○安田
政府委員 一昨年の石油ショックと申しましょうか、そういう時期を契機にして大変
物価が上昇いたしまして、
国民生活にも強い圧迫を与えたわけでありますが、そういう情勢では相ならぬということで、
政府が最大の努力を払っておりますことは御承知のとおりでございます。その結果
国民の皆さん方の大変な御協力もあり、
政府の施策の浸透も相まちまして、実は今年の三月末におきまする
物価の上昇率は、対前年の同月と比較いたしますると大体一五%以内にとどまるだろう、こういうところまでこぎつけてまいったわけであります。
しかし、御
指摘のありましたように、前年に対して一五%という
物価の上昇は、これは決して
国民生活上望ましいという
物価の
状況ではないわけでありまして、さらにこれを引き下げなければならぬということで、われわれは引き続き努力を払うことにいたしておりまして、
経済企画庁長官といたしましても、国会等で答弁いたしておりますように、来年の三月時期と本年と比較いたしますると、一けた以内に
物価上昇率を引き下げていくことに最大の努力を集中していこう、こういう政策目標と申しましょうか、
物価目標というものを設定いたしまして、いま引き続き鋭意努力を払う、そういう方針を堅持いたしておるところでございます。
したがいまして、いまいろいろと御
指摘がございましたように、一五%というこの三月期におきまする、対前年度同時期におきまする
物価上昇率で満足をいたしているわけではないのであります。ただ、いろいろな要因がございまするので、にわかにこれをそう急速に引き下げることも困難な情勢もございますので、まず一五%という目標を設定いたしました。これに成功いたしました上は、さらに一けた以内にしよう、また引き続いてさらにそれを引き下げるような努力を払ってまいりまして、要すれば、
物価の安定、
国民生活の安定の時期がなるべく早く到来することができるようにいたしていこうという
考え方でございます。
しかし、反面におきましては、またいろいろな
物価を引き上げる要因というものも伏在いたしておるわけでありまして、こういうものについては政策面からも指導面からもいろいろ処置をとっておるわけでありますが、そういう情勢の中で、片方では大変産業界の不況という問題がございますので、これも福田
経済企画庁長官がしばしば申し上げておりますように、きめの細かい、しかも時宜に適した適切な処置を講ずることによって、不況面に対する対応も考えていかなければならぬ、こういうことで、二面作戦と申しましょうか、
実態に適応する政策の実施を図りながら、
物価の引き下げを今後とも推進していこうというのが私
どもの
考え方でございまするので、そういう点で御理解をいただきたいと存ずる次第でございます。