○折
小野委員 確かに給与
制度の問題よりか、給与
制度の運用の面に問題があるという面も争えない事実だと思います。
いま御
答弁の中にもありましたような、たとえば三短、六短と言われるような一律昇給の運用、あるいは渡り、これは職階制を乱るということになってまいりますでしょう。それから、最近はいわゆる民間の賃金ベースも上がってきた、あるいは労務事情というものも反映をいたしまして、初任給の問題あるいはプラスアルファというようないろいろな運用上のまあ適当でないもの、こういうものがございまして、そういうものが
地方公務員の給与が高いということの原因になっておるという点も確かにあるわけでございます。
しかし、そういう面はやはり
制度といたしまして、そういうような好ましくない運用というものを抑えていく
考え方というのも、当然
制度の中で
考えていかなければいけないわけでして、それがそういうふうに運用されておるからそれはいけない、それはそうやった方が悪いんだということばかりは言えないのじゃなかろうかというふうに
考えます。やはりそういう好ましくない運用があるならば、それを阻止する、やらせないようにするということもまた非常に大切なことじゃなかろうかと
考えます。
それから、いまの本俸そのもののいわゆる給料表の問題でございます。確かに年功序列型ばかりでなくて、それに職階制を加味した
制度になっておるわけなんでございますが、しかし、そこでもやはりいろいろと問題が出てくるような面が多分にあるのじゃなかろうか。特に現在の給料表の中で、結局年齢が高くなる、ということは、すなわち勤務年限が長くなるということなんでございますが、どこまでも上がっていくのですね。こういうような点は、結局定年制の問題とも関連をいたしましていろいろと問題になる部分なんです。やはり人間好むと好まざるとにかかわらず、ある年齢に達しますと、自然に能力が落ちてくる、あるいは能率が低下をしてくる、あるいは伸びがとまる、こういうようなことが出てくるということは、これはやむを得ないことなんですよね。ですから、そういうような現実というものを十分反映した
制度ということでございませんと、結
局長くおりさえすれば得なんだというようなことでありますと、結局公務員の平均年齢が高まっていく、そしてまた定年制の問題をいろいろと論じなければならないような
事態が出てくる、能率は低下する、給料の
金額だけが高くなっていくというような結果になってくるのじゃなかろうかというふうに
考えます。したがいまして、現在の給料表の中にあります年功序列型的な要素というものをもう一遍ひとつ見直していくことが必要じゃなかろうか、特に現在必要なことじゃなかろうかというふうに
考えますので、その点については十分な御配慮をお願いいたしたいと思います。
それからさらに、もっと具体的になってまいりますと、たとえば超過勤務手当の
制度がございます。これもやはり基本は本俸を基礎にいたしておるわけでございますけれ
ども、その本俸の持っておる問題が超過勤務手当の場合にも出てくるということなんであります。たとえば、現在統一
地方選挙が行われております。特に市町村の選挙ということになりますと、最も身近な選挙でございますから、ほとんどが即日開票。そうしますと、それに従事するのはほとんど市町村の職員でございますから、職員がその選挙のあった日の夜にかけて開票事務に携わるということになってまいります。で、たくさんの職員を使わなければなりません。その職員の主な仕事というのはどういうことかといいますと、開かれた票を伸ばして、これを名前別に分類をして、それを集めて計算をしてと、こういうような仕事なんです。これには当然、夜にわたりますから超過勤務手当が支払われるということになってまいりますでしょう。同じ仕事をしておって、一人には千円の超過勤務手当が支払われる、ある人には二千円の超過勤務手当が支払われる、場合によっては三千円の超過勤務手当が払われる人もあるかもしれません。こういうようなことになってまいりますと、その仕事をやっておる者といたしましてもやはりそれに疑問を感ずる、あるいは不公正というような感じを持たざるを得ないというようなことにもなってまいりますでしょう。そうしますと、大体公務というものにいまの超過勤務手当
制度をそのまま持ってくるという、ここら辺にちょっと問題があるのじゃなかろうかというふうに
考えざるを得ないわけであります。もともと超過勤務手当というのは、八時間勤務で八の仕事ができた、それを二時間延ばして十時間やれば十の仕事ができる、だから二時間分は賃金の割り増しをやる、これは当然理屈に合っているわけですよ。物を生産する工場等におきましては、そういう割り増し賃金、時間外手当というのは、当然のこととして支払われておる。しかし、そういうような仕事と公務とは必ずしも同じじゃないわけでありますね。そうしますと、そういう基本的な
考え方の超過勤務手当の
制度というものを公務にそのまま持ってくるということに問題があるのじゃなかろうか。もう少し公務にふさわしい時間外手当の支給の
方法というものを考慮する必要があるのじゃなかろうか。こういう点も一つの問題じゃなかろうかと思うのです。
それからまた、一般的な仕事ということになりますと、八時半から五時までの勤務時間、その時間に仕事ができなければ時間外で超過勤務手当を受けて仕事をする。ところが能率のいい人あるいは能力のある人、その人は時間内に仕事を終えてしまうが、能率が悪い人、能力のない人、これが時間を超過しなければ同じ仕事がやれないといった場合に、能率の悪い人、能力のない人によけいの給与がいくということ、これもまた問題じゃないかというふうに
考えます。そういうことになってまいりますと、これは人間の気持ちの自然といたしまして、楽してよけいに金を取った方がいいわけなんです。われもわれもと超過勤務をやるようになってまいります。もちろん最近はそれを抑えるために超過勤務の総枠を給与費の何%というふうに
予算上抑えられておりますが、しかし一般的に、働いたら損だ、こういうような風潮を生む原因になるというふうに
考えざるを得ないわけでして、そういうように運用される超過勤務手当のいまの
制度、これにも問題があるんじゃなかろうかというふうに
考えます。こういう点につきましては、何か改善の
方法その他お
考えでございますか。どうですか。