○広沢
委員 前向きに
勉強するということですからいいのですが、ただ、こういうことを言うのはどうかと思うのですけれ
ども、やはり税というのは自分で納める、取られるというのでなくて、納税ですから納めなければならないわけですね。ですから、やはりそれぞれの自分の意思に基づいて納めるという、こういう基本的な考え方は残しておかなければならぬと思うのです。しかし、この三千万になんなんとするいわゆる
所得納税者、みんなが税務署へ押しかけていって納税するなんて、これは大変なことですから、いま言うように
源泉選択という制度も生まれてきたし、そういうことで包括的に取り扱うことも考えられるのですけれ
ども、やはり基本的な考え方としては、そういうふうに納税はみずから行うんだという形は残しておく、そういう
方法でどっちでも選択をしてやっていくという姿勢を残しておくということがやはりこれは必要なことになってくるのじゃないか。
いま
主税局長がおっしゃるように、確かに計算していけば、最高四〇%ですから、その中では厳密に計算した必要経費がそれ以下の人もあるかもしれません。それはそうでしょう、概算でやっているのですから、これ自体が正確に計算してつくった率じゃないのですから、それは当然です。しかし、自分で計算してそれをはみ出している分については、諸外国でもそういう理論があって採用している制度もあるわけですから、当然考えていただきたい。これは前向きに検討しましょうということですから、十分検討していただきたいと思います。
それから次に、
課税単位の問題について若干伺っておきたいと思うのです。これは
課税単位の問題というのは非常に大きな問題であって、これを変えるとか変えないとかということになりますと、税全体をひっくり返さなければならないという問題になるかもしれませんが、やはり今日までの
税制のあり方というものも、
経済の大きな変革の中で見直そうということになってまいりますれば、
課税単位というものも一遍ここで見直してみる必要があるのではないか、こう思うのです。
そこで、その
課税単位の問題のことですけれ
ども、
わが国においては、
現行は
所得稼得者単位
課税方式をとっているわけですね。アメリカにしてもイギリスにしても、フランスでも
西ドイツでも、先進諸国においては、いわゆる夫婦単位
課税方式といいますか、消費単位
課税方式ですか、そういう方式をとっているわけなんです。これは御存じのように、先般も問題になりましたいわゆる
相続税の関係で、夫婦という関係はどう考えるかという問題で、
主税局長もその点についてはそこで盛んに
答えておられたように、一体であるという概念に立っていく。確かに民法上ではそれは多少違いますし、いろいろな面では違いますけれ
ども、先ほどの
課税最低限を考える中でのいわゆる配偶者控除の問題についても、妻の貢献度ということを考えていけば、それは同じように考えていこうということに変わってきていますしね。それから
相続税の関係におきましても、先般の
論議の中でも、いま申し上げたように、まあこれは同じだという考え方で今度はああいう妻の座優遇という処置をとっているわけですね。
ですから、やはり今時においては
わが国においてもそういう考え方がだんだん定着していくんであれば、この
所得稼得者単位の
課税方式から、いわゆる消費単位
課税方式の方に考えを移していくべきではなかろうか、そういうときがぼつぼつ来ておるのではないか、こういうふうに考えるわけなんですが、どういうふうに基本的にお考えになっているか、まずその点から伺っておきたいと思います。