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澤邊政府委員 牛肉の
需給がどのようになっておるかという点についての
お尋ねでございますが、全体の
需給といたしましては、他の議員にもお答えいたしましたように、四十七年、四十八年、四十九年とおおむね三十五万トン前後で最近は
推移をしておるわけでございますが、その中で、
輸入が四十八年には十二万トン以上占めた。四十九年は
調整措置をとりましたこともございまして、五万トン余りの
輸入にとどまっておるわけでございますが、
国内生産の面を見ますと、四十七年には二十九万トンの
国内生産があったわけでございます。これは最近では一番高い
生産になっておったわけでございますが、四十八年に入りまして
価格が非常に高騰したということもございまして、種つけが促進されまして、雌牛の屠殺の頭数が減ったということ、それから
価格がよくなりますと、肥育専門を目的とした去勢牛につきましても、出荷の手控えといいますか、できるだけ大きくして有利に販売をしたいというような傾向も見られたようでございまして、そういう
意味から四十八年は二十二万七千トンというように
数量が減りまして、その結果
輸入をふやして
価格を安定させる必要があるということで、十二万七千トンという
最大のピークに達したわけでございますが、その後御
承知のような
事情で
価格が低落をしてまいっておるわけでございます。
わが国の肉牛
生産の中で、ここ七、八年来、乳牛の雄の肥育というものが非常に盛んになってまいりまして、これが
価格が、四十八年に
牛肉価格全体が高騰いたしましたことを契機といたしまして、ほとんど利用率の限界に近くまで
——限界がまず九〇%前後だと見られるわけでございますが、それに近いところまで肥育として利用が開始されたわけでございます。それが現在といいますか、昨年の低落以来引き続き出荷されてきておるというこのために、素牛導入の際の
価格が高くて、また、えさの
価格も上がっておる。それから
消費が昨年の初めあるいは一昨年の末以来停滞しておるということのために、乳牛の雄の肥育経営も非常に苦しい現状にあるわけでございます。しかし、
生産全体といたしましては、肥育したものはいずれ出てくるということで、現在に至るまで出荷量は非常に多いわけでございまして、昨年の後半は、ラウンドで恐縮でございますが、五、六〇%前年を上回る国内出荷があったわけでございます。現在もそれがなお続いておるということで、四十九年の
見通しといたしましては、多かった四十九年の二十九万トンから三十万トン近い
数量をさらに若干上回るのではないか、特に、前半は出荷量が多くなるのではないかと思います。しかし、反面、
輸入を昨年の二月に一部停止しまして、さらに四十九
年度は
一般枠については全く
輸入割り当てをしておりませんので、
輸入がほとんどなくなってきておるということのために、このままの状態で
輸入停止を続けてまいりますならば、
国内生産は昨年以上にさらにふえるにしろ、
価格は引き続き上がっていくのではないかというように
見通しておるわけでございます。
そこで、もう
一つの
お尋ねの、種類別にどうかという点でございますが、大体、
和牛と乳牛の雄と、それから乳牛の廃牛、乳廃牛というのが三分の一ずつのシェアになっております。最近、乳牛の雄が非常に
伸びたこともございましてそのような割合になっておるわけでざいますが、問題の乳牛の廃牛につきましては、最近の
数字では三三%という出荷量の中でのシェアを示しております。四十九年で、手元の
数字では、屠殺量でいきまして、
和牛が三二%、それから
乳用雄牛が三一%、それから乳廃牛が、これは頭数でいきまして三六%ということで、先ほど三三%と申しましたのは市場における重量で申し上げましたので若干の差がございますが、おおむね三分の一ずつというようなことになっておりまして、その中におきまして、従来から、傾向といたしましては
和牛と乳牛と比べますと乳牛の比率がだんだんふえる。その中で特に乳牛の雄の肥育
牛肉のウエートが急速に
伸びてきておる。ところが、昨年
価格が停滞いたしましたことのために、四十八年におそらく九〇%近くまでいったと思います乳牛の雄の肥育利用の率が昨年はかなり低下をしておるというふうに思います。したがいまして、これが出荷時期になります今年の後半以降になりますと出荷量が減ってくるということになりますので、全体の
価格を押し上げる効果があるのではないかというふうに思います。