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山中(吾)
委員 その辺はひとつ責任を持ってやってもらいたいと思うのであります。
それで、今度の
たばこの
値上げの法案が提案されると新聞に報道されたことについて、これは週刊読売ですが、これに対する民衆の反応というのが出ておるわけです。国の政策は民衆に学ぶべきだと思うので御紹介をして、専売公社においてももう少し国民の
立場に立って
考えてもらいたいという希望を申し上げたいと思うのです。
これを見ますと、
たばこをのまない者、のんでいるけれ
どもやめたい者、やめる気のない愛煙家と三通りあるのですね。ここに載っておるのは大体
日本の国民の教養層のトップレベルの
人たちですが、おのおの感想を述べているのです。十二人のうち、
たばこをのまない者が三人、のんでいるけれ
ども何とかやめたいというのが五人、やめる気はないというのが四人ほどある。
これは軍事評論家の小山内宏さん、「
たばこは公害のひとつ、吸わない人にとってはあれほど不愉快なものはない。外国では喫煙車と禁煙車が汽車の車両ではっきり分かれているし、飛行機だって座席の仕切りがあります。欧米では吸わない人を守るという動きが強くなっていますね。
日本だけじゃないですか」、もっとルールを守ってもらいたいということが、禁煙者から盛んに要求されておる。こういう問題についても、
たばこを販売しておる専売公社がこういう
人たちの声に耳を傾けるべきだと私は思うのです。
それから将棋九段の升田幸三さん、「禁煙は、三度ほど経験がある。ハオリやハカマをよく焦がし、女房にしかられるので、
たばこをやめようと思った。」そしてなかなかやめられない。この人は「専売公社は、なにをビクビクしてるんだろう。
たばこなんてものは、百害あって一利ない、十倍ぐらいに
値上げすればいい」と言っております。こういう声がある。こういうやめさすための
値上げというのならば私も
考え直すんですよ。あなたらは金を取ることだけを
考えているから、絶対反対せざるを得ない。
それから映画監督の市川崑さん、これはやめる気のない人だ。数年前四日間だけはやめたことがあるが、やめる気はないと言う。しかし、のむ人から言えば今度の
値上げは、「上がり過ぎだと思うから痛いなあ。まあ、
値上げはまだ大分先のことだから、それまでにどうするか、禁煙の決心がつくかどうか」ということを書いているから、これも懐疑派として
一つの批判がある。
それから歌手の佐良直美さん、この人は
たばこをのんでやめる気はないと書いている。金があるので
値上げは余り心配ない。金持ちは余り気にかかっていないようだ。
それから参議院の野末陳平さん、この人は一度も
たばこをのんだことがない。「
たばこなんて、体に害を与えるだけで、吸っていいことなんか
一つもない。みんな
たばこをやめればいい」こういう論を出している。
それから石垣純二さんは愛煙家で、やめる気はない。したがって、この人は「
値上げを実施するようなら、三木さんを信用できない。なぜなら
値上げをする必要はないからです。
たばこ料金の五〇−六〇%が税金ですよ。」上げれば絶対支持しないと書いてある。これは愛煙家の方だ。
貴の花は、
たばこは心臓に負担がかかるから、商売上吸ってはいけないと言われながら、なかなかやめられない、しかし何とかやめたいと書いてある。
それから女優の太地喜和子、これはどういう人か知りませんが、やめたいといつも思っているけれ
どもやめられないというようなことを書いている。
これを見ると、やはり
たばこについては、のまない者についてはのまない者の
考えがあるし、のんでいる者もやめたいという者が五人に三人ある。こういうことを前提とすれば、やはり国民の
たばこに対する心理状態を吸収して
調査をして、それに対して素直に
たばこ政策は
考えていいのではないか。単に財源的に、取りさえすればいいというような時代はもう過ぎているのだと私は思うのであります。
こういうことを最後に申し上げて、もう少し問題意識を持って専売事業をお
考え願いたいと思うのであります。そうでなければ民営論がまた出ます。民営の方がいい、国が監督できるから。国自身がみずから事業をして、みずから監督しなければ、むしろ百害あって一利なしということになるので申し上げたわけであります。いま
たばこについて申し上げた中で、未成年の喫煙人口をぜひ
調査をして、次の機会に報告してもらいたいと思うのであります。
次に、酒税のことでありますが、これも同じような問題意識を私は持たざるを得ないのでありまして、同じような
質問をいたしますが、なぜ酒税に高い税金を加えるか、その根拠をもう一度
説明してください。