○山田(芳)
委員 税については最後ですが、確かにおっしゃるように、伸長性のある税と安定性のある税を組み合わせておくということが、
地方団体に対する
財政政策として正しい。ただ、
市町村においては、いま言いましたように伸長性のある税が比較的欠けている、都道府県においては安定性のある税目に欠けている、こういう点がありますので、どうも、両方足して
地方税全体として見ればそうですけれ
ども、府県は、
——人件費に戻るわけですけれ
ども、
先生の給与の半額
負担あるいは警察官は全部都道府県であるというふうに、人件費というものが基本にあるわけですから、
市町村に比べてもはるかに都道府県の人件費比率が高いのですから、やはり安定した費目が欲しい。それから過密過疎というような現象の
市町村においては、それに対応して
人口急増団体においては伸長性のある税目を与えるべきだという点があると思うので、その点でやはり都道府県あるいは
市町村という各級団体ごとに、伸長性のある税と安定性のある税を、
地方団体全体でなしに、都道府県ごとに、
市町村ごとに考えていってほしいということを強く望んでおきたいと思います。これは
要望ですから、お答えは要りません。
次に、公営企業の関係を
質問を申し上げたい。
実は税の関係でありますから、これが適当な場所かどうかは若干考えたわけでありますが、いま
事務所事業所税の関係がございますので、それに関連をして申し上げるわけでありますが、長崎県の交通局においては、
——運輸省の部長さん来ておられますから十分御
承知だと思うのですが、きのうの新聞を見ると、無線が届かないので空港の開設を一月延ばしたのだというふうに運輸省は決定されたそうでありますから、それはそれとして、五月一日から大村新空港が開設をされます。ジェット機が発着をされて、約五便程度のものが増便をされる、こういうことのようでありますが、便が増強されますから乗客がふえると、こういうふうに考えられているわけでございます。現在の一日当たりの座席総数が千四百八十六、それが開設後は三千四百十六と約二三〇%の
伸びがあるように予測がされているわけでありますが、それをもとに就航率九六%、座席利用率八〇%、これに送迎客、見学者等関連利用客を三五%と見て、大村空港を利用する人たちが長崎方面へ行く場合と、あるいは佐世保の方へ行く場合といろいろあるというふうに思うわけでございますが、いま問題にいたしておりますのは、現在大村空港と長崎市との間におけるバスの輸送の主体は県営バスになっておるわけであります。
長崎県におきましては、大きくは三つのバス会社がございます。
一つは長崎県営バスであり、
一つはいま建設
政務次官をやっている中村弘海さんが社長である西肥バスであり、私がこれから問題にするもう
一つのバスは長崎バスという、
一つの公営、二つの民営のバスがあるわけでありまして、県南を長崎県営バス、東部を長崎バス、西北部を西肥バスという中村さんが社長をやっておられるバス会社が、それぞれ従来からシェアを持ってやっているわけであります。したがいまして、県南であるところの長崎へ大村から行く輸送の営業権というものは長崎県営にあるべきだというふうに考えられ、そしてそれが認可をされているわけであります。そういう状態でありますから、長崎県営バス、すなわち長崎の県の交通局はそれに対応をいたしまして、いままで十二便であったものを二十便に
増加をしたり、あるいはリムジンというか、荷物を運ぶことを含めて十両をすでにそれに備えて車両を購入をいたしております。しかも、この県営バスは現在約一億程度の赤字があるわけでありますから、当然、
従前の例から言ってこのバスのシェアと申しますか、路線営業権というものが県営バスにあるわけでありますから、その他のバスが競合をしてやってくるということは、少なくとも現在の乗客数がはけないという事態、あるいはまた県営バスが
財政的に非常に余裕があるというならばいざ知らず、このいずれにも該当しないというにかかわらず、長崎バスが路線の競合をしながら運輸省に申請をしている。明日がたしか公聴会の日だというふうに聞いておるわけでありますが、われわれの立場から言えば、少なくともそれだけの輸送の体制を県営バスがとり、しかも従来からのシェアから言って、当然県南は長崎県営バスであるということがはっきりしている。しかも県営バスは赤字である。したがって、こういうときにこそ経営の好転を図る絶好の機会であるにもかかわらず、それを見たらすぐに他から乗り入れをしてくる、こういうことについて一体運輸省当局はどう考えるか。また、
自治省の
山本審
議官にも来てもらっているわけですが、県営バスが赤字であるのですから、こういうようなチャンスにこそ赤字を少しでも解消して、そして公営企業の再建を図るべき絶好のチャンスであるにかかわらず、それを見たらすぐに他のバスが乗り入れをして、結局過当競争をしながら両方とも赤字であるというようなやり方の政策は、どういうふうにお考えになるかということをまずもってお聞きしたいのであります。
われわれとしては、やはり輸送の主体を長崎県営バスにこの大村空港開設による座席増、乗客増というもののシェアを持たしていくべきであるというふうに考えているわけでございますが、どういう点最近の運輸
行政を見ていますと、競合の問題が非常に多うございます。昨年の秋の鹿児島の問題であるとか、三年前における神戸における神姫バスの問題であるとかいうように、最近は過疎
地域からのパスがどんどん打ち切ってきておりますので、それが全部市内に入ってくる、いわゆる一路線一営業主義というものが崩れてきているし、しかも長崎の場合においては、全く長崎バスが横暴をしておるので後の関係の人たちが皆反対をしている、こういう実態が出ておるわけであります。もう御
承知だと思いますが、中村弘海
先生のところの西肥バスなどは、
自分のところは別に欲しくないけれ
ども、あれがむちゃを言うんならおれも申請するんだ、こういう形できのうも弘海さんと話をしていたのです。ああいうやり方をやられたんでは困るということを強く言っているのですが、この問題について、運輸省当局並びに
自治省当局の
考え方をこの際お伺いをいたしたいと思います。