○竹内(猛)
委員 担当ではないと言うが、なお管理庁の方に言っておきますが、そういうように公共性を持っているはずの公団、事業団が、たとえば住宅公団の賃上げ問題とか、あるいは東京新空港の問題、パイプラインの問題、原子力の事業団の
問題等において基本的人権を揺さぶるようなことが非常に多いということも指摘をされているわけだが、これは要するに、
一つは役員や何かはいま言うような天下りという形で安定した形にあるが、労働者の方はきわめて不安定の
状況に置かれる。そして、公共性を持つべきものが今度は基本的権利やあるいは公害を起こしている。こういう点を含めながら、これに対してわれわれは今後も十分に監視をしながら、整理すべきものはきちんと整理をしていく必要があるということを意見として申し上げて、この問題についての私の
質問は終わります。
続いて、農林省の経済局の方に調査の要求をしたいと思いますが、最近各地を回ってみて感ずることですが、あるいはまた私のところに投書が
幾つか来ておりますが、こういう問題は共通の問題のように思います。それは農業協同組合の精神と
運営が必ずしも正しく行われていないということがいま大変問題になっていることです。
その
一つのことが、茨城県においては四月十日の「いはらき」という
新聞でも明らかにされております。組合が正当な
理由がないのに一年以上事業を停止した場合には解散を命ずるということが農協法にあるにもかかわらず、五十年四月十日の「いはらき」
新聞によると、二十二年の農協法施行に基づいて設立された農協は業種別、地域別に七百三十六あったが、その後農協の合併が進んで昨年末百八十六の農協になったが、そのうちで一年から十年以上休んでいる農協が、名ばかりの農協が四十六もある。郵便を出せば戻ってくる、組合長や専務も死んでしまっていない、責任者はわからない、こういうようなことですね。その農協には借金、債権債務があって、その清算事務が残されている。こういうような農協が現に茨城県にはあります。しかし、これは何も茨城県だけではなくて、恐らく全国にこのような例がたくさんあるだろうと思うが、こういう問題について調査をしたことがあるか。ないならばこれは早急に調査をしてもらいたい。これがまず第一です。
その次に農協の剰余金の使い方に対する問題がありますから、これも調査をしていずれ報告をしてもらいたいと思うのです。協同組合の原則では、協同組合における剰余金の性格とその分配について、組合の
運営によって剰余金または節約金が生じた場合でもそれは組合員に帰属するものであり、一組合員が他の者の犠牲の上において利することを避けるような方法で分配されなければならないというのが協同組合の原則であります。したがって、これをもう少し分けて言えば、協同組合の事業発展のための準備金、あるいは共通サービスのための準備金、あるいは組合利用高に比例した組合員への分配というように、剰余金の性格についての原則は必ずしも決定しているものではないけれ
ども、そういうようなものが常識になっている。これは農業協同組合の調査特別
委員会の報告でも、組合の剰余金ないし節約金は普通の商業的
意味での利潤ではないというふうに報告をしてある。したがって、剰余金が出たとすると、それはどういうメカニズムによって発生をし、それがどうなっているのかということを、剰余金の問題についていまの原則の上に立って調査をしてもらいたいということが
一つです。
その次に、細かく
内容を言えば、たとえば農業
共済組合、その生命共済や建物あるいは自賠、そういうものをいまやるようになっていますが、農村地帯では比較的に火災もないし、死亡率も低い、あるいは自動車についても事故がわりあい少ないということで、この面は黒字だと言われている。こういう点について、農業共済が担当しているそれぞれの分野におけるところの死亡率、火災率、それから自動車の事故、故障というものがどういうことになっているのか。
そして、今度は、危険防止のための基金の積立金として三千億円以上の積立金がしてあるはずですが、この金利があるわけです。そういうものはどういうふうに使われているのか。一説には、金が余れば、これはもうかったのだからどこへ使ってもかまわないじゃないかということで株式を買い込んでいるようなことも言われているわけです。これは本当でなければまことに結構ですが、こういうことがもしあるとすれば、これは大変ゆゆしい問題だと思います。農協法の原則なり精神から逸脱をしているのじゃないか。こういうことで、この問題についても調査をしてもらいたい。
それから、役員の
退職金についての規程ですが、現在の会長なり
理事長なり、そういう者が
退職した場合に現在の規程では一体どれくらいの
退職金がもらえるのか。こういう問題をやはり調査をしてもらいたい。どうも最近は公社、公団、事業団のような
方向で、農業協同組合が事業に力が入って農民へのサービス機関というところを忘れたのではないかという声があります。これはこういうことのないようにしてほしいわけですから、そういう点をやはり調査をしてもらいたいと思うのです。
なお、最後に調査をしてもらいたい点があります。それは農協が不動産事業をやっていますが、過般の農協法の
改正なり農林中金法を
改正をするときに、これは大変危険だということを
考えて、こういうことのないようにという厳重な注意をして、本
委員会でも
条件をつけてこれを通したわけですが、その後、各
新聞に出るところだけでも、最近は本当に目を覆うような事件が
幾つか起きております。
〔
委員長退席、
藤本委員長代理着席〕
六月九日の朝日
新聞によると、「農協不動産赤信号」という記事が出ている。これは新潟の農協です。それから六月十四日には、これまた福島県の郡山の農協が土地に手を出して、赤字を出していま大変困っている。中に土地ブローカーが入っている。農民の必要とするえさの価格の原価は公表はしない、だけれ
ども、土地にはどんどん手を出してもうけることはやる、
職員の
給与についても、多少はだんだん上がってきているけれ
ども、それでもまだまだいろんな点で抑えられている。こういうことで農民から浮き上がってしまう農協が出てきて、農協の役員が一個の事業団体の重役のような形におさまってしまうような傾向があるのではないか。これはまことにゆゆしいことだと思うのですね。いまここに挙げた土地の問題は二つしか出ていないけれ
ども、なお全国の各地には隠れたこういうものがたくさんあるだろうと思うのです。
農林省はこういう問題について早急に調査をして、この問題は厳重に戒めなければ大変なことになるんじゃないかという
意味で、いま私は農協の問題について
幾つかの点を
質問しました。これは答弁は要らないわけですが、この点はぜひ早急に調査をして出していただきたいということを要求しますが、これはどうですか。