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板川委員 これは過去二年間、
通産大臣がここで
報告をしたし、そういう約束になっておる。今度の
報告の中でそれに触れてないから、一体これを守るつもりがあるのか、あるいはこの辺でごまかしておこうというのか、ちょっと伺っておいたわけであります。
時間となりましたから、私は最後に
一つだけ
大臣に伺いたい。
大臣のあいさつの中でちょっと気になる
言葉があるのです。この三ページに、私は産業界の方々と懇談いたしましたが、主要産業の景気の実態は、昨年十二月末ないし本年一月から急速に様変わりし、不況の進行には著しいものがあると
判断されます、こう言って、大変不況を心配しておる。産業界の方々と懇談するというのは、私はちょっとひっかかる。じゃ、何で
中小企業者や消費者の皆さんとも話さなかったのか。産業界の方の
意見を聞くことが悪いと言っているのじゃないのですよ。
意見を聞いても結構だけれ
ども、それはさておいて、ここでは
通産大臣の見解を言うべきであって、産業界の意向をどうこうと言わなくたっていいんじゃないかなという
感じがするのです。
中小企業者と会ったということはない。
それで、
中小企業の方にどういうふうに書いてあるかというと、総需要抑制の結果、
中小企業を取り巻く環境が極度に悪化している、だから健全な経営を行う
中小企業に不当なしわ寄せが生じないように、という。いまこの記録的な倒産をしているのは不健全な
中小企業であって、健全な経営を行っておる
中小企業にはそういう心配はないのだ。生じないように万全を期していくというのは、いま起こっている実態に目をふさいで、倒産しているようなのは不健全なやつだ、こういうふうにもとれるのですね。一番困っているのは
中小企業じゃないでしょうか。
中小企業が倒産しているのですよ。大企業は倒産してませんよ。だから、そういう
意味で、産業界という大企業の
意見だけ聞いて
通産大臣としての
意見を言うことは
——まあ
意見を聞くことは構わないと言っているのですよ。しかし、こういう国会に出す文章に、産業界の方々と会ったらどうこうなんて載せる必要はないだろう、私はこう思います。十分気をつけてもらいたいと思うのです。
あと二、三分ありますが、消費者物価を対前年同月比一五%
程度にとどめる、ほぼ達成可能と見込まれるに至りました、と言っているのです。この間も私
質問したのですが、
通産大臣は一五%の上昇率はほぼ達成の可能性ができてきた。経済企画
庁長官のあいさつは、十分達成できる、こう断言している。私はこれはどうも余り高く置き過ぎていると思っているのです。あの際にも言いましたけれ
ども、一四%を割るのじゃないか。一月の消費者物価は前年同月比一六・八%。去年の一月は前年同月比どのくらい上がっているかというと、二三・一%、二月は二六・三%。去年の一月と二月の間に三・二%消費者物価は上がっている。そして、ことしは一月は前月比にして〇・四%でも下がっているというのですから、下がらなくてもいい、一月と同じ横ばいで計算しますと、三%何がし下がることになる。そうすると、二月は一三%台ということもあり得る。三月に若干上がったとしても一三%台というのも可能だ、こう私は言っておったのですが、何かきのうの
新聞でもそういう
政府の見解が発表になったようです。前年同月比から一三%台ということになると、
大臣は、総需要抑制の枠内において、財政面、金融面から細かい対策を講じていく、こう言っておるのですけれ
ども、この枠内においてということがひっかかるのですよ。総需要抑制という方針のもとにやるという
気持ちでありましょうが、こういうように物価が安定してきた場合には、今度は
不況対策というものに
通産大臣として頭を使わなくちゃいけないのじゃないかと思います。記録的な倒産の現状等を
考えて、ひとつ
不況対策というものに心を砕いてもらいたいということを要望いたしまして、私の
質問を終わります。