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1975-04-18 第75回国会 衆議院 内閣委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年四月十八日(金曜日)     午前十時四十九分開議  出席委員    委員長 藤尾 正行君    理事 越智 伊平君 理事 奥田 敬和君    理事 木野 晴夫君 理事 上原 康助君    理事 大出  俊君 理事 中路 雅弘君       赤城 宗徳君    近藤 鉄雄君       中馬 辰猪君    三塚  博君       吉永 治市君    渡辺 惣蔵君       木下 元二君    鬼木 勝利君       受田 新吉君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      植木 光教君  出席政府委員         内閣官房内閣審         議室長     原   徹君         人事院総裁   藤井 貞夫君         人事院事務総局         給与局長    茨木  広君         人事院事務総局         職員局長    中村  博君         内閣総理大臣官         房管理室長   島村 史郎君         内閣総理大臣官         房総務審議官  佐々 成美君         総理府人事局長 秋富 公正君         総理府恩給局長 菅野 弘夫君         大蔵政務次官  森  美秀君         労働省労働基準         局賃金福祉部長 水谷 剛蔵君  委員外出席者         人事院事務総長 尾崎 朝夷君         大蔵省主計局主         計官      梅澤 節男君         内閣委員会調査         室長      本田 敬信君     ————————————— 本日の会議に付した案件  恩給法等の一部を改正する法律案内閣提出第  二七号)      ————◇—————
  2. 藤尾正行

    藤尾委員長 これより会議を開きます。  恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。大出俊君。
  3. 大出俊

    大出委員 冒頭に、少し整理をさしておいていただきたい問題がございますので、総務長官に承りたいのですが、春闘というようなことで、それぞれの権利主張をなさる諸団体がおいでになるわけでございまして、その意味では要求書というふうなものを総務長官あて職員団体関係方々が出しておるわけでございます。  そこで、できれば私は、悪循環を重ねるこの種の、ストライキをやる、さて処分が出る、実損回復を求めるというような、ILO等を介在いたしましていろいろなことになっているわけですけれども、そういうことは避けたいという気がするわけでありまして、そこで懸案になっている幾つかの問題について何とか解決の方向をひとつお考えをいただきたい、そうでないと、また物事がなかなか混線をいたしますから。そこで、三月七日に人事院の側なり、あるいはその後、三月十五日でございますか、総理府の側なりに、関係団体の方方がお伺いをしてやりとりをしているわけでございますが、そこの第一の問題は給与支払い制度ですね。この問題は、昨年末の給与を通します際に、当委員会附帯決議等を付しているわけであります。これには、それなりの背景もあり、事情もあって、当時、理事会与党筆頭理事の小宮山さんの方と私の方で、人事院の主張するところ、総理府のおっしゃるところ、また各党間の御意見等を調整してつけた附帯決議であります。  したがって、この支払い制度改善の問題について、総務長官のもとにおいてどういう決着をおつけになろうとなさるのか、まず、そこのところを承っておきたいのであります。
  4. 植木光教

    植木国務大臣 ただいま仰せのありましたように、附帯決議が付されまして、それに対しまして、私から慎重に検討いたしますということを申し上げました。いろいろ法律面財政面等で問題がございますが、この支払い手続改善につきましては、政府部内はもとよりのことでございますが、学識経験者等の御意見も伺っておりますし、さらにまたお話のございましたように、労働団体からの強い御要請も私自身が受けております。  したがいまして、いろいろ問題がございますけれども、何とかこれを改善いたしたいという努力をしている最中でございまして、まだ結論を見るに至ってないのでございますけれども、いろいろな面を勘案しながら、これを実現したいというふうに考え努力をしておるところでございます。
  5. 大出俊

    大出委員 そういう抽象的な話では、そうでございますかと申し上げられないですね、実は。これには背景がございまして、「本年の勧告は例年に比べて早期勧告されたにもかかわらず、はなはだしくおくれたことは、誠に遺憾である。政府は、民間並びに三公社・五現業給与支給の実情にかんがみ、公務員給与支給に当つては勧告の時期も考慮して支給が行われるよう支給手続き改善について検討すべきである。」この支給手続改善という問題はいろいろ議論された。そこで、これは理事会でも、この支給手続改善ということの意味は、三公五現の賃金決定制度と同様の制度とする、そういうことを含めて当面、勧告の時期並びに支給制度手続改正、これを検討する、こうなっているわけですね。理事会でこういう話し合いになっている。  その発端は、森さんお見えになっていて大変恐縮なんですけれども、六カ月も七カ月も、七月二十六日の勧告が十二月までこんなにおくれる。大変な物価上昇の時期なんだから、大きな目減りになるんじゃないのか。しかも国会が、参議院選挙が終わって開かれている時期に、人事院が、お亡くなりになった総裁が苦労して勧告をぶつけているのに。だから、政治の壁が給与の引き上げを阻んだと当時の新聞に書いてあったのです。そこで、大野さんが政務次官をなさっていたから、私がいろいろ御質問申し上げたところが、確かに目減りという問題が起こっている、だから、どの程度のことになるのか、計算の方法もあろうから一遍検討して、検討の結果を大出さんのところにお届けしよう、これはここに議事録がございますけれども。その後、政務次官がぽっとおかわりになったものだから、大変恐縮だったのですが、森さんに引き続き私、質問いたしまして、目減り数字その他の問題をお出しいただくということになったのですけれども、ただ政治的にいろいろな問題もありますので、私の方もそれ以上の追及は御遠慮いたしました。  その時点で、当面、勧告された人事院の側その他は、何とかひとつ年内支給差額支給も含めて片をつけたい、したがって、まとめる方法はということだったものですから、そこで実は、人事院事務総長に私お目にかかって、新聞記事を見たのだが、この新聞記事に、ここに持っておりますが、人事院勧告がたなざらしになった、しかも臨時国会に間に合わしているのに。四月以降の物価上昇は二五%にもなっている。国家公務員給与というのは、その意味では大変なことになっている。したがって、実質的な公務員給与の減少というものもある。だから、将来に向かって何らかの授権立法みたいなものを考えなければならぬだろうというんですね。これは「政局うらめし 公務員給与改定」という当時の新聞記事です。そこで私は、人事院にお伺いして、尾崎さんに会って、この新聞に載っていることだが、一体この辺をどう考えればいいのかという質問を直接お目にかかってしたのですが、尾崎さんの言い分は、人事院勧告というものは仲裁裁定と同じものである、そういうふうに政府側国会の側も受け取っていただきたいと私は思っております、こういうお話。私もこの点は全く同感で、制度上の問題で、代償機関なんです。片や仲裁裁定で、裁定が出れば政府決定をする、以後は団交権がありますからいつでももらえる。ところが国家公務員の方は、そうではなしに、国会が開かれないということが理由になるとすれば、半年でも、翌年の一、二月まででも延ばされてしまう。これは筋が通らぬことであります。したがって、仲裁裁定と同じものであるというふうに国会政府側も受け取ってもらいたいと人事院がおっしゃるならば、支払い手続についても仲裁裁定と同じようになっていなければ、仲裁裁定と同じものと考えろと幾ら言ったって考えようがないじゃないか、こういうやりとりをいたしまして、さて授権立法みたいなものをひとつ考えて、支払い手続を半年もそれ以上もおくれるようなことをしないようにする、この点はどうかという話をいたしましたら、それはぜひひとつ国会サイドでやってくれというお話。これは長年の懸案だから、当然そういう話になってしかるべきだ。そこで実はつけた附帯決議なんですね。  そこで私は、どうも最近、三木さんの姿勢に合わせてかどうか知りませんけれども、みんな後退現象がきわめてはなはだしいわけです。そのときにはそう言ったんだが、後になるとだんだん後に下がる。総後退内閣のもとにおける人事院は、これまた総後退内閣につられて後退をしておる、こういうことなんです。私が言ったんじゃないけれども三木内閣とかけて何と解くと言ったらネコに紙袋だと言う、心はと言ったら、後へ下がるだけだと言うのです。これじゃ困るんですね。  そこで、念のために聞きたいのだが、尾崎さんひとつどうですか。私とやりとりをしたのだが、新聞に出ているのを私は聞いたんだから、したがって、そのとおりおっしゃらぬでもいいけれども、いま私が言ったようなお考えが——てにをはには余りこだわりません、気持ちの上の問題ですから。同じようなお考えをお持ちなのかどうか。ここまで来ると改めて承らぬと、限りなく後退されちゃ困るので、人事院側考えとして、国会政府仲裁裁定のように受け取ってくれ、そういうお考えなのかどうか。だとすると、人事院勧告が出ても、半年でも七カ月でも八カ月でも実施ができない、手続上の問題に大変な違いがある、それでは困るので、何かやはり法律によらなければ金が支出できないことになっていますから、そういう意味では、授権立法みたいなものがなければならぬというお気持ちが強く尾崎さんには当時あったわけですから、二番目として、その点がお変わりになってないのかどうか、これは藤井さんが新総裁におなりになる前のことでございますから、事務総長余り法皇で院政か何かしいていただいては困るから、ひとつはっきりお答えいただきたい、いかがでございますか。
  6. 尾崎朝夷

    尾崎説明員 昨年の勧告におきましては、人事院といたしましては、大変一生懸命に努力をいたしまして、早く勧告を申し上げたわけでございますが、いろいろな事情支給が大変おくれたわけでございます。物価も相当上がりましたし、大変おくれましたので、職員関係におきましても非常に大変でございましたし、私どもとしましても、何とか早く支給をしていただきたいという気持ちが非常に強かったわけでございます。職員団体方々も大変そういう関係の御要望が強かったわけでございます。  そこで、去年のような物価情勢下におきまして、いままでになくおくれるという点は、職員の側にとりまして非常に大変なことでございますので、去年のようなことがないように、あっては大変だという気持ちがみんなに強かったわけでございます。  そこで、その給与法が審議されますに当たりまして、附帯決議がつけられまして、私どもとしては、御配慮に大変ありがたいと考えたわけでございますけれども、この問題は、そのときもいろいろ大出先生にも申し上げたわけでございますけれども、問題は早く支給していただきたいという趣旨でございまして、こういうことが来年は何とかないようにということを強く望んでおったわけでございますが、その方法としましては、いろいろな方法もあるでございましょう。たとえば大変失礼な話でございますけれども各党でなるべく早くやろうというようなお考えをお互いに出していただいたりいたしますと、大変ありがたいというようなこともございますし、政府側においても努力していただきたいというふうなこともございますし、手続関係としては何か授権というような、勧告したらある程度早く出せるというような方法、たとえばインフレが大変な状態のときにおきましては、暫定的に一〇%を早く払っていただきたいという勧告をしたようなこともございましたが、そのようないろいろな方法がございますわけでございますけれども、当面の問題は、三公社現業の場合と違います点は、法定主義ということで国会でその関係を御審議いただいて、これが適当だというようなことで初めて支給されることになるわけでございますので、そういう関係との関係も十分考慮していかなければならないという点で授権的な、法律的に早く払うというような関係につきましては、いろいろ事務的に検討はいたしておりますけれども、なかなかむずかしい問題が非常に多いということもだんだんわかってきておるわけでございます。  そういう点で、私どもとしましては、何とか早く払っていただきたいという気持ちは去年のときと同様でございますけれども、そういう点につきまして方法はいろいろあるのじゃなかろうかということで、各方面からそういう点を好意ある御支援をいただきまして、早く支払われるような方法に持っていっていただきたいという気持ちで現在いろいろ事務的な検討もし、あるいはそれぞれ関係方々にも事務的な御相談はいろいろ申し上げているところでございます。
  7. 大出俊

    大出委員 いまの話三つくらいあるんですけれども尾崎さん、国会の議を経なければならない、これが今日の手続上の問題点。     〔委員長退席木野委員長代理着席〕  そこで、各党で協力してと言ったって、いま政党政治ですから、与党の皆さんの方で国会をお開きになる意思がなければ開けない。そうなれば、これは当然支給は物理的におくれる。各党相談を幾らしたって、国会給与のために早く開けるか、今日まで十何年間開いた例のないものが開けるはずがない。  念のために申し上げておきますが、ここに人事院勧告仲裁裁定の比較ということで、昭和三十五年から四十九年まで十四年間の人事院勧告実施時期、仲裁裁定実施時期が書いてある。ここに十四年間の一覧表をつくってある。三十五年に人事院勧告実施時期は、参議院を通ったのは十二月二十一日、三十六年は十月の三十一日、三十七年は翌年の三十八年の二月の二十七日、翌年になっている。今度三十八年は十二月の十八日、三十九年も十二月の十七日、四十年も十二月の十七日、四十一年もまた十二月の二十日、四十二年が十二月の二十二日、四十三年が十二月二十一日、ほとんど全部十二月ということでしょう、これは。四十四年が十二月二日、四十五年が十二月十七日、四十六年が十二月十九日、ずうっと全部十二月、年末ぎりぎり。四十七年が十一月の十三日、四十八年だけが九月二十六日に通っている。昨年はまた十二月の二十三日、参議院を通ったのは。そうすると、これは協力の問題じゃないのです。事実が明確に示している。この間目減りのしっぱなしだ、ずっと物価が上りっぱなしできているんですから。  ところで片一方、仲裁裁定はどうだと言えば、三十五年が四月一日、以後四十九年まで全部四月一日。     〔木野委員長代理退席委員長着席公労協関係の方は、三十五年から十四年間すべて四月一日。国家公務員関係の方は、三十六年が十月の三十一日、そして後四十七年が十一月の十三日、四十八年が九月の二十六日、この三回を除いては全部十二月、残りの一回は翌年の二月二十七日、こういうべらぼうなことになっておって、何がこれ仲裁裁定と同じように受け取ってくれ、聞いてあきれる。各党がいかに努力したって、こんなことできやしないじゃないですか。事実が示しているじゃないですか。この十四年間の長い年月国家公務員は損ばかり。代償機関なんて人事院言ったって、くその役にも立たぬ。片一方は四月じゃないですか。八カ月おくれている、全部。翌年だったら十カ月以上おくれる。そういうことでろくな答弁もしない、どっち見ても。これは無責任きわまる。古くて新しい問題、言うのは体裁いいことを言う。古くて新しい問題だからこそ解決しなければならないのです。もう人事院存在価値はないですよ。それこそ人事院廃止議員立法でも参議院から出そうかといま実は言っておる。  それでは大蔵省、これは森さんお見えになるから承りたいのだけれども、これは三月十四日の午後三時から大蔵省高橋主計局次長加藤総務課長吉居給与課長公務員共闘との話し合い公務員共闘の速報を見ると、支払い方法支払い制度について、公労協仲裁裁定を出す、それより先とは言わぬけれども、引き続いて、人事院勧告が出たらすぐに実施できるようにぐらいはしてくれなければ困るじゃないですか。これについて、いや人事院が何とかおっしゃるだろうから人事院勧告を見てからでなければ何とも言えない、そういう答弁です。附帯決議では、この制度をやめさせようということです。国会が開かれていなければどうにもならないということについて、衆議院の内閣委員会附帯決議では、この制度をやめさせよう、つまり国会が開かれなければどうにもならぬという制度をやめさせようという意味附帯決議だ。しかしこれは「非常に難しい問題であり、将来の問題として考えていくべきものである。」——「将来の問題として考えていくべきもの」と言ったって、私が持っておるこの表だけでも十四年間考えていくべきもの。だから、これ以前から考えなければならぬ、本当は。十四年間考えていて、実施しないで、大きなことを言っては困りますよ。大蔵省の場合、一体どうなんですか、森さん。
  8. 森美秀

    ○森(美)政府委員 この件につきましては私、詳しく知りませんので、後刻調査して御返事申し上げたいと思います。
  9. 大出俊

    大出委員 森さんでなければ黙っていないんですけれども、森さんですから黙っていることにいたしますが、ともかくこういう答弁を平気でする。「将来の問題として考えていくべきものである。」十四年間考えている。寒ガエルというのは土の中と決まっておる。人事院の方はどうなんですか。責任がないんですか、これについて。国会勧告したんだから、政府勧告したんだから、そっちでやってくれ、こういうことですか。いかがですか、尾崎さん。
  10. 藤井貞夫

    藤井(貞)政府委員 昨年の附帯決議に関連しての御質問でございますが、これにつきましては、先刻総長からも申し上げましたし、また先般の委員会でも論議がございまして、私からも申し上げたところでございますが、人事院勧告というものは内閣及び国会に対してなされるものでございまして、われわれの代償的機能を果たすべき地位から申しまして、その勧告というものはできるだけ早期実施に移さるべきことは当然でございます。そういうことで、従来もせっかくわれわれとしての可能な限りの努力はしてまいりました。その結果、いまお示しがございましたように、時期的にはなるほど十二月ということで非常におくれておりましたのですが、勧告内容自体というものをそのまま尊重していただくという線は一歩一歩前進をいたしまして、最近では四月の完全実施という点まで進んでいただいておるようなわけでございます。しかし昨年のような非常な異常事態のもとにおいて、しかも、大変支払いがおくれてしまったということは、これはきわめて遺憾なことでございまして、その意味では、われわれといたしましては、本院における附帯決議というものを、われわれを応援していただく趣旨とくみ取って、その実現に協力していただくという意味をもちまして、大変感謝を申し上げておる次第でございます。  この際に、私から申し述べるべき筋合いではないかもしれませんが、先ほど総務長官もお答えになりましたように、いろいろ各方面附帯決議趣旨実現のための検討はいたしております。われわれの方も勧告をいたしておりますので、それを早期に取り上げていただくということに尽きておるわけでございますけれども、それが非常におくれるということは遺憾なことでございますので、この早期実現のために、事務的にもわれわれはわれわれなりに検討をいたしておるところでございますけれども、大変むずかしい関係国会審議権との関係等もございまして、いまだに結論的なものが見出せずにおるわけでございますが、今後とも関係方面十分接触を保ちながら、この趣旨に沿ったいい方法を見つけるために、さらに最善の努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  11. 大出俊

    大出委員 これは、むずかしい問題だから将来考うべきものだ、検討していきます、そんなものは何年言ったって一緒なんだ。十四年間言っているんだから。この間の国会だって、恩給法の繰り上げ実施をやれ。そうしたら地方共済は通っている。成立している。国家公務員共済も通っている。農林漁業年金も通っている。私学共済も通っている。援護も通っている。一事不再議の原則があってそんなものはできない。法制局を呼んできて詰めてみたところが、方法も全くなくはない。議員立法で一カ月繰り上げれば繰り上げられる。二カ月でも三カ月でも繰り上げられる。結果的にこの間の国会というのは、あなた方がやる気がないから、恩給法も通しておいて、全部並べて一カ月繰り上げる議員立法で通している。みんな一カ月繰り上がっている。やればできるんだ、あんなことは。そんなのわけがないんだ、やる気になれば。やる気がないだけのことだ、あなた方に。責任の所在を明らかにする意味で言えば、総理府総務長官にも明確に責任がある。人事院だってありますよ。大蔵省だってありますよ。それをばかみたいな答弁をしている。くその役にも立たない。こんなことを十四年間言い続けて何の役に立つ。何が一体具体的に困難なのか、ここで細かく言ってください。総務長官大蔵省人事院総裁と、具体的に検討しているとおっしゃるんだから、検討の結果、何がどこにぶつかって、何がどうなっているか、全部説明してください。できなければ質問をこれ以上やれない。こんなへみたいなことで世の中通るか。
  12. 植木光教

    植木国務大臣 附帯決議もございますし、のみならず、いまお話ございましたように、過去の実績を顧みましても、御指摘のとおり大変実施時期がおくれているのでございまして、何とかこれを改善すべきであるという努力をしているわけでございます。この問題につきましては、先ほど来申し上げておりますように、政府部内あるいは学識経験者等に御意見を伺いつつ努力をしておることは事実でございますが、すでに御承知のとおり、人事院勧告制度によって国家公務員給与は改定すべきであるというのは、第三次公制審の答申にもあるところでございます。まず、それをやはり前提として考えなければならないと考えます。そういたしますと、国会内閣に対して勧告が行われ、国会の議を経ないで直ちに実施することは差し支えないのであるかどうか。それから勧告の対象にならない裁判官や検察官、その他特別職職員について、全く政府の判断だけでやってよろしいのであるかどうか。また仮払いを行いました後で最終的に国会の承認が得られなかったときはどうするか。勧告が行われた時点で、果たして給与改定の財源が獲得できるかどうか。予算の補正の目途がつけられるかどうか等々あるわけでございます。  それで、いま大出議員おっしゃいました授権立法のような形で仮払い方法はできないものであるかということも含めまして、いま私どもとしては、早期結論を得たいということで努力をしているのでございます。近く学識経験者懇談会もございますが、私は、毎度この問題について何らかの方途を見つけたいということを強く申しておりますし、また、それぞれ御努力をいただいているということは事実なのでございます。何とかして早く結論を得たいということで努力をいたしております。問題点は先ほど申し上げましたようにあるわけでございます。ひとつ御了承をいただきたいと思うのでございます。
  13. 大出俊

    大出委員 いまの公労法の以前の法律で言えば、支払いをした後、次の国会で承認しない場合は、これは予算上、資金上云々の問題がついていまして協約無効になるわけです。だからこんなものは、あなた方が意思を決めて仮払いの暫定措置をとった。そんなことは法律をつくればいいんだから、法的措置はきわめて簡単。法律の前例はある。その場合に、次の国会で承認しなければどうするかという問題だけが残る。その措置さえできればいい。そのことは改正前の公労法にあった。つまり皆さん方が決断をするかしないかなんだ。そんなことは、あなた方、法制局に聞いてみなさい。学識経験者と言うのだが、あなた方、一体どういう経験者を相手に聞いているのですか。
  14. 植木光教

    植木国務大臣 公務員問題懇談会というものをつくりまして、これは諮問機関といたしまして学識経験者にお集まりいただいているわけでございます。たとえば、いまお話がございました法制局意見を聞いているか、これは現実に法制局意見も聞いておりますし、この懇談会のメンバーの中にも、かつて法制局長官でありました林修三氏にもお入りをいただいている、そういういろいろなメンバーによりまして、この運用について御意見を伺っているのでございます。
  15. 大出俊

    大出委員 これを見ると、地産ストアの社長だとか増子さんが入っていたり、本田技研の最高顧問が入っていたり、それから堀さんは前の労政局長でしょう。林さん、それから私が教わったことがある田上穣治さん、この人は皇国憲法学の大家で、一番右寄りの学者だ。それから本四連絡橋公団の副総裁、佐藤朝生さん、河合良一さん、これは小松製作所の社長でしょう。泉さん、これは日本専売公社の副総裁。  どういう風の吹き回しでこういうものをこしらえたのか私は知らぬのだけれども、国家行政組織法上、こんなものは全然ないでしょう。昔からそういうものはつくらないようにしろという勧告が行監からも出ているのです。田中角さんの例の選挙区割り制度委員会云々の問題で大きな問題になったでしょう。いつの間にこんなものをつくったのか私は知らぬけれども。これは後から、私はこの問題だけで改めてやりますけれども、こんなものは私ら承認できないですよ。これは改めてしかるべき時期にやりますけれども、こういうものはただでほっておく気はないですよ。何もこんなものをこしらえなくたって、これは全く私的諮問機関だと言うなら、ないと一緒で、行政機関じゃないのだから、八条機関でもないのだから。そうでしょう。こんなところに聞いて、あなた方は何をするつもりですか。この方々はいかなる権威があるのですか。総務長官、いかがですか。
  16. 植木光教

    植木国務大臣 これは、いまお話しございましたように総務長官の私的諮問機関でございます。政府部内におきまして、これを詰めていくことはもとよりでございますけれども、やはり学識経験者の御意見をお聞きするということも必要である、これはやはり国民の理解を得るためにも必要であるという考え方からつくったものでございまして、きわめて熱心に御討議をいただいておりまして、私どもとしましては、政府部内で詰めるべきものはもちろん詰めておるわけでございますが、民間の方々の御意見もお聞きをしたいということで、この機関をつくったのでございます。
  17. 大出俊

    大出委員 ここへ一体何と何をいまあなた方は諮問されておるのですか。
  18. 秋富公正

    秋富政府委員 まあ当面のいろいろな問題でございますが、一つは、いまお話しの給与早期支給の問題でございます。それから財形貯蓄の問題、それから中高年層がいわゆる中ぶくれになっておりますが、こういった人的構成を今後どういうふうに持っていくべきかといったような問題につきまして、種々御説明申し上げ、また御意見を承っておるわけでございます。
  19. 大出俊

    大出委員 この給与支払い方法は、あなたいつごろまでに結論を出すのですか。
  20. 植木光教

    植木国務大臣 いつごろまでということは、いまここで直ちに申し上げることはできませんが、各省庁との協議もやっておりますし、また今月も先ほど来の懇談会におきまして、この問題について御論議をいただくということになっておりまして、人事院勧告早期になされることを期待いたしますとともに、それに対応いたしまして政府側としての措置をするという目標でやっております。この際、いつまでということはちょっと申し上げられませんことは、ひとつお許しをいただきたいと思います。
  21. 大出俊

    大出委員 いつまでという期限を切って物を諮問するのが、普通の場合はたてまえでしょう。そうでなければ、あなた追及されれば苦しまぎれに、こういう懇談会をつくりましてそこに広く頼んであります、検討してもらっておりますからと、いつになったって、検討してもらっていますからなどと、十五年間そうなんだから切りがない。これは私、知った方がたくさんいるけれども、増子さんにしてもだれにしても。増子さんが公務員制度調査室長の時代だって同じ問題があったのです。堀さんが労政局長のときだって同じ問題があった。これは河合さんだってそうです。みんなそうじゃないですか。佐藤朝生さんなんというのは、事務総長を長くやっておられたのだが、その時代からあった。その時代も相談をする、相談をすると言ってきた。そう言ってきた連中だけを集めてやってみても、みんな相談できなかったのだから、切りがないじゃないですか。これは一体まだこのままおっぽっておくつもりですか。いつまでに結論を出すのかはっきりせぬで、このまま黙って引き下がれますか。そんないいかげんな諮問をあなた方はしたのですか。
  22. 植木光教

    植木国務大臣 御意見を聞く懇談会でございまして、私どもといたしましては、この懇談会で御結論が得られないからこれはやらないなどというようなことは考えておりません。いま仰せのとおり非常な御経験を積まれた方々でありますし、民間から入っていただいております方々も、こういう給与問題については非常に見識を持った方々でございます。この附帯決議がございましたので、特に私としましては、この問題について早期結論を出したいからという、何といいますか、強い態度で臨んでいるのでございまして、したがって事務当局にも、常にこの問題について督励をいたしておりますし、懇談会に対しましても、私も出席をいたしまして御意見を伺っているのでありまして、いろいろな場合を想定しながら、また具体的な御提案も受けながら、その具体的な提案を実現するにはどういう支障があるか、その支障はどう解決すべきか、そういうようなことまでも含めまして、大変熱心にやっておりますので、その点は御了解をいただきたい。早期結論を出すべく懸命に努力をいたします。
  23. 大出俊

    大出委員 時間の関係がございますから、この席でそれ以上申しませんが、私は植木さんの御性格を、何遍も質問しましたからわかっておりますので、御信用を申し上げておるわけでありますが、いろいろ言いましたが、藤井さんも事務総長をおやりになっていた時代から私もよく存じ上げているので、大変まじめに、熱心におやりになっていることを知らぬわけじゃないんですけれども、ただ、こういう問題に関する限りは、ここにおられる方々は知った方が何人もおられるということを申し上げたけれども、この方々の時代に、みんなこの十余年間に並んでいた方々なんだから、私は直接何遍も話し合ったことがありますが、その都度、言うことはこれと同じなんだ。だから、一つ間違えばまた、おれの時代にいろいろ考えてみたが無理だよ、そんなことを言った連中ばかりなんだから、無理でやれなかった方々を集めて、回顧談が出てくるぐらいのことになってしまう。そんなことで物が片づきやしないですよ。  だから問題は、世間一般の国民の皆さんの気持ちもあるとおっしゃるので、懇談会や何かをつくる、そういう必要もあるかもしらぬが、政府が腹を決めなければ、大体審議会だ、懇談会だって、諮問機関は事務当局が政府なんだから、政府が物を持っていって、こういうことなんだというようなことでいつもまとめている。そんなことはちゃんとぼくらはわかっている、いろいろやっていますから。だから問題は、いまのようなことじゃなくて、とにかく半年も一年も七カ月も延びるようなことをしない、そういう制度的なことをきちっとまとめるという意思を、政府が腹を決めて、法的にはかくかくしかじか、こういう方法がある、それについて具体的な検討、でなければ物事は前に進みやしない。  だから、これは改めて、私は、一体どういう中身の諮問をなさって、議論の焦点は一体どうなっているのかということを承りたいのですけれども、きょうは時間がありませんから、この点は次の機会にもう一遍質問いたします。それまでにぜひ決着のつくような確たる御検討をいただきたい。この点は保留にしておきます。  それから次に、週休二日問題で整理さしていただきたいのですが、この間、私が質問したときに総裁答弁をなさったけれども、このときには、労働省の一番近い調査がまだ結論が出ていなかった。四月の初めということになった。その労働省の調査結果が出た。私も新聞で見ましたが、きのうこの資料をいただいて、中身を見たんだが、この中身は大変急速の伸びですね。四十五年から四十九年までが出ておりますけれども、大変に急速な週休二日制の採用企業の伸び率、六七・五%ですね、今日。七〇%近い。この中身を見ましても、完全週休二日制になっているところ、月三回、隔週、月二回、月一回、こう分かれてトータルがとってありますが、完全週休二日制というのは、なかなか現実に伸びないというようなことを言われておりましたが、九・九%が四十八年に一六・四%になっているんですね、完全週休二日、これは大変な伸びですよ。月二回だって一六・八になっていますね。これは大変な伸び率を示しております。  だから、全体の中身を見ましても、所定労働時間、つまり時間短縮の方向で週休二日になっているのかいないのかという点を見ても、労働省の資料によるとほとんど時間短縮、四十時間、この方向に向かって全部進んでいるんですね。四十時間というところが六五・五%ある。だから、圧倒的にやはり時短の方向に向かっての週休二日制あるいは隔週二日制あるいは月三回、月二回、月一回、ほとんど全部がこうなっているんですね。  だから私は、ここまでくると、この間、人事院総裁がお答えになっておりましたが、これは試行とおっしゃるのだけれども、あなたは、決断をしなければならぬという点について、そういうふうに思うと答えておるが、試行基準その他を含めて、具体的に一体これからどうするつもりなのか。難易の度合い、つまりやさしい、むずかしいという度合いのある官庁はございますけれども、あるいは交代制勤務もございますけれども、そこらを含めて、この間総裁がお答えになっているその一歩先——この間こう答えておられますね。「試行につきましては、これはすでに、勧告でも申し上げておりますように五十年目途ということを言っておりますので……。それはやりたいということでございます。」というあなたのお答え。そして私が「やるんですな、それじゃ。」と念を押したら、あなたが「そういうふうに御理解いただいて結構です。」こう答えた。人事院が試行をおやりになるとおっしゃるから、それじゃおやりくださいというふうに私結んでおる。  これを、この間時間がありませんでしたから、ぶっきらぼうな聞き方をいたしましたが、もう一歩進んで一体どういうふうに——これは尾崎さんお見えになっておるけれども、風の便りでいろいろなことが私の耳に入るので気になるのだが、いまここで申し上げておきますが、私は総裁に十二月という月までにおやりになれるかと聞いたら、それはできないとおっしゃる。それなら五十年度、こういうことになると、来年の三月なんだから、来年三月までにできるかと言ったら、あなたは何とか一生懸命やりたい、こう言う。となると、これは一−三間になるんですよ、十二月までにはできないと言うんだから。一月と三月の間だ。十二月までできない、できなければ三月まで、こうなる。そうしたらあなたは、そういうふうに御理解いただいて結構だ。それならば一−三間という受け取り方しかない。だから新聞は一−三間と書いている。  それでは、この一−三間で基準の問題もあるのだが、一体どういうふうに試行をおやりになるつもりなんですか。いかがでございますか。
  24. 藤井貞夫

    藤井(貞)政府委員 この間の御質問に対して、私から五十年度中には試行はやりたいというふうに申し上げました。この点につきましては、実は適当な説明ではございませんですが、私、昨年の末に人事院の方に御厄介になりまして、その後もちろん、各局の事務等については引き継ぎ等は受けて説明は聞いております。ただ、その後引き続きまして、本委員会でも大変御無理をお願い申し上げましたような寒冷地手当の問題、引き続いて教員の第二次勧告の問題等が差し迫っておりましたので、それに実はかかり切りでおりました。そういうことで、私といたしましては、あの法案を御審議いただきましたので、ここしばらくは、この週休二日制の問題に打ち込めるという段階にきたわけでございます。  そこで、私といたしましても、この問題は、国民生活にも影響するきわめて重大な問題でございますので、はっきり問題点を腹に入れた上で私なりの決心をいたしたい、かように考えて、各省別のいろいろな問題について、事務当局が各般の打ち合わせを通じて得ました実情についていま詳細に勉強いたしております。それが終わりました段階で、いわば各省庁の試行計画の設定及び実施の計画基準というものをわれわれの方でつくらなければならぬと考えますが、それには御承知のいろいろな政府レベルの各種の閣僚会議その他の部会、分科会等がございますから、それらにも緊密な連絡を図りながらいきたいと思いますけれども、結局は、最終的には人事院といたしましても、一定の方向をはっきりと腹に固めて、それからその方向を打ち出したい、かように考えております。  そこで、いまのところは、もう少し勉強が残っております。これが終わりましたら、いまの基準案に取りかかりまして、それからいつまでに、この基準案に従って各省の計画を具体的に出していただくかというような日程を煮詰めてまいりたい、かように考えております。いまはそういう段階でございます。
  25. 大出俊

    大出委員 その御勉強いただく——確かに各般にわたる問題でございますから、総理府との関係もございますが、部会をつくって、第一部会は非現業公務員だと思いましたが、第二部会が三公社現業、第三部会が教員、第四部会が民間、おのおの各省窓口があるわけですが、そちらに人事院が全部出ているのかと言ったらそうじゃない、こう言う。だが、そちらの方でいろいろ議論されたことは、おたくに入っていると思います。だから、そこらの問題も含めて、たとえば第四部会で言えば、銀行協会と関係組合との関係の問題もございます。銀行法十八条との関係が、郵便局の問題と絡んでいますからございます。そういうふうな問題がたくさんありますから、御勉強いただかなければならないと思います。思いますが、これもやはり、私は郵便の日曜配達廃止問題で苦労した一人ですけれども、決断が要るんですね。西ドイツの労働総同盟のウィリー・リヒター会長が当時、郵便関係の日曜配達廃止をやったいきさつをぼくに説明していましたが、ずいぶんいろいろな意見があった、ところが、やってみたら、結果的には文句も何も出なくて、国民も納得してすっきり片づいた。つまりそういう先例に基づいて、決断をすべきときには決断をすべきなんだということを言っていました。かくて郵政省も決断をしてそっちへ進んでいるわけです。だから、このあたりで決断が要る。  したがって問題は、いまの御勉強はいつまでなのか、大体どのくらいまででめどがついて、さて試行基準をお決めになる、試行計画をお決めになる、それは一体どのくらいまでかかるものなのか、いまの想定で。想定なしには物事は進まぬのですから。  そこで、さてやるとすれば、完全閉庁ということを片っ方で言っているのだけれども、どういう形で、一−三間とおっしゃるなら一−三間でお進めになるのか、交代制勤務はどうするのか、そこらのところはどうなるのですか。
  26. 藤井貞夫

    藤井(貞)政府委員 週休二日制実施のいわばアウトラインといいますか、具体的な構想につきましては、従来二回にわたって人事院勧告文の中で触れておるところでございます。すなわち時短を伴う週休二日で、これは月に大体二回ということ、それから閉庁かどうかということは、まだもうしばらく私なりに検討いたしたいし、これは総理府、実は政府の問題でございます、役所の関係でございますので、それらの意向も十分参酌しながら結論は出していかなければならぬと思いますが、大まかにはそういう方向で進んでいるわけでございます。  それと、先刻来申し上げ、いまも申し上げましたように、五十年度中には試行はやりたい、ここまで申し上げておりますので、そういうところから、大体時期的には十二月まではむずかしいとか、一月と三月の間だろうとか、何かいろいろ御指摘がございましたけれども、まあいわば常識的にはそういうところになるかとも思いますけれども、私としては、故意にこれを遷延させるとかそういう気持ちは持っておりません。せっかく勉強いたしておりますので、できるだけ早く結論を出したいと思っております。
  27. 大出俊

    大出委員 藤井総裁のお人柄ですから、その点私もわかります。  そこで絡みますので、ここを承っておきたいのですが、一部会から四部会までございますね。一部会のやりとりを私いつか承りましたら、いろいろな意見がある。むずかしいところとやさしいところがある。だが、やさしいところを食い逃げで、むずかしいところをほうられては困るというわけです。警察だとか税務署だとか消防だとか気象庁だとかむずかしいのがいっぱいある。  ところで、そういうところもあえてやるとするならば、完全に閉庁でやってくれ、取り残されては困る、これが一部会の五回か六回かおやりになった中間的に一致した意見だという。それが一つの問題点なんですが、それとあわせて二部会、三部会、三部会は教員ですね、それから四部会とあるわけですが、二部会のたとえば郵政省なんかは郵便局を持っています。四部会の民間の中には銀行があります。そこらの議論というのは一体どう進んでいるのですか。
  28. 原徹

    ○原政府委員 ただいまのところは、この閣僚協議会がまずできまして、四回ほどやったわけでございます。その結果、とにかく週休二日制の問題は、国民の理解の得られるような方向でやらなけばならぬ、それについてはいろいろ問題があるだろうから、事務レベルで検討する、そういうことでいまお話がございましたように四部会ができたわけでございます。  で、その部会ができましたのとほぼ時を同じゅうしまして、人事院の報告におきましてこの問題が触れられたわけでございます。そうなりましたものですから、勢い連絡会議をいたしておりますと、やはり公務員の問題が話の中心にどうしてもならざるを得ない。したがって、これは第一部会の話が中心になっております。そういたしますと、ただいまの第一部会の話に準じたような形で、第二部会の方もそれに追随するのがいいじゃないか。そういうのが大体いまの事務レベルの話の中身でございます。  それから第四部会、これは民間でございます。民間につきましては、ただいまも労働省の資料がございましたが、これは非常に進んでおります。進んでおりまして非常に結構でございますが、まあその中に、いまの不況と関係のあるような形であるものもあるいはあるのかなとは思いますが、とにかく進んでおります。したがって、それは特に促進策を講じなくてもどんどん進む、それにいまの公務員関係がどういうような対応をしていくか、そこがいまの問題であるわけでございます。
  29. 大出俊

    大出委員 労働省に承りたいのですが、今度この調査をなさった結果として大変な進みぐあい。私の見た限りでは、ほとんどが時短を伴っておるというふうに思うんですね、したがって、労働密度という問題は別の角度から見なければいけませんけれども。  そこで、中小企業の問題がよく問題になるんですけれども、傾向として、そこらのところがこの中でどういうふうに進んでいるのか、大きな企業はわかりますけれどもね。そこの点が一つと、ここまで来ると、労働省のサイドから見て、公務員が思い切って、第一部会がまとめている閉庁——これは何も完全週休二日を人事院は言っているわけでないので、隔週なんですから。そこらの問題とあわせて、これは大蔵省関係になりますが、銀行との関係ですね。中小企業と銀行という問題、これは実は逆なんですね。銀行関係の組合の方に聞いてみると、民間中小企業でも土曜を休みにしているところがたくさんある。銀行の方は、銀行協会との話し合いの結果、組合側は間引きで、半舷上陸みたいな休み方をしている。そうすると土曜日は、銀行は人手が少なくなってくる。そこへ今度は、中小零細企業の方は週休二日をやっているところがたくさん出てきているものですから、御主人以下みな手があいてしまう。あくものだから一斉に銀行へ出かけてきて金貸せの話から始まって、銀行の方は土曜日というのは忙しくててんてこ舞い、どうにもならない。全く無茶な話がある。ヘビの生殺しみたいな銀行の半舷上陸式な休みというのは、あと残った諸君に集中してしわが寄る。民間だって中小、零細企業がどんどん週休二日制をとっていっているわけですから、御主人の手があく。  だからそうならそうで、はっきりこれは踏み切るべきである。だが、銀行の場合には、銀行法十八条が森さん御存じのとおりございます。のみならず銀行法というのは、古い法律ですから、いろいろな意見があるところですから、そっちの方で審議会をつくっておやりになって三年かかるというのじゃ、これは話にならぬわけです。そこらの関係大蔵省、労働省両方のサイドで、官庁の、郵便局の土曜閉庁などという問題と絡んでいるわけですが、どういうふうにおとらえになっているのか、どうしたらいいのか、そこらの御見解を両省から私は聞いておきたい。いかがですか。
  30. 森美秀

    ○森(美)政府委員 銀行の週休二日制の問題につきましては、先般、大蔵委員会で総理大臣が出席をいたしまして、私はかねてから週休二日制論者である、これについて前向きに検討したい、こういうことが出ていました。ただいま大蔵委員会におきまして、この問題をどう取り扱うか、真剣な討議が続けられておるわけでございます。
  31. 水谷剛蔵

    ○水谷政府委員 お尋ねの点は三点かと思います。  まず中小企業について進んでいるのはどういう関係かという点が第一点かと思いますが、まあこの辺、細かく調査の結果を分析いたしておりませんけれども、やはり週休二日制を推進する場合に、昨今のような経済情勢といいますか、これはとらえようによりますと、非常にプラスに作用するものでもございますので、少なくとも雇用調整をするよりは時間短縮といいますか、そういう形で対応していくというのは一つの考え方といいますか、一つのあり方ではないかというようなことで、こういう時代にも週休二日制の推進というのは民間について進めておるわけでございます。  それから第二点の、週休二日制を推進する場合に、閉庁、開庁あるいは労働時間短縮との関係でございますが、せっかく週休二日制を推進するからには、もちろん労働時間短縮をしないで週休二日制をするということも、それはそれなりのメリットがございますけれども、やはりできることならば労働時間短縮を伴う週休二日制の方がより好ましいことであるというような考え方で、週休二日制の推進については従来から当たってきておるわけでございます。ただ、官庁の閉庁、開庁の問題になりますと、これは労働省の直接所管でもございませんし、国民に対するサービスの問題とかその他ございますので、これについて労働省の立場から現在どうあるべきかということにつきましては、ちょっと申し上げるのもいかがかと思っておるわけでございます。  それから銀行の関係でございますが、実は先生御存じかと思いますが、先生のお手元にございます調査資料によりまして、産業別の分析を見ましても、金融、保険業の週休二日制というのは一番進んでいるものに入っておるわけでございます。ただ今度、週休二日制を内訳別に見ますと、金融機関につきましては、完全週休二日制になりますと、他の産業に比べてかなりおくれておる。といいますのは、やはり金融機関には銀行法その他の制約等がございまして、おのずからその辺の制約があるというふうなことかと思っておりますが、いずれにいたしましても、金融機関の週休二日制は、他産業に比べますとかなり進んでおるという現状でございますけれども、確かに、ここで法律的な問題で一つの壁にぶつかっておる、これは銀行法の問題でございますが。ということもございますので、これを今後進めていくことにつきましては、直接の所管はもちろん大蔵省でございますが、大蔵省の方とも十分連絡をとりながら、労働者の福祉の向上といいますか、そういう観点から労働省としてもその推移を見守るというだけでなくて、できるだけ、もしお手伝いするものがあればお手伝いしてまいりたいというような考え方でございます。
  32. 大出俊

    大出委員 そこがポイントなんですがね、森さん。たとえば総理府でおやりになっている閣僚協の下の第一部会、ここで完全閉庁を相談した。そうしてみても、それに右へならえして三公社現業も、あるいは先生もというその場合に、やはり問題になるのは、完全閉庁なら郵便局も閉庁しなきゃならぬことになる。ところが、郵便局は閉庁したんだが銀行はやっているというかっこうで果たしていいのか。今度は逆に言うと、十八条を改正して銀行は閉店したが郵便局だけやっている。それで事は済むか、小切手法もございますしね。だから、そこらのところは離しがたい。  そこで、承っておかなきゃならぬのは、総裁は試行とおっしゃるんだが、片一方、銀行の方は十八条があるから、これは閉店できない。そうすると、どうしてもやはりそこで問題が出てくるわけですね。そこで森さんの方に、十八条以外の問題まで含めて銀行法改正をと言えば長い期間かかると思うんですよ。三年ぐらいかかってしまう。そうだとすれば、やはり十八条を何らかの形で変えていくということを考えなければ、ここからの進行の度合いに合わない、民間のいまの大変な推移から見て。確かにその前提には不況もある、雇用をそこで制限するなりレイオフを考えるなりということよりも、やはり週休二日に乗った方がいいということになるわけですから。そうすると、どうしても十八条問題がひっかからざるを得ない、これは大蔵委員会で御論議のように、あるいは理事会で御論議のように。ならば、そこのところを、十八条だけでもという考えがあってしかるべきだと思う。その考え方があって、さて国の方がという進みぐあいに合わせてそこをどう時期的に考えるか。つまりそういう意味で、議論の中身からすれば特別な法律を、週休二日制に関する法律をつくる。その中で十八条問題の弾力的な運用を経過措置として規定していく。週休二日制に関する法律というようなものをこしらえて、その中で附則なら附則で、銀行法十八条はかくのごとくというのを入れておく。これは技術的には、さっきの支払い制度じゃないけれども、幾らでも方法はある。私も、法律をこしらえるのは骨の折れるものだと思って、内心恐れ入ったこともあるのです、三つばかり議員立法をつくりましたが。だが、やってできないことじゃない。  そこらのところの感触を、なかなか御答弁いただきにくい点ではありますけれども、少しこの際ですから——労働省はできる限り協力したいと言う。いま原さんの方に承れば、第一部会に力点を置いた、民間は進んでいるのだから、真ん中は上に従ってと言う。そのように整理をされているんですから、総裁は決断はしていると言うわけですから、だから、これから勉強するものはして、計画は立てて、一−三間でと、こうおっしゃっているわけですから、その辺のところを、キーポイントなんでお答えいただきたい。
  33. 森美秀

    ○森(美)政府委員 大出委員のおっしゃるとおり、後ろ向きといいますか、慎重な検討をいたしますと、もちろん郵便貯金の問題もございますし、もう少しさかのぼると民法までさかのぼるわけでございます。そこで大蔵省当局はともかく、いままでとかく大蔵省がすべてブレーキをかけておったのじゃないかという印象が多々ございますが、ただ十八条の改正ということだけではおさまらないとは思いますけれども大蔵省が少なくとも積極的にこの問題に取り組むという気持ちでいまおりますことを御理解いただきたいと思います。
  34. 大出俊

    大出委員 これは十八条だけで済みません。確かに小切手法だ、為替法だ、いろいろ出てきます、私も調べておりますから。だけれども、つまり土曜日を休めないというきちっとした法律条文がある限りは、銀行がいかなる運用を考えても手も足も出ないということですよ、簡単に言えば。だから、組合との関係で半舷上陸式に休ましているけれども、隔週なら隔週を考えれば、密度は相当高くなるというわけですね。トラブルも起こる。だからやっぱり、その十八条の処理が積極的な形で背景考えられていなければ、官庁の方の進みぐあいとマッチしない。これが実は、各関係の、いろいろなサイドの組合諸君が集まっていろいろな組織をつくってやっておりますけれども、ここでの問題点でもある。だから、森さんのいまのお話が、全体の方向がそうであれば、大蔵省は十八条問題の処理、どういうふうにするか、仕方はいろいろありますが、これについてやぶさかではないんだという、ブレーキをかける気はないんだというそこのところが欲しいのですが、いかがですか。
  35. 森美秀

    ○森(美)政府委員 前向きに取り組んでまいります。
  36. 大出俊

    大出委員 この点も、実はまだ申し上げなければならぬことがいろいろございます。ございますけれども、これまた時間の関係もございますので、総裁が決断をなさった上で施行計画をと、こうおっしゃっているので、この点よくわかりますので、改めてもう一遍承ります。  そこで、一つ承っておきたいのは、交代制勤務等々の問題でございます。この交代制勤務、四項目確認——確認というものの性格についていろいろあるけれどもという総裁答弁がありましたが、確認事項であるかないかにこだわりませんが、一つの話の結論ですね、その中にも触れられている点もあるんですが、交代制勤務の場合は、一体いま御勉強なさっておる過程で——私は、この前ここで国民の祝日に関する法律を手直しして、日曜、祭日がかち合った場合に振りかえ休日をつくるように原案めいたものの出方は交代制勤務を含まずということでしたから、かなり強引でしたが、私の意見で入れていただいたのです。したがってこの場合も、やはり問題になる交代制勤務、ここらのところはどういうふうに判断をすればいいか、皆さんの方の考え方からして。そこのところを答えていただきたい。
  37. 藤井貞夫

    藤井(貞)政府委員 同じ公務員であり、同じ公務員の職場でございますから、交代制勤務は初めから除外をしていくというふうなことにはまいらないと思います。ただし、これは同じような閉庁方式がとれるのかどうか、仕事の種類によりましてそういうふうにいかないところもございます。したがって、そういうものについてどうするかというようなことにつきましては、別個の特段の措置もあわせて考慮していかなければならない場面が出てくるのではないかという感じでございます。
  38. 大出俊

    大出委員 別途の措置については改めて承ります。  ところで、恩給問題を中心に焦点をずばり御答弁いただきたいのですけれども、森さん、これはここが問題なんだ。恩給に関する去年の決議がございますけれども、これはお聞きになっていると思うのです。いままで恩給にかかわる限りは、長い年月私は何べんか時に触れ折に触れて御質問してきているんですけれども、現職の国家公務員の皆さんとやり方が違い過ぎる。  一つ、実損回復問題を落としましたが、植木さんに恩給の後で承ります。  四十九年五月二十三日の内閣委員会の決議でございますが、「政府は、次の事項について速やかに善処するよう要望する。一、恩給法第二条ノ二について、その制定の趣旨にかんがみ、国家公務員給与にスライドするようその制度化を図るとともに、一律アップ方式について、最近における現職公務員給与改善の傾向を考慮して再検討を加えること。」附帯決議の中身はこうなっているわけですね。これは昨年も私、長い質問をいたしましたが、昨年に始まったことではない。何べんか実は、この点はこの委員会でくどく指摘してきていることなんです。  そこで恩給局は、ことしの予算の立て方についてどういうようにお考えになったのかという点を調べてみた。そうしたところが、恩給局自体は、附帯決議趣旨を尊重して、大蔵省に対する予算要求の形として、あり方として恩給年額の増額というところで、公務員給与引き上げ率(平均二九・三%)及び公務員給与との水準差補てん(六・八%)による仮定俸給表の増額ということで、中身は基準引き上げ率三八・一%、下位号俸(四十五号俸以下)三九・二%、上位号俸(六十三号俸以上)三六・四%、真ん中に基準引き上げ率三八・一を入れて考えれば三段階というわけですね。つまり、こういうふうに傾斜配分をする、そういう形の予算要求を恩給局が大蔵省にことし出している。ところが、大蔵省がこれを認めなかったというわけですね。いかなる理由かようわかりませんが、認めなかった。聞いてみたがしかと明らかにならない。  私は実は、この点について委員部の方を通じて、こうこうこういうことなんだと概略を話しておいた。それで大蔵省の方から、私のところに電話で質問の中身はというお話だから、いま私がここで述べたようなことに近いことを申し上げた。しばらくたちましてから、主計局からということで私に電話がありまして、さっき理事会で申し上げましたが、予算折衝の過程の問題につきましては、政府内部の問題でございますから、御質問をいただくのは困りますという連絡です。名前も言わなければ、主計局でございますと言うだけ。そういう思い上がった話はないと私は思う。大蔵省政府の上にあるのでもなければ、国会の上にあるわけでもない。ゆえあって去年附帯決議がついていて、恩給局が決議の趣旨を尊重してそれに従って予算要求をする。それを認めない大蔵省だから、この間の折衝の中身は一体どうだったのだと聞くのはあたりまえじゃないですか、国会審議権は明確にあるわけですから。それをあなた方の方で、どういう腹の中かわからぬけれども、昔、満日ケースなど私がここでまとめたときに似たようなことがあったけれども、いずれにせよ、そういう大蔵省の物の言い方、物の考え方はがまんがならぬ。だから、だれがどこで何を相談してそういうことを言わせたのかわからぬけれども、その責任の所在をはっきりしていただきたい。
  39. 森美秀

    ○森(美)政府委員 ただいまの大出委員お話、全くごもっともでございます。ただ実は、四十六年の予算委員会のときに、楢崎委員から当時の福田大蔵大臣にそれと似たような問題のお話がございまして、大蔵大臣は、勝手元の話だから、でき得ればそのお話はしないことになっております、しかし、その過程におけるいろいろ資料その他につきましては、できる限り提出いたしますというような答弁をしておるわけでございます。電話で主計局の名前も名のらずに大出委員に対してお答え申し上げた、そういう点につきましては、私、後で聞きまして大変怒ったわけでございますが、ひとつきょうこの委員会の席上で、いまお申し越しの件につきまして、政府委員から御説明をさせたいと思いますので……。
  40. 梅澤節男

    ○梅澤説明員 ただいま大出委員の御提起になりました問題でございますが、私どもも、当内閣委員会におきまして、従来行っておりました恩給年額の改定に関する一律方式について政府検討すべきであるという御表明があったことは、十分承知をいたしております。そこで、五十年度予算の編成の過程におきまして、私どもは、総理府当局とこの問題については入念な検討をいたしたわけでございます。  若干御説明が長くなるかと思いますけれども大出委員十分御案内のとおり、現行の一律方式というものは、十数年来この方式でやってまいったわけでございまして、過去の恩給審議会方式の当時も、それから四十八年以降とっております現職公務員給与改定率を基準として毎年度の年金額を改定するという方式におきましても、一律の方式で従来やってまいったわけでございます。恩給年額の改定と申しますのは、本来、恩給というのは、退職時の俸給とその時点までの勤続年数をもとに年金額が確定いたしまして、その後の改定幅と申しますのは、考え方といたしましては、経済状況の変動に応じて退職当時の年金額の実質価値が維持できるように、つまり年々経済情勢に合わせて補正していくという考え方でございまして、その場合の補正の目安と申しますか物差しとして一体何を使うのかという問題になるわけでございますが、十数年来とってまいりました一律方式と申しますのは、恩給審議会方式にしろ現職公務員給与改定率を基準とする方式にしろ、一応一つのインデックスと申しますか、その率によって経済情勢等が十分反映されておる率ではないかということで一律方式でやってまいったわけでございます。  そこで、話がもとに戻りますが、五十年度の年金改定に当たりまして、ただいま御指摘がございました三段階の方式による上薄下厚と申しますか、従来の一律方式から少し転回してみようということが検討の対象になったことは事実でございます。ただ、これにつきましては、いろいろ考え方がございまして、現行の一律方式についても、それはそれなりの歴史的な経緯もございますし利点もあるわけでございます。同時に、その率を仮に転回していくということになった場合、現実の恩給、年金受給者の中でプラスに働く人とマイナスに働く人というのが確実に出てくるわけでございまして、その辺の配慮を一体どう考えるのかという問題。それから、これはいささか技術論になって恐縮でございますけれども、恩給年額の改定方式をそういうものとして採用いたしますと、当然共済の方にも波及するわけでございます。ところが、共済の方は恩給と違いまして、仮定俸給の仕組みをとっておりませんものですから、一律に三段階方式というものを共済に機械的に適用した場合に、やはり有利になる人と不利になる人が出てくる、そういう技術的な問題がございます。あるいは恩給の内部でも、文官の場合と軍人の場合、同じような三段階方式でやった場合に、果たして均衡論と申しますか、そういうものに問題が残らないだろうか。いろいろな角度から検討いたしまして、私どもといたしましては、当委員会附帯決議にもございますように、将来あるいは近い将来、現在の一律方式を検討し直す問題であるということは十分承知はいたしておりますけれども、五十年度の段階におきましては、御指摘の三段階方式で踏み切ると申しますか、これはやはり年金制度でございますので、一度とった方式を毎年度変えていくというわけにはいきませんので、長い将来こういう方式で安定的にやっていけるという確信を得た段階で現行の方式を見直すべきではないかというふうな考え方もございまして、五十年度においては現行の一律方式を具体的に改定するという成案が得られなかったものでございます。
  41. 大出俊

    大出委員 私がけしからぬと言っているのは、いま答弁をなさったその論理じゃないのです。そんなことは、あなたに四の五の言われぬでも、私も長い年月恩給をやっているわけですから、私は昭和二十四年からやっているんですから。これは三十幾つの議員立法ができる前後だってみんな知ってやってきているんですから、そんなこといまさら四の五の言われることはない。そうではなくて、予算折衝の過程でいろいろやりとりをされた中身は何かといえば、附帯決議に基づく予算要求なんであって、その問題についての質問はやめてくれ、おやりいただかぬようにと一方的に押しつけられて、黙っていられた筋合いじゃないんだ。あなたにそんなことを聞いてもしようがないけれども、私は、これはこの次の機会に大臣に出てきてもらってきちっとしたい、後へ引かぬです。いまの小理屈は、そんなものは初めからわかっている。余り大蔵省は思い上がっちゃいかぬですよ。余り偉そうなことばかりぬかしおって、それならばよけいなことを言わぬで、初めから質問をちゃんと聞いて答えればいいじゃないですか。ふざけなさんな。  きょうは大臣がおいでにならぬということだから、次の機会に譲りますけれども、森さんに御足労をかけて、森さんに四の五の言う気は毛頭ないけれども、そこで時間がありませんから、いまの問題は改めて大平さんにも御出席いただいてから物を言いますけれども、大蔵官僚というのはそういう物の考え方なら、意地でも天下りから何から片っ端から取っつかまえてたたきますよ。  ところで、恩給局に承りたいのですが、この中身は不納得だけれども、一律方式を変えようというお気持ちになったのはどういう理由でしょう。
  42. 菅野弘夫

    ○菅野政府委員 いま大蔵省の方からも話があり、先生の方からもたびたび御指摘がありました点でございますけれども、そういう歴史的な過程を通じまして一律方式がここ十数年行われているわけでございますが、今度の予算要求のときにそれを三段階方式で要求をいたしましたゆえんのものは、これは一律方式には一律方式で相当程度の意義があるというふうに私も思っております。しかしながら、特に四十八年以降、公務員給与そのものにスライドをする、それ以前は物価が主体でございましたので、また考え方がやや違うのかもしれませんが、公務員給与をとるということになりました以上は、やはり公務員給与の傾向というのも全くは無視できないのではないかという気持ちは確かに私たちの中にもあったわけでございまして、そういうこと、それから国会附帯決議もございますし、国会の御議論も再三この点に対してなされているわけでございますので、上薄下厚の精神を少しでも入れていきたいという気持ちから、先般の予算要求になったわけでございます。
  43. 大出俊

    大出委員 大蔵省の梅澤さん、いまの点はあなたに四の五の言っているんじゃないのです。あなたがお答えになったのは一つの理屈だから、それがわからぬわけじゃない。問題は、予算折衝の過程だからどうのこうのと言うそういうふざけたことについては、私は納得いたしません。いま大蔵省がお述べになった理屈、これは私もよく知っている理屈ですが、それはあなたの答弁ですから承っておきます。いま私がここで言ったのは、あなたに対する問題ではないのでお断りしておきます。  ところで、人事院事務総長に承りたいのですが、なぜ一体人事院勧告をした際に、勧告としては何%の勧告を出したということなんだが、配分に当たって上下格差というものをお考えになるようなことになったんですか。これは尾崎さんが長年給与局長をやってきたんだから、その出発は茨木さんじゃないんだから尾崎さん、あなた答えてください。
  44. 尾崎朝夷

    尾崎説明員 人事院給与勧告に当たりましては、民間の給与における上下配分の傾向をよく調査いたしまして、それと公務員における上下配分の傾向がほぼつり合いがとれるように、それぞれの職務と責任のポストにおきまして、民間との均衡がとれるように勧告をいたしてまいっております。
  45. 大出俊

    大出委員 四十六年、四十七年、四十八年、四十九年、この四年間で調べてみたんですが、四十六年で言うと一等級、二等級、三等級、四等級、五等級、六等級、七等級、八等級と、こうありますね。一等級が九・〇、二等級が九・七、三等級が一〇・四、四等級が一〇・七、五等級が一一・一、六等級が一一・八、七等級が一四・二、八等級が一六・二。つまり一等級九%に対して八等級は一六・二%になっている。これは大変な開きです。四十七年は、一等級が八・三、二等級が八・八、三等級が九・四、四等級が九・七、五等級が一〇・〇、六等級が一〇・六、七等級が一二・九、八等級が一五・七。これまた八・三と一五・七、大変な上下の格差、傾斜配分をしているわけですね。さらに四十八年は、一等級が一三・〇、二等級が一三・四、三等級が一三・九、四等級が一四・二、五等級が一四・七、六等級が一五・四、七等級が一七・一です。これまた一三・〇と一七・一ですから大変な傾斜配分。ところで四十九年の一等級が二七・九、これは行(一)で言ってですね。二等級が二八・三、三等級が二八・八、四等級が二九、五等級が二九・二、六等級が二九・七、七等級が三〇・三ですね。八等級がこれは抜けていますけれども、四十八年の八等級は一八・八になっていますね。そして四十九年の八等級が三一・六になっている。これは大変な傾斜配分。つまりこれは、あなたのいまの御指摘によれば、民間の給与の動向をできるだけ忠実にということでやっていったらこうなったというわけですね。なぜ一体この俸給表というものが決まっていて——年功序列という形で出発している日本の俸給体系ですけれども、あなた御存じのように、三十二年でございましたか、いまの十職種俸給表に変えたわけですね。  その前の年に、私が全逓時代ですけれども、土生給与課長時代ですが、全逓と私の方で話をつけて、職種別に俸給表を七段階に変えた。翌年人事院がこれをお変えになった。その間のいきさつ私は百も承知の上です、人事主任会議の議題にもなっているんだから知らなくはない。つまり、その当時から今日まで現行の俸給表それ自体に世情に即さぬものが初めからあった。だから三公社現業のように、仲裁裁定が出ると、そのうちの何分の一は下位号俸に一遍で一律パーで乗せてしまう。残りを俸給比で配分をする。民間の企業の労使間の交渉でも同じ傾向が続いている。これは年功序列型の賃金の修正なんですよ、はっきり言うと。それが何%の勧告といってみても、上下に傾斜配分をして、下の方にパーセンテージをよけいくっつけなければ、もとになる基本給が小さいんだから、いまのインフレ盛んな世の中の実情に即さない。だから全体的な賃金の傾向はそっちの方向に走る。あたりまえのことです。これは人事院がやってきた原則、実態がそうなっている。  ところで問題は、恩給の方はしからばどうなんだ。恩給に関する限りは、これはおかしな話だけれども、さっき大蔵省の梅澤さんですか答弁されておられるけれども——私は、人事院の慶徳さんが給与局の次長で、坂中さんが恩給課長の時代からおつき合いしているんだ。マイヤース勧告が出たいきさつだって、私も総司令部にも行きいろいろやってきたんだ。しまいには慶徳さんと私と恩給連盟の野本品吉さん、国会議員です、松島さん、これも国会議員ですけれども、この諸君と三位一体で全国を人事院の恩給勧告に基づいて説明をして歩いたんだから、二カ月にもわたって。九州まで行ったんだから。こんなことは知らないわけないんだ。  そこで問題は、旧来の二万円ベースの当時にさかのぼって考えてみて、現実に生きている、つまり在職者である公務員方々は、年功序列が次々に修正をされていっている。ところが、事恩給の仮定俸給というものはそのまま今日に来ている。つまり同じ比率を掛けてしまう。この大きな矛盾を——あなたは現職の公務員の方を、民間の実態はそうですからといって傾斜配分を長い年月毎年やってこられて、恩給退職年金に関して一言も物を言わぬという不思議な姿勢を私は理解できないんだ。  だから念のために承っておきたい。これは国家公務員法の百八条には明確に書かれているはずだ。「人事院は、前条の年金制度に関し調査研究を行い、必要な意見国会及び内閣に申し出ることができる。」あなたの方は調査研究義務がある。これは恩給というのを退職年金に直した。そうでしょう。百七条に規定されている各項について。これは退職年金。あなたの方は、百七条に基づいて、年金制度に対して調査研究を行わなければならぬのです。これは調査研究義務があなたのところにある。そうすると、これだけ気の毒なことになっている現職の公務員給与について、これだけの傾斜配分をやらなければならぬ、年功序列型を修正していかなければならぬという現実に直面して何年となく過ぎてきている給与局長さんである尾崎さんが、何で一体、片方の恩給の方は昔の形態のままで上下格差は開きっ放し、何にも物を言わぬで今日まで来たのですか。いかがでございますか。だから大蔵省の認識も改まらぬのだ。
  46. 尾崎朝夷

    尾崎説明員 一般のいわゆる現役の給与につきましては、さっき申し上げましたように、民間の給与を調べまして——民間の初任給を調べあるいは係長級、課長級、部長級等の各職務段階を調べまして、民間の給与公務員給与とを均衡させるということで勧告を申し上げてきていることは十分御承知のとおりでございますが、そういうことで、いわゆる現役の給与につきましては、昭和三十五年以来の大変高度成長過程におきまして、初任給等におきましては非常に上がりまして、いわゆる上級者の給与に対しまして二倍も三倍もアップ率が高くなるというケースがあったわけでございますけれども、当面の問題は、いわゆる退職者の退職時の給与の問題でございます。  したがいまして、初任給が非常にアップ率が高うございましたけれども、初任給そのものについての問題ではございませんで、退職者について退職時の給与がどうであるかということなんでございまして、たとえば五等級で退職いたします場合には十何号俸の人が非常に多い、四等級の場合には十五号俸、十六号俸が非常に多いという、そういう五十何歳のような方々の号俸が問題でございまして、そういう方々給与のアップ率はどうであるか、どのようにアップしてきたかということが、当面の問題としては一番問題なんでございます。  そういう点で、各等級におきまして、一等級においては何号俸ぐらいで大体退職していくか、二等級では何号俸ぐらい、四等級、五等級におきましては何号俸ぐらいということを、私どもとしましては、総理府の方といろいろ共同しまして、退職者給与、退職時の給与をいろいろ調べておるわけでございますが、その辺のところのアップ率がどのようであったかという点が問題なんでございます。したがって、初任給が非常に高くても、その点は当面問題ではございませんで、そういう退職者の退職時の給与号俸が上下格差があったかなかったかという点が問題なんでございまして、そういう点を私どもとしては事務的にいろいろこの数年来検討をしてきておりますけれども、十分そういう点のオーソライズされた意見というものをまだ持っていない、研究中だというような状況でございます。
  47. 大出俊

    大出委員 それなら調査研究不十分じゃないですか。尾崎さんはそういうことをおっしゃるけれども、経済的な減耗の補てんである、経済的な価値のとさっき梅澤さんはおっしゃいましたが、減耗の補てん、これは恩給理論の基礎だ。ただ、それが実情にそぐわないこともこれまた現実だ。だから、その理屈を言うなら、本来これは恩給局の旧来やったことだって矛盾だらけ。年齢別三本立て仮定俸給表なんというものは、一体何でそんなことが言える。年齢は給与じゃない。あくまでも退職時となれば、今日の老齢者優遇だって意味はない。明らかに間違いです。そうじゃなくて、老齢者になぜ優遇措置をとらざるを得なくなっているかと言えば、今日のような大変なインフレ状況の中で、谷間がそこにあるということだから埋めようということでしょう、優遇措置というのは。そうでしょう。そうでなければ、恩給審議会の答申違反だ。  恩給審議会の新居さんにもここに来ていただいて、私が質問したことがあるが、年齢別の三本立て俸給表というものは間違いではないか、恩給の論理からいって経済価値の減耗を補てんするのだというならば、年齢は経済ではない、賃金ではない。全くそのとおりだ。三本立て俸給表を廃止しろという答申を出した。にもかかわらず、今日また老齢者優遇を各所に出してきているというのは、実情に合わないからだ。同じことじゃないですか。あなたが言うように、退職時の俸給を基礎にする、経済的価値の減耗を補てんする。補てんするなら、現在の世の中で人間は人形じゃないのだから、生きていられるようにしてあげなければいかぬじゃないですか。生きていられないようなことになっているということは何かといえば、在職している人間が、昔の俸給体系のあり方では生きていけないから困っているのじゃないですか。ところが、昔の俸給の体系のままで、退職時を基準にして、そのときのベースは幾らだったのか、俸給は幾らだったのか、それで仮定俸給をつくる。それが大事なんだから、そうやっていきますというだけで、現在の公務員というのは昔の体系のままを引き継いではいない。現実が引き継げないのだ。なら、仮定俸給表をつくるときの基礎になった昔の俸給体系というものは、現状、この世の中に即してどう改めなければならないのか。公務員だった人間がやめて生活しているのだから、当然そういう論理になるじゃないですか。その証拠に、だから食えない連中ばかりできちゃうじゃないですか。それを、あくまでも退職時の俸給が幾らだったかが基礎なんだからと言って、あなた方が幾ら腕を組んだって、この人たちは退職したって生きているんだ。  ここに正確な資料がありますが、地方事務官の方で勤続二十五年、この方が現在、仮定俸給の通し号俸で計算していって五十一号。この方は百五十分の五十八という比率です。だから年間三十六万六千三百六十七円しかもらっていない。月三万ない。二万何千円。ここにあらゆる職種の官庁の皆さんの恩給資格年限の十七年から始まって、一番長いところまで、学校の先生から全部あります。年間二十三万円、二十四万二千円、二十四万二千円、二十五万五千円、二十五万五千円、二十八万三千円、二十八万三千円、三十一万二千円、三十八万一千円、四十二万一千円。これは訓導、それから公立高女の教諭、公立中学校の教諭、公立実業学校の教諭というぐあいで、これが各職種の現在の受給額。これを調べてみてある。この中の大半は、いまの世の中でこの恩給で生活なんて毛頭できない。だから、これは最低保障という制度が出てくるのはあたりまえだ。大きな矛盾があるからそうなってくる。ところが、最低保障というのは、完全に全部が最低保障で救われるわけじゃない。年齢制限も六十五というふうにある。じゃ、最低保障に満たないそこから上の方、ここらは一体どうなんだ。ここらだって全部にっちもさっちもいかない。じゃ、一番てっぺんの方は一体どうなんだ。てっぺんの方は、現職の公務員の俸給表から見て、それよりも上の方に上がっていくばかりだ。  だから、大蔵省の御主張のようなことで言うならば、管理職でやめたような方々というものは、全部いまの方式の方がいいんだ。上がる一方。恩給の改定をやるたびに、旧管理職の方々はどんどん現職の公務員の同じ立場の管理職よりも上がってしまう。ところが、管理職以外の現場で働いている郵便配達をしている人間だとか、国鉄で機関車を運転している人たちとか、これは共済というものはみんな右へならえなんだから、現職の公務員の同等のと比較すれば下になる一方。改定のたびに格差がついてしまう。それで果たしてやめたときの俸給が基礎だからと澄ましていられるんなら、生きている人間を相手にしている人事院でもなければ恩給局でもないことになる。ふざけたこと言っちゃいけませんよ。  例を挙げて具体的に申し上げますが、恩給で通し号俸で仮定俸給表の八十二号というのがある。この方なんかは、最初は確かに九十万五千二百円というのが仮定俸給表八十二号。この方は行政職(一)表の一等級の七号に当たる。局長さんだ。当時の給料は七万五千七百円だ。十二倍すれば年間が出る。九十万八千四百円。だから、ここでは現職の公務員よりは恩給の仮定俸給表の方が少ない。これは二万円ベースのときです。ところが、これが三十九年、四十一年、四十四年、四十五年と過ぎていくと、あなた方は勝手にここのところで指定職の乙をつくった。最初は指定職はないんだ。だから、後から物を言うけれども、管理職の方はどんどん格づけを上に持っていっちゃった。だから四十五年を見ると——時間がありませんから、もう少し最近に近いところを申しましょう。  現職の公務員と八十二号の方、これは甲乙一緒にしたといういきさつがございますけれども、三百十八万二千九百円。つまり現職の公務員に比べて、支給配分の一律方式のなせるわざだけれども、大変有利な進み方をする。六十七号のところをとりましても、六十七号は四十九年で二百十五万八千五百円、現職の公務員が二百十三万八千四百円です。六十七号というのは行政職(一)表の二等級の四号ですから、これまた局長さんもしくは次長さん、あるいは古い課長さん。仮定俸給表六十号、これは課長さんです。管理職。行政(一)表で言えば三等級の五号。これが当時の二万円ベースのときの官職。これが現在、現職公務員が年間百六十二万四千八百円。これに対して仮定俸給表六十号でいけば百六十四万七百円だ。現職より高い。仮定俸給表の五十号、これは課長補佐だ。ここで四十九年で年間百十五万九千三百円、現職の公務員は百二十六万六千円。ところが、これが四十号になりますと、当務者で五等級の四号。この方ですと、年間八十一万六百円というのが恩給の仮定俸給表の四十号。これに見合う現職の公務員というのは九十六万九千六百円。現職の方がはるかに高くなって、やめた人の方がはるかに低くなっている。仮定俸給表の三十号なんかになりますと、四十九年で年間五十七万八百円。ところが現職の公務員は七十六万三千二百円です。はるかに低くなっている。これじゃ食っていけないのはあたりまえじゃないですか。  こういうふざけたことになっている。これはなぜこうなったかということですが、一律配分の結果です。だから昨年附帯決議がついている。現職の公務員については大変な傾斜配分をやっておいて、やめた人間は人形で息の根がとまっているのなら別だ。そうじゃない限りは、いまの世の中で生きられるようにしなければおかしいじゃないですか。しかも恩給局は初めて傾斜配分の要求をした、それを認めない、こうくる。附帯決議がもうすでに先般ついている。聞くところによれば一昨日、与党の旗野さんでございましたか、私が常々言うようなことをおっしゃったそうだけれども。これは人事院一体どうなんですか。研究をしたのだけれども、確たるオーソライズされたものがないとおっしゃる。ないで済みますか一体。公務員法上明確にあなた方に調査研究の義務があるじゃないですか。生きている方は、こういうふうにどんどん下の方に厚くしていって、やめちゃった方は、食えなくてどうなってもそれは構わぬという思想ですか人事院は。
  48. 茨木広

    ○茨木政府委員 昨年、五年ごとの財源再計算の問題がございましたので、その際、いろいろそういう問題についても私の方でも検討いたしております。また、恩給局ともいろいろ連絡ございましたし、その当時、私の方も検討いたしまして、いろいろ意見の交換はやったわけでございます。ただ、細密にやっていきますと、各等級、各号俸ごとにいろいろアップ率等も違ってまいりますものですから、大変むずかしい問題があるということで、恩給局の方でもワンステップとして三段階のあれを出されましたけれども、なお、やはりいろいろ検討の必要があるなというような意見の交換をやっている、そういうようなところでございまして、引き続き私の方もやはり検討はいたしておるところでございます。
  49. 大出俊

    大出委員 これは尾崎さんにうんと言ってもらわぬとどうも気になっていけませんので、権威者が後ろの方に引っ込んで院政か何かしかれたんじゃ、出先に話したって話がつかぬですからね。だから、きょうはわざわざ出てきていただいたんですけれども。瀧本さん以来、他にかえがたい人物が人事院事務総長ででんと座っていて。これは尾崎さん、オーソライズされたものはないとおっしゃったが、先ほどの恩給局の予算要求というのは、茨木さん、ちゃんと相談をしておやりになったとすれば、この予算要求はオーソライズされたのじゃないですか、表へ出たのだから。どうですか尾崎さんこれ——尾崎さん、あなた答えないのですか。答えてくださいよ。さっきあなたは、されたものはないとおっしゃったのだから、されかかっているものはあるというふうに答えてください。
  50. 尾崎朝夷

    尾崎説明員 私が申し上げましたのは、現役から退職している方々の退職年金の問題につきまして、百八条の義務と申しますか、そういう関係に基づきまして、人事院としては検討を要する事項につきましていろいろ検討をしているわけでございまして、上下配分が従来初任給の方に大変厚く上の方に薄かったという面について、果たして退職時の給与を基準とした退職年金としてはそういう関係はどうなるのだろうか、そういう点について検討をいろいろしてきたものでございまして、当面の恩給関係の直接の問題とはちょっと次元が違っているのじゃなかろうかというふうに考えておりまして、当面の問題については申し上げることを差し控えさせていただきたいと思います。
  51. 大出俊

    大出委員 これは、さっき梅澤さんもお話しになったように、退職時におけるその人の俸給、やめたから仮定俸給ができる、あたりまえのことだ。それは一体どういう趣旨なんだ、経済的な減耗の補てんである、そんなことは決まりきった話なんだ、改めて言うことはない。それでは事済まないところに各党から意見が出てくる問題があるわけです。それがようやく趨勢になったから附帯決議がついた。そうしたらあなたは、やめたときの俸給がどっち向こうと、現実に昨年から人事院勧告する現職の公務員給与に見合うということになっているのだ、それならば現職の公務員に見合うように恩給の方だって変えなければ現実の問題として筋は通りゃせぬじゃないですか、そこを聞いているんですよ。逃げなさんな。——静かになったから私の方から言いますが、時間もありませんからこうしてください。  いま私は、四つ読み上げたのだが、これは恩給局長さん、四十六年、四十七年、四十八年、四十九年、四年間の現職公務員に対する官民比較の結果として人事院で上薄下厚の比率をもって俸給表をおつくりになった。したがって四十六年、四十七年、四十八年、四十九年、この四年間、一律でなくて人事院の方式に従って仮定俸給表引き上げについての配分率を適用したら、仮定俸給表の動きが今日どういう結果になっているか、これをさかのぼって全部、傾向が出てくるからこの四年間、あなたの方で計算をし直してください。ただし時間の関係がございましょうから、行政一表なら一表、それで計算してください。研究職なんというのは、行政一表とそう違っちゃいない。  そこで、梅澤さんが、技術的にどこにどうなっているのか非常にむずかしいという意味のことをおっしゃったが、その点について再質問するんだけれども大蔵省側は事務的にむずかしい、つまり今日までの移り変わりについて、昭和三十二年の通し号俸から見て、つまり昭和三十二年以前、通し号俸八十二まで行っているわけですね、これが俸給改正をされて、人事院が改正したのだけれども、いまの十職種俸給表に変わった、変わって以後、各俸給表の中身がいろいろ変わっていった、だからなかなかフィットしにくい、当てはめにくい、そういう技術的な話だと私は思う。さっきのあなたの話はそうじゃないのですか。梅澤さんいかがです。
  52. 梅澤節男

    ○梅澤説明員 先ほど技術的にむずかしいという問題で例示として申し上げましたのは、ただいま御指摘のとおり、共済との比較で私申し上げましたものでございますから、共済は仮定俸給の仕組みをとっておりません、したがって三段階方式を機械的にやりますと、共済の年金について近傍の方がプラスになる場合が出てくるし、マイナスが出てくる場合がある、その辺の技術的な詰めができなかったということを申し上げたわけでございます。
  53. 大出俊

    大出委員 共済は改めて逓信委員会で私承ります、具体的な例がないとやりにくいので。今度の料金値上げにかかわる問題としてやります。つまり、これも大蔵省との関係だが、法律上は国がとなっているのを、あなたの方は特別会計に一切やらしているわけですから、料金値上げをするとすれば、その共済の人事院勧告で見合って上がっていく分、これも皆さんから郵便料金値上げしていただいて補てんするのだから、穏やかならぬ問題である。そこで共済は、いまの点は改めて承りたい。  だから、いま私が言っているのは、人事院所管の十職種、国家公務員、これは当てはめようと思えば追跡調査して、多少の問題は技術的に残りますが、やってできなくはないでしょう。曲がりなりにもやれると思ったから、恩給局はとりあえず三つに分けた要求をなさったのだと思う。だから一番のポイントは、もう一遍申し上げておきますが、行政一表でいいですから、一表と他の職種の関係は、三十二年から十職種になるときに、いろいろな職種別俸給表をつくりましたから、それがどういうふうに入っていったかというのを調べて計算すればいい。やってできなくはない。だから、とりあえず行政一表で、四回人事院勧告した比率をいま申し上げましたが、出してみてくださいよ、どのくらい違うか。相当な違いが出てまいります。したがいまして、この種のいませっかく恩給局が要求されたものが、これ以上このままでおっぽっておかれることは黙っていられない。下級職でやめた方々が毎年毎年勧告が出るたびに、恩給の改正が行われるたびに、現職よりもどんどん低くなってしまう。それじゃ救われない。最低保障をつけざるを得ない理由もそこにあるんだから。  だから、そうだとすると、この点は予算にかかわりないんだ、予算の範囲内なんだからこの国会だって修正できる、こんなものは。私はこの国会でそこまでやっていただきたい。だから、その前段としていまの御作業をいただきたい。そしてその作業の結果に基づいてもう一遍、私は質問を留保させていただきたい。せっかく要求したものを、しかも附帯決議がついているものを、ゆえなくして切られることについては、現在下級職でおやめになった方が恩給をもらって、経済生活のむずかしい中で苦労しているんだから放任できない。だから、いまの予算の枠内だってこれは変えてもらわなければならぬ、こう考えておりますから、時間の関係もございますから、そのときに改めて質問させていただきたい。委員長、いかがでございますか。
  54. 藤尾正行

    藤尾委員長 よろしゅうございます。
  55. 大出俊

    大出委員 これは恩給百年の大計にかかわる問題です。いまいみじくも梅澤さんおっしゃるように、共済その他を含めて公的年金全体に大変大きなウエートを持つ問題。尾崎さんがおっしゃっているように、かつてやめたときの俸給がということで済まない現実の問題。だから各党から同じ意見が出るわけです。だから附帯決議がついているわけです。だから恩給局が初めて傾斜配分の要求をしたんですから、ここまで来た趨勢をとらえて、私は本当ならば、尾崎さんのように後ろへ引っ込まないで、もう少し現実的に、給与に関して知り過ぎている人事院尾崎さん、茨木さんというところでやはり物を言っていただくようにこれはしていただかぬと——全体的な公的年金制度連絡調整何とか会議なんて、べらぼうな長い名前のがあるけれども、やっているのかやっていないのか、生きたのか死んだのかさっぱりわからぬのだが、幾つにも分けてやっていますとかなんとか言うだけで。だからやはりこの点は、この国会で今度の恩給法を大幅に修正する。そうして傾斜配分を、不満ではあるけれども、恩給局が大蔵省に原案として要求したように直してもらう、予算の範囲で。そのためにひとついまの作業はしていただきたい。もし十職種のほかの俸給表にフィットしにくい、当てはめにくいというなら案はつくります、というところまでにしていただきたいんですが、よろしゅうございますか。そこから先、保留さしていただきたい。
  56. 藤尾正行

    藤尾委員長 委員長から申し上げますが、ただいま大出委員から御指摘のありました、御要求のありました問題につきましては、恩給局、人事院大蔵省三者において十二分に御調整の上、次回五月六日以降、この問題について当委員会において引き続き審議をいたしますから、その時点に至りまするまでに十二分に御回答願えるよう、資料の御整備、態度の決定その他御用意を願いたい。御要望いたします。よろしゅうございますか。——よろしいようでございますから、そのようにいたします。
  57. 大出俊

    大出委員 ちょっと総務長官。さっきちょっと一言言ってそれきりにしましたが、一、二分でいいんですが、実損回復と言われるものですね。つまりILOが出しております、ストライキをやったからとか、それに類する行為をやったからといって経済的減耗が永久について回るということはということ、これを一言お答えおきをいただきたい。次の時期に申し上げますが、その点について、担当団体から要求その他が出ているはずだと思うのでありますが、簡単に答えてください。
  58. 植木光教

    植木国務大臣 いまの問題は、処分を受けた者に対する昇給延伸の回復問題であると存じます。この点につきましては、去る七三年春闘におけるいわゆる七項目合意等もございますので、今後前向きに協議してまいりたいと考えております。
  59. 大出俊

    大出委員 どうもありがとうございました。
  60. 藤尾正行

    藤尾委員長 次回は、来る五月六日火曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時五十五分散会