○小坂(善)
委員 去る二月二十六日に、予算の分科会におきまして、
カドミウムの問題について私は
質問をいたしました。その当時、時間がなかった
関係もありまして
農林省関係の分が非常に簡単になっておりますので、改めてこの際時間をいただきまして
質問をしたいと思ったわけでございますが、
委員の差しかえをしていただいていることでもございますし、私の
質問を許可されました
委員長並びに各党の
理事の各位の御好意に対して厚くお礼を申し上げ、極力簡潔に時間内においていたしたいと思いますので、政府の
方々においても、要点について正確にお答えを願いたいと思います。
まず、私の
質問の趣旨は、四十三年五月の
厚生省見解は、
カドミウムを経口摂取すると、つまり、口を通して摂取すると腎臓がやられて腎性の
骨軟化症になり、そして
イタイイタイ病になるという
見解であるが、これは非常に少数説に学界としてはなっておる。そこに問題があるのじゃないかと私は思う。
そこで、まず病理学の点から言うとどうかというと、その方の権威である梶川博士あるいは武内博士はともにそうではないという立証をしておられるのであります。また、中毒の面から言いますと、
カドミウムの中毒というものはどういうものかというと、例の水俣病のメチル水銀の発見者である喜田村博士も、これはそういうことでないと言っておられる。そこで、
動物実験をやったらどうかというと、
動物実験をしてみて
カドミウムを幾ら与えても
骨軟化症にならない、かわりにビタミンDを与えないと三週間で
骨軟化症の状況を呈するということが言われておるわけでございます。それでは臨床の面でどうかと言いますと、富山県の婦中町におる萩野博士と、それから石崎博士以外の方はほとんど否定的であるというわけであります。これは
カドミウム猛毒説、金属
カドミウムの棒にさわると、それを口へ持っていくと何か害があるというような、そういう国民
感情がございました昭和四十三年から四十五年当時の
考え方が、その後、時の経過とともに、あるいは学界の
研究の進歩とともに変わっておるということであるわけであります。もちろん、私は、その当時の
見解を出された
厚生省を非難しようとかいうような気持ちは毛頭ございませんで、あれはあのときで十分意義があった、
行政的にあそこでああいう
結論を出すことはそれなりの意義があったと思うのでありますが、しかし、世の中は進歩しておるのでありますから、その進歩の状況に応じて
行政も変わらなければならない、また、政治はその
行政を監督する立場にあって、
政治家としては
意見を述べることは当然である、願わくは、間違った方向に進むようなことのないように私
どもの立場から申し上げなければならない、こういうことなんでございます。
そこで、小沢大臣あるいは
橋本部長等も私の
見解に賛同してくださいまして、「すべてが解明できるかどうかわかりませんが、できましたら、私
どもできるだけひとつ一年以内にそうした何かの統一的な、
学問的な
結論が出るように努力はいたしてみたいと思います。」ということを言っておられる。これは速記録のとおりでございますが、この点については、いま同僚の
近藤委員からも
質問があり、御
答弁があったようでございますが、さて、そういう問題を踏まえて
消費者感情、国民
感情をどう見ていくかということであります。大体〇・四から一ppmまでの米は
配給に回さないということでありますが、一ppmの米は有害とは言えないということを
厚生省の
見解で四十五年七月に出しておるわけです。これは一九七〇年七月二十四日の食品衛生
調査会、微量重金属
調査研究会の
結論によって出しておられるわけでございますが、これは自家保有米を食べておる人は一体
カドミウムはどういう点で考えたらいいかというと、自家保有米をそのまま食べる人は一ppmまでのものはいいということになる。しからば
配給の方はどうかということになって、
配給の方になると、たとえば一ppmの自家保有米を毎日食べておる人と比して、今度は、
配給を受けて〇・二ppmとかいろいろな米がまざって
配給されてくるものを食べる
人たちには〇・四から一ppmまでのものは準汚染米として食べてはいけないという
消費者感情を持たせているということ、そういうところに私は
一つ疑問点を持つのです。
いま、
食糧庁長官は有害ではないのだというふうにおっしゃったように思いますけれ
ども、これはそのとおりでございましょうね。有害ではないのだったら、やはり、
行政官庁として、有害じゃないのだということをもっとPRなさる必要があるのじゃないかと思いますが、御
見解を承りたい。