○近江
委員 こうした問題はやはり
話し合いでやっていくというのがあたりまえでありまして、こういう暴力事件ということは、これはもうほんとうに社会的にも非常に許すことのできない問題であろうかと思います。そういう点で、警察庁としてもさらにこの問題についてもよく調査をし、対処をしていただきたい、このように思うわけであります。これはもう一般消費者に対しましても非常に大きな問題でございますし、こういう法治国家において、警察庁もがんばっておられるのに、こういうことがまかり通るというようなことは、非常に大きな問題であろうかと思います。この点を重ねて要望しておきたいと思います。
それから、
文部政務次官にお伺いしたいと思いますが、先ほ
ども申し上げましたように、青少年、なかんずく未成年に被害が出ておりまして、中でも特に大学生が多いわけです。高校生もおります。先ほどお話があったように。全体の掌握もまだできておらないと思うのですが、それでもああした数字が出ております。これから新学期を迎え、被害者が広がることも考えられるわけですが、文部省として何らかの措置を講ぜられる必要があるのじゃないか、このように思うわけです。
そこで、一例を私、示してみたいと思うのですが、ここに手紙が来ておるわけです。これは慶応大学のH君という人からの手紙でございます。四十九年の九月九日、その中のポイントのところを読み上げたいと思いますが、六万六千円を出資した、当時十八歳、それでこの販売につきまして自信をつけさせ、ほめたりするのは、エー・ピー・オーの
一つの技術であり、卸元以上になるとこういったことをやる技術を教えられる、まさに集団詐欺と言えよう、こう書いてあります。それから、その中で、おれの言うことさえ聞けたら間違いなく月収三百万円ずつとれるよ、ただしおれの言うことを少しでも疑問に思ったら一円もかせげないぞ、百三十万円つくってこいよ、こういうことで、十月十一日に、卸元昇格のため必要な金百二十四万三千円の不足分二十万円を私の十人の友人より借り集め、金を払い込みました。その後しばらくはこの仕事を続けたが、
自分も集団詐欺の一員をしているように思え、やめようと決意する。目的のためには手段を選ばないグループリーダーたちは、
自分に課せられた本社からの毎月のノルマを達成するためには、たとえ
相手が未成年であろうと学生であろうと、予備校生であろうとお構いなしに、詐欺行為をもって卸元、総卸元に昇格させようとしています。二十四人のディーラーをつくるよりも、二十三人のディーラーに
計画的な詐欺行為を用いて彼らを一人でも卸元に昇格させられたらその方が本社はもうかるわけです。まあ、綿々と訴えております。
それから、女子高校生、十八歳、これも手記でございますが、これは福島県の子です。私を誘ったのはクラスメートだ、六万六千円ですかの出資金だけで百万円ものお金が毎月コンスタントに入ってくる話を聞いて、いいなと思ったのも事実です。この説明会場に連れていくとき、あらかじめ何も知らないことにしてと言われました。なぜなら、この
内容は人に言ってはいけないらしいのです。私は六万五千円をつくるのに苦労したのにやめようと思いましたが、お金を払った後でしたので、おそかったのです。後悔をしておることがずっと書いてあります。
次に、新聞配達をしながら東京で二部の大学に通っておる学生、二十歳の手紙です。大学のクラスの友人から電話があり、話があるので国電千駄ケ谷駅で待ち合わせようとありました。その友達は私と同じく新聞配達をしながら学校に行っておる人です。連れていかれたのは
日本青年館でした。こういう有名な会場をどんどん使っておるわけです。そしてその後、説明会が終わってから喫茶店に連れていかれた。そして、周りの雰囲気にのまれ、あれよあれよという間に販売店申請及び同意書に印を押してしまった。それで、帰ってからいろいろと考え、断ることにして、
契約をキャンセルしてください、キャンセル料を持ってきましたと言いましたが、それはこのエー・ピー・オー・グループでは認められない、六万五千円を払い、品物を持って帰れと言われました。キャンセルをさせないわけですね。私は友達を信じ、六万五千円を出してしまいました。私にとって六万五千円は、一年間新聞配達をしながらこつこつと蓄えたものでした。友達は、彼自身がいやな思いをし、困ったことを私に移しかえたということです。私は裏切られたような気持ちでいっぱいです。友人関係をこのように破壊していっておるわけですね。
次は、北海道の大学生の手紙ですが、北海道に学ぶ一学生です。
相手が同じクラスの友人だし、信用して行ったのです。説得で私はついに入会することに決めて、入会金、商品購入のための六万六千円を借金して集めた。最初の一カ月は借金返済のために一生懸命
努力しましたが、ことごとく失敗に終わり、ついにあきらめました。でも、いま考えれば、他の人をリクルートしなくてよかったと思っています。
自分と同じように苦しむ人がふえることを考えたらというようなことで、この人も非常に反省のそれを書いておるわけです。
こういう手紙を読み上げたわけでございますが、文部省として、こういう学生、大学生や高校生が巻き込まれておるこういう問題に対しまして、何らかの処置を講ずる必要があるんじゃないかと思いますが、その点につきまして御答弁をいただきたいと思います。