○中村(茂)委員 いまも説明がありましたように、大体
物価に対する
目標というのは、年間を通じての
目標にしてきたわけであります。そして、三月というふうにとらえたその
考え方をいま話があったわけでありますけれども、ずっと
物価の
動向を見てみますと、四十九年度はまだ途中でありますから終わらないわけでありますけれども、暦年にして四十九年をずっと見てみますと、四十八年の十二月までは大体一〇%台です。十二月が一九・一%です。それから四十九年の一月に入って二三・一%で、二〇%台に上がったわけであります、四十八年は二〇%という月は一回もありません。そして、四十九年の一月にいま申し上げたように二〇%台になって、四十九年の十二月、二一・九%ということで、毎月二〇%以上になっているわけであります。一月は東京都しか出ておりませんけれども、前年同月比で二八・八%です。
そうなってきますと、三月のときに前年度比一五%一五%というふうにいっても、四十九年度全体の
物価の
上昇率というものを平均してみると、おそらく二〇%の上になるはずであります。もうすでにいま申しましたように、暦年で四十九年度を見ると、一〇%台に下がった月は一回もないわけでありますから。全部二〇%台が続いているわけであります。だということになれば、私は、やはり
物価を本当に安定させ、
目標を設定するとすれば、年間を通じて四十九年度は何%に持っていきたいんだ、設定したのは途中でありますけれども、そういう設定の仕方でなければ、ちょっと極端に言うと、一五%という三月のきめ方は、
国民に対しては
物価に対してのごまかしになるのではないか。一五%と言いますけれども、十二月までの経過を見ると、おそらく四十九年度を通じても私は二〇%以上になるのではないか、こういうふうに推測いたします。
そこで、私はそのことをお聞きしたわけでありますけれども、いずれにしても、
物価の四十九年度を通じての
上昇というものは、三月を一五%というふうに言っても、いまだかつてない
物価の
上昇率を示すことになるわけであります。四十八年度は上がった上がったというふうに言うけれども、一月から二〇%になったわけでありますから、四十八年度は四十九年の三月の締め切りで一六・一%です。ところが、四十九年になってずっと上がってきているわけでありますから、非常に三月というきめ方についてごまかしがある。そのことを一点
指摘をしておきたいというふうに思います。
それに関連して、次の
目標ということで、「
昭和五十年度末の
消費者物価上昇率を前年度末に比し、一桁に止めたい」これはこれからの
目標として一年間を平均して言っているようにもとれるしそれから五十年度三月の前年比ともとれますけれども、この長官のあいさつの中で言っている「
昭和五十年度末の
消費者物価上昇率を前年度末に比し、一桁に止める」ということは、年間を通じてのことか、四十九年度のことしの三月の言い方と同じ
目標なのか、その点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
続いて、「
昭和五十一年度中のできるだけ早い時期に、少なくとも定期預金金利の
水準程度の
上昇率に安定させたいと考えております。」これは五十一年度のできるだけ早い機会に、こういうふうに言っているわけでありますが、「定期預金金利の
水準程度の」この定期預金ということと、
水準程度ということについて、非常に言い方が不明確でありますけれども、不明確は不明確として、この点について私が
指摘しておきたいと思いますのは、よく言われますように、これからの
経済は安定
経済に移行する、こういうふうに言われております。そうしなければならないというふうに言われております。そういう
経済が安定成長にいく中における
物価というものは何%ぐらいが一番安定かということであります。私は、定期預金の金利というものが、これからの安定成長の中で、
物価安定の
上昇率だとは思いません。非常に高い
物価の
上昇率になります。
それは、いままでの経過を見てまいりますと、ことしはまだ三月までいきませんから、話の都合というか、持っていき方で暦年で若干申し上げてみたいと思いますが、四十年暦年で六・六%、四十一年五二%、四十二年四%、四十三年五・三%四十四年五・二%、四十五年七・七%、四十六年六・一%、四十七年四・五%、四十八年一一・七%、四十九年二四・五%。四十年から四十四、五年にかけてのこの
上昇率というのは、私は普通預金の金利以下におさめてあるというふうに思うのです、そして、この時期は高度成長に上ってくる時期であります。そういう時期に普通預金金利以下に抑えることができて、しかもここで言っておりますように、五十一年度できるだけ早い機会に定期預金金利ということで
経済成長を安定成長の方向に持っていくという、こういう指向は、やはり
物価を考えてみれば、そういう
経済全体の中から
上昇率は非常に高いものになってくる、こういうふうに分析せざるを得ません。
そこで、できるだけ早い時期ですから、
経済の安定というか、そういう方向と、
物価の関係というものについて、どういうふうにおさめていくのが
物価の安定ということになるのか、ひとつ明らかにしていただきたいというふうに思うわけです。