○芳賀小
委員 だから、私の言うのは、豚肉の場合は、たとえば安定
価格が低くても、実勢はもう中心
価格を下回るというようなことはないでしょう。ことしの五十年の
価格改定をしても、とにかく
政府が決めた安定上位
価格を大体上回るか、その安定上位
価格の線で
販売が行われているわけですからね。その場合、関税の免税措置を講じて緊急
輸入するといっても、
輸入豚肉というのは高いでしょう。外国は
牛肉よりも豚肉が高いというような実態も生じておるわけですからね。だから、
政府として豚肉を安く決めようとしても、いやでも高値に決めなければならぬようなことに国際
価格に引きずられて追随しているというのが実態でしょう。
牛肉の場合は上位
価格を一四・一%も幅を広げても
意味がないではないかということを私は言っているのですよ。それは先ほ
ども言ったとおり、
牛肉については
一定数量の
輸入が必要である。それから
輸入する
牛肉は国産
牛肉よりも現在の
時点では安値である。そうでしょう。
それからもう一つは、大事な点ですが、
事業団は現在もまだ国産の買い入れをしないわけですからね。保管
牛肉ということになれば全部
輸入牛肉ということになるが、
事業団の保管
牛肉の卸売市場への売り渡し条件としては二様にあるわけですからね。それは安定上位
価格を超えた場合の緊急
放出と、超えない場合であっても農林大臣の指示によるところの通常売り渡しが行われる。この通常売り渡しについては、畜産
局長は、
委員会において、大体中心
価格というものをめどにして、それを配慮して卸売市場に対する
事業団の売り渡しを行いますということを言っておるわけだから、そうなると、上位についての幅というものは実際問題はそう広げる必要はないということなんですよ。しかし、それを五%にしろというわけじゃないですよ。これは一年たってみればわかるのですけれ
ども、中心
価格から一〇%を超えるというようなことは余り起きないと思いますよ。超えるような運営をすればいいが、結局しないでしょう。中心
価格を配慮してやる、たとえば中心
価格を下回った場合でも
放出量を調整するという程度におさめる、中心
価格を下回った場合においては
事業団の売り渡しをストップするということを、あなたいままで全然言っていないわけですからね。そうなると、どうしても、中心より上位については
伸び幅が結果的には狭まるということにしかならぬわけですよ。ところが、下の方は、一四・一%というのはこれより下回った場合に買い入れるという、その
価格の限度ですから、どうしても下の方へその広がりが生ずるということになるわけです。だから、たとえば上が一〇%、下が一五%というようなことにもこれはなるわけですからね。こういうことは担当の役人としてもう
最初からわかることなんですよ。だから、わかりながら上下に一四・一%広げるということは、結局下位
価格を不当に下げて、そうしてできるだけ
事業団の買い入れ発動を避ける、それから
輸入牛肉の安いということを考慮に入れて、安定
価格そのものを低位に抑えるという、そういう配慮から今回の
政府試算というものが生まれたと思うのですよ。この点ははっきり指摘しておきますからね。あなたの弁解だけくどくど聞いても審議は進まぬですからね。こういうことになるわけだから、一四・一%という上下に対しての開きというものは幅が開き過ぎる。少なくとも豚肉で上下一〇%で適正な
運用をしておるわけですからね。十何年間という
運用上の経験というものを持っているわけですから、これができないということはないと思うのですよ。だから、この点は十分の配慮が必要である。そうなれば、結局、安定基準
価格というものが一四・一が一〇%になれば、下位
価格が上がることはもちろんですからね。そういう点を十分配慮してやるべきである。これが第一点です。
第二点は、先ほど
局長からも話がありましたが、豚肉の場合は、
価格算定上、
需給調整係数は、以前は供給促進
係数というものを畜産
審議会や当時の農林
委員会において、
算定の中に活用するということをやったわけですね。ただしこれをマイナス要素には使わせぬということで、従来もそれは守られているわけですが、この豚肉の場合には自給原則によってやるわけですね。年によっては若干の不足あるいは過剰があるとしても、とにかく豚肉については
国内生産で賄うことができるというたてまえでいっておるわけであります。
〔小
委員長退席、笠岡小
委員長代理着席〕
牛肉の場合はなかなかそう簡単にはいかないでしょう。いかない場合に、現在は二〇%ぐらいがまだ不足しておるが、これをいつまでも不足状態のままで置くというわけじゃないでしょう。この畜産
局長の
審議会における
説明資料を見ても、
牛肉に対する国民の
消費弾性値というのは豚肉や鶏肉に対して
伸びる傾向を持っておる。したがって、
昭和六〇年には
消費は現在の一・七倍に、そして、それに対応する
生産については、六〇
年度においては国内の
生産を現在の一・八倍に伸ばさなければならぬ、
伸びる、そういう傾向にあるということをあなたははっきり言っておるわけです。十カ年間に
生産を一・八倍に伸ばすということは、自然放任の状態ではそうならぬでしょう。そのことは結局国内における自給率を高めるということが根拠になると思うのですよ。そうなれば、
価格算定の場合においても、自給ができるという状態の豚肉においても当然
需給調整係数のプラスアルファを使っておるわけですから、
牛肉についてはこれから国内の
生産を高めねばならぬというような、そういう状況下において促進
係数を使わないというのは逆じゃないですか。使えば値段は当然上がるのです。上がると困るから使わぬということでは理論的な弁解になりませんから、やはり、この際は、当然豚肉の場合よりも積極的に供給促進
係数を
——現在はこれは
需給調整係数ですが、豚の場合にはこれは一・〇二を使っているわけでしょう。豚が一・〇二であれば、
牛肉で使うとすれば、それと同率ということじゃ済まぬと思うのですよね。その辺はどうですか。