○
瀬長委員 私は、特に
アメリカ局長並びに
法務省関係の方に
質問いたします。
質問は、この前起こりました
金武村における
少女暴行致傷事件、もう
一つは
伊江島の
発砲事件にかかわる
裁判権の
放棄の
事件、この
二つについて
質問をいたします。
その前に、この両
事件については、
沖繩県議会が与野党一致して、当該の
海兵隊の
撤去を
要求し、さらに
伊江島射
爆場の
即時撤去を
要求しましたが、なぜそのように
県民の怒りをかき立てたのか。
三木内閣の与党である
自民党の県連に所属しておる
議員も含めて
全会一致で、いま申し上げましたような
海兵隊と射
爆場、この
撤去を
要求したその
背景を申し上げますと、とりわけ、いま問題になっております
海兵隊、この
犯罪は、三年前に
沖繩が祖国に復帰した四十七年の八月以降五十年の今日までどのように起こっておるのか。特に
海兵隊だけに限って申し上げますと、四十七年九月二十日、
金武の
キャンプ・ハンセン内で、いわゆる
基地内ですが、
米兵に
軍従業員が射殺されております。さらに越えて四十八年六月十一日、
金武村で
米兵二人が
ホステスを乱暴しております。さらに四十九年三月九日、
キャンプ・ハンセン内、
基地内で、
米兵二人に
日本人従業員が乱暴されております。さらに同じ年の五月八日、
金武村で
少女が
米兵に乱暴されるという
事件。さらに同年七月二十四日、
金武村で
米兵二人が通行中の
ホステスに
暴行。越えて五十年四月十九日、
金武村
強姦致傷事件。さらに一日置いて四月二十日、これも
海兵隊であるが、
場所は北谷村の北前、これも
強姦致傷事件。全部
海兵隊であります。さらに、
沖繩の
県議会がこの前陳情にやってきましたそのときに、
県議会でまとめた、四十八年から五十年四月二十日まで、
地位協定第十七条五項(C)号の
規定により
被疑者の引き渡しを拒否された
事件として、九件挙げております。その九件の
うち、実に六割に当たる五件は
海兵隊であります。
海兵隊がいかに飢えたるオオカミのような
存在であるか、百万
県民は全部知っております。
さらに私は、これにつきまして、一番
最後に行われたあの
金武村の
女子中学生の
暴行事件の
現地調査をやった結果を、特に
アメリカ局長に知ってもらいたい。
申し上げます。私
たちが行きましたのは今月の十四日であります。
場所は、
ブルービーチ、
レッドビーチ、こういった
ビーチがあります。
金武村では、その
ブルービーチ、
レッドビーチにもう
一つの
ビーチがありますが、これは、全部
アメリカにとられて、ただ
一つ浜田海岸という
ビーチが残っており、
金武村民の唯一の
海水浴場はこの
浜田海岸だけだ。そこで行われたのがいわゆる
暴行致傷事件で、しかも十二歳と十四歳になる
子供である。
三時半ごろ
学校を終えて、この二人は
いとこ同士でありますが、裸になって
海水浴場に飛び込もうとしたときに、この
アメリカ兵が飛びかかってきて、一人は頭をぶんなぐり昏倒させ、一人は、次はまたなぐるだろうと思ったんでしょう、手をこうして、手が真っ赤に血を噴いておる。頭はもちろんやられておる。この石は一・五キロの石である。約一町南の方の
海岸に同じく
海水浴を楽しんでいた
アメリカ兵が、ひょっとのぞくと、おかしいかっこうをしているのがいるなあ。聞きましたら、
最初は、いわゆる
アメリカのハニーに連中がそこでいたずらをしておるんじゃないかと思ったらしい。だが、見てみるとそうではない。
少女に飛びかかって
暴行中である。
暴行しておるということがわかり、それでみんなを集めまして、とうとうこの
米兵をつかまえた。そのすきにこの
少女は、どこに逃げたと思います。そこは絶壁みたようなところであります。約七十度ぐらいの角度であります。これははかりました。
アダン、
琉球松、これが生い茂っているところであります。裸です。
いま
アダンと申し上げましたが、私、
現地からこれを持ってきました。
局長は
アダンというのを知らないと思いますが、
防風林であります。葉はこうなっております。これが表、これが裏です。裏も表も
とげ。それで茎は
大小無数にありますが、あの現場は、このくらいの茎が茂っている
琉球松がある。茎にも枝にも葉にもこういう
とげがある。頭は打たれて血が流れている。裸である。この裸である
子供たちが、この
とげの中を、実に二十二メートルぐらいあるそこを上がって、必死に難を逃れようとした。まさに必死であります。というのは、一緒に行きました十八歳の青年に、あんた、上がってごらんと言ったが、上がれませんでした、くつを履いては。こうなっていますから。
十二歳と十四歳になる二人の
子供が、この
アダンの中を通って逃げ込んだところは、あの
金武村の大きい
道路のあるところの
仲田商店。この
仲田商店は
アメリカ兵の
洋服その他を扱っております。というのは古物商であります。これを直して
日本人の体に合うようにミシンをかける。かけているのが
伊波節子さんでした。その
伊波節子さんに会いました。その
伊波節子さんが
最初に見たのです。裸になって駆けてきてはおりません。上がってから、恥ずかしいから持っていた
洋服を着がえ、一人は
水着のままである。
水着は破れておる。一人の十四歳になる
子供は、持っていた
自分のスカートを着てはいる。だが、その上着、いわゆる
セーラー服ですが、
セーラー服の真っ白いきれは真っ赤に染まっておる。これは、頭に
傷害を受けた血だけではなくて、真っ裸になってこの
とげの中を歩いたので、その皮膚から流れ落ちた血で真っ白いスカーフは真っ赤に染まっておる。そして
伊波節子さんが、あなた方はどうしたのだと言ったら、
暴行されたとは言っておりません。
最初に言ったのは、いえ、ころんで
けがしました。ころんで
けがしてこんな大きい
けががあるのか、なら裸になってごらんと言ったら、もう
体じゅうとげでやられておる。そして、これでは
うちに帰れぬだろうからということで、
自分が仕立てた
女の子の
洋服に着がえさせて、
うちに帰ってから病院に行くのですよと言って、金は持っていないから、
伊波節子さんが
交通費も与えて、そしてやろうとしたときに、
アメリカ兵が三名探して歩いておる。これは
暴行した
アメリカ兵じゃありません。
暴行した
兵隊をつかまえた
アメリカ兵の
うち、どうしても
少女を何とか確認しなければいかぬと言って来た。そうしたらその
少女は、またやられるかもしらぬと思って、この家の中にタンスみたいな大きい
倉庫があります。
倉庫は被服が全部下がっている。この中にもぐり込んでぶるぶるふるえておる。そして
アメリカ兵が帰ってから、その
伊波節子さんが金をやって
うちに帰しておる。これが
実態であります。
さらに、一番
最初に
金武の
警部補派出所に訴えたのは、与那嶺さんという人であります。この人にも会いました。
兵隊を見た、ちらっと
女の子も見た、これはどうも
暴行らしいが、
暴行であるのか。
暴行という問題になると訴えていいかどうか迷ったそうです。しかし、
血だらけになっておるから、
傷害であるということについてはもう確信を持てるということで、この人が警察に行っております。
私はなぜこの問題を
最初に申し上げたかと言うと、もう
アメリカ局長自身御存じかもしれないが、あなたのことを
現地の新聞は
暴言男と書いてあるのですよ。いま私が申し上げました
実態の中から、
自民党の
所属議員である
金武村出身の小橋川県
会議員がおります。この人は
沖特委の
理事会で言っておりました。私は
子供たちをよく知っている、私は
安保条約反対じゃありません、
基地も
反対じゃありませんが、事この問題については
海兵隊は一人も
沖繩に置くわけにいかぬということを、実に顔を真っ赤にして言っておりました。これが
実態なんです。だからこそ
沖繩県議会でも、
海兵隊の
撤去とこの
司令官の罷免を
要求し、
伊江島では、また後で申し上げますが、あなた方が
裁判権を
放棄したところでは、直ちに
伊江島射
爆場を
撤去せよとの
要求書を、全
村民が
村民大会の意思でまとめている。この点についていろいろな
言葉を吐かれ、きのうは
沖特委で大した罪ではないとかいうことが取り交わされましたが、この点は私はきょうは触れません。
局長に
子供があるかどうかわかりませんが、多分あると思うのです。私にも
女の子がある。一番下の子は二十一歳になります。
自分の子がもしこういったような
状態に置かれた場合には一体どうするのか。その点あなたは、現在までしゃべって
暴言男と言われたものを取り消すと同時に、この
委員会で全
沖繩県民に謝罪することが大事じゃないか。これがあなた方が言ういわゆる
日米友好、
日米親善のきずなになるのじゃないですか。
アメリカにどういうことを言われてもオーケーだというあなたの
気持ちを聞く前に、じゃその中
学校の同級生はどういうことを言っているのか。一応あなたに告げてみますと、この
学校の
子供たちは、再びこのようなことが起こってはいけないというふうなことだけではなくて、
基地の
撤去を
要求しているのですね。この点につきましては、きのう
沖特委でも正
森委員からお話がありましたから、詳しくは申し上げませんが、こういうことを
村民大会で
手記を残しております。「ニュースで知ったとき信じられなかった。
米兵なんか
金武村にいないほうがいい。
米兵がいたらますますおそろしい
金武村になる−一年生・女」「あまりにもひどすぎる。
金武村から
米兵を追い出したい−二年生・女」「この
事件をきいてぼくは、もうこの
日本に
米兵をおかないでほしいと思った。
米兵出ていけ−一年生・男」「
アメリカ人は
日本人をバカにしている。
沖繩からでていけ−一年生・男」「とてもにくい、とてもおそろしい
米兵−一年生・女」「
米軍は前の
事件のときも、二度とこういうことはおこさないといいながら、またおこした−一年生・女」「
犯人を死刑にしてやりたい−一年生・男」「
沖繩は復帰したのに、
米軍は
犯人を引き渡さない。無責任です。二年生女」。これがその
子供たちの同期生、同窓生の
言葉でありますが、これを受けて
教師は何と言っておりますか。
教師の一人は「
米兵からの被害」「次から次へと学園に
犯罪が及んでくる気がする。私
たちは生徒に人を疑うことしか教えることができないんでしょうか」。これは先生の
手記であります。
後であれしますが、こういう一連の
背景の中から、
自民党も含めて
海兵隊の
即時撤去と射
爆場の
撤去を
要求している。これについて、
県民の
気持ちに対しても、いままでのあなたの数々の
暴言に対する陳謝と、さらに全
県民の
要求である
海兵隊の
撤去と
伊江島射
爆場の
撤去について、これはきのうさすがに
宮澤外務大臣も考えなければいかぬということで、すぐには拒否しておりません。この
二つについて
局長の御
意見を承りたいと思います。