○瀬野
委員 時間がたってまいりますので次に参りますが、いま
林野庁長官はいろいろおっしゃったけれ
ども、私もここにいろいろたくさん現場写真も撮ってきているわけですが、それはいずれまた明らかにするとして、強度の問題が、表面と中身というふうにおっしゃいましたけれ
ども、つくったばかりのときにそんなことを言われては困るわけです。それは長い目で見れば表面は風化してくるということはわかっておりますけれ
ども、事実
検査の結果、つくったばかりの完工時点でそういうことが言われるわけです。そういったことで私は指摘をしているわけです。
次の問題を申し上げますが、
昭和四十八年度予防治山事業で、これは宮崎県西都市尾八重、すなわち一級河川の一ツ瀬川支流の尾八重川
流域の堰堤工事です。事業費は二千八十万五千円、業者は西都市株式会社佐伯組、さっきと同じです。もう
一つは、
昭和四十八年度普通林道湯之片線開設事業で、これは四十五年から九ヵ年計画で、総延長八千メートルの自動車道です。事業費は千八百二十一万一千円、業者は同じく佐伯組、こうなっております。
県の設計書では、この二つの工事とも強度を増す川砂利を使って工事現場でコンクリートをこね、流し込む、すなわち現場打ちということになっております。仕様書の上ではっきりそういうことになっているわけです。ところが、実際には、強度が減るところの、すなわち弱いところの砕石砂利を使った生コン工事が行われておりまして、しかも、使用された生コンは単価が安いことから、手抜き工事で業者は相当不当な利益を上げているということで、地元ではこれに対する不満と批判が大変起きているわけです。
私たちの
調査によりますと、現場に生コンを流した形跡がある。これはここにあります写真が如実に示しておりますが、いまだにこれはずっと跡が残っております。骨材には砕石砂利が使用され、設計書どおりになっていない。次に、生コン車が現場に入った跡がある。さらに、現場付近の一ツ瀬川高鍋の砂利組合から現場に川砂利が持ち込まれたというようなことは
一つも言っていないという証言も出ております。コンクリートの表面強度が指定以下でばらつきがかなり多いということで、これまたさっきと同じように大変心配しているところです。指定が一平方センチ当たり百六十キログラムというのに対して、実際には堰堤の場合は下流右岸で百三十六キログラム、同上部平面で百十五から百三十五キログラムの強度しかありません。また、指定強度以下でのばらつきが目立ち、強度の測定機であるシュミットハンマーの跡がつくほど軟弱なところがあって、非常に危険だということで、地元の不安を買っておるところでございます。
この問題についても、宮崎県会で二月にいろいろとこれを追及した結果、宮崎の知事も、非公式的に業者を指名停止処分にするから何とかこらえてくれということもすでに言われておるやに現地からの報告が来ておりますが、それはそれとして、先ほ
どもちょっと申し上げましたように、県の林務部出先である児湯農林
振興局現場監督の証言も、着工時に一度行ったきりで、あと完成時に行っただけだ、その間一回も行ってない、間違いなく生コンで打ったということを証言しておりますし、現場監督が調べたときは、先ほど言いましたごとく、前もって下の方で合図すればすぐ機械を持ち込んで、前の日遅く現場で使用するようなミキサーを入れておく、帰ったならばすぐそれを撤収して生コンを運ぶ、こういうようなことをやっているということで、工事に当たっている人夫も、こういったことでいいのだろうかということで、長官の出身県でもあるし、長官にぜひこれは訴えて——いわゆる「五木の子守歌」あるいは「椎葉のひえつき節」で有名な九州脊梁山脈でありますけれ
ども、災害があってはいけないということから、ぜひこれは指摘していただきたい。
いわゆる一罰百戒ということもあるけれ
ども、こういったことはたくさんあるのですけれ
ども、きょうは四点を指摘して申し上げたわけです。
先ほど、ほかにも三点
林野庁長官が報告されましたが、ほんの宮崎の一部でこれだけでありますから、全国で言いますと相当なものなのではないかということで、私は、山奥の工事については、監督不行き届きということを心配をいたしております。これが事故がなければ幸いですが、もし水害その他で大変な事故になった場合には大変な問題であると思うわけです。
時間の
関係がありますので会計
検査院にお伺いしますが、いまの後の二つの問題も前回と同じようなことになりますが、これも会計
検査院の四十八年度の決算
検査報告を見ますと、この五十三ページに五五、五六、五七として宮崎県のものが三つ挙がっておりますが、実際にはサンプル
調査で全部見ることはできないと思います。八百人余の
検査院ですから大変だと思いますが、この
検査報告にも指摘されておりません。たまたまこれは山奥であったからということと、または重要な工事その他ということから外れたために
検査をしていないということではないかと思いますが、いずれにしても、こうして
国会で指摘した以上、私は、こういった工事をほうっておくわけにはいかないと思う。地元の不安を除くためにも十分な
検査をして、再度これに対する指示をしていただき、対処するようにしなければならぬ。その点
検査院の方から見解を承りたい。