○受田
委員 いまのウガンダ、これはナイル川の上流地区です。エジプトからスーダンを越えて白ナイル川の山間にある独立国家である。これは交通路線においてもなかなか厳しい事情にあり、ここへ赴任される外交官があるとすれば大変御苦労をかけるわけです。よくわかります。また南イエメンにしても、これは、いわゆる中近東外交政策から言うならば、このとかく問題の多い地区にそれぞれ
大使を置くべきである。
大使館を置くべきである。これはいま爼上にも上っておらぬ。向こうはせっかくこちらへ
大使館を置いているのに、このアラビア半島の南端にある南イエメンには、まだこちらは
大使館を置く用意さえできていない。
そこで、今回のサウジアラビアの隣にあるこの国にさえ
大使館を置かぬということになっておるから、あなたがいまあわててお出かけにならなければならぬ。ファイサル国王という、日本にもわざわざ来られて親善外交に努められ、また日本を友好国と見ないという情勢の中で、三木副総理、いまの総理がみずから乗り出して、友好国の列にまで引き上げてもらった。ファイサル国王の恩恵は相当なものです。その葬儀に、それぞれの国の元首、総理等が出かけて弔意を表しているときに、日本では野口という
現地の代理
大使——代理
大使といえ
ども身分は
一等書記官にすぎない。この
一等書記官を代理
大使としておる。
大使の
職務を行うには、それがいかなる
立場の者であろうとよかろうということでありまするが、にわかに
一等書記官を代理
大使にして、このサウジアラビアという大事な国をなめておるということになって、
現地でも相当問題が起こっておる。これは
海外情報でわれわれもキャッチしておるところです。
あなたが今晩あわててお出かけになる苦衷はわかります。けれ
ども、サウジアラビアの鈴木
大使は日本へいま帰っておいでになる。この大事な国、いつ何が起こるかもわからぬという情勢は、中近東のあの緊迫した情勢の中で当然予想されるわけです。外交
情報などは十分つかむ
機関が
外務省にはある。いついかなる事態が起きても直ちに、この国にこういう事態が起こって、もしその国に
大使がいないときには、どの国の
大使がどこへ行くかという手だてはちゃんとしていなければいけない。サウジアラビアにいかなる事態が起こり、ヨルダンでフセイン国王にこういう事態が起こったら
——いつ暗殺されるかもわからぬという情勢にフセイン国王はなっている。そのときにヨルダンの
大使がもし病気で寝ていたときには、隣のエジプトの
大使が行くとかアラブの
大使が行くとか、あるいはここに松永さんもおられるわけでございますが、かつて松永さんのような
立場でフランスにおられた人が行って、フランスの
大使が行って代表を務めるとか、何かの手だてがなければいかぬ。
サウジアラビアの国民が挙げてあの王の逝去を悼む涙ぐましい国民感情の中に、友好国にまで引き上げ、ファイサル国王御自身が日本を訪問して、そして日本との親善に貢献しようとしたそういう国王が亡くなったというときに、このぶざまな
かっこうというのは、
外務省の萎靡沈滞した雰囲気が明らかにここに証拠立てられると私は思うのです。何やら外交官には頼りないものを感じますね。いざ、どこに、どういうことが起こったらすぐぱっと行くということでなくてはならぬ。
かつて
昭和四十八年七月であった。日航ジャンボ機がハイジャック事件にぶつかった。そして在アラブ首長国連邦
大使、クウェート
大使を兼ねておった石川さんはそのときにいなかった。このときに強い反省を国民は求めていたのです。いついかなることが起こるかもしれないのが国際情勢です。臨機応変、即時即応の体制が
外務省にしかれておられなければならない。それだけ優秀な外交官もできているはずです。このサウジアラビア国王急逝に伴う
外務省の措置はまことに頼りない話ですが、鈴木
大使は一体何のために日本へ帰っておられたのか。