○吉田
委員 これは、
石炭政策の中にも、人一人を殺したら大変なことだ、人命尊重の方が、
生産よりもあるいは
コストよりも大事なのだという体制を確立するにはどうしたらよかろうか、こういうことを検討する中で、いまの問題を取り上げたわけですから、これは、局長が来ておられますが、
石炭政策の中でもぜひ、十分その点は生かしていだきたいと思うのです。
それから、時間がなくなりましたから一緒に
お尋ねをいたしますが、賃金の問題について言いますと、前回のときに、多賀谷さんからも
お尋ねがございましたが、旗日にも休まぬような
炭鉱にだれが来るか、こういう
お話がございました。賃金の面で言っても、これは勤労報国隊や何か来られたときに痛切に感じたことですけれ
ども、やはり坑内に下がるというだけで大きなハンディがつきます。ですから坑内労働は、坑外の重労働に比べて五割増し以上の、あるいは倍くらいやっても当然だという感じが、私
どもにはするわけです。それから、幾つまで働いておられるか、こういうことから
考えましても、
炭鉱には行ってすぐ社宅がある、あるいは暮らしやすいということはございますけれ
ども、長く働いておりますと、初めはすぐ採炭に回って、ある
程度の収入は得られますけれ
ども、だんだん年をとってくると、仕繰りに回ったり、坑外に上がったりすると、だんだん収入は下がってくる。これは
炭鉱にとっての一つの大きなハンディです。
それからもう一つは、時間がありませんから一遍に言いますけれ
ども、一生、それから子々孫々に至るまで、孫子までも生活を託するに足る賃金か、あるいは労働条件かといいますと、そうではございません。
それからもう一つは、やめた後の問題、厚生年金の問題がございますけれ
ども、もう大きいところでは一時退職金よりも年金にだんだんなってまいりました。それを
考えますと、やはり
炭鉱について言えば生涯を託するに足る給与、あるいは子々孫々に至るまで、その生活を託するに足る条件であるかどうかということになりますと、問題がございます。それから後の老後の問題、それを含めまして検討すべきではなかろうか。
そして、ついでに言いますけれ
ども、そうしますと、
生産費と売価の問題を先ほど論じられておりました。この十年以上の
実態を
考えますと、
生産費と売価の差額を、経営改善資金として融資をしたり、あるいは肩がわりをされたりしておるところでありますが、
炭鉱労働にふさわしい給与あるいは生活環境を保障するということになると、
実態から
考えてみても、
炭鉱経営の姿というものは再検討をせられるべき
段階にきておる、形はとにかくとしてきておるということは、これは万人の認めるところではないだろうか。一遍、来てもらって、これは
保安局の人でしたからあれですけれ
ども、それは
石炭鉱業審議会の問題という
お話でしたけれ
ども、
石炭鉱業審議会の問題であると同時に、
石炭行政の基本にかかわる問題ではないかと
考えます。さらに鉱害だとかあるいは産炭地振興なんかを
考えますとなおさらだと思いますが、それらについて最後に
お尋ねをいたしたいと思います。