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浜野参考人 私は
香川県漁連の
会長の
浜野でございますが、きょうは
瀬戸内海重油流出事故関係漁連対策協議会の
幹事県漁連として
出席をいたしております。
この会は、一月六日に東京におきまして緊急に
準備会を結成いたしまして、正式に滑り出したのが一月十三日。十四日でございまして、
岡山県におきまして
補償交渉の
窓口その他の
収拾事業の
窓口を一本化するという
決定をいたしたわけでございます。
まず、総体的に申し上げまして、今回の
事故に対しまして、国並びに本日御
出席の
先生方には格別の御
配意をいただきましたことにつきまして、厚く御礼を申し上げておきます。
各県によって日にちの違いはございますけれども、一月十八日に
事故が起きまして、一月十九日以後順次
操業が休止になり、最終的には、
部分的には
全面休業という形になっていたのでございますが、その間におきまして、
汚染海域の
清掃という
一つの大きな眼目が出来したわけでございます。一部は
海上保安部関係の
指揮下に入りまして、漁船による
掃除の
作業、
部分的には県の
指導のもとに、
海岸部岸壁、
海浜等を主にいたしましてその
清掃に従事しておるわけでございますが、現在におきましては、
漁業関係者が主として行う
作業は一応休止いたしまして、
三菱の
責任において、その
指揮のもとに
漁民も一部出張するという形で
掃海をやっております。
三菱石油に対する
補償交渉につきましては、第一にとりましたのが、十二月の末に年末
資金の交付をお願いしたいということで、この件につきましては各県の
窓口が
個々別々にやりまして、順次、
岡山三・八五、
香川七、
徳島四・八、
兵庫三・〇と、億の数字でございますが、そういう形で計十八億六千五百万が
三菱から出まして、一応、第一次の
内払い金として
越年資金の支給が終わったのでございます。この金は、それぞれの県におきまして
個々に
配分を完了いたしております。その後、一月五日に、国の
要請に基づきまして、県あるいは
漁連等が
一体となりまして、総合的に
被害額の計上が行われました。続きまして、一月十五日に県及び
漁連の自主的な再計算が行われまして、それぞれの
金額の提出があったわけでございますが、そのいずれも、進行途中
プラスになる
部分もあり、
マイナスになる
部分もありということで、
金額につきましては、精査の
金額とは申し上げることができないのが
現状でございます。
現在におきまして計上いたしましても、やはり同じような形で、
プラスになっていく
部分あるいは
マイナスになっていく
部分が出るのはやむを得ない仕儀でございます。しかしながら、一応の算定をいたしまして、その
中間払いの要求を
三菱側に行いまして、一月二十九日、三十日、三十一日という形で、本日御
出席を願っておりますところの
左藤現地対策本部長の
あっせんによりまして、一月三十一日
渡しの五十億、二月二十日
渡しの十億という
内払いが
決定をいたしまして、そのうち五十億はすでに
授受を終わっております。ただし、この
分配につきましては、
香川県の場合にはまだできておりませんし、その他の県におきましてはそれぞれ
分配の
作業中だというように考えております。
金額を申し上げますと、
岡山八・三億、
香川二十四・四億、
徳島十二・五億、
兵庫四.八億の計五十億でございます。十億につきましては、先ほど申し上げましたように二月二十日の
授受になっておりますので、後刻の
配分ということになるわけでございます。
補償につきましては、一応の事務が完了した
段階あるいは一応の
清掃作業が完了した
段階におきましても、なお
後遺症の
問題等がございますので、その事後の
影響分につきましてのそれぞれの
取り決め等につきましては、今後
三菱側と折衝することになっております。
なお、
汚染海岸の
清掃につきましては、
陸空の
自衛隊の
作業援助も受けまして、
県漁連が
中心になりまして、二月初旬まで、主として
漁連の
責任において行ってきました。その総体的な
指揮は一応それぞれの
県対策本部にとっていただくことになりましたけれども、実際の
作業は
漁連が
中心になりまして
組合員がそれを行うという形になりまして、これの
給付事業につきましては、
三菱の方から全面的にその
給付作業を行うという形になったわけでございます。一応その
段階を二月初旬に終わりまして、現在におきましては、
部分的にはちょっと問題のところもございますけれども、
三菱の
責任において
三菱が
掃除作業を行うということになっております。一例を申し上げますと、
香川県の場合には、
汚染された
海岸が三百五十五キロでございまして、これが終わるのはなかなか容易なことではございません。
以上のような
作業をした結果、目に見える範囲内におきましては海は確かにきれいになったのでございますが、そういう
段階を経まして、私どもは、各四県
漁連ともに
掃海事業あるいは
試験操業あるいは
海底の汚れておる
部分の
掃除等を行った結果、
海底にはなお
相当量の
オイルマット、これは油の
除去に使った
吸着マットでございますが、これと、また
海岸線には固定化されたところの
ボール状の油があるわけでございますが、最近の日差しがきつうございますので、終日日射がございますとそれが解けて動きつつあるというのが
現状でございます。
したがいまして、二月中旬から
全面操業を行うべく
予定をいたしておりましたけれども、まだ若干問題があるとして
限定操業ということに切りかえまして、
部分的に差し支えのないところから逐次解除していくという方法をとっておるわけでございます。しかしながら、これをやりましたやさき、二月九、十、十一日の三日間におきまして、
高松の
西浜地区におきまして
中毒事件が惹起されましたので、その
操業再開も若干の延期をいたしたわけでございます。きょうあたりから
西浜地区におきましてもまた限定された
漁業操業が行われるようになっておるはずでございます。
参考のために申し上げますと、
使用済みの
中和剤は五万六千三百八十二かん、一千十四トン。
吸着マットは五万二千九百十七ケース、約三百万枚。これは一ケースの
内容が区々でございますので、約三百万枚でございます。そういう形のものを使っておりますので、これの
後遺症の問題につきましては、なお今後十分に厳戒を要するというのが
現状でございます。
一応以上を申し上げまして、その他の
部分につきましては、御質問の都度お答えいたしたいと思います。
終わります。