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澤邊政府委員 飼料作の集団
生産組織の育成の問題につきましてのお尋ねでございますが、これは四十九年度から
飼料作物の
生産振興対策ということで、
飼料作付の増加面積に対しまして反当幾ら、多いのは七千五百円、少ないのは五千五百円というように、その問三段階に分けまして奨励金を出すということによって
飼料作付を促進しておるわけでございますが、その際も、
飼料作につきましてはやはり集団的に栽培をするという方向で助成をいたしておるわけでございますが、五十年度予算におきましては、御承知のように、特に水田の裏作に
飼料作物の導入を行いますために、それを促進するためには、特にこれも集団的な作付を組織によって行う必要があるという
観点から、水田裏作地等の不作付地を
対象として、
期間借地あるいは作業の受委託等による土地集積を促進いたしまして、それによって
飼料作物の
生産集団と、その中での中核になる
生産の担い手を育成するというために、それに必要な土地を集めるためにいろいろ協議をしたりするための経費、あるいはあっせんしたりするための経費、あるいは作業の受委託を促進するための経費、あるいは担い手を育成するための、中核農家に対する記帳手当とか、あるいは後作、表作の米等の作期を調整したり、あるいは裏作を行うことによりまして地力が低下する場合もありますので、地力を増進するために必要な経費等を集団に対して援助するとか、そういうことを五十年度から始めたわけでございます。これは来年以降、今年度の
実績も見た上で強化をしていきたいというように考えております。
なお、以上申しましたのは、
畜産局におきまして
飼料作という作物を特定いたしまして、集団的な
生産組織を育成するための予算について申し上げたわけでございますが、他の局で、特に作物を特定せずして、いろいろな集団的な組織を育成するための事業をやっております。たとえば高能率集団的
生産組織の育成対策とか、あるいは今年から新たに行います土地利用型農業中核小集団育成対策とか、これらはいずれも作物は特定いたしておりませんけれども、集団的な
生産組織を育成するために助成をしておるわけでございます。それらの中にも当然
飼料作物も入ってきますので、これらの事業におきましても、集団的な
飼料作の
生産組織を育成するということを促進をしていきたいと思います。
いずれにいたしましても、今後
飼料作の導入あるいは作付の増加を図っていきますためには個々ばらばらでやるのではなくして、集団的な組織で能率的に実施をするということが必要でございますので、今年度の実積も見ながら、来年度以降も、できますれば予算を一層拡充充実していきたいということで検討したいと思っております。
なお、大型化の問題につきまして、ふん尿処理とか、あるいは加工調整、これは
飼料作物の加工調整の御趣旨かと思いますが、施設の大型化を図る必要があるという点は御
指摘のとおりでございまして、現在、ふん尿処理につきましては、環境整備集落群の育成事業とかいうこともやっております。これらも
飼料作の集団組織の育成と関連させながら運用することによりまして、能率的な加工調整あるいはふん尿の処理ということもできるように実行上配慮してまいりたいというふうに思っております。
なお、ふん尿処理の問題につきましては、単に浄化装置をつくるとか機械設備を設置することによりまして処理を円滑化し、黄公害の
発生しないように適正な処理をするということだけではなくして、耕種農業と結びつけた形でふん尿を土地に還元するというようなことを個別経営内で、あるいは個別経営内でできません場合には、地域で農家ごとに耕種農家と畜産農家をうまく結びつけることによりまして土地還元をしていくということがふん尿処理の能率的な、コストの安いやり方として望ましいと思いますし、また、地力対策としても望ましいことでございますので、それらのことも考えながらやってまいりたい。そのためにも集団的な
生産組織を育成するということが地域的な組織づくりのために必要だというふうに考えております。
それから、次に、雑草の問題でのお尋ねでございますが、御
指摘のように草地造成後の雑草の問題は実は頭の痛い問題でございますが、基本的に言いますと、
わが国の草地の造成技術あるいは管理技術というものは比較的歴史が新しいわけでございますので、三十年代から本格化したというようなことがございまして、いろいろ問題がございます。品種の問題あるいは肥培管理の問題、あるいは造成の問題もあります。それらが技術的には他の作物と比べてまだまだおくれた段階でございますので、技術開発、技術の革新ということもやらなければいけないわけでございますが、
一つは、御
指摘がございましたように、草地造成開発をやります場合の事前の
調査を十分やっていくということが必要だと思います。土壌
調査なりあるいは植生の
調査等を十分やりまして、その土地、立地条件あるいは土壌条件等に適合した草の
種類を選び、あるいは作付を選んでいくということが必要になるわけでございます。
そこで、雑草が非常に繁茂するというような
原因は何だという点を調べてみますと、いろいろあるかと思いますけれども、まず不適切な放牧あるいは採草、これは過放牧とかあるいは牧草の刈り取り回数が多過ぎるというようなことのために牧草が雑草に負けてしまうというような
原因による場合もありますし、あるいは肥培管理が適切でないために牧草が育たなくて雑草に負けてしまうという場合もあります」、あるいは雑草の駆除の不徹底ということも見られますし、あるいは、そもそも品種が適当でないということもあります。特に、
わが国の場合、耐暑性、暑さに強い品種を西日本においては入れていく必要があるわけでございますが、どうしても寒冷地向けの品種が従来入っておりますので、これが暖地について適当でないというような面も見られております。暖地向けの夏枯れに強い品種もだんだんできてまいりましたので、それらの適当な品種を入れるように
指導していくということが雑草を繁茂させないということのために必要なわけでございます。四つばかりいろいろ
原因がございますので、それらの
原因を除去するための技術
指導等につきまして今後重点を置いていきたいというふうに考えております。
また、そういうように草地といたしまして退化したようなところ、雑草が繁茂して草地が退化したようなところにつきましては、草地の更新ということにつきましても今後
指導し、できますれば助成の道も開きたいということで検討しておるわけでございます。