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金丸(徳)
委員 長官が十分慎重にお考えになった上での措置であれば、それで私は満足いたします。と言いますのは、私は、この扱い方の可否、善悪を言っているわけじゃない。むしろ、そういうことをやってもらったがために
地震予知というものが、いまジャーナリズムも大きく取り上げておるように、また世間でも大きく関心を持つことになった。そして
調査をすればするだけ、やはりある
程度わかってくれるということにもなったものですから、非常に期待もすることになったと思います。そういう
意味におきまして今度の川崎問題というものは、これは将来に向かって非常に前進のきっかけになるであろうと私も思います。
そこで、問題はそれだけではいけないのであって、こういうことにかんがみても、
予知対策なり
地震対策全般について、先ほど申しましたように、格段の力を入れなければ
国民の期待に沿うことにならぬのではないか、こう思いますものですからお尋ねいたすのでありますが、いかがでありましょうか。
今度の
地震予知連絡会議の設置にいたしましても、あるいは推進
連絡会議の設置にいたしましても、またその
活動にいたしましても、その発端、根拠となったものは何年か前の測地学審議会の
政府に対する建議だったのですね。これも私はどこかの機会に申したことでありますけれども、連続三回にわたって同じ問題を強力に
政府に建議したというのは、測地学審議会の
地震予知に関する建議だったと思います。それほどに問題は重大で、また火急であったのであります。それを受けまして
連絡会議もできました。各
関係機関も機構も強化し、予算も重ねられて
活動を進めていったのでありますが、しかし、そうした中において、
政府の対応するところは、この建議どおりにいっておるかどうかということであります。
実は、これは先ほどの本
委員会におきましても質問の中に出てまいりました。この建議を各条項にわたって一々吟味してまいりますれば、
長官にも思いを非常に新たにされるところがあるだろうと思うのですが、それだけの時間がございませんから何しますが、各機構も充実し、予算も取る、その予算は十年間——今後これは五年計画でありますけれども、百三十億くらいの金があればとかということになるんだそうであります。ところが、実際にはなかなかそういっておらないようでありますが、
国土庁が設置されて、ここでいよいよ
国土庁の予算を立てることになります。この機会において、私は、この測地学審議会の権威というものを
長官、事務当局と一緒に改めて御
研究になられて、そしてその決意の中で行動を起こしていただきたいのであります。
もちろん、その行動というものは
国土庁を除いて
関係五大臣もやっておられると思う。しかし何にいたしましても、たとえば
国土地理院にいたしましても、その発端というものは
地震予知とかということではなかった。これは地図をつくるとか測量をするとかということの仕事であった。運輸省の水路部にいたしましても、海上輸送の安全を期するために水深を調べたり潮流の
状況を調べたりということが初めだったと私には思えるのです。しかし、そうした仕事をしておる間に、それは海底の
状況をつかむことになり、その海底の
状況をつかむことによって海底
地震の
状況をも知ることができ、それが
日本全体の
地震予知の仕事に大きく貢献することになった。
言うなれば、生まれはほかのことだったんだけれども、いまの仕事は、それほど世間に期待されるということではないでしょうか。通産省の地質
調査所にしてもしかりであります。工場その他の事業場の安全を期するためにその地質を調べておった。しかし、その地質を調べた結果というものは
地震予知の上に大きく貢献するであろう。まさにそうだ。しかし、発端が発端であるだけに、
国民の方からしますと、何か割り切れぬものを感ずるのであります。改めてそうしたものを統合するような形におけるこの重大問題処理の機構というものを、この際、考えなければならないのではなかろうか。測地学審議会の
先生方が遠慮しながら物申した中においても、そう受け取れるところの立言が随所に見られます。この際、
長官、いかがでございましょうか。