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瀬野委員 農林大臣、いましどろもどろの御答弁ですけれども、この辺は本当に問題があるのですね。おっしゃるような意味のことは、おそらくそう言うであろうということは大体想像はしておりましたものの、これは本当に心配なんです。必要最小限は使わなければならぬと言い、また個別に洗ってみないとわからぬというようなことをおっしゃるし、
安全性については厳正的確にやる、休薬期間は
使用基準にも明記する
考えである、五日間が短いからもっと長くするということも
考えたい、と、これは精いっぱい振りしぼっての答弁じゃないかと思う。一カ月前からこういうことを厳しく言うぞということを言ってあったから、ずいぶん
考えた上での答弁のようでならぬのですけれども、いずれにしてもこれは使うのですね。
それで、さっきも最初の方でちょっと触れたように、
日本列島は広いし、農家は数が多いのです。PRするとか
指導するとかいろいろおっしゃるけれども、実際問題として、一々農家について見ておるわけにいきません。休薬期間といって、いわゆる制限したもの、袋に入ったものが来ても、現にそういうのは見たことがないと言うし、来ていないところが相当ある。また、それを見て区別して食べさせるということは、そんなことは罰則があったにしても、これはなかなか大変なことだと思うのです。これは守ってもらわなければならぬことだけれども、大変なことだと思うのです。これが行き渡るかどうか。この
飼料不足のときに、法はつくって罰則はつくったけれども、実際にこれを履行することはむずかしい問題です。もうやめちゃったらそんなことは何も問題ないわけです。
そういったことでこの辺は大変大きい問題であります。くどくど言っても切りがないのですし、また
質問の後でわれわれは十分部会でも検討するわけですが、一応聞くこととして、
農林大臣、さっきから言いますように、牛、豚、鶏の薬づけということでいまいろいろ言われておりますが、これはいわば病気の肉を
人間が食っているということになります。端的に露骨な言葉で言えば、死骸みたいなものを
人間が食っていると言わざるを得ないわけです。最近中国または
外国から
日本に来た人が、食べ物もいろいろ食べて、景色もいい、食べ物もおいしいけれども、一番まずいものがあると言うから、何ですかと聞くと、それは鶏の肉だ、そして卵だと言うのです。昔は鶏の肉と卵は
日本ではとてもおいしかったが、最近は鶏の肉と卵が一番まずいと言われる。これらを聞いても、やはりこういった問題があるからです。大臣もそんなことは宴席などで外人からもよく聞かれる機会があるのではないかと思うけれども、われわれもしばしばそういうことを聞くわけで、そういうことを思いましたときに、私は実に心配でなりません。それで、これは急にやめると鶏が全滅するとか、または緑の目やにが出るとか、または育雛が大変困難になるとかいうことでいろいろと聞いておりますので、われわれもなかなか心配なんですけれども、しかし、こんなことをいつまでも許しておいていいのかという問題は国民の健康衛生上あるいは
安全性ということから言えば大変ゆゆしい問題であるので、厚生省としてもしっかりやってもらいたいし、
農林省もしっかり検討してもらいたいと思う。
本法については、
冒頭に私が申しましたように、本
改正案を廃案にすれば従来どおりということで依然残ることになるし、かといって、
本法を
改正したからといってすぐに
添加物等の不安がなくなるわけじゃない。むしろ、
本法が成立すれば将来厚生省の入る余地がなくなるようにガードを固めてしまわれる。そうすると、近い将来
改正をする場合にますます困難が予想されるということを心配するのであります。
農林省には六つの
検査所と各県に
試験場がありますけれども、一説には、厚生省は五千人の陣容を整えて、曲がりなりにもいろいろな
試験研究、検討または衛生に当たっておられるということである。
農林省はもっと少ない陣容でやっておられる。幾ら何でも
農林省よりも厚生省の方が心配がない。それはまずは厚生省の方が十分とは言わなくてもいろいろな施設または陣容が整っておる。こういったところで十分な
検査をしなければならぬということで、
農林省と厚生省のもっと強い共管の
法案にすべきでなかったかということもわれわれは申し上げているわけですが、いずれにしても
本法はそういったところがいろいろ問題になりますので、修正案等も
考えてもみました。あとまたいろいろと当局の
意見を聞いた上でこれを若干修正して通すということも
一つの
方法でありましょうけれども、われわれが国会で修正してやったんでは
農林省の認識がなかなか改まらぬと思う。
今回
本法を提案されておりますけれども、各
委員から、また私からいろいろ
指摘したような問題等を
農林省の手によって十分検討した上で、次期国会で修正を行って、そして
農林省みずからが反省をし、姿勢を改めてやるべきではないかというふうに実は私は思っておるところでございます。いま厚生省からも、また
農林省の
局長からもいろいろ答弁がございましたが、ここらが
一つの大きな問題点でございますが、
農林大臣の見解をこの際お伺いしておきます。