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1975-04-16 第75回国会 衆議院 地方行政委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年四月十六日(水曜日)     午前十時十七分開議  出席委員    委員長 大西 正男君    理事 片岡 清一君 理事 島田 安夫君    理事 高鳥  修君 理事 中山 利生君    理事 山本弥之助君 理事 三谷 秀治君       伊能繁次郎君    小山 省二君       住  栄作君    保岡 興治君       山田 芳治君    多田 光雄君       小川新一郎君    小濱 新次君       折小野良一君  出席国務大臣         自 治 大 臣 福田  一君  出席政府委員         自治大臣官房審         議官      山本 成美君         自治省財政局長 松浦  功君         自治省税務局長 首藤  堯君  委員外出席者         大蔵省主税局総         務課長     伊豫田敏雄君         大蔵省理財局地         方資金課長   高倉  建君         文部省初等中等         教育局高等学校         教育課長    柴沼  晉君         文部省管理局振         興課長     高石 邦男君         運輸省鉄道監督         局民営鉄道部長 高橋 英雄君         運輸省自動車局         業務部旅客課長 山下 文利君         労働省労政局労         働法規課長   松井 達郎君         自治省財政局交         付税課長    森  審一君         地方行政委員会         調査室長    日原 正雄君     ――――――――――――― 委員の異動 四月十六日  辞任         補欠選任   折小野良一君     神田 大作君 同日  辞任         補欠選任   神田 大作君     折小野良一君     ――――――――――――― 四月一日  地方公営企業法及び地方公営交通事業経営の  健全化の促進に関する法律の一部を改正する法  律案井岡大治君外六名提出衆法第二七号)  人口の急激な増加に伴う公共施設及び公益的施  設の整備に関する特別措置法案上林繁次郎君  外一名提出参法第一二号)(予) 三月二十九日  地方財政充実に関する請願野間友一君紹  介)(第一八六六号)  同(渡部一郎紹介)(第一八六七号) 四月三日  地方財政充実に関する請願中川利三郎君紹  介)(第一九〇四号)  同(平田藤吉紹介)(第一九二三号)  同外一件(松本善明紹介)(第一九五二号)  同(加藤清二紹介)(第一九八四号)  同(金瀬俊雄紹介)(第一九八五号)  同(田口一男紹介)(第一九八六号)  同(川崎寛治紹介)(第一九八七号)  同(小林信一紹介)(第一九八八号)  同(佐藤敬治紹介)(第一九八九号)  同(斉藤正男紹介)(第一九九〇号)  同(辻原弘市君紹介)(第一九九一号)  同(長谷川正三紹介)(第一九九二号)  同(村山富市紹介)(第一九九三号)  同(山崎始男紹介)(第一九九四号)  同(山本弥之助紹介)(第一九九五号)  同(湯山勇紹介)(第一九九六号)  同(和田貞夫紹介)(第一九九七号)  同(新井彬之君紹介)(第二〇二六号)  同(井岡大治紹介)(第二〇二七号)  同(井上普方紹介)(第二〇二八号)  同(岩垂寿喜男紹介)(第二〇二九号)  同(小川省吾紹介)(第二〇三〇号)  同(沖本泰幸紹介)(第二〇三一号)  同(加藤清政紹介)(第二〇三二号)  同(木島喜兵衞紹介)(第二〇三三号)  同(坂口力紹介)(第二〇三四号)  同(瀬野栄次郎紹介)(第二〇三五号)  同(辻原弘市君紹介)(第二〇三六号)  同(馬場昇紹介)(第二〇三七号)  同(村山喜一紹介)(第二〇三八号)  同(山口鶴男紹介)(第二〇三九号)  同(山田芳治紹介)(第二〇四〇号)  同(山中吾郎紹介)(第二〇四一号)  地方公務員共済年金及び恩給改善に関する  請願坂田道太紹介)(第二〇二四号)  同(福永一臣紹介)(第二〇二五号) 同月九日  地方財政充実に関する請願小川省吾君紹  介)(第二一一九号)  同(中村重光紹介)(第二一二〇号)  同(細谷治嘉紹介)(第二一二一号)  同(安里積千代紹介)(第二一七三号)  同(瀬崎博義紹介)(第二一七四号)  同(小林信一紹介)(第二二五九号)  東京都新宿区の住居表示変更に関する請願(加  藤清政紹介)(第二一二二号)  地方公務員共済年金及び恩給改善に関する  請願野田毅紹介)(第二二六〇号) 同月十四日  地方財政充実に関する請願川俣健二郎君紹  介)(第二三三〇号)  同(中村重光紹介)(第二三三一号)  同(伏木和雄紹介)(第二三三二号)  同(多田光雄紹介)(第二三九五号)  同(小川新一郎紹介)(第二四四四号)  同(大野潔紹介)(第二四四五号)  同(小濱新次紹介)(第二四四六号)  地方公務員共済年金及び恩給改善に関する  請願大久保武雄紹介)(第二三三三号)  同(瀬野栄次郎紹介)(第二三三四号)  同(松野頼三君紹介)(第二三三五号)  退職地方公務員年金改定に関する請願(阪上  安太郎君紹介)(第二三九四号)  同(久保田鶴松紹介)(第二四四七号)  地方財政確立のための改善措置に関する請願  (福永一臣紹介)(第二四四一号)  地方財政強化に関する請願粟山ひで紹介)  (第二四四二号)  地方交付税率引上げ等に関する請願小沢辰  男君紹介)(第二四四三号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 三月二十七日  地方財政確立に関する陳情書外三十八件  (第二〇六  号)  地方公共団体超過負担解消に関する陳情書外  四件(第  二〇七号)  地方公務員等共済年金恩給改善に関する  陳情書外二十四件  (第二〇八号)  人口急増過密都市対策改善に関する陳情書外  十一件(第  二〇九号)  地方税財政制度合理化等に関する陳情書  (第二一〇号)  一般家庭用電気税ガス税免税点引上げ等  に関する陳情書(  第二一一号)  自治体病院経営健全化等に関する陳情書外一  件  (  第二一二号)  地方公営企業経営健全化に関する陳情書  (第二一三号)  消防殉職者遺族救済に関する陳情書  (第二一四号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  地方交付税法の一部を改正する法律案内閣提  出第四二号)      ――――◇―――――
  2. 大西正男

    大西委員長 これより会議を開きます。  内閣提出に係る地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、参考人出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 大西正男

    大西委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選、出席日時などについては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 大西正男

    大西委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
  5. 大西正男

    大西委員長 それでは、本案について質疑の申し出がありますので、これを許します。山田芳治君。
  6. 山田芳治

    山田(芳)委員 大蔵省総務課長にまずお伺いをしたいと思いますが、非常に地方財政危機である、もちろん地方財政のみならず国の財政も非常に危機である、とう言われておりますが、日本の地方財政は国の財政とのかかわり合いというものが非常に多いわけであります。したがって、国の財政危機ということが直接地方財政影響を及ぼすという仕組みになっているということは、言うをまたないわけであります。  さてそこで、ここ一両日新聞その他を見ると、大蔵省筋から、昭和四十九年度税収見込みが八千億程度予算に比して足りなくなるということが盛んに言われておる。本年度は入ってまだ十日余り、十六日程度でありますが、大蔵省当局からの発表を聞いておりますと、昭和五十年も非常に不況税収が落ち込んでくる、約二兆円ぐらいではないのかというようなことを言われておるし、昨日も大蔵大臣がそういう発表をされておるわけでありますが、まず、不況で二兆円も税収が落ち込むということになるとすると、いわゆる交付税原資である三税というのはそれの約八割であるということになるわけでありますから、一兆六千億程度、それの三二%というと五千億ということになるわけでありまして、さなきだに地方税自身が非常に収入減になりかねない予想であるにかかわらず国税が落ち込んでくるということになれば、これに影響するところの交付税財源が非常に重大なる影響を受けるというふうに考えるわけでありますが、まだ十六日程度でありますから、先のことはわからないわけであります。  さて、現在の国税を算定した根拠というのは、経済成長率を四・三%と踏んでいるわけですね。まあ福田副総理・経済企画庁長官は、いや四%あるんだということを二、三日前の新聞でも発表されておるわけですが、二兆円も税収が落ち込むということになると、経済見通しの問題というものが一体どういうふうに考えられるかということであります。非常にいま購買力が鎮静している、いわゆる一般消費というものが非常に落ち込んでいる、非常に冷え切っているのだというのが経済界から盛んに言われているところであります。これは多分に宣伝的な意味があるので、公定歩合引き下げも〇・五%を本日からやるようでありますが、これによってさして刺激がないんだと言いながらも、これは時宜に適したんだとも言われておる、こういうことであります。  そこで私は質問をいたしたいのは、まず第一に、いま大蔵省筋と称するところから発表されている、本年度昭和五十年は不況税収が落ち込む額が約二兆円くらいではないか、秋には一兆円の赤字国債も用意をしておる、こういうふうに言われております。しかし一方では、赤字国債は将来の負担増になるのでそれはやらないんだとも言われる、いろいろわからぬわけでありますが、現段階においてその基本であるところの五十年度経済成長率経済見通しというものの四・三というものはどういうふうに考えておるのか。それと二兆円の税収落ち込みというものと、それについて一体大蔵省当局としてはどういうお考えであるのかということをお伺いをしたいのですが、その前に、四十九年度が約八千億くらい落ち込むということが言われておりますから、まずそれからお伺いをし、次に本年度税収見込みというのは現段階で、これは公定歩合引き下げ、あるいは今後のいろいろのこともあるであろうから、現段階において見込み得る点について、それとの関連における三税の収入見通し等について、大蔵省としては一体どういうふうにお考えになっておるかをお伺いしたいと思います。
  7. 伊豫田敏雄

    伊豫田説明員 お答え申し上げます。  昭和四十九年度につきましては、約八千億円の税収不足を生ずるということは事実でございまして、その内容は申告所得税におきまして約三千九百億、源泉所得税におきまして約千二百億、法人税におきまして千二百億、その他約千七百億でございます。  これが三税の不足ということを通じまして地方交付税にどのように影響するかと申しますと、この点につきましては御承知のとおり、国税収納金整理資金に関する法律施行令を改正いたしまして、四月分につきまして若干の年度区分の改正をいたしますので、その関係でこれらがそれぞれ若干補てんされまして、最終的に不足額は約二千六百億、なおこれが確定いたしますのは本年五月になりませんと確定いたしませんので、その点は御了解願いたいと思うのでありますが、おおむね二千六百億、交付税にいたしまして約千億弱、これが昭和四十九年度についての問題かと考えております。
  8. 山田芳治

    山田(芳)委員 きのうも大蔵大臣が言っておられるように、五十年度も非常に不況税収が約二兆円程度落ち込む、あわせて秋には一兆円の赤字国債も、あるいは公共料金のアップ、増税もというようなことが非公式に流されている。これは公共料金をアップするための一つの政治的な判断ではないかという新聞解説もあるわけでありますが、急に一両日そういう問題が出てきたわけですから、この際に五十年度の問題もあわせて、現段階においてそういう大蔵省筋から流されておるという点について、一体どういうふうにお考えか、この席でひとつ明確にしておいていただきたい。
  9. 伊豫田敏雄

    伊豫田説明員 昭和四十九年度につきまして八千億というふうな数字が出ましたので、それからいろいろ考えて巷間二兆円ということを類推して新聞紙上等に書かれているものと考えております。  ただわれわれといたしましては、五十年度につきましてはまだ滑り出したばかりでございまして、今後五十年度の歳入問題がどのようになるかというのは、かかって今後の経済推移いかんということと考えております。その経済状況税収にどのように影響してくるかという問題につきましては、やはり今後なお相当の期間を見守って判断をしていかなければならないものと考えております。ただその場合におきましても、従来のように多額自然増収、もし景況が非常に回復してまいりますといたしましても、なお従来のような多額自然増収を期待し得るというふうな状態ではないと考えております。
  10. 山田芳治

    山田(芳)委員 そのとおりだろうと思うので私も質問を差し控えようと思ったわけですけれども、これが新聞等によると、消費者米価を中心とする公共料金早期大幅引き上げなどを図るために、一つの政治的な形で打ち出されているのではないかとさえ報道されておるということであるわけでありますから、そういうことであるとするなら地方財政きわめて重要な段階であるというふうに思うので、お伺いをしているわけでありまして、いまの段階昭和五十年全体の景気の見通しを立てろということ自身が、四・三それ自身もこれは今後の問題であるということはわかっておるわけですが、そういうことを早々と打ち上げておられるので、それなら地方財政も大変ですぞということを、ひとつはっきりこの際言うておかなければいかぬわけです。  そこで自治省税務局長さんにお伺いをするのですが、国はこういうふうに不足であるということでありますが、地方税収入見通し、最終的に、四十九年度地方財政計画で見られた分との、あるいは基準財政収入額に見られたものとのギャップというのはどういうふうに考えられておりますか。
  11. 首藤堯

    首藤政府委員 四十九年度地方税税収見通しでございますが、ただいまどの団体決算見通しの集計にかかっているところでございます。大体財政計画といたしましては、当初計画税収を見積もっておりましたもの、これと対比をいたしました場合には、四十九年度決算見通しとしてはそれほど落ち込むことはないのではないか、こう考えておるのでございます。
  12. 山田芳治

    山田(芳)委員 そうすると、国税は相当程度落ち込むけれども地方税はそれほど落ち込まない。そうすると、当初見通しギャップがあったのか、あるいは現実にそういうことは普通は同じような、たとえば事業税等は、申告所得については大体国の税収地方税収というものは右へならえするはずでありますから、そこらあたりの平仄はどういう感覚ですか。
  13. 首藤堯

    首藤政府委員 御案内のように、国がただいま八千億の減収、こういうことでございますが、昨年の年末でございましたか、大型補正を組みまして税収増加を予算計上いたしたわけでございます。地方財政におきましては、その意味では年末の大型補正というものを一応前提にいたしておりません。給与改定の際に、若干の税収増加は見ておりましたが。そういう状況でございますので、そこの間のギャップは国のケースとは若干違おうか、こう考えております。
  14. 山田芳治

    山田(芳)委員 財政局長さんに伺いますが、国が来年度のこういうことを打ち上げておるわけですけれども現実に公式にはまだまだということであります。ですから、自治省自身としてもいまのところ、恐らくそういうことを前提として物を考えておられないと思うのだけれども、そういうことは考えておられるかどうか、そこをちょっとはっきりしておいていただきたい。
  15. 松浦功

    松浦政府委員 四十九年度国税三税に穴があくということは、当然これは交付税影響が出てくるわけで、ただその問題は五十年度または五十一年度で精算すればいいわけですから、これから現実の処理に当たって大蔵省と、地方財政運営に支障のないように交渉してまいるということを基本原則に置いております。  五十年度につきましては、私どもとしてはどうもまだ何とも言いかねる状況で、国の補正予算がどういう形で動くかということの関連において、ただいま申し上げたとおり地方財政が困らないようにということを前提に置きながら鋭意折衝をしたい、こう考えております。
  16. 山田芳治

    山田(芳)委員 公式にはやはりいまの段階でそこまで踏み込むことは考えておらぬということであろうと思うのです。ただ、非常にそういう政治的な発言があるものでありますから、これはわれわれとしても重大な関心を持っておるということで、その程度にとどめておきたいと思います。  さて次に、地方財政危機の問題をめぐって、いわゆる超過負担解消の問題ということが言われておるわけであります。五十年度において超過負担解消という問題につきましては、一定措置各省において行われたということは、自治省努力というものを評価をするものでありますけれども、私どもとしてはまだ不十分であるというふうに思っております。  第一には、委託費人件費等についても三年間で行うとか、あるいは運営費等についても必ずしも十分であるとは限らないという点で、まだまだ超過負担の問題というものはこれから大きな問題になるというふうに思うわけであります。たとえば公立文教施設等についても、実態その他においてある程度の弾力的な措置をされるということがあるわけでありますから、一体どの程度がどういうふうになっているかということがなかなか明確にわからないのでありますが、文教施設あるいは保育所あるいは委託費等運営費人件費等について、五十年度における具体的な資料をひとつこの際明確にして、われわれにその説明をいただきたい、こう思うわけであります。まだ年度の初めでありますから、各省において十分できていないかどうかわかりませんけれども、やはり自治省当局においてわれわれに、こういうふうに明確にするのであるという点を、資料を示して説明をしていただきたい。そうしないと、一体どのくらい解消したのやら解消されないのやら、私どもわからぬわけです。  たとえば単価が、公立文教施設八万一千円。確かに前年度よりも相当上がった。七万五千円が最終でありますから、八万一千円に上げた。これは一定前進であり、評価をするとしても、八万一千円が各地域によって変わっておる。保育所においても単価八万六千何がしでありますが、これも地域によって変わっておるということでありますから、どの程度どう解消されたのかということになると非常に不明確である。  それから、今回の場合は財政局長の強い各省に対する要請、あるいは大蔵省もその点についての立場を理解をして、先ほど言ったように運営費人件費についても一定解消努力をされたことは評価をするけれども、具体的にどうされているかという資料がさっぱりわからないわけでありまして、その点、資料を出して説明をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
  17. 松浦功

    松浦政府委員 五十年度の問題につきましては、それぞれ平均単価等についてはお答えを申し上げているところでございますが、それのさらに内訳というようなものを私ども各省にお聞きしてもまだわからない、各省でいま詰めているというのが実態でございますので、いましばらく時間をちょうだいいたしたいと思います。  四十九年度の問題につきましては、実績といたしまして、たとえば公立文教施設でございますと、小中学校についていままでAからDクラスまでございましたものを特A地域というものを設けまして地域差をつけております。D地域が六万四千二百円、Cが六万五千四百円、Bが七万一千六百円、Aが七万四千七百円、特Aというのが七万七千五百円。しかもこの七万七千五百円の特A地域の中でも高いところと低いところということをある程度一つの県の中で配慮ができるようになっておりまして、その頭打ちの最高額が八万六千六百円、こういう形で実施をされておるようでございます。基本的には、先ほど来御指摘をいただきましたように、四十九年度施設について調査したものについての単価補正を私どもは一応終了したと思っております。  運営費系統のものにつきましては、五十年、五十一年度解消をいたしたい。なお、調査対象から漏れておる必要なものについては、本年度実態調査を行って、それによって処置をしてまいりたい、こう考えておるところでございます。
  18. 山田芳治

    山田(芳)委員 そうすると、そういう各省超過負担解消の具体的なものということになると、これは大蔵省主計局総務課で集めて資料を出していただけるのか、それとも自治省財政課か、いずれか知りませんが、そうせぬと、これは超過負担解消をしました、しましたと言っても、一括して当委員会で審議するにしても、わからぬわけです。評価するにしても、見せてもらわぬことにはわからぬわけだし、各地域ごとにいま言ったように段差があるということではちょっとわからぬので、その点はどういうふうに理解をしたらいいのか。
  19. 松浦功

    松浦政府委員 なかなか自治省の言うことは各省さんが、大蔵省の言うように聞いていただけないというつらさがあることは事実でございますけれども地方団体の問題でございますので、大蔵省さんといわず、私どもの方でできるだけ集めて御提出するという努力はいたしたいと思います。  ただ、申し上げておきますが、五十年の問題はこれからの配分でございますので、いま直ちに次の機会にどうこうとおっしゃられても、私ども各省お願いをしてもとても無理じゃないかと思います。少なくとも四十九年度どうしたか、要するにこの前三事業についての配分をやったわけでございますから、そこについてはできるだけ各省お願いをして、実態数字にあらわしたようなものを御提出をいただいて、まとめて当省の責任で御提出申し上げるという方向で努力をしてみたいと思います。
  20. 山田芳治

    山田(芳)委員 いま財政局長が言われたように、どうも自治省だと各省が余り協力せぬとおっしゃるから、総務課長さんは総括ですから、総務課長にもひとつ協力をしてもらって、資料大蔵省でもつくっていただきたい。それは評価すべきものはするのですけれども、いま言ったように四十九年度ではまだ十分でなかったわけです。五十年度において、その他の運営費等についても一定のというか若干の前進は見られる、人件費等についても二年間でやる、われわれもそういうことは断片的に聞いているわけですが、どの費目についてどうされたかということは、これは自治省にといま言ったわけでありますが、自治省であると個別的に大蔵省とあれをしているわけですから、なかなかつかみにくいということですが、総務課長さん、もう結構ですけれども、この点だけ協力をして資料をつくってわれわれに早急に出してもらうということだけ答えていただいて、ほかにどうせ大蔵委員会にも行かれるでしょうから……。
  21. 大西正男

    大西委員長 これは主税局なんだが……。
  22. 伊豫田敏雄

    伊豫田説明員 主計局総務課長の方にただいまの御趣旨をよく伝えておくつもりでございます。
  23. 山田芳治

    山田(芳)委員 それでは、委員長にもお願いをいたしておきますが、当委員会としては、この超過負担の具体的な問題が五十年度においてどうあるかということはきわめて関心の深い、これは各委員ともそうであるし、各党ともそうであると思うので、この点は委員長で配慮を願いたいと思います。
  24. 大西正男

    大西委員長 なお、これ質問でずっと詰めておいてください。
  25. 山田芳治

    山田(芳)委員 はい。要望だけ。  次に、地方債の問題について若干伺いたいと思うのですが、私は去る二月二十七日の本会議において大蔵大臣に対して、起債の許可、このこと自身がいいか悪いかの問題は別として、起債の許可については大蔵省は確かに財政投融資全体計画の中において、当然関与すべきものであるということについても、これは十分理解ができる、結構なのでありますが、それは財政投融資の全体的な、総括的な面で関与をされることは必要であると思いますけれども、具体的な、たとえばある県のある田舎の町の一定のものを起債によって措置をしていくというような一件審査の細かい端に至るまで、――相当大きなものであって、大蔵省も関与しなければならぬという大きなものになればこれはまた別でありますけれども、そんな町村の端に至るまで一件審査を地方の財務部を通じてやられるということになると、これは自治省なり府県の知事というものを経由してくる。また一方、それに対しては会計検査院の監査があるという仕組みになっているし、自治省というのはきわめて優秀な役人が多々いるわけでありますから、ここへお任せをいただいて、一件審査の問題はもう大蔵省は関与されないで自治省に、自治大臣を信用して任せるべきではないかと私は思うので、総括的なことについて、大蔵大臣に、本会議質問したという趣旨ではなかったのでありますが、財投の責任者として関与するのはあたりまえだ、その点は私は決して否定しない。しかし、細かい、町村なりの端に至る一件審査まで大蔵大臣が関与しなければならないということならば、政府機関としての自治省というものが厳然としてあるのだし、各県知事も、各県にはそれぞれの機関があって、十分意見を聞きながらやるのであって、そういう点はむしろ自治省サイドにお任せになられた方がいいのではないかと思うのですが、この点はどうでしょうか。
  26. 高倉建

    ○高倉説明員 お答えいたします。  先生ただいま御指摘のとおり、大蔵大臣財政金融全般を調整するという立場から、地方債の全体の規模なりあるいは資金の配分なりということに関与をするということは御指摘のとおりでございますが、ただ同時に、大蔵大臣地方債の資金の非常に大きな部分を占めております資金運用部資金の管理、運用の責任者でございまして、いわば直接の金貸しの立場を持っております。その立場からは個々の事業の適否なりあるいは団体の全体の財政状況なりあるいは全体の債務の状況なりというものを判断して融資を行わなければならないわけでございまして、また、そういう点についての融資機関としての会計検査院の検査も受けているわけでございます。そういうことになりますと、やはり個々の融資につきまして御協議を受けておくことの方が、むしろ便利といいますか、ベターではないか、また、その方が事務の処理も適切であるということに考えておる次第でございます。
  27. 山田芳治

    山田(芳)委員 ですから、権限のあることは、――権限があるというか、権限は法律的にはないと思いますけれども、そういう具体的な問題について大蔵大臣が関与してはいかぬと言っておるのではないのであって、そういう点について私は自治省を信用されてお任せなすったら、何も、会計検査院もこういうことで自治省にお任せをしておりますということであれば、自治省についてそれを調べればいいので、何なら会計検査院の方を呼んで、その点についてそうされたらいかぬのか、やはり大蔵省に責任を持たせるかと聞いても結構ですけれども、それは役所同士の話し合いの問題なんだから、自治大臣以下政府の優秀な役人がおられるわけですから、お任せなすって、信用できぬわけでもないのだから、政府機関同士の相互信頼関係というか、それでやられるということは一向に差し支えないではないかという政策論を申し上げているわけで、そのところを踏み切ったらいかがですか。いま言われたように、枠の問題とか資金配分の問題について大蔵大臣が所管責任者として関与するのが当然のことである。しかし町村の端の個々の起債までは、自治省なりまた大臣なりあるいは各省、各府県の知事に任せるということでないと、実際そんなことまで大蔵省が一々関与する必要はないのであって、確かに金融の面における責任というもので関与したいという気持ちはわかるけれども、お任せなすったらどうでございましょうということを申し上げている。たとえば、住宅ローンや何かでもそれは各銀行に任せておられるわけでしょうから、そういう手続はできないはずはないので、そういう考えでお任せになる意思はございませんか、こういうことです。
  28. 高倉建

    ○高倉説明員 先生の御指摘でございますが、私ども自治省あるいは県と協力をして、それを信用しないというわけではございませんが、やはり直接の融資機関を担当する立場といたしましては、若干角度の違う検討の仕方があろうかと思います。そういう点をあわせて協議というかっこうで処理をしておるわけでございまして、地方団体に御迷惑をかけないように事務の円滑な処理といいますか、そういうことにつきましては十分配慮してきているつもりでございますし、また今後もそうしていきたいと思います。  ただいまの御指摘の点になりますと、やはり資金運用部資金を預かるという立場が別途にあるということを御理解願いたいと思います。
  29. 山田芳治

    山田(芳)委員 じゃ若干違う立場というのをちょっと説明してください。
  30. 高倉建

    ○高倉説明員 自治省の起債の許可権限というのは、いろいろ立場があろうかと思いますが、主としてそういう起債によって事業を行っていいのか、起債性があるのかどうか、あるいは財政的な将来のあれがないのかどうかという点が中心になっておるだろうと思います。金を貸します立場からしますと、そのほかに償還の問題、これは全体としての償還の確実性あるいは過去にそういうことがなかったかというようなこともありますし、それから政府資金を地域的に、あるいは団体の強弱といいますか、そういうものによってどういうふうに配分していくかという別途の問題はあろうかと思います。
  31. 山田芳治

    山田(芳)委員 ちょっと説得力に弱い。その程度のことなら私は自治省にお任せなすっても十分自治省の担当官はやれるし、私自身も府県で長いこと地方財政の問題をやってきた人間の一人として、その程度のことなら、強弱の問題、償還率なら起債の償還比率が一定限度にあるかどうか、一般財源に占めるウエートはどうか。これは一定の限度を設けたりあるいは全体的な財政運営を見ていけば、私なんぞは長い経験を持つ人間として見れば、大体その程度のことは自治省の大臣以下のりっぱな職員で判断できることなんで、ちょっと説得力が弱いと思うのだが、どうもその点では私首肯しかねるのです。もう一遍若干違った点をもう少し説明してくれませんか。
  32. 高倉建

    ○高倉説明員 もちろん、自治省の御判断の中にもいまの財政的な力の問題というのはあろうかと思いますが、ただいまのところは自治省大蔵省、そういう点で対立があるわけじゃございませんけれども、私どもはやはり金を貸します立場という面がありますので、場合によってはそういう問題も非常に重視しなければならない場合が出てくる、こういうことはあろうかと思います。
  33. 山田芳治

    山田(芳)委員 若干私は納得しないんで、自治省にお任せなすってよいという主張はこれは変わりませんが、いまのところ地方資金課長もそこまで課長の責任では言えぬだろうから、第一回目の議論としてこれでおいておきますが、いずれまた改めてやります、時間の関係がありますから。  それから次は、四十九年度の縁故債は最終的にどのくらいに認められたかということが一つ。  それから第二番目は五十年度地方財政計画で五百億を規模是正されたわけでありますが、これは将来規模是正を当然すべきであるというふうに思うわけでありますが、この点についてちょっと。
  34. 松浦功

    松浦政府委員 四十九年度の枠外縁故債許可額は四十八年度約七千五百億でございましたものが、八千九百億程度になっております。この八千九百億のうち大部分が土地であるということは山田委員御承知のとおりでございます。私どもといたしましては、こういった枠外縁故債を一切なくして地方計画の枠内における資金の配分ということを心がけるべきだという気持ちから、五十年度地方財政計画の編成に当たりまして、地方債は全部枠内に取り込みたいという形で大蔵省に対して約四兆円の要求をいたしたわけでございます。考え方としては大蔵省も非常にこの点については理解を示していただいたわけでございますが、結果的に見ますならば、地方財政の規模が国の財政規模に比べて極端に一挙にふえるという形になる、それがいまのような経済状況の中でどういう心理的な影響を与えるかということ等を考えると軽々には決めかねるということで、実は本年度は余り大幅にこの作業は進まなかったわけでございます。確実な見通しといたしまして、共済資金原資等を見込みにいたしまして五百億だけいままで枠外にあったものを組み入れをすることをいたしました。これらの経済状況その他の見通しを立てつつ私どもといたしましては今後の方針として、枠外地方債というような考え方が全部払拭できるような方向に地方計画を組むということを基本原則に置いて努力をしてまいりたい、こう考えております。
  35. 山田芳治

    山田(芳)委員 私は、縁故債というものをなくせという趣旨を申し上げているわけではなくて、やはり年度末その他の弾力的な運営に当たり、しかも資金量があるならば、それはいま話もあったように、各団体の償還能力その他の問題があるわけでありますが、そういう点が一定の基準が守られるならば認めていってやってほしいというふうに思います。さなきだに、地方財政非常に危機なんでありますから、その点は弾力的な運営というものを図ってほしいと思いますが、ただ地方財政計画と決算とのギャップの大きな問題の一つとしては人件費の問題があり、一つはこれがあるということはもう言われておる。その他超過負担の問題ももちろんありますが、そういう大きな要因をなしているものですから、できるだけ地方財政の枠組みの中に抱え込んでいくという努力をしていただきたい。五百億を共済資金の面においてされたことについてはそれは結構なことだけれども、それ以外にも現在のような、いわゆる民間資金というのは、窓口規制をしておる、公共的な社会投資というものに向けられるならば非常によいことだと私は思うので、その点は弾力的な運営をしていただきたいということを言うのであって、それを抑制をしていくという趣旨にとられては困るということだけは私から申し上げておきたいんですが、とにかく非常に地方財政の枠組みの中へ取り込んでいってもらいたいということを一つ申し上げておきたいと思います。これ以上は質問をいたしません。もう地方資金課長さん結構ですから、またいずれの日にかもう一遍論議を蒸し返します。  次に、今度の交付税で過密過疎の対策についてお伺いをいたしたいのでありますが、過疎からちょっと話を進めたいと思いますが、昨四十九年度においていわゆる準過疎団体の問題、いまの財政全体を見ると、過密に対する措置も逐次拡大をしてもらっておって、その点については一定のこれは評価と敬意を表します。過疎についても逐次過疎債というものの増額がある。これは私たちも過疎の町村を抱えている選挙区におる者として実態を見ておりますと、非常に有効なる役割りをしている。過疎債というものは非常に有効であるという点については、これも評価をするわけですが、いま問題になっているのは準過密、準過疎というところが余りにも今度は逆に格差が出てきたという問題があるわけですね。そこで準過疎団体については一定措置を四十九年度の特別交付税の中でされている。結構なことだと思うのですが、これはルール化を今後もされる意思があるのかどうかということをまずお伺いをしたいというふうに思いますが、その点いかがでしょう。
  36. 松浦功

    松浦政府委員 過疎過密団体に対する交付税措置あるいは地方債の措置が厚くなればなるほど、過疎団体なり人口急増団体なりの決め方が一定数字を使っております以上、境にあるところでそれらに該当しなかった団体が非常に大きな影響を受けるだろうということは、これはもう御指摘のとおり。そこでこの制度をどういう形でさらに強めていくか、これは将来の問題でございますが、それとの関連においてやはり中間団体を何らかの形で救わなければならないだろうということについては先生の御指摘のとおりだと思います。したがって、ルール化という意味がどういう意味であるか存じませんが、本年度やっておりますような準過密団体、準過疎団体、こういう措置は、もとの制度が残っておる間は続けていくべきであり、もとの制度が強化される場合にはさらにこの部分も強化をしていくという方向で考えていくべきだと考えております。
  37. 山田芳治

    山田(芳)委員 それに関連してですけれども、特交の率の問題は前国会の中で大臣も四%程度に落としていくということを約束をされたわけでありますが、諸種の事情でされなかったわけでありますが、いま私はルールということを言いましたけれども、具体的にわれわれもいろいろ地方財政の中の担当者としてやってきた者として、やはり特交の中にはいわゆる調整財源部分と、たとえば同和に対する事業であるとかあるいはいま言ったいろいろのルール化されている部分が特別交付税の内容として非常に多いわけですね。ですからやはりそういうルール化ということができるものについては普通交付税の中へほうり込んでいく、そしてやはり調整は必要でありますから、四%程度なら四%程度の調整というものの留保は、災害その他もあるだろうし、突発的な財政需要もあるであろうから、それは必要だと思いますが、いまの率は削減すべきであるということであるわけでありますが、この点について、せっかく大臣もおられますから、大臣の御意見だけひとつこれは聞いておこうかな、こう思いますのでお伺いしたいと思います。
  38. 福田一

    福田(一)国務大臣 この問題は長い間にわたって御要望があったところでございまして、われわれとしてもその方向で検討をしなければならないと思っておりますし、五十一年度の予算編成等に当たっては十分御趣旨を尊重したいと考えております。
  39. 山田芳治

    山田(芳)委員 どのくらいルール分があるのですか、現実に。
  40. 松浦功

    松浦政府委員 どういうものを見ると考えるかによって違いますので、正確にはなかなか言いかねるのでございますが、いわゆる客観的な数値をもとにして、一定単価なり算定方式なりを用いて算出をするものをルール分とおっしゃっておられるんじゃないかと思いますが、ちょっとまだ四十九年度の分についてその仕分けができておりませんのでお許しを願いたいと思いますが、ただいま大臣からお答え申し上げましたように、私ども四%ということは決していままでも一度も口にしたことはないのでございますけれども、特交の率をできるだけ下げる、あるいはそうでなければ調整部分をできるだけ減らしてルール分をふやすということについては私どもも賛成でございます。いろいろの事情がございまして、本年度はできませんでまことに申しわけございませんでした。今後努力をさせていただきたいと思います。
  41. 山田芳治

    山田(芳)委員 ルール分が大体どのくらいかわかれば大体入れられる限度というのはわかると思うので、これは引き続いて今後の問題として、今年度は恐らくいまのまま、現行でいかれるんだろうと思うので、やはり次の年度においてはひとつはっきりした意見を持ってほしいと思います。  次に過密の問題ですが、これは若干技術的な問題なんで恐縮ではありますが、人口急増補正のIの係数における全国平均増加率の控除というものがなされているわけであります。この点をやはり廃止をしないと、増加した団体と減っている団体についてはそのまま認めていくということで、年度途中の増加人口分というものの加算をしてやはり実態に合わしてやってほしいというふうに思うわけであります。これはいろいろと交付税課長にも話をしている点でありますが、昭和五十年度については、そういった趣旨で全国平均増加率控除というものを廃止をされる意思がないかどうかということ、まあさらりとですけれども、交付税課長から伺っておきたい。
  42. 森審一

    ○森説明員 財政需要そのものといたしましては、一、二の例を挙げて申し上げますと、たとえば投資的経費におきましても、各種の五カ年計画等を基礎にして事業費を出しまして、標準団体に置き直して単位費用を決める。それから、たとえば経常経費におきまして、生活保護、社会福祉のようなものにつきましても、当該年度現実の需要額、これはそれぞれ厚生省の予算その他に計上されたものを基礎といたしまして単位費用を決めるというふうな点からいたしまして、全国的な人口増加と申しますか、需要の増加分というものは単位費用の段階で一般的には含まれておるというふうにわれわれ考えておりますので、全国平均増加率というものを現在まで控除して計算してきておるわけでございますが、検討させていただきますけれども、いま申し上げましたような趣旨で若干困難かと存じます。
  43. 山田芳治

    山田(芳)委員 控除しますと現実人口実態を示さないことになるので、その点はわれわれとしても非常に不満であるという点で、これはまた個別的にいろいろ話をしますから、いまのところはこの程度にしておきます。  それからもう一つ人口急増補正Ⅰの適用費目については、昭和四十九年の段階では公園費を入れたわけですけれども、都市計画費と下水道費について、同様の趣旨によって昭和五十年から人口急増補正をやるべきではないかと思うのですが、この点はどうですか。
  44. 森審一

    ○森説明員 都市計画費につきましては、経常経費におきましては、都市計画事務に係ります給与費あるいは一般的な若干の事業費等の経常経費を算定しておるところでございますけれども、これらは人口が急増したからといいまして直ちにそれと比例して所要経費が急増するというたぐいのものでもまたございませんし、それから下水道費におきましては、下水道施設の維持管理費でございますので、現実に排水人口増加いたしました場合には、その排水人口を基礎といたしまして密度補正によるかさ上げをやっておりますので、それで大体人口急増しておりますところは所要の財源手当てができているんじゃないかというふうに考えております。なおもう少し検討さしていただきます。
  45. 山田芳治

    山田(芳)委員 いずれにしても検討していただくということにして、さらりとしておきますが、収入の分について一つだけお伺いをしたいのは、個人所得割のうち一般分について、前年度の理論納税義務者数にその前二年間の納税義務者の平均増加率を乗じて算定年度の理論納税義務者数を求め、これに単位税額を乗じて算出基礎を求めることになっているわけですが、この二年間というときに、人口急増団体で比較的小さなような団体において一年または二年の短期に人口が急増する、倍増するという場合に、その後また増加傾向が停滞するというような場合があるわけでして、そういう場合は現行の推計方法では、前二年間の増加率が非常に多いわけでありますから、そういう点が非常に不合理な点がある。四十八年までは個人所得割全体として対前年度の一・五倍打ち切りの措置というのが、四十九年から廃止をされておるわけですね。だからそれがますます不合理になる、こういうことなんで、これはもう少し考える余地がないかどうかということについてひとつお伺いをしたいと思います。
  46. 森審一

    ○森説明員 初めの所得割の計算につきましては、先生おっしゃいましたとおりの計算の仕方をやっております。これにつきましては普通交付税の計算の技術的な制約というものがございますけれども、確かに人口の急増、急減が一定の期間ごとに非常に激しく動きます場合には、単年度ことにとってみますと、ただいまおっしゃいましたように、現実の基準税額と実際の所得割収入額との間にどうもうまくない差が出てくる、こういうふうなことがあるわけでございますが、ある程度長期的に見ますと、これはもう是正されておるのじゃないだろうかというふうに考えます。したがいまして、基準財政収入額の計算よりも現実の所得割収入の多かった時点におきまして、何らかの形で財源の留保的なことを行っていただければ、これは申し分ないと思うのでございますけれども……。  なお、あわせておっしゃいました所得割の対前年度比一・五倍の打ち切り措置、これはその他の団体、この適用を受けない団体との間のバランスから、やはり廃止をする方が道理にかなっておるだろうということで昨年度廃止をさせていただいたわけでございます。ただ、とはいいましても、先生おっしゃいましたように、特に人口の急増その他の事情によりましていろいろの財政需要のふえてくる団体におきましては、たとえば人口急増補正、具体的な数字を申し上げますと、四十八年度は急増補正のⅡが二百六十七億でございますけれども、これが四十九年度は四百九十七億。急増補正のⅡにつきましては、四十八年度は三百二十九億でありましたけれども、四十九年度は四百九十七億というふうに、急増補正一つをとってみましても大幅な増加を図りまして、従来からの一・五倍打ち切りよりも、金額的に申し上げますとはるかに多い額が急増団体には措置されたものというふうに考えております。
  47. 山田芳治

    山田(芳)委員 人口急増の問題について、まだほかにも二、三の問題点がありますが、これはまたいずれ個別的にやりますから、きょうはやめておきます。  次に、事務所事業所税の問題について税務局長さん並びに財政局長さんに伺いたいのですが、本年度は法定税としての目的税としての事務所事業所税が約二百二十一億と財政計画にあるわけであります。これの使途は、一項目から九項目まで地方税法で規定されている。地方財政計画上、目的税でありますから、一項目から九項目に対する収入はもちろんそれぞれの団体において計上されて基準財政収入として見られるが、それに対する二百二十一億の支出の項目ですね、それは一体どういうふうに九項目に対して配分をされるのかという点について、現在大都市はいろいろの問題を抱えているけれども、われわれとしては、公営交通が非常に赤字で苦しんでいるという実態の中から、公営交通対策としての需要というものを多く見てほしいというふうに思うわけですが、これは地方財政計画上というよりも交付税法上、この二百二十一億、平年度八百億と言われておる事務所事業所税の取り扱いはどうなるのか、ちょっとこの際お伺いをしたい。まだ決まっていないなら決まっていないで結構です。
  48. 松浦功

    松浦政府委員 事業所税の使途については、先生御指摘のとおり九項目、非常にたくさんの事業が羅列してあるわけで、これのどれにウエートをかけるということを私がいまの段階で申し上げる問題ではないかと思います。全般的に見て、大都市における実際の実績等を勘案した上でということになるのだろうと思うのでありますが、公営交通ということを頭に出されますことは、財政法の関係からもこれはちょっと問題ではなかろうか。財政計画上の繰入金、この金額との関連でつかまえるということでございませんと、ちょっと制度上問題があろうかと思います。それらの問題も私どもは無論頭の中に入れておりますけれども現実の繰出金は、今度の事業所税との関係でなくて、財政計画の中で現実にどうするかという措置が決まっておる問題でございます。したがって、それのみというかっこう、あるいはそれに極端に重点を置くというようなことは、ちょっと先生の御指摘でもできかねるかと思っております。
  49. 山田芳治

    山田(芳)委員 そうすると二百二十一億をどう割るということじゃなくて、歳入全体として、一般税の取り扱いと同じような感覚で考えていいわけですか。
  50. 松浦功

    松浦政府委員 ここの九項目に掲げてございますことを見る限りにおいては税法の問題でございますが、これは全く一般的に都市における需要だというふうに理解せざるを得ないと思います。そういう形において、事業所税を徴収する団体におけるこれらの需要を技術的にどういうふうに引き上げていくかということを現在検討しておるということでございます。
  51. 山田芳治

    山田(芳)委員 そうなると、各団体において繰出金をいかに議会あるいは理事者においてやるかという問題であって、ここの問題ではないというふうに理解していいわけですね。
  52. 松浦功

    松浦政府委員 そもそも地方自治体でございますから、配られた財源をどうお使いになるかは自治体でお決めを願いたいと思っております。
  53. 山田芳治

    山田(芳)委員 次は税務局長にお伺いをしたいのですが、この前の税の質問のときに、同様の財政需要のあるところについては、法定外目的税として事業所税を創設をする場合は、その財政需要を見ながら前向きで検討をしますという答弁があったわけですが、ぜひひとつ、公営交通のことばかり言うてあれですけれども、公営交通その他いわゆる公営企業全体が非常に財政的に危機、困難をきわめているわけでありますから、みずから法定外目的税として対処をする場合には前向きに検討されるというわけでありますから、もう一段進めて、どうせ交付税法なり地方税法なりが成立をしたときには、全国の知事を集め、あるいは総務部長を集め、地方課長を集める会議を催されるわけでありますから、そういうときにも、そういう意向であることはひとつ指導をしておいていただきたいという要望を申し上げておきたいのですが、いかがでしょう。
  54. 首藤堯

    首藤政府委員 事業所税の創設に当たりまして、この税が人口や企業の集中によりまして惹起をいたしました都市的な需要、これを賄うための目的税として設立をされる、その趣旨のために原則として五十万以上の都市、こういったところに限って法定税として設定をいたしましたのは御承知のとおりでございます。その際に、この法律によりまして課税権を与えられた市以外の都市については、逆の意味で、そういった都市に課税権を限ったゆえをもって、その他の都市では課税をしてはならないということではなくて、その他の都市は全く白紙の都市である、こういうように考えておりますことは、そのとき申し上げたとおりでございます。したがいまして、法律で規定をされました課税権を持ちました都市以外でも、全く同じような人口や企業の集中等によりまして財政需要があって、それを賄うためにこういった同種の、似たような税金を起こしたいというような希望がありますときには、法定外税としてわれわれも積極的にこれを検討いたしたい、こういう趣旨を申し上げたのでございまして、依然としてその考え方は変わっておりません。ただ、ただいま御指摘がございましたように、各団体にこれを周知徹底をさす方法でございますが、もちろん全国の地方課長会議とか総務部長会議等において、そのような考え方でおりますことは私どもとして十分伝えたいと思います。  いずれにしろ、法定外の税金でございますので、これを起こせという奨励をすると申しますか、こういうことにはちょっとなりにくいと思います。地方団体の方で、そのような実態を踏まえて起こしたいというような状況であれば、私どもとしてはこれについて積極的に前向きに検討をいたしたい、こういう気持ちでおりますことは申し上げたとおりでございます。
  55. 山田芳治

    山田(芳)委員 税務局長としては、そういう希望がある向きについては、白紙と言いますけれども、積極的に認める方向で検討するというお話はしていただきたいと思います。  そこで山本議官の方は、これは公営交通を担当され、その措置をされているけれども、やはり収入というものを図りながら措置をしていただくわけですから、山本議官の方はひとつそういうことも考えられるという積極的指導、これはよろしいですね。
  56. 山本成美

    山本(成)政府委員 新しい税の使い方の問題でございますが、私の方といたしましては、一般会計から企業会計へお金を入れるルールというものがございますので、それを踏まえた上で指導いたしたい、かように存じております。
  57. 山田芳治

    山田(芳)委員 もうちょっと具体的に説明してください。どういうことですか。
  58. 山本成美

    山本(成)政府委員 事務所事業所税そのものを公営交通に入れろとかあるいはその他の公営企業に入れろというふうな議論ではなくて、私の方は法律に定められております負担区分というものがルールとしてございますので、それをきちっと踏まえた上で、一般会計からどういうふうにお金を入れるかという指導をいたしたい、かように考えております。
  59. 山田芳治

    山田(芳)委員 大体の意味はわかりますから、あとはまた話をいたします。  それで次は、運輸省の方に来ていただいておりますね。長く待たせまして済みません。  まず第一に、地下高速鉄道建設助成、現在三分の二と言われますけれども、実質は三分の二まで行っていないわけでありますが、これを実質三分の二にすべきではないかということで、従来からわれわれ要請をしておったわけであります。三年に一遍見直すというようなことでありますから、来年度あたりにおいてこれはぜひひとつ実現をしてもらいたいというふうに思うのと、それから大阪等にもございますような大規模な改良事業、これはもう建設と一緒であるというふうに考えられるわけでありますが、この点については本年度の予算は必ずしもそうなっていない。予算編成前に申し入れたときはわかるというお話であったわけでありますが、なされていない。これはひとつどうしても実現をしてもらいたいというふうに思うわけでありますが、この二点についてまずお伺いをしたいと思います。
  60. 高橋英雄

    ○高橋説明員 お答えいたします。  地下鉄の建設に対します補助金は、おっしゃるとおり工事費の六六%ということに相なっておりますけれども、自己資金あるいは総経費、間接費的なものを引きましたものを対象にいたしておりますので、実質的には五〇%前後というふうなことに相なっておる次第でございます。最近、地下鉄も建設費が非常に高騰してまいりまして、最近開通いたしました、これは営団の有楽町線でございますが、キロ当たり百億円以上になるというふうなこともございます。それから、最近一般的に金利の高騰というふうな問題もございまして、地下鉄事業者の経営も非常に苦しいかと思いますので、私どもといたしましては、来年度また予算要求の時点にはこの補助金の改善と申しますか、助成の強化ということについて前向きに検討をさせていただきたい、かように思っておる次第でございます。その中には、先ほど先生おっしゃいましたような大規模な改良という点もあわせて考えたい、かように思っております。
  61. 山田芳治

    山田(芳)委員 まあわれわれとしては、要するに間接費をまず一〇%程度引くとかそういうことじゃなしに、三分の二ということ、実質五〇%、四九というような数字が挙がっておるわけでありますが、こういうことをひとつ解消するように、いまお話があったように前向きに努力していただくということをまずお願いをしておきます。  それから次に、路面軌道欠損補助、これはいわゆる地方鉄道軌道整備法によって出されるわけですが、都市交通の部分に対して出されないというのは再建計画との関係であるというふうに説明をされるわけでありますけれども、民営であろうと公営であろうと差がないのではないかと思うのですが、そこらあたりの区分というものをどういうふうにされているのか。昭和四十九年の予算で要求をされたように、今後もこの点については、運輸省としては当然公営交通についても路面軌道の欠損補助というものをやっていくべきではないかというふうに思うのですが、この点はいかがでしょうか。
  62. 高橋英雄

    ○高橋説明員 先生いまおっしゃいました点につきましては、二つ問題点があるかと思います。  一つは、地方の公営企業につきましては、地方公営交通事業経営健全化の促進に関する法律という法律に基づきます再建措置がとられておるわけでございますが、こういった再建措置との関連を一体どう考えるのかということについての実は詰めが必要でございますが、五十年度予算要求におきましてはこの辺の詰めが必ずしも十分でなかったということで、さらにこの辺を検討すべきだということで、欠損補助が公営企業に対して認められなかったわけでございますけれども、私どもとしましては、この辺はさらに詰めたいと思います。  さらにもう一つの問題点と申しますのは、欠損補助は地方鉄道軌道整備法に基づきます補助でございますか、この法律の趣旨としまして、欠損補助というのは、どちらかと申しますと過疎的な地域におきまして、非常に零細な鉄道が、経営が苦しいけれどもなおかつ地域の住民の足を確保するために維持しなければならないというふうな場合に欠損補助を行うという趣旨になっておりますので、都市におきます都市交通を担う路面電車ということになりますと、若干その辺で疑問がないでもないというふうなこともございまして、さらにこの点につきましては自治省と今後十分に協議をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  63. 山田芳治

    山田(芳)委員 別に地方鉄道軌道整備法は、過疎の地域でというようなことは書いてあるわけではないのですが、それはどういうわけでそういうふうに言われるのか、ちょっと。
  64. 高橋英雄

    ○高橋説明員 法律には特に過疎という言葉は使ってはございませんが、「設備の維持が困難なため老朽化した地方鉄道であって」というふうな表現がございまして、感触としては、どうも過疎的な地域でおくれておる、非常にお客さんも少ないということが一つの条件ではなかろうかというふうなことで従来から運用はされております。この点について必ずしも過疎と限定をするというふうな強い決意があるわけではございませんが、なお今後とも詰めたい、かように思います。
  65. 山田芳治

    山田(芳)委員 大蔵省が言うならいざ知らず、運輸省が自分で枠をかけないで、ひとつ大きく法に書いてあるとおりやっていただきたいというふうに思いますから、今後の問題としてひとつこれも検討してもらう。  それから、ターミナルの整備とか停車場、停留所等の大都市交通対策補助というのがあるのですね。一体これは枠がどのくらいでどういうところに出されておるのか。何か大都市にしか出されてない、中小の公営交通設置団体に出されてないのだということを聞くのですが、ちょっと私わからぬので、この点をひとつ教えていただくとともに、もしそうであるなら改善をしていただきたい。
  66. 山下文利

    ○山下説明員 ただいまの御質問でございますが、これは四十九年度から創設されました制度でございまして、大都市のバスのターミナルの整備でございます。ターミナルで車を待つ人が非常に不便を感じておりますので、それに屋根をつけたりあるいは案内板をつくる、そのための施設補助でございまして、四十九年度は合計六千万の補助金を用意いたしました。五十年度もやはり六千万の用意をいたしておりますが、四十九年度は全国で十一カ所設置いたしまして、たとえばこの近辺では三鷹駅、八王子駅、横浜駅。関西の方に参りますと大阪駅、神戸駅、そういったところの施設の整備を行っております。こういう内容で今後とも施設充実をやっていきたいということで整備しておる状況でございます。
  67. 山田芳治

    山田(芳)委員 大都市だけにやるのではなくて、やはりこれも来年度あたりひとつ中小都市に広げていただかぬと、大都市にだけというのはちょっと……。交通混雑があるとおっしゃるのかもしれませんけれども、それはそれなりにあるわけですから、その点もひとつ検討しておいていただきたいというふうに思います。  それから次に新住宅地路線バス対策補助ですね。今度は五十万の人口程度からということでございますが、われわれは前から二、三十万のいわゆる中核都市にまでやるべきであるということを言っておる。というのは、住宅というのは単にいままでのような大きな都市だけではなくてその周辺部に及んでいるということが一つと、それから政府みずからが中核的な都市というものをつくっていくんだということは、法律があるわけではないけれども考え方としてしばしば示されているのですから、やはりそれに適応したところの路線バスに対する補助というものをやっていくべきではないかというふうに思うので、五十万と言わずやはり三十万中核都市、県都というか、県の県庁所在地等を含むぐらいの考え方でなければならないのではなかろうかと思いますが、この点はどうですか。
  68. 山下文利

    ○山下説明員 ただいま御指摘いただきました新住宅地バス路線開設運行補助費でございますが、これは四十八年に創設されました際には、東京と大阪を中心とした地域に限られておったわけでございます。これを四十九年度にただいま御指摘のような五十万以上の都市に範囲を広げたわけでございます。今後の方向といたしましては、やはり先生御指摘のような方向で五十一年度以降検討させていただきたいと思います。
  69. 山田芳治

    山田(芳)委員 神戸市、兵庫県等で開発利益の還元の措置というものが具体的に行われておるわけですが、これも何遍も言われておるのですが、なかなかむずかしいむずかしいということで、検討する検討するで今日まで来ているのですけれども、これについて運輸省並びに自治省としてはどうお考えになるか、この際ひとつ伺っておきたいと思います。
  70. 高橋英雄

    ○高橋説明員 地下鉄その他の新しい鉄道等が開通いたしますと、それによりまして沿線の住民等は有形、無形のいろいろな便益を受けるということになるわけでございますが、そういったものが地価の上昇とかいろいろな形であらわれてくる。そういった利益を鉄道事業等に吸収してはどうかというふうなことがいわゆる開発利益の還元という問題かと思います。これにつきましては、従来から言い古されてきたと申しますか、いろいろな人がいろいろなところで必要性を説かれておるわけでございますけれども、もちろん運輸省といたしましても従来から検討いたしておりますが、実際問題といたしまして、どのような範囲についてその開発利益をとるか、あるいはどのような方法でこれをとるのが一番合理的か、そういったような点について非常に困難な問題がございまして、まだ明確な結論が出ていないわけでございますが、私どもといたしましては、これについてはなお今後も検討すべき課題である、かように考えている次第でございます。
  71. 山本成美

    山本(成)政府委員 私どもとしても、いま運輸省からお答えになりましたこととおおむね同じような考え方でございます。  ただ、いまお述べになりました中に例が出ておりましたけれども、神戸市のように、たとえば三ヘクタール以上の開発をやるような場合については、バスの用地を提供させるとか、あるいは現物でなくて相当額のお金を取るとかいうふうなやり方もいろいろございますけれども、これもやっとこういうふうな方式を具体の場合に当たってつくったということでございまして、一般的な制度としてこれをどういうふうに考えていくかということになりますと、運輸省からいまお話のありましたような問題点がいろいろございます。そういうことで私どもの方も慎重に検討を続けてまいりたい、かように思っております。
  72. 山田芳治

    山田(芳)委員 毎回同じことを聞いておるわけでして、もう少し前向きの話ができるように少し前向きに検討をしてもらいたい。これはもうきのうきょうの話ではないので、何年も言われているのですから、少し試案的なものでも出していただくくらいの研究をしていただきたいというふうに思います。  それから次に、これは非常に問題になっているのでありますが、自治省に一遍伺っておきたいのです。  例の交通委員会の設置ということを前からわれわれも要求をし、権限の問題その他が非常にむずかしいのだということであるわけでありますが、やはり全体的な安全なり規制なりというような問題を含めて、交通委員会というようなものを置くべきではないかという点について、どの程度討議されたか、どういうふうに考えておられるか、一遍聞いておきたいと思うのです。
  73. 山本成美

    山本(成)政府委員 山田委員の御質問の点は、かねがね問題を提起されておる点でございますが、私どもとしては確かに、都市交通のみでなくていわゆる地域交通と申しますか、そういうふうな問題になりますと、ただ単に警察当局だけでなく、都市計画当局との関係も非常に深いというふうなこと、あるいは民営との関係もございます。そういうふうなことで、非常に多岐にわたった連絡調整を自主的にやらなければ、なかなかむずかしい問題がたくさん出てきておりますので、そういう意味で交通委員会というふうなお話が出ておるのではないかと思います。現実に県あたりの段階で、あるいは大都市の段階で自主的に企画当局が中心になってあるいは交通局当局が中心になって、協議会のような方式を取り込んでおるところも相当数あるように聞いております。そういうふうなことで、現実にはいろいろ工夫をしてやっておるのが実情でございまして、そういう点から見ますと、いま一気に統一的な、あるいは一律的な制度としてこれを定着させるようにするのが必ずしもいいのかどうかということには、まだまだ時間がかかるのじゃないかというふうに考えております。
  74. 山田芳治

    山田(芳)委員 きょうはちょっと警察の方に聞きたいと思っておったのですが、警察を呼んでおかなかったので、これはまた別途やります。  運輸省にお伺いをしたいのですが、この間も真島業務部長に伺ったのですが、長崎県の大村空港における問題ですね。旅客機の発着が先に延びたので、公聴会等も延びておるのでまだ決定をされていないという話でありますが、われわれのところには両方認めるのじゃないかということがうわさとして耳に入る。運輸省の三月末の答弁においては、まだ白紙でございまして、いずれともということであるのですが、いずれともつかないのにそういううわさが飛んでくるというのはどういうわけか知らぬけれども、われわれとしては長崎県営バスだけにすべきであって、民営の乗り入れをさせると交通の秩序というか、そうでなくても非常なる過当競争の中でいずれもが赤字になるということで、これはわれわれ地方行政委員の与野党を問わず、それはそのとおりであるという意見も内部であることも御承知だと思うのでありますが、われわれとしては、それが一体いまどうなっているかということをひとつこの際伺っておきたいと思います。
  75. 山下文利

    ○山下説明員 ただいま先生の御指摘になりました、長崎空港と長崎市内を結ぶバス路線の開設の問題についてでございますが、本年の一月二十一日に長崎自動車から免許申請が出てまいりました。これとは別個に事業計画の変更という形で、長崎県営バスと西肥バス、この二社が出てまいりまして、事実上競願関係に立ってございます。私どもとしまして二月の六日に運輸審議会の方に諮問をいたしまして、三月六日の運輸審議会において公聴会を開催いたしました。公聴会の席上では、申請者それから利害関係人、関係者その他の種々の意見を聴取されたようでございます。その結果、現在運輸審議会において慎重な御審議をいただいておるところでございますが、審議の内容といたしましては、やはり需給関係をどう見るか、航空旅客に対しましてバス事業者あるいはバスの供給が多過ぎるのかどうか、これがまず判断の第一番目の問題であろうと思います。それから、もし供給が超過するならば、三社のうちでどれを認めるか、こういった問題もまた第二の問題かと思います。  こういった点につきましていま運輸審議会で御審議の最中でございまして、近く御答申がいただけるやに聞いてございます。その御答申をいただきました時点において、私どもとしてはそれを尊重するとともに、地元の輸送秩序が乱れないようなやり方で十分配慮して行うということは、前回業務部長も報告したとおりでございますので、その点再度確認させていただきたいと思います。
  76. 山田芳治

    山田(芳)委員 いつごろになる見込みですか、大体の見通しは。
  77. 山下文利

    ○山下説明員 私どものいま伺っている限りでは、五月一日に新しい空港が開設されるということでございますので、それに間に合わせて何らかの処分をしなければなりませんので、遅くとも来週には何らかの御答申が得られる、このように聞いてございます。
  78. 山田芳治

    山田(芳)委員 次に自治省に、公営交通としては最後の質問にいたします。  再建債の元利償還の交付税措置を昨年も質問をいたしたわけですが、財政局長は、まあまあことしはこの程度でということでやめておいたわけであります。五十年はぜひひとつ元利合わせて二分の一にやれるように措置をしてほしいと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
  79. 松浦功

    松浦政府委員 前からお答え申し上げておりますとおり、ほぼ二分の一という前提でやっておりますので、これを増額するということは現在の段階考えておりません。
  80. 山田芳治

    山田(芳)委員 ほぼ二分の一ですから、五十を超えてもほぼ二分の一ということで理解をしてよろしいですか。
  81. 松浦功

    松浦政府委員 いろいろ交通が苦しいことはわかっておりますが、ただこちらからだけ手を差し伸べることではいかがかという一面もございますので、本年度は前年度の計算の例によってやりたいと考えております。
  82. 山田芳治

    山田(芳)委員 そこを何とかもう少し配慮をしてもらいたいという要請をしておきますから、この法律が成立した段階においてまたひとついろいろと折衝をさせていただくということを申し上げておきます。  次に、今回の交付税というか、財政計画で、私学の助成が大幅に、六百億台に乗っておるということであります。それで、それに関連をいたしまして質問をいたしたいと思うのでありますが、きのうそれぞれのところに資料をお渡しをしておきましたので、ごらんをいただいておいたり調査をしておいてもらったということを前提にして質問をいたします。  実は、京都に私立の高等学校で両洋高校という高等学校があります。この学校はいわゆる特定の園長――理事長・校長さんの独断的な授業をやっておるものでありますから、いわゆる学校教育法にいうところの高等学校として果たして適当であるのかどうかということが非常に問題であります。その例を挙げると、要体教育というものをやっている。これがその高等学校の基本の教育方針である。要体教育とは一体何だというても、これはよく私どもはわからないのでありまして、「要体は学科の基礎であり、要結であり機構であり全ぼうであり」、「反復誘導訓練を施し被教育者の思考細胞に、一定性質の始動と運転方向並に回走回転の性能と習性とを後天的に与えて素質値の向上を図り教育能率の増進を企図しようとする」云云。これはどういう意味か私もよくわからないのでありますが、歌を歌いながら英語を覚えるというようなことを反復してやるとか、よくわからないのでありますが、それは一つの哲学でしょうからそれはそれなりにいいわけでありますけれども、しかし、少なくとも学校教育としては、学校教育法に定められているところの設備、あるいはカリキュラムといわれている教育課程というものの一定のものが満たされ、かつ、教師、先生については一定の数を確保しなければならないということであるわけでありますが、こういう点についてははなはだ不十分である。そういう点でしばしば京都府の総務部当局なりあるいは議会当局でも決議をして改善の要請をし、またPTAの人たちも、いわゆる育友会の人たちも、設備に関する要求であるとか職員に関する要求、生徒に対する要求――何かあるとむちでぶんなぐる、けがもするというようなことをしたり、直立不動の姿勢でしょっちゅう立たせておるというようなことをして、そのこと自身は悪いとは言いませんけれども、とにかく危害を与えるというような状態であって、これは非常に問題であるというようなことですね。それから顔が悪いから退校だなどというおよそ意味のないことをやるとか、資料をお見せしてあるのでその中に書いてあるわけでありますが、それは学校教育の問題でありますが、そこに組合ができまして、当然こういう設備の改善、教師の改善並びに生徒に関するいろいろな問題があるので、それはやめてこうすべきであるということを言うたところが、委員長及び書記長を解雇をしたわけであります。その解雇理由というのは、実はこの学校はいろんな点で不十分で、事務職員を一人も置いてない。ですから源泉徴収もやらない。ですから年末に一気に所得税を取るというようなことがありましたから、組合の諸君は、こういう状態だということをいろいろと府の文教委員会なりあるいは一般の人たちあるいはPTAの育友会の人たちに訴える。そうすると、虚偽の事実を流布して学校の信用を傷つけた。それからもう一つは、そういうふうに源泉徴収をやらないのでありますから、所得税法違反であるということで告発をしたわけであります。そうすると、そういう告発をすることは学校の名誉を著しく傷つけたり信用を落としたということで解雇だ、こういうのでありますが、これはわれわれから言うと、何ら理由にならないことを理由にして解雇をしておるということであります。  文部省にお伺いをしたいのは、いまの学校教育法によると、私学についてはもちろんノーコントロールであるというたてまえはわかりますけれども、少なくても学校法人として当然遵守するべき法律以前の規範というものがあるはずなんだと思うのでありますが、また、学校教育法によるところの教科課程に照らし合わして、この高等学校の教育方針というものが一体どうなのか。もし不適当であるなら、改善その他を要求しているけれどもさっぱりしないということについては、一体法律の問題としてどういうふうにお考えになるのか、どういう指導をされるのか、調査でもされるのかどうか、そういう点をまずお伺いをしたい。  それから労働省に関しては、不当労働行為だと私ども思うのですが、調査をしていただくようにお願いをしておいたわけでありますが、調査の結果一体どういうふうにお考えなのか、どうすればよろしいか、その点についての労働省の見解をお伺いをしたい、こういうふうに思うわけです。
  83. 高石邦男

    ○高石説明員 私立の高等学校以下についての所轄庁は都道府県知事ということになっておりまして、高等学校以下の権限を文部省が直接行使できないたてまえが私学法のたてまえでございます。したがいまして、現在京都府の方では、この学校について教育内容上その他いろんな問題があるということで、相当積極的にこの改善のための指導助言をされているということでございますので、その適切な指導助言を期待するというのが文部省としては現行制度上のたてまえでございまして、これ以上のことをとやかく申し上げられない法律上のたてまえになっておるわけでございます。
  84. 松井達郎

    ○松井説明員 昨日御質問いただきまして、早速京都府の労政課に照会いたしてみました。実は私ども、それまではこの事件については全然存じませんでしたので、京都府の労政課に照会いたしましたところ、この両洋学園におきまして組合が結成されたのは昨年の春ごろのようでございますが、それからいま先生おっしゃいましたように、学校の正常化問題とかあるいはその他の問題をめぐりまして学校と組合との間で話し合いがあったようでございます。それからまた、もう一つの事実としましては、先生いまお話しになりましたように、源泉徴収がなされていない、あるいは完全になされていないのか、その辺がよくわからないのでございますが、とにかく所得税法違反があるということで告発がことしの三月に行われたというふうに聞きました。それで、その後高校側ではこの組合の副委員長の人と書記長の人とを解雇を行った、こういうようなことでございます。  それで、聞きました限りでは、一体この所得税法違反というのがどういう内容のものであったのか、あるいは告発がどういう内容のものであったのか、あるいはこれに該当する事実がどうであったのか、まだ実は詳細に調査できないのでございますけれども、しかしながら、それはさておきまして一般論として私ども考えておりますのは、何と申しますか、強行法規と申しますか刑罰法規といいますか、こういうようなことに違反しておるというようなことでもってそれを問題にした場合に、それを理由にして解雇をするということでありますれば、そのようなことは許されないことではなかろうかと思います。  ただ、これは一般的な問題でございまして、不当労働行為という面になってまいりますと私どもの所管となってまいるわけでございますが、これは労働組合の正当な活動、つまり労働者の労働条件の維持改善を目標にしてそのような活動の一環としてやられた場合に、その行動を理由にして不利益な扱いをする、解雇をするというようなことであれば、これは不当労働行為になると思われます。  それで、現実問題として今後の事件の進展の見通しを労政課に聞いてみましたところ、近くこの問題については京都府の労働委員会の方へ提訴になるのではなかろうか、こういうような話が出ておりますので、そうなりますれば、まさしく権限のある地方労働委員会で、この問題について不当労働行為であるかどうかということについて判断されることになるのではなかろうかと思います。
  85. 山田芳治

    山田(芳)委員 文部省は、私学の問題について知事に権限を譲っているのだから私は知りませんということでは困るわけなんですよ。直接両洋高校に対して文部省がどうするということになればそうかもしれないけれども、少なくとも法律をつくっているのは文部省であり、国会は国権の最高機関として調査なり、いろいろする権限があるのだから、ここで国民の前に明らかにしてもらわなければいけないので、それは京都府議会でやりなさい、そういうことではいけないのであって、やはり京都府から実情を調査して、こういう点はこういうふうに改善するように京都府知事としてはやってほしいとか、やるべきではないかということは、学校教育法によって当然知事に対して要請をし、また、その要請に基づいてどうなっているかということをわれわれが質問をした場合にはお答えをいただく、そういう中で、文部省のいわゆる学校教育課程等においておかしな形になれば、一体どういうふうにするのか、それの担保はどうなるのかということを明確にしていただかなければ、これはここではっきり国民の前に明らかにしてほしいということを国民の代表の一人として私がお願いしているのですから、それは京都府で聞いてくださいと言わんばかりの返事では、それでは国権の最高機関である国会というものは一体どういうことになるのでしょうか。それをひとつ聞きたいと思うくらいですが、そうではなくて、要するに法律を所管しているのはおたくなんだから、それに基づいて私どもは具体的な問題として、当委員会において学校教育法に定めているいろいろな学校教育の課程なり施設なり、あるいは教員の配置なり、いろいろの点においておかしいと思うということを指摘しているのであるから、それについて一体どう考えるか。それはすべて知事でございますということでは、国会のわれわれとしては納得ができない。当然この法律によって知事に権限が委任をされているということであるけれども、少なくとも学校教育の基本というものは国の責任であるというふうに考えられるべきものであるから、われわれ国会議員として、国民を代表してその真相を明らかにして、文部省としての考え方はどうであるかと聞いている以上、それについての文部省としての考え方をここではっきりしておいてもらわなければ、私学の補助をたくさんつけるとか、いや何だとか言ってみても、これは非常に問題があるという点をいま質問しているのですから、もう少しまじめに答えていただきたいと思うのですがね。
  86. 高石邦男

    ○高石説明員 現在、府の方でこの学校に対してとられているいろいろな指導ないしは措置があるわけでございますが、一つは、教育課程のいろいろな運用について好ましくない、したがって、是正をして適切な学校教育法に基づく教育が実施されるようにという府の方の指導が行われておりますし、また、施設、設備につきましても不十分な点があるので、これは教育上または生徒の安全の確保という観点から、こういうものの改善をすべきであるという指導も加えられているし、助成金の取り扱いにつきましては、これ以上こういう状態が続けば打ち切らざるを得ないということを、相当再三にわたって府の方ではこの学校に具体的に指導されているというのが現状でございます。したがいまして、その現状の指導方法というのは適切だと思いますし、そういう面での積極的な対応策を講じて、この学校の正常化を図っていただきたいということを文部省としては考えているわけでございます。
  87. 山田芳治

    山田(芳)委員 実はこれはきのうきょうの話じゃないのでして、大体私がこの京都府の副知事をしておる当時からの話なんでして、だから、長年かかってそういうことを強く要求をし、要請をしておるけれども、一向に従っていないということが現実なんですよ。だから、京都府当局も困っているわけですね。だからこそわれわれは最も責任のあるというか、法律を所管をしている文部省に物を言わないと、法律がそうでございますからと、こういうことで、知事の方としてはそれ以上はどうしてもできません、こういうことになってくると、教育の責任の基本というものはどこにあるかと言えば、やっぱり国であるということにならざるを得ない。ですから、こういうものに対して一体どういうふうに――高校教育課長さんも来ておられるわけですが、一体高校教育課長さんとして、こういう高校教育というものについてどういうふうな評価をされ、どういうふうに考えられるかも伺いたいと思うのだけれども施設の問題、その他についてもおよそ高校というものからほどが遠いし、学校の教育の実態というものを一遍聞いてもらったら、さっきちょっと言ったようなことで、およそ学校というものとは言えない、私的な塾みたいなものである。これが学校の法人であるということについての問題はないのかどうかという点について、われわれとしては、京都府という、法律によって委任をされたところの権限の内においてはとうていできないものである、だから基本にさかのぼる問題が出てくるのではないかということでここで問題にしておるのでして、そういう点について一体どういうふうに考えられるか。学校教育、高等学校教育としての教育課程の内容についてどう思われるか。それの改善を言うた場合さっぱり聞いていないという現状があるわけですが、その場合はどうされるのか、どうすればいいのかということをひとつ聞かしていただきたい。言うても聞かないわけですよ。
  88. 柴沼晉

    柴沼説明員 先生御指摘のように、両洋高校につきましては、教育内容の面でも、要体教育、実はその中身はよくわからないのでございますが、機械的な暗記を強制したりあるいは実験不要というようなことを言っておる。そういうようなところに一つの大きな問題がある。それからまた、それに反対する教員を御指摘のように勝手に解雇したり、またささいなことで生徒を退学させたりというような事例が見られるということでございまして、私ども早速京都府と連絡をとって、現在の両洋高校のあり方について調べてみましたのでございますが、一つ施設、設備あるいは教員配置、あるいは事務職員を置いてないということは、高校の設置基準に定められた実態から、ここに細かい比較表がございますけれども、いろいろ問題が多い。また教育内容の面でも、指導要領等では、たとえば理科なんかで実験なんかもやるようにし、それからまた理科室、実験室あるいは図書室等の設置というものが設置基準においても定められている。そういうような意味で、一方において私学の自主性を尊重するとしても、やっぱり最小限高校教育として法令に沿った教育内容や条件は整えてほしいというのが私どもの願いでございます。  そういうようなことで、京都府ともいろいろと連絡をとって、現在、振興課長からもお答えいただきましたように、教員数の確保、特に、教員が免許を持っていないような教科も教えているというようなことでなくて、教科の勉強に偏りがないように教員数を充足してほしいということ、あるいは事務職員の確保、理科室、図書室等の設備の整備、それと同時にまた、高校の普通科として指導要領に沿った教育課程の編成実施をやっていただくようにということを府の私学担当部局にお願いをしておるところでございます。  それから先それではどうするかと言われると、先ほど振興課長がおっしゃられたようないろいろな点もございまして、私どもとしては、文教課と緊密な連絡をとりながら実態改善を図ってまいりたい、そのように考えております。
  89. 山田芳治

    山田(芳)委員 これは、だからはっきり言うと、一年や二年で問題が、いま私が指摘をしているようなことになっているんじゃなくて、もうずいぶん前からなんですよ。それで何遍も改善要求も、京都府の議会も議決をしてやっているのにかかわらず全然応じようとしていないわけですね。こういう場合には一体どう考えられるかということを文教課長にも強く私は何遍も言っておるわけですし、それも処置としてはしているわけでありますけれども、全然そういう基準に合った、あるいは先生の配置も十二名いるべきなのが六名くらいしかいない、教科を持っていない先生が教えている、そういうことを、言うてるけれども聞かないだけですというままになるのかどうか。そこは一体、文部省としての見解を伺いたい。府の方に言うてます、府も言うてます、ただ従わないだけでございます、これではどうなるのですか。
  90. 高石邦男

    ○高石説明員 所轄庁としてその私学に対してとり得るいろいろな措置があるわけでございますが、たとえば役員の解職の勧告であるとか閉鎖命令であるとか学校法人の解散命令であるとか、法律上のとり得る措置としてはそういう私学法の規定があるわけでございます。したがいまして、これらの規定を発動するかどうかというのはやはり所轄庁がいろいろな情勢を考えた上で決意されないと、ただ文部省がこれらの規定を発動すればいいんじゃないかといって簡単に言える性格のものではない。したがって、第一義的にはやはり京都府の方でそういう諸般の情勢、いままでのいきさつを考えて、最終的にこういう、先ほど申し上げたような最後の手段をとるかどうかという判断を所轄庁の方でしてもらうということが必要でございまして、文部省が実態認識を、ただ報告を受けた程度でこうしなさいああしなさいと言うことは、私学行政のたてまえとしては適当でないというふうに考えているわけでございます。
  91. 山田芳治

    山田(芳)委員 私は学校の法人の解散とかそういうことを要請しているのじゃなくて、それを守るためにはどうされるべきものであろうかということを言うているわけです。京都府に任せていますというので十分でないなら、ひとつ文部省としてそれは最終的な法律を所管をし、そもそもの権限は国から発生しているという原点があるのでしょうから、そういう点を京都府ともっと十分打ち合わせをして、そしてそのことが実行できることが正しいのですからね。それをやるために京都府に任せていますと言うけれども、京都府がしていないというなら問題だけれども、しているけれどもしないという場合に一体どうするのかということを、関係者を一緒になって呼んでやるとかいろいろな方法があると思うのだけれども、そういうことも文部省としては考えておられないのかどうかということをひとつ聞いているわけです。ただ単に知事の方へ言う、京都府の方へ言っておりますということで問題が解決するなら結構なんですよ。解決しない。だからといって廃止したり閉鎖すると言ったって、これは先生もいるし卒業者もいるし現実の生徒もおるわけですからね。これはそんな簡単に廃止するというようなことは非常な社会的な問題ですからできないので、問題は正しい学校教育が正しい運営のもとに行われていく、そして正しい配置基準というか、適切な配置基準というものが示されていることがどうやって確保されるかということをわれわれとして望んでいるわけであって、それをどういうふうにされるかということをお伺いしているので、これは京都府に言ったとか、京都府が言ったけれども聞かないという場合は一体どうすればいいのか、こういうことを伺っているわけなんですがね。
  92. 高石邦男

    ○高石説明員 これはなかなかむずかしい問題だと思うのです。というのは、権限のある所轄庁が当該学校に対していろいろ改善の要求をし、是正をするようにということを再三にわたって言うにもかかわらず、その事態が改まらないというこの事実行為、これを事実行為として解決するというのは非常にむずかしい。そうなりますと、結局法律上の何か手続によってとる措置ということになろうかと思うのですけれども法律上の手続としては先ほどのような最後の手段というのではなくして何かないかということでございますので、その事実行為の改善を相手が改められない、そして事実行為の範囲内でいろいろ申し上げて改めさせる方法はないかという御質問でございますので、非常に対応はむずかしいと思いますけれども、われわれといたしましては府の方とも十分連絡をとりながら、この問題についてもう少し事態の状況把握、そして今後の方向について相談をしてまいりたいと思います。
  93. 山田芳治

    山田(芳)委員 それはたとえば、改善命令にちょっとでも手をつけたとか、金もないことだから時間をかしてくれと言うならまだいいのです。何にもしてないのですからね。そういう状況の場合一体どう考えるかということを文部省に私ども聞かないと、京都府に聞いてもわからぬわけですわ。これは法律を所管しているところに聞いてくれと言うよりしようがない。それがいま言ったようなことで、何にもされていないにもかかわらずほったらかしということでは、これからは私学というのは何をしたってかまわぬのだ、教育課程を無視してもよろしい、何だか極端に言えば校長の哲学的な考え方でどういうふうにしても、改善命令を出しても聞かなければそれまで。最大限補助金を出しているのをとめますとか、法人の解散をするぞと言っておどかすか、そんなことしかないというのだと、一体それじゃ学校教育課程というものが、少なくとも現在のように私学というものが相当高いウエートの中で準義務教育といわれるところの高校教育の、国民教育の大きな部分を負担をしているという場合に、せめて最低限度の教育の程度というものが維持をさるべきことが、政府にあるいは文部省に要請されているのではないかと私らは普通常識として思うのですが、それが十分でないという場合に一体何らの担保する手段がないのでございますということで納得できるのだろうか。一定の高等学校には高等学校としての法律のもとにおける基準、それから教育の水準、それから一定の設備というものが担保されることによって教育というものが国民のためにあるんだ。だからこそ法人格を置き、一定の保護もし、一定の助成もしているという中で、少なくともそういうものが、言えば守られるというコンセンサスというものがなければならない。それを越えるものは法律以前の問題ではないかと私は判断をするのですがね。そこらあたりの答弁がもう一つ不十分で、よく京都府と協議をして云々と言われるのだけれども、協議を幾らされても問題が解決するとは私は思わないものですから、何かもう少し積極的な答弁がないものか、こう思うのですがな。
  94. 高石邦男

    ○高石説明員 まず助成の面では、補助効果が期待できないということで補助金をやらない、そういう措置をとり得るし、また現にそういう措置考えようかという段階まできているようでございます。そうしますと今度は教育の内容、学校経営のあり方、そういういわば教育上の問題がその学校に残るわけでございます。教育上の問題が残る際には、学校教育法、私立学校法の規定に従って教育が行われるようにしてほしい、こういうことを要請するというのが第二段目の構えになろうかと思います。それでもその内容が改まらないということになれば、これは法律論として、たとえば役員の解職勧告とかそういう手段を講じて人をかえざるを得ない、経営者をかえざるを得ないというところまでの法律上の手続をとらざるを得ない。そのところまでいくかどうかということになりますと、やはりこれは所轄庁がそういう判断をするかどうかというところにかかわりがございますので、いまここであっさり、こうしていけばこうなるということを非常に言いづらいということでもたもたした答えをしているわけでございます。
  95. 山田芳治

    山田(芳)委員 私は助成金打ち切りなどと言っているのじゃなくて、助成金をうんとやってその設備を学校教育法に定めるような設備にしてもらいたいくらいなんですよ。それでなかったら、そこに行っている生徒や父兄は困るですよ。だから、打ち切りなさいなどと言っているのではなくて、そういう設備を確保することはどうすればできるんですかということをひとつ聞いているわけですがね。言うことを聞かないというのは、財政的な意味か何か知らぬけれども、それは打ち切るからとか法人を解散するからという手段はありますと言う、私はそんなことをしてくれとは一つも言っておりません。助成をもっとふやしてちゃんとしてくれた方がよほどありがたい。それから、解散なんかしないで、それを存続しながら内容のいいものにして国民教育の一環を担ってほしいという要請があるからこそ言うておるのであって、だから私の求めているのは、もっと京都府と協力をして文部省も積極的に、そういう改善なり何なりがされるネックがどこにあるのか、それの打開のための指導監督――監督はないにしても、指導援助というものを積極的にやってほしいということを私はお願いをしておるので、その点にはっきりした答弁がいただければ、文部省としてその責任のもとにひとつ一定の行動を起こしてほしいということを申し上げておるわけで、それについてまた別途伺いますけれども、とにかくそれをひとつこの際はっきりしておいてほしい、こういうことです。
  96. 高石邦男

    ○高石説明員 御趣旨の線に沿うよう、府の方と十分連絡をとって改善のための努力をしていきたいと思います。
  97. 山田芳治

    山田(芳)委員 今度は労働省の方に伺いますが、これは十分ひとつ調査をして、所得税法違反で義務違反をしているのを告発されたからといって、学校の信用を傷つける、とんでもない話で、みずから義務違反をしていながら、それを指摘されたから名誉を傷つけたなんて、こんなことは法律的にもあり得ない。一遍十分調査の上、どういうふうにやるかということも含めて、ひとつ別途私に連絡をしていただきたいとお願いをして、本日のところは質問を終わりたいと思います。
  98. 大西正男

    大西委員長 次回は、来たる十八日金曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後、零時十二分散会