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増田政府委員 お答えいたします。
石油開発公団の今回の
改正点で、そのうち
石油開発に関する四点について、その趣旨を申し上げたいと思います。
まず第一は、従来、
石油開発公団自身が
探鉱する
権利を取得するということはなかったわけでございまして、それらは
企業が行いまして、そして
石油開発を行う、この
企業に対しまして
石油開発公団が
出資もしくは
融資をしてその
助成を行う、こういう形になっておったわけでございますが、これらの
業務に加えまして、
石油開発公団に、いわゆる直接
利権取得と私
ども言っておりますが、
探鉱する
権利あるいはその他それに類する
権利を取得するという権限を与えるということが第一点でございます。
これは
石油開発公団が発足いたしまして約七年以上たっておるわけでございますが、その後のいろいろの経験によりまして、この
利権取得につきまして、相手方が
石油開発公団と直接
最初の
契約をしたいというような場合が起こったり、あるいは直接
利権の取得
契約をいたしますのにつきまして、まだその
企業が、
会社が設立されていないということで、しかもその期限が迫っているというようないろんな事態が、現実にこれを運用して出てきたわけでございます。その点ができるようにいたしますために、今回の第一の
業務の拡大の範囲といたしまして、直接
利権の取得ができるということでございます。
ただ、これにつきましては、これは後で
企業に引き継ぐということで、私
どもは一年以内に
企業に引き継ぐということを考えておるわけでございます。
それから、第二点でございますが、最近の傾向といたしまして、産油国におきまして、いわゆる採掘権をその産油国自身が保有をするという場合がいろいろ出てきたわけでございます。そして、そこの国営
石油会社がみずから
探鉱をし
開発をし、それから
石油の販売をする、こういう傾向が非常に出てきております。そういう場合に、
石油開発公団が直接この産油国の国営
石油会社に対しまして、いわゆる
融資をして、そして
融資をすることによりましてその
探鉱開発が進むわけでございますが、その
融資の見返りとして
石油の一定量を販売してもらう、こういう
契約、これを私
ども融資買油と言っておりますが、これができるようにいたしたいというのが第二点でございます。
それから第三点は、従来、
石油開発公団の対象となっておりますのが
石油と可燃性天然ガスであったわけでございますが、最近この
石油にかわる資源といたしましてオイルシェールそれからオイルサンドの
開発というものかいろいろ言われております。もちろんこれにつきましてはその価格が相当高いとかあるいは技術的にもっと詰めなければならない点があるわけでございますが、埋蔵量がそれぞれ現在の
石油の数倍あるわけでございまして、将来
石油にかわる一つの資源でございますが、これの
開発に関する
融資、
出資というものを
企業に対して行うということを第三点として
業務の追加をいたしたい。
それから第四点は、本邦周辺の海域におきます
石油の
開発につきましての
融資、
出資業務でございます。これにつきましては午前中も御
説明いたしたわけでございますが、従来は領
海外の大陸だなにつきましては目的達成
業務ということで読んでおりまして、事実数件すでに
融資の
業務を行っておるわけでございますが、それに加えまして領海の中におきます
石油の
開発というものを対象にしたいということでございます。この領海は現在三海里ということになっておりますが、近く十二海里に広がる、しかもここら辺のところに非常に有望な
石油が発見されそうだということでございます。新潟沖あるいは秋田沖、それから常磐沖その他現在も作業をやっておりますが、これらが十二海里ということになりますと領海の中に加わる。そうなりますと、
石油開発公団が
海外におきます
石油開発に対する
助成を行うということになっておりますが、それが読めなくなるということで、この領海を含めますために今回本邦周辺の海域というものを対象にするということの
改正でございます。
以上四点の
改正をいたすわけでございますが、それからいま野間
先生からお話のありました最近の
石油開発というのがブームだと言われている、その実情はどうかという
お尋ねでございますが、これにつきましては、最近世界の各地域におきますいわゆる掘削井と申しますか、
石油のための井戸を掘ります坑数が非常にふえてきておるわけでございます。
石油危機を契機といたしまして、
石油の見直しあるいは
石油の価格が非常に高くなったことによりまして、世界的に
石油開発の一つのブームが来ておるわけでございます。これは
日本の中ではむしろ
石油開発が最近のようにいろいろ
事業参加、いわゆるパーティシペーションということで魅力のないことではないかということが言われておりますが、現実には世界におきまして
石油の
開発というものが非常なブームになっておる。簡単に申しますが、七三年におきます掘削井の数が約三万五千件であったわけですが、七四年には四万一千六百にふえでおります。こういうように約二割以上上がったわけでございますし、また現実に
石油開発公団が現在ビルマとかバングラデシュでいろいろ作業をさせておるわけでございますが、そこで井戸を掘るためのリグが足りなくなっているというような事態が起こっております。そういうことで、
石油につきましてはむしろ掘削のためのリグが世界的に不足するというような状況になっております。それが最近
石油開発がブームになっているということが言われている理由でございます。
以上でございます。