○兵藤
政府委員 ただいま先生が御指摘なさったように、四十七年の海水の異常現象によって生じた赤潮につきましては
天災融資法を
発動しております。このときの
被害額が七十一億円で、
関係県が兵庫、徳島、香川、
岡山というような四県にまたがるものでございました。
今回の五月十九日に発生したものは兵庫県の家島群島でございまして、この
被害額が県の
報告によりますと約五千万円というふうに
報告されております。
なお、その内訳を申しますと、この家島で全体で四万四千尾を飼育しているわけでございますが、そのうち斃死したものが三万尾、それからなお生存しているものが一万尾、それからすでに売却したものが四千尾、こういうことになっておりまして、
被害額が約五千万円、こういったようなことになっております。
そこで、
天災融資法でございますが、これは
融資法の第二条にございますように、「
天災による
被害が著しくかつその国民
経済に及ぼす
影響が大である」場合ということで、おおむねの基準としては
被害額が三十億円
程度以上のもの、それからまた数県に、二県以上にまたがる場合、といったような運用の
方針をとっておるということで、ただいまのところ、この家島についてだけ直ちに
天災融資法を
発動するということはできないというふうに
考えますが、しかし、今後これに続発しましていろいろと同じような
被害が発生するということになれば、また別途
検討の余地があるというふうに
考えております。
それから、先生の御指摘の第二点の共済の話でございますが、このハマチの養殖共済は大体ふ化翌年の五月三十一日以前のハマチは一年魚として計算し、それ以降のハマチは二年魚として計算しているわけでございますが、今回家島で起きたところの
被害のハマチは、五月の四、五日ころモジャコという稚魚を放流したということからしまして、一年魚というふうな定義の中に入ってくるわけでございます。それで、漁業共済組合としましては、その各漁業共済組合員ごとに共済責任
期間というものを決めているわけでございます。普通は、長期のものは、六月一日から翌年の五月三十一日までというのが普通の長期で、それから短期としましては六月一日から翌年の三月三十一日までということで、この家島の場合には短期の方に入っているというようなことからしまして、たまたま事件が五月三十一日という期限が切れた後に発生しておるということで、残念ながらこの対象にはなっていない。しかし、兵庫県の漁業共済組合におきまして、共済
期間、責任
期間を長期の五月三十一日まで延ばすというふうに組合員の合意を得て共済規程を改正するということなら、私どもで積極的にそういう方向で
指導し、今後
措置してまいりたい、このように思うわけでございます。
なお、赤潮特約につきましては、やはり、特約というものを前もって契約せねばならぬわけでございまして、この家島の場合には残念ながら赤潮特約にはなっていなかったということでございます。