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大出委員 外から
日本の基本原則に触れるような歌が聞こえてきましたがね。ここは大変大事なところでして、ここをはっきりしておきませんと次に進みにくいわけです。
そこで、少し例を挙げたいと思いますが、山中さんが
防衛庁長官をおやりになっていたときに、このトータル・フォース・コンセプトというのが、いまおっしゃった自助の原則を守れという非常に強い表現でニクソン・ドクトリンは書かれている。大きな原則は三つぐらいありますけれどもね。そうでないと助けてやらないぞというわけですから、はっきり言えば。例外ではない、こうおっしゃったわけで、
日本の陸上においても、トータル・フォース・コンセプトが言うところの原則は、それなりに努力しなければならぬという
意味で例外ではない。
そこで、トータル・フォース・コンセプト、この中に
自衛隊が組み込まれておるというふうな
認識かどうかという
質問に対しての山中さんの
答弁。山中さんは「アメリカのほうで総合戦略構想とでもいうべきものをいろいろいっておりますし、しかし
日本の場合には、もう
日本が世界戦略の中で果たし得る役割りというのはないわけでありますから、憲法に定められた範囲」、だから国際
紛争解決の手段も放棄している。戦力放棄の原則がありますから。
日本列島の局地
防衛だ。そうすると、外国がどう評価しようと自由だが、しかし
日本は総合戦力とは別だ、国際的な戦略の役目を果たしているということは
自衛隊にはできない相談なんだから、それは別なものである、こうはっきり言っているのですよね。いまの
丸山さんの
答弁はそれと百八十度違う。山中さんは、陸上
自衛隊そのものもトータル・フォース・コンセプトなる原則とは全然別なものである、組み込まれてもいない、全く別だ、
日本には国際的に軍事的に寄与し得る何物もない。向こうが言うのは勝手だけれども、
日本は全く別なんだ。これははっきり言い切っておられるわけですからね。ところが、いま三つばかり
質問いたしましたが、いまの
防衛分担の話は、この
考え方とは百八十度違っている。憲法の制約、これは当然ある。あるが、アメリカで言う自助の原則を守れ、つまりトータル・フォース・コンセプトの第一原則。この第一原則は当然例外ではなくて、
日本の陸上
自衛隊というものもその原則を適用されているものである。例外でないという言葉を使われました。
そうなると、わかりやすい例を申し上げればシーレーンという問題。これは、トータル・フォース・コンセプトというものがここにある。そしてアメリカ側はもう再三再四これを取り上げて物を言ってきている。ここに幾つもありますがね。
質問ですから少し例を挙げないとかっこうが悪いので申し上げますが、ここにありますのはニクソンの外交教書です。
日本の排他的繁栄は許さないというわけですね。ほとんど全文ここにございますけれども、この中では、
日本のGNPが年間一〇%以上成長していながら
防衛費が少ないという点でまず不満を表明して、したがってアジア地域における
米軍の
方針に基づく公約にいろいろなコンタクトをしていますけれども、そういうものに対してもっと
日本は寄与すべきである。たとえば米韓軍事同盟もあるわけですね。アメリカは三十二ばかり対外公約をしておりますが、そのアメリカの公約という表現で、
日本はアジア地域において軍事的に寄与すべきである、こういうふうにここで言っておるのですね。ここから始まりまして、先ほど私、取り上げましたが、四十六年四月十二日にレアード国防
長官がアメリカの下院の歳出
委員会の対外活動小
委員会の席上で、
一つはミッドウェーの寄港、
一つは海上における
日本の寄与、これを大変はっきりと表に出した。後から申し上げますがね。これが実は直接的に
一つの、皆さんの事務レベルの中での
日米間のやりとりに発展をしていっている。それが四十八年五月二十九日、三十日に行われた安保事務レベル
会議の席上であります。
このときには、皆さんは文書をお出しになっている。この文書の中で、シーレーン、つまり航路帯として物を
考えれば、千マイルまでのことを言っておられる。裏
日本、表
日本に分けて、百海里であるとか三百海里であるとかいうことを書いておられる。こういうわけなんですね。このシーレーン、千マイルなら千マイル、ノーチカルマイルで言って千マイル。以内なら以内でもいいですけれども。アメリカ側は、さっきから
議論しておりますように、第七艦隊があるわけですから、その接点、つまりトータル・フォース・コンセプトといわれるものの接点、ここのところをあなた方は基本的にどういう分担にしようというのか。これは大変大事なことでありまして、そこらがなければ
議論するに当たらない。
日本の海上
自衛隊なら海上
自衛隊が、専管水域、つまり専門的に守る水域、そういう
意味でアメリカ側との間で話し合いをつけることになるのだろうと思うのでありますが、そこのところはいかがでございますか。少し具体的に触れてほしいのです。