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島田(琢)
委員 それで、
食糧問題をお聞きしょうと思ったのですが、
政務次官のほかに
政府側からはどなたがお見えでしょうか。——それでは、お見えになるまで別な話をしようということで、当初
食糧政策を少しお尋ねしようと思っておりましたが、よろしいでしょうか。——わかりましたた。
これからの
計画の中で、先ほ
どもちょっと
局長の
お話しの中にもあったんですが、
北海道におきます
北海道農業会議の提案であります新たな百万ヘクタールの
開発が可能だという
提言を
一つの軸にして申し上げてまいりますと、その大宗をなすものは
草地だと私は思うのですね。これからの
開発可能地と言われるところは
草地が主体になるだろうと思うのです。そこはまさか水田にもなりませんし、高度な特用作物をつくるというようなわけにもまいらぬでしょう。そういたしますと、その主たる
目的はやはり
草地だということになると思うのです。
ただ、先ほど
政務次官から、
開発された
土地を
有効利用ということになると、たとえば牧草を例にとってみても、二、三年すれば収量が何割か減っていってしまうというような地帯が多い、それだけに、そういう
開発をした
土地が
長期的に有効に
利用されるという
方向を検討しなければならぬという
お話しでしたが、これはごもっともな御
意見であります。そういう点をきちっと踏まえておきませんと、
北海道の
開発もただ外延的に広げてだけいけばいいということにはならない。ここは非常にポイントになると私は思うのですが、ただ、
草地開発を進めていく場合に、従来の
開発方式の中でも私は
指摘をしてまいったのでありますけれ
ども、ブルドーザーでこういう傾斜地をどんどんどんどんむいていってしまうという
開発の方式はいけないということで、これはいまさら私が申し上げるまでもなく、
現地もそういう方式に変わってきているようでありますけれ
ども、もう
一つは、採
草地というよりも放牧地として使う場合のある程度の傾斜度の問題なんかも頭に置いておかなければならぬ点があると思うのです。
そういう点を考えてまいりますと非常に限定されてしまうわけですけれ
ども、ただ、いまあそこの百万へクタールが
開発可能地だと言いましても、そのうち大半が湿地帯であるとか、あるいはまた傾斜度の強い清悪な地帯であるとかいうことになっていくだろうと私は思うのです。そうしますと、
北海道の
牧草地をふやしていくという立場に立って考えていくならば、
開発の方式というものについても
相当技術的に研究し直さなければならぬ部面があるように思うのです。そういう点は
農地開発公団の実際の仕事の中で運用されているんでしょうけれ
ども、せっかくつくった
土地が二、三年もしたら——肥料の効いているうちは何とかここのところは牧草は
伸びるけれ
ども、後は、
政務次官もおっしゃるように二、三年したら牧草の収量がうんと減ってしまうということは起こり得ると私は思うのです。ですから、その点を踏まえて、
開発する場合に
基盤整備の
計画というものがもう
一つ別に出てこなければならぬと思うのですね。たとえば傾斜地における心士をどういうふうに破砕していくのかとか、暗渠の入れ方にしましても、どういう暗渠の入れ方がいいのかとか、こういう点が技術的にも非常に必要になってくると思うのです。そういう研究がおろそかになっているということを私は申し上げているんではありませんけれ
ども、そういう
開発のやり方というものを現場で見ておりますと、ここで議論したり、
政府側がいろいろ説明をされているおっしゃり方と非常に違ったやり方が
現地でしばしば行われておりまして、私
どもが
現地へ入っていきますと、どうもああいう開墾のやり方じゃ困るとか、あるいはまた道路のつけ方にしても、おれはこういうふうに道路をつけてもらいたかったんだがなかなかその
意見も入れられないとか、そういうような苦情がいっぱい出てくるんですね。
ですから、そういう点を考えますと、これからの
開発は、
現地の、特にその
土地を
利用していく農民の意思というもの、すなわち地元のコンセンサスを得るためには非常に技術の
部分にまでわたってよく
お話し合いをしなければいけないんじゃないかという感じが私は
一つするんです。
これは先般のある
地域の例でありますけれ
ども——これは国の
開発ではありませんで、道が道単でやっている
事業なんですけれ
ども、たとえば実働三時間ぐらいしかしていないのに大変な請求書が来てびっくりしちゃった、一反歩に割ったら大変な高いものだし、ましてや時間で割ると一時間当たり大変な金額になっちゃう、これは一体国の
方針としてもそういうふうな積算根拠で進めているんでしょうかという端的な質問をされましたら、私もちょっと困っちゃったんですよ。それで
現地を見ましたら、確かに、いま機械が高度化されておりますから必ずしも粗雑なやり方だとは私は思っていないんですけれ
ども、ただ、
現地の人たちは、えらい短時間で仕上げたが、仕上げてくれた単価を見ると物すごく高い、これじゃ何ぼ
開発をして、うちの山の上に適地があるから開いてもらおうと思っても、結局最後は大変な
負担を
農家のわれわれがしょわんならぬということになるだろう、恐ろしくてここを
開発してくれというような要求はとても出せない、と言っているんですね。
こういう点についてもう少し
現地の細かい
調査が要るんじゃないですか。地形的な問題等も含め、あるいは
開発の技術上の問題も含め、あるいは道路一本つくる問題にしても、そういう点をよく
現地で話し合いをして理解の上に立ってやらないと、つくってしまってからそんなはずじゃなかったということになっては、せっかく前向きに
開発をやろうと思っても
現地のそういう問題に突き当たって、これから八十六万ヘクタールの
開発なんというものはなかなか進んでいかぬのではないかという気も私はするんですが、こういう点については、
局長、いかがですか。