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長谷川国務大臣 ただいま
議題となりました
作業環境測定法案につきまして、その
提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
作業環境の
測定は、有害な
業務を行う作業場につきその
空気環境その他の状態を正確に把握し、
労働者の健康にとって適正な
作業環境を確保するために行うものでありまして、
労働衛生対策の基礎となる重要なものであります。このため、労働安全衛生法では、一定の有害作業場について定期に
作業環境の
測定を行うことを事業者に義務づけているところであります。
ところで、
作業環境の
測定は、
作業環境中の微量の有害物について行うものであり、そのための十分な知識と特殊な技術とが必要であります。
このため、労働省では、適正な
作業環境測定を確保するための法制の整備が必要であると考え、それに関する構想を、昨年二月中央労働基準審議会に諮問いたしましたところ、同審議会から適当である旨の答申をいただきました。
その結果に基づいて、
作業環境測定法案を作成し、ここに提案した次第であります。
次に、この法律案の内容につきまして概要を御説明申し上げます。
第一は、この法律の目的であります。
この法律は、労働安全衛生法と相まって、
作業環境の
測定に関し必要な事項を定めることにより、適正な
作業環境を確保し、もって職場における
労働者の健康を保持することを目的としております。
第二は、
作業環境測定士及び
作業環境測定機関についてであります。
作業環境測定士とは、労働大臣の登録を受け、事業場における
作業環境測定の
業務を行う者をいうものとしておりますが、この登録を受けるには、
作業環境測定士試験に合格し、かつ、所定の講習を修了することを必要とすることにより、
作業環境測定の能力の公的な担保を図ることとしております。また、
作業環境測定機関とは、登録を受け、他人の求めに応じて事業場における
作業環境測定を行うことを業とする者をいうものとしておりますが、この登録を受けるには一定の基準に適合していることを必要とするとともに、登録を受けた
作業環境測定機関について所要の監督、指導を行うことにより、その
業務の適正化を図ることとしております。
第三は、
作業環境測定士等による
作業環境測定の実施についてであります。
事業者が、労働安全衛生法の規定により
作業環境測定を行うことを義務づけられている作業場のうち一定のものの
作業環境測定を、みずから行うときはその使用する
作業環境測定士に、他の者に委託して行うときは
作業環境測定機関に、これを実施させなければならないこととしております。
その他この法律案におきましては、指定試験機関、指定講習機関等につきまして所要の規定を設けることとしております。また、その附則において、施行期日につきましては、公布の日から起算して三月を経過した日から施行することとし、
作業環境測定士または
作業環境測定機関による
作業環境測定の実施の義務づけその他については公布後二年または一年以内で政令で定める日から施行することとする等所要の規定を設けることとしております。
以上、この法律案の
提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。