○
大出委員 議会生活三十七年のキャリアに基づく説得演説をいま聞かされましたが、これは若いうちから聞いているから私
どもはなれているんですけれ
ども、しかし、これはここで議論する時間がなくなってまいりましたので、承るだけにしておきます。言うことは
外務大臣にさんざん言ってありますので。
そこで、おっしゃることはよくわかりますが、ただ私
ども、原水禁運動を長くやっていますから、運動の原点を振り返ってそうはいかないという
考え方に実は立っているわけであります。
そこで、最後になりましたが、十五、六分ありますのでしかと承りたいことがあります。それは防衛分担であれ、防衛協力であれ、
中身は変わらぬと私は思っておるのでありまして、
言葉はどちらでもいい。だが、これは重大なことでありまして、私がここで
質問をいたしましたときに、参議院の
質問を受けて
質問した。ところが、それがだんだん消えていく感じで、私も長い論議をしておりますが、私の
質問と参議院の
上田君の
質問が食い違ったということで、実は参議院で
大出質問によっておれの
質問のときの
答弁と違うのじゃないかというところから始まった。私は、当時議事録を持っておりましたが、議事録には周辺海域という
言葉を明確に使われておる。だが、その訂正を求めているのではないかと言ったら、初めからその
考えはないのだからそんなことはないと答えた。これは丸山さんの
答弁です。後になって参議院のやつを振り返ってみると訂正を求めていた。しかも
質問者の了解を得ていたかいないか知らぬけれ
ども、まるっきり私にうそを言ったことになる。重大な問題だから聞いているんですから、まことにもってこれは納得いたしがたい。めったにこの法案を通せないと私は思っているんですがね。ただ、その釈明を求めていると長くなりますから先にいきます。
共同作戦の大綱であるとか共同作戦の機構であるとか、あるいは
日本の周辺数百海里であるとかいう
言葉が出てきている。数百海里の方からまず入ります。これは旧来の
答弁をあなた方は変えたことになる。周辺数百海里、ここに
新聞の記事がございますが、まだ議事録ができておりませんから見ておりませんけれ
ども、ここで言っておるのは「「
日本の周辺海域(数百カイリ−千カイリ程度)を海上
自衛隊艦艇の主たる行動範囲として、その海域における海上交通の保護を図る」という
考え方を、有事の際の日米防衛分担の立場からより明確にしたものとみられる。」という記事であります。
日本の周辺海域数百海里ないし千海里を、有事の際の海上
自衛隊艦艇の主たる行動範囲とするのだ。これは朝日
新聞でございます。これは大変なことです。
私、ここで、時間がありませんから簡単に申し上げておきますが、かつてこの
委員会でいろいろ議論をいたしまして、そのときにこれはきちっとしているのです。四十八年の五月二十九日並びに三十日の事務レベル
会議にあなた方がお出しになった文書があった。これは
上田君に出されるまでもなく、この
委員会で楢崎君から提示した問題です。あなた方、文書を出せと言ったらお出しになった。見て読んでくれというので私は読んだ。だから、あなたは廃棄したと言うが、本物をちゃんと読んで私は知っている。
そこで、周辺海域という
言い方で数百海里から千海里まてたとなると
——航路帯じゃないんですよ。そういう文書を出しておった。楢崎君が持ってきて出した、山中
防衛庁長官のとき。それが大変なことになっちゃう。航路帯としてというならまた話が違ってくる。さんざんやりとりをして、実はここで差しかえをした。中路さんも
おいでになるけれ
ども、最初のあなた方がお出しになった文案、そこのところだけ読みますと、「ただ公海上における海上交通の保護について、
日本の周辺海域一数百海里ないし千海里程度)を海上
自衛隊艦艇の主たる行動範囲として、この海域における海上交通の保護をはかるべきものと
考えている」こういうふうに書いてあった、あなた方の文書では。それを出した。航路帯じゃない。いまこの
新聞が取り上げているあなたの
答弁、これは大変なことだというので詰めてまいりました結果として、大河原
アメリカ局長が最後に出し直します、こう言った。それをさらに私が念を押して
質問をした。そうしたら、ここに書いてありますが、「去る五月二十九、三十日に行なわれた日米安保事務レベル協議の際、米側参加者に対する説明に用いられた
防衛庁の説明資料中、海上
自衛隊関係の主たる行動範囲について、
日本の周辺海域一数百カイリないし千カイリ程度)と述べられているが、これは周辺海域については数百カイリの範囲内であり、また特定の航路帯を設定する場合には千カイリ程度の範囲で検討していきたいとの
意味であるので、念のため」
アメリカ側に申し入れた。それで向こうは了解をした、こういう
答弁なんですね。
それを、あなたが航路帯というのではなくて、周辺海域数百海里から千海里というニュアンスで物を言われると、この地図で言うとどうなるかというと、千海里というと、一海里が千八百五十二メートルでございますから千八百五十二キロです。この地図の尺度で計算をすると。しかもどこからと言ってない。これが
日本からになりますと、たとえば沖ノ鳥島から南東航路でいきますとトラック島まで行ってしまう。ミクロネシア群島の真ん中です。マリアナ諸島をとっくに越えてしまう。グアムを越えてしまう。これが南東航路です、航路帯であっても。それから南西の航路帯をとってみるというと、台湾の隣の石垣島は、沖繩ですから
日本の領土です。そこから計算するとサイゴンの近くまで行ってしまう。これでいけばマラッカ海峡防衛論だってうそじゃない。北の方はどこへ行くんだといったら、カムチャッカ半島まで行ってしまう。露領沿海州は極東の範囲に入ってないはずですよ。それが露領沿海州をカバーしてしまう。
日本海はもちろん全部、
中国の領海まで全部行ってしまう。それが
自衛隊の周辺海域。いまこの
答弁で言えば一種の専管水域ですよ。
アメリカとは指揮系統は違ってもいい、専管水域でこういうことにしてしまおうとすれば敵に脅威を与えますよ。専守防衛じゃない、これは明確にやることになる。この問題を一体あなた方はどうとらえているのだ。いま沖ノ鳥島から向こうフィリピンまで行っているんですよ
自衛隊は、海難救助と言って。
だから、どうしてもこれでやるのだと言うなら私はそれでもいいですよ、
それなりのことを
考えればいいんだから。あなた方
答弁がぽつぽつと変ってくる。私がここで押え込むとまた向こうで変ってしまう、それじゃ困る、ここのところは一体どうなのだという点が
一つ。
それからもう
一つ、あなた方は共同作戦の機構をおつくりになる、こうおっしゃる。そこで承りたいのですが、それならば日米統合作戦司令部というものをお
考えになっているのかどうか、あわせて作戦調整所というものをお
考えになっているのかどうか。
念のために申し上げておきますが、
昭和四十年度フライングドラゴンという計画がございました。このころはまだ
防衛庁、それほどひた隠しにしなかったから表に出てきている。この
昭和四十年度フライングドラゴンの中で作戦調整所というものが明記されている。これは三矢図上研究の松野さんのときの
委員会でも論ぜられていることであります。
念のために申し上げますが、この三矢図上研究というのは小
委員会ではっきりしている。衆議院
予算委員会で問題とされた統幕3第38−30号についての文書は、
昭和三十八年二月一日、この研究の当事者が作成したもので、組織、手順、日程を定めたものである。すなわち、研究を行うためのものにすぎず、
防衛庁及び統幕各幕の幕僚監部のいずれにおいても正規に決定された文書ではない、制服の
方々が研究をしてそれを系統的にまとめて五冊にしたのです、そこまでは
政府は認めた。それは正規のものでない、研究の成果をまとめたのだということ。だが、制服の
方々が田中義男陸将を統裁官にしてずらり名を連ねて、背広の方もオブザーバーで入っている、そういう研究ですよ。
時間がないからいっちゃうのだけれ
ども、あなた方の
答弁を逐一聞いてここまで触れずにきましたが、ここで書いてあるもののほとんどがいまぼつぼつと出てきている。いいですか。ここではっきり共同作戦の調整機構を明らかにしているのです。しかもフライングドラゴン作戦というものを
——朝鮮半島で第二次
朝鮮戦争が起こったらという
前提で三十八年に研究したのが三矢研究なんだ。いまあなた方がぽつぽつ出していることは、ほとんど
一つ残らず全部ここにある。作戦調整機構というものは司令部がなければできないでしょう。第七艦隊は別な任務を持っているでしょう。専守防衛じゃないでしょう。思想統一もしなければならぬでしょう。
だなら、端から
一つずつ挙げていけば、まず日米防衛分担について、用兵の
基本に関する事項というところから細かく始まっている。日米共同作戦の準拠すべきものは何かということで日米共同作戦要領というものができている。これは至るところに出てきます。これをあなた方の方は日米共同作戦大綱ということでお答えになっている。これは表に出ている。これは鬼木さんの
質問です。
作戦要領の要領というものは、細かく
中身を規定してある。たとえば共同作戦は安保第五条の適用を受けた時点の想定か、安保五条の適用を受けない時点、つまりその前にやるのか。あるいは
自衛隊の用兵地域等についても、わが国の施政のもとにおける全領域並びにその周辺海空域となるのか
——なっているんですがね。これかつまり公海における共同戦闘だ。中路さんの
質問に出てきている。はっきりしている。
それから、さらにその外域。つまり共同作戦要領によれば、まず領海がある、その周辺がある、その外域があるという想定なんですよ。外域というのは公海なんです。その共同作戦要領が決められているわけです。とうとう外域、公海までが出てきている。
それから安保
条約の運用、つまり安保
条約をどういうふうに運用するかということ、これは何も決められてない、表向きは。ところが作戦資材の軍事援助というのは一体どうするのだというところから始まっている。弾薬はどうするのだ。
念のために聞いておきますが、弾薬はどのくらい備蓄があるのですか。有事と、こうおっしゃるあなた方は、協力でも防衛分担でもいいですけれ
ども、その作戦資材等の軍事援助、これは詰めておかなければならぬ、こうこの中でなっている。弾薬その他は一体どういうふうにするのですか、米本国から持ってくると言うんだけれ
ども。それから安保
条約の運用は具体的にどうするのか、その
基本。それから
朝鮮に
武力紛争が起った場合に二つある。安保五条による場合と安保六条による場合がある。全部細かく挙げてある。
時間が長くなりすぎますから、この辺で一遍御
答弁をいただきましょう。逃げないで少しはっきり言ってください。それならそれでいいんだから、議論できるんだから。