部の養成あるいは指導、こういった問題につきましては、あくまでも
業界自身で守ろうではないかというふうな考えの中に、四、五年前から集団
回収方式というものを大きく取り上げてまいっております。この集団
回収という方法は、いまの
国内の地方自治体で清掃をしておるごみの中には、もちろん、
故紙を初め
鉄くず、あるいはびん、こういったものも含まれますが、三〇%以上のものが再
利用できる
原料として入っておるわけでございます。こういったものをあくまでも集団で、何人かの共同の中で、市あるいは地方自治体、こういったものと結びつきながら、また町内会の方々とお話を進めながら、まとまったものを定期的に
回収していこう、それを
原料として活用してまいろうというふうな考えの中で、この集団
回収方式というものを目下進めております。
これは、もちろん地方の清掃行政というものへの
協力もあります。あるいはまた、環境保全という問題も当然考えております。また、もっと大きな問題では、これほど
資源が不足しておるわれわれ
業界の中にあって、
資源のリサイクルというふうな問題を真剣に検討した中で、この集団
回収方法というものを進めてまいっております。近くの例で申しますと、東京二十三区の中で十八区がこれに賛成をいたしまして、十八区の中でこの集団
回収を進めております。あるいはまた、近いところでは、横浜市におきましては、約二千二百の町内会の中で、今日現在千八百町内会を神奈川県の
資源回収業者が手がけてこれを実施しております。
もちろん、この集団
回収方式というのは、従来個々の零細
企業で一人一人でやっておったというものを抜本的に改めるべく、協業
組合という形に持っていく第一歩であろうという形の中で、あるいはまた、その前提としての共同販売というふうなものを計画いたしながら、この集団
回収の問題に取っ組んでおるわけでございます。私どもの
日本再生資源事業協同
組合といたしましては、このような考えの中でいろいろな事業を進め、あるいはまた、それが
合理化につながっていくべく目下
努力をしておるわけでございます。
そこで、
最後に要望と申しますか、
お願いを申し上げたいことがございます。
ぜひとも行政当局に
お願いいたしたいのは、日ごろわれわれは、
故紙は
資源なのかごみなのかということでいつも迷っておるということがございます。先ほども申し上げましたように、足りないときには、国の宝だから
故紙を集めなさい、あるいはまた、
故紙一トンは立木二十本に相当するので、国策上集めろ集めろと言ってやるわけでございますけれども、一たん今日みたいなこういう情勢になると、燃した方がいい、ごみとして捨てた方がいいのではないかというようなところで、絶えずこの問題については私ども自身が迷っておるというふうなことでございます。したがいまして、昨年のような五十五円とか六十円とか、こういう大きな単価のスライドなどというのは当然望んでおりません。少なくとも先ほども全原連から申されましたような二十五円あるいは三十円、最低三十円くらいなところの
価格の保証と申しますか、そういった面に対する御尽力、御指導をひとつぜひとも
お願い申し上げたいと思います。
それから第二番目には、この集団
回収に対して、ぜひともひとつ特別なる助成を
お願い申し上げたい。もちろん、この集団
回収につきましては、先ほどもるる申し上げましたように、これは地方の公共団体あるいは地方の自治体、こういったものと結びつきながら、公共性のある社会的な仕事に真剣に取っ組んでおります。それからまた、今後におきましても、これは
全国的に普及をして進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、どうかこの集団
回収方式につきましても何らかの助成の措置をぜひとも
お願い申し上げたい。
第三番目には、こういう集団
回収方式あるいはまた協業化、共同販売、こういったものを進める上で、近く正式に文書をもって
お願いに上がる手はずになってございますけれども、近促法の適用をどうしても受けさせていただきたい。これによりまして金融面における御
援助方を
お願い申し上げたいということでございます。
それから四番目には、事業税の撤廃をぜひひとつ
お願い申し上げたい。これほど
資源が枯渇しておる、あるいは大事な国の宝だというふうな形の中で、ただいまも申し上げますように、公共性ある、社会性あるこういった仕事に真剣に取っ組んでおるわけでございますけれども、私どものこの集団
回収という問題につきましては、ぜひともひとつ公共性というものを前面に押し出しまして、何とかこの事業税の撤廃までいかなくとも、少なくとも減免はひとつ
お願いを申し上げたいという考えでございます。どうかよろしくひとつこの点
お願いを申し上げたいと思います。
それから、
最後のことでございますけれども、これは先ほどから申し上げますとおり、私どもの
業界といたしましては、たとえ六円に下げられても七円に下げられても、これが自分たちに与えられた天職であろうと思って
努力をしておるわけでございます。あるいはまた、これが大きく国家の経済政策にマッチするというような考えの中で事業を進めておるわけでございますけれども、何といたしましても一番大きな問題は土地の問題でございます。集団
回収を進め、あるいはまた、現在のような都市
状況の中にありまして、自分たちが自主
備蓄ということで盛んにやっておりますけれども、なかなか
ネックになっておるのは土地の問題でございます。どうか公有地、あるいは国有地、あるいは市有地、県有地、こういったところをぜひともひとつ便宜をいただきまして、この国家的な
資源回収という事業が何とかスムーズにいくよう、ひとつ格別なお取り計らいあるいはまた御
援助方を
お願い申し上げたいと思います。
以上で私の
お願いを終わります。